2012年09月15日 21時18分

白井昭氏の講演会。

NPO法人「名古屋レール・アーカイブス」では本日、名鉄パノラマカーの生みの親で、大井川鐵道での蒸気機関車の動態保存と井川線アプト式新線を手掛けたことで知られる「白井昭」氏(「名古屋レール・アーカイブス」初代理事長)の講演会『昔の鉄道を語る会』を開催しました。

御年85歳とのことですが、よく通る声で『昔=昭和』と言っても58歳の私が生まれる前の話しも満載で 、またデジタイズした貴重な写真の数々も披露され、14:00から16:45頃まで熱弁を振るわれました。

写真は「いもむし」の愛称で親しまれた3400系で、3両編成ということはまず間違いなく私は生まれていません。さて3400系に限らずどんな話しがされたかというと、名鉄線を走った蒸気機関車牽引の貨物列車を皮切りに、白井氏の専門分野である鉄道技術についてが中心で、モーター、台車、集電装置であったりだったのですが、名鉄に限らず名古屋市電の話しも興味を惹きました。白井さんは笑いながらですが「生きていたら来年中にも『鉄道技術史』を纏めたいと話されており、その中で今日の話しも織り込まれると期待が高まりました。

ところで白井さんは機会がある度に「鉄道は鉄道だけを研究するのではなく、時代の背景を知ることが必要であり、時代があるからその時代の鉄道がある」と言われています。そして「日本は日本であり続けたのではなく、終戦後アメリカ領だった(オキュパイドジャパン)ことを知ることが必要であり、知らないと落とし穴になる」とも言われています。今日も時代背景の興味深い話しが要所要所に登場し、あっという間に時間が過ぎていきました。

ちょっとