2012年08月31日 20時41分

「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅(11)。

13:04に「金指」駅に到着。ここでは8分停車で13:12に出発です。

この駅はまずプラットホームが文化財です。特に三角形を組み合わせて作られた屋根を支える構造体は芸術的とも言えます。これほどの美しい柱を私は見たことがありません。天浜線の一押しと言っても過言ではありません。以上は個人的な感想ではありますが、乗った列車の停車時間が短ければ、是非、せめて車窓からでもご覧(ご確認)下さい。

一方、駅舎で私の目を惹いたのは自動販売機の左側にある柱です。良いアクセントになっています。

もう一つの文化財がこの貯水槽です。改札を抜けて取り敢えずその存在だけ確認してきました。蒸気機関車の全盛時代、こうした貯水槽は日本全国、どこでも見られたものですが、それがこうして“文化財”となる時代が来るとは思ってもみませんでした。ところで先日、若い方と話しをしていて驚いたのですが、蒸気機関車では「石炭」よりも「水」を大量に積む必要があり、その「水」のために一定の区間で給水停車を行っていたことを「最近まで知らなかった」と話していたことです。

ところで天竜浜名湖鉄道では登録有形文化財を巡る「天浜線文化財列車」というツアーを定期的に行っています。以前から私はそのツアーに参加したいものだと思いつつ、この日(7月28日)を迎えていました。正直言って、“解説”付きで回れるので、次回の開催を待とうかと思いはしたものの、スケジュールが合うかどうかは『賭け』みたいなものでもあり、今回思い切って出かけることにしました。定期列車にただ乗っているだけでは、全ての文化財をちゃんと見て回れるわけではありませんが、それでも登録有形文化財のある駅での交換待ち(でなくとも必ず停車はする!)は何度かあるはずで、ある程度は体感できることが出来ます。また私のように「西気賀」駅で昼食にすることで、見学場所を増やすことも可能です。

2012年08月30日 20時48分

「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅(10)。

「西気賀」駅にレトロ色のTH3501が入線してきました。時間は12:50。私の乗車予定の掛川行きが12:55発ですのでここで交換・・・のように見えますが・・・。実はこの列車、定刻ではこの駅を12:21発で、30分以上遅れての運転でした。

掛川を10:57に出た列車が車両故障のため「天竜二俣」駅で車両交換したとか聞きましたが、それ以上遅れの理由を突っ込んでは聞きませんでした。私の乗る予定だった列車とは本来なら「三ヶ日」駅で交換だったので、ひょっとしてTH3501は「三ヶ日」までとりあえず向かうかと思いきや、その後もこのまま停車しており、こうして更に遅れの時間が広がることになったのですが、「新所原」の停車時間が20分近くあるのと、この天浜線の列車は列車交換する場合は、結構停車時間もあるので他の列車への影響を考えれば、ここ「西気賀」駅での交換にもちゃんとした理由がありそうです。

この写真は上の写真をトリミングしたもので、出発信号機の高さを見てもらうためにUPしました。昨年の7月3日、いすみ鉄道「国吉」駅の信号機の話しをUPしましたが、天浜線の方が若干高い位置にあるように見えましたが、いすみ鉄道の出発信号機の話しを書いた時に、「他にもありますよ!」とは「鉄」友から聞いてはいたものの、その時はあまり気が無く、天浜線に乗ってからその言葉を思い出しました。

「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅(6)で「新所原」駅の出発信号機を“覚えておいて…”と書きましたが、ここ「西気賀」駅の出発信号機と『高さ』を比較してみてください。

そうこうしている内に上り「掛川」行きが定時で顔を見せました。私の写真は説明的な場合が多いのですが、この写真は私なりに旅情を心象的に撮ったつもりです。単なる自己満足です。ハイッ!

 

2012年08月29日 20時24分

「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅(9)。

8月23日からほぼ1週間ぶりの「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅です。続きでお読みください。

散歩から戻り、12:55の列車到着まで再度登録有形文化財のチェックです。まずは「登録有形文化財」のプレートです。

ここには登録番号が記載されており、そこには『第22-0146号 この建造物は貴重な国民的財産です 文化庁』の文字がしっかりと読めました。またこのプレートの上には「西気賀駅本屋」「西気賀駅待合所」の表示もあり、登録されているのが今シリーズ(7)で紹介した本屋と待合所であることがちゃんと分かります。

ところで「待合所」という言葉は、正直言ってあまりピンと来ていませんでした。Wikipediaには「何かを待つ間に雨雪、風や寒さ、日差し、排気ガスなどをしのぐために設けられた、一般的には簡易な建物。建物内にある場合には待合室と呼ばれるが…」との記述がありましたが、何となく私のイメージではバス停であり、鉄道駅には???ちょっと???という気がしないでもありません。

もっともこうして「西気賀」駅の待合所を見てみればまあ“待合所”という表現が合っているとは思ってはみたものの、これまで私はこの場所をどんな風に呼んでいたのでしょう?ホーム待合室?だったような・・・。やっぱり「待合所」だったっけ?まあこのブログに改めて書こうとして、“正式名称”って何だったのだろうと立ち止まることはよくあることです。

それにしても、例え地元の人であろうと、ただ通り過ぎる旅の人であろうと恐らくこの建物を『文化財』と思う人は少ないでしょう。この表現はその価値を貶めるつもりで書いているのではなく、日常の中にこそ「文化財」として価値のあるものが存在しうる…、また日常の中に潜む歴史的価値のあるものに気付く心を持ちたいと思うからです。

写真に写っているベンチで列車を待ちながらしばし文化財について考えてみるのも良いのではないでしょうか?

2012年08月28日 21時25分

「シキ」矢田川を渡る。

昨日(8月27日)、南田裕介さん撮影の「シキ」をUPしたところ、南田さんの撮影場所の相談を一緒にした古池直之さんから1枚の写真が届きましたので今日はそれを紹介します。

中央本線の「大曽根」~「新守山」間にある矢田川橋梁で、逆光なおかつバックショット狙いで撮影したとのことでした。(9:56頃撮影)

この写真について撮り鉄ではない私が感想を述べるのも如何なものかとは思いつつ、それでも少し書かせていただきます。

まず列車がシルエットで、それにより青空がより強調された感じがし、どこかのんびりというかまったりとした空気感を感じました。逆光撮影というのはこういう効果もあるんですね。またバックショットであることがよりそう感じさせるのかもしれません。

昨日の南田さんの写真もそうですし、古池さんの写真も同様ですが、私の写真との決定的な違いは電柱の配置です。例えば電化路線の場合、列車編成のどこに電柱を“配置”(という表現でお許しください)するかがポイントとなってくると思っていますが古池さんの写真でいえば、機関車と積荷に電柱がかかっていません。南田さんの写真にも当てはまります。(私のレベルとは全く異なります)

「シキ」の積荷の位置は、実際に走っているところを見ることが極端に少ないので、事前に感を働かせることも難しいでしょうからある種偶然かも知れませんが、それでも絶妙のタイミングのシャッターであったと思います。

実は名古屋の撮り鉄さんたちのグループが共同で写真をUPしているブログがあり、それをよく見に行くのですが、私(乗り鉄)のコンデジ写真とは全く異なり、隅々まで計算されたその構図には毎度唸っています。『餅は餅屋』というか、『撮り鉄』は『撮り鉄』であり、『乗り鉄』とは異なる世界がそこにあることを改めて感じた今回の「シキ」でした。

鉄道趣味は奥が深いですね。

2012年08月27日 21時25分

大物車「シキ」走る!

土曜日(8月25日)に行われた24時間テレビのイベント「芸能界鉄道研究会 鉄研」のトークショーで、南田裕介さんが「明日の日曜日(8月26日)は、大物車「シキ」を追いかけています!」と発表したところ、日産名古屋ギャラリーの会場に集まった観客の方から「写真が見たい!」という声があがり、その際、南田さんの代わりに私のこのブログで写真をUPすることになりました。

で、そのお約束の「シキ」がこの写真です。撮影は当然ですが南田裕介さんです。

「本当に良い天気ですねぇ。」と言った感想はともかく場所はJR東海道本線「木曽川」駅から「岐阜」方面に暫く歩いて行った定番の撮影スポットです。

ところで「シキ」の撮影場所の選定は、私が思うに鉄道写真のジャンルにあっても他の車両とは少々事情が異なっていると考えます。まず「シキ」が「シキ」たるゆえに、絶景ポイントで風景に溶け込むような列車の美しさよりは、やはり積荷が何であるかがわかることが肝心でしょう。また正面から狙いすぎても積荷がわかりません。

ということで、名古屋にお住いの「鉄」の方ならご存知の方も多いと思う写真集『僕はパノラマカー』を出版された鉄道写真家・古池直之さんにも撮影場所選びに入って頂き、吹田~東海道本線~中央本線~春日井と走る列車ならややどころか定番すぎるかも知れないがここは無難にこの場所を勧めた次第です。

※朝の時間帯で『順光』であることも前提の一つでした。

撮影した時間は8:50過ぎとのことで、この後は稲沢で20分停車の後、春日井に10:04到着でした。さて南田さんのこの写真を撮影た後のスケジュールですが、「木曽川」駅に急ぎ戻ったものの、結局「稲沢」では追い付けず、是非にと願っていた「名古屋」駅“通過”する「シキ」も見ることができず、結局「春日井」でやっと巡り合ったそうです。

それにしても見慣れない光景ではありましたが、面白さへの興味を惹くには十分でした。

 

 

2012年08月25日 23時36分

24時間テレビ「鉄研」トークショーへのご来場御礼

本日(8月25日)は、岐阜県各務原市にあります「イオンモール各務原」及び名古屋・栄の「日産名古屋ギャラリー」で開催しました24時間テレビ「芸能界鉄道研究会 鉄研」トークショーにおいで頂きありがとうございました。またチャリティーにご協力頂きありがとうございました。

写真はイオンモール各務原でのトークショーの様子で、右側から木村裕子さん、スギテツのお二人(岡田さん・杉浦さん)、南田裕介さん、中京テレビ新人アナウンサーの松原朋美です。

さて今回どんな鉄トークが炸裂したかの一端をここで公開。

※今回トークショーを開催した3会場での話しを纏めており、1か所だけおいでいただいた方にはお聞きにならなかった話しが含まれています。

*木村裕子さん…ファンの方たちと東日本大震災で被災した三陸鉄道に出かけたこと。石巻線「女川駅」に行ったこと。豊橋鉄道の「おでんしゃ」を楽しんだこと。

*スギテツさん…7月7日に名鉄「中部国際空港」駅の発車式に参加し、『ミュースカイ』と音楽のコラボレーションを行ったこと。JR東海「リニア鉄道館」のCMのためにその「リニア・鉄道館」で『0系新幹線』の警笛を録音したこと。(リニア・鉄道館の『0系』の警笛の音が出ることを初めて知りました)

*南田裕介さん…明日(8月26日)、東海道本線~中央本線で運転される“シキ(大物車)”を追いかけること。

などなどでした。

 

最後に今回会場をお借りしたイオンモールの担当者の方と撮影した記念写真を掲載し、「鉄研」トークショー実現にご協力いただきました皆様への御礼に代えさせて頂きます。ありがとうござました。

まだまだ24時間テレビは続きます。引き続きチャリティーへのご支援を賜れれば幸いです。

 

2012年08月24日 12時58分

明日は24時間テレビです。

明日(8月25日)・明後日(8月26日)の2日間、中京テレビ(日本テレビ系列)では『24時間テレビ35「愛は地球を救う」』を放送します。それに伴い今年も中京テレビでは様々なイベントも企画しており、皆様のあたたかいご協力を各イベント会場でも呼びかけます。

そして「芸能界鉄道研究会 鉄研」ではトークショーを8月25日(土)に開催します。今年の参加者は『木村裕子』さん、『スギテツ』のお二人、そしてホリプロマネージャーの『南田裕介』さんの4人で、イベントスケジュールは次の通りです。

会場1)イオンモール各務原(岐阜県各務原市那加萱場町3-8)

(1回目)11:00~11:30

(2回目)13:30~14:00

会場2)日産名古屋ギャラリー(名古屋・栄地下街)

(3回目)16:00~16:30

写真は24時間テレビとは何の脈絡もなく見える「いなみ」駅の駅名標です。が、実はこの写真は8月某日に木村裕子さんが私に送ってくれたもので、何で紀勢本線に乗っているのだろうか?などという疑問はさておき、私の名前の駅名標であるというより、こうした写真を咄嗟に撮影しまうということだけでも、明日のトークショーでまたまたディープな世界が展開される予感がしてきます。

乞うご期待です。

 

 

 

 

2012年08月23日 22時46分

「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅(8)。

一括りで『浜名湖』と言っても、別名のついた“湾”もいくつかあり、「尾奈」駅~「都筑」駅の間で見られる水域は『猪鼻湖』と呼ばれています。そして今回の写真は『細江湖』と呼ばれる所で、撮影したのは昼食を摂った「西気賀」駅から歩いて5分ほどの場所でした。

岸辺に腰を下ろして水面に浮かぶ鳥の群れを眺めつつ、一人何も考えずに「ボーっ」としているのは、「どれ位ぶりであろうか?」などとどうでも良いことを考えていました。正直言って心は穏やかだったものの、その程度のことしか考えられない自分が情けなくもありました。それより、強い日差しの中で一人耐えるように湖岸に佇む男性の姿は他人からはどのように見えたか心配です。

まあそんなことは別にして、食後の散歩を楽しんだのは間違いありません。11:55に到着して次の列車の出発時間は12:55のジャスト1時間は、食事+散歩を楽しむのに丁度よい感じでした。

2012年08月22日 22時56分

「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅(7)。

お昼時にかかる時間帯で『「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅』をする場合、一番の思案のしどころがどこで昼ご飯を食べるかという点です。

選択肢はいくつかあるのですが、ここはやはり「西気賀」駅の“駅ナカレストラン”を選択することにしました。

「西気賀」駅には11:55着。TH2104号の“パノラマ”展望シートならぬ運転席横の特等立席からみた「西気賀」駅は、如何にも昭和の国鉄駅、しかも典型的なローカル線の駅に入線した感じでした。その存在全てが私にとって懐かしくもあり、しかもここには『現役』の存在感があり、感慨無量でした。

この駅にも2つの登録有形文化財が存在します。まずはこの「本屋」です。ホームを切りかけてそこにある階段は、以前はどこでも見られた光景ですが、最近ではあまり見かけません。列車を降りてこの構内踏切を渡り、階段を上り改札の木製ラッチを通り抜けた時「昭和の時代を知っている」自分が妙に愛おしく思えました。まあ、単にそれなりの年齢にただ達しているだけなのですが…。

そしてこの駅舎を正面から見て出入り口の左側、昔は駅員さん達が忙しく働いていた場所が今はレストランになっています。

店の名前は「グリル八雲」。以前がどうであったかは知りませんが、今の営業時間は、平日が(火曜日は定休日)は11:00~14:00のランチタイム営業で、土日祝は11:00~19:00で食事ができます。

昼間の列車のほぼ1時間間隔は、ここで昼食を摂るには丁度良い時間で、いつものひたすら“乗っているだけ”を少し反省し、ゆっくりとレストランの客となりました。

2012年08月21日 20時04分

「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)文化財めぐりの旅(6)。

平成24年7月28日の11:22。「天竜浜名湖鉄道」(天浜線)登録有形文化財めぐりの旅がいよいよ始まりました。

※ここ「新所原」駅の出発信号機を少し覚えておいてください。

 

天竜浜名湖鉄道がHP(駅に置いているパンフレット)で国の登録有形文化財を掲示している順番は、「掛川」が起点となっており、今回私はそれと逆方向での旅をしており、何らかの資料を参照している方にとっては分かりづらいかと思いますがご容赦ください。

さて私のこのブログで最初に登場する文化財がこの駅「三ヶ日」です。この駅舎が正に“文化財”です。と書きつつ、実はこの「三ヶ日」駅が「新所原」駅から最初の“文化財”ではありません。あくまでもHP・パンフレット等での話しで、実際には「知波田」駅~「尾奈」駅の間にある『利木隧道(りきずいどう)』も2011年1月26日に登録されています。参考までに天竜浜名湖鉄道の登録有形文化財は36ありますが、紹介されているのは30です。アプローチのし易さなども考慮されているのでしょうか?

因みに「三ヶ日」駅の選定理由は『国土の歴史的景観に寄与しているもの』であり、「利木隧道」も同じです。

文化財だけではなく、時折進行方向右側に姿を現す浜名湖の風景の旅情も格別です。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!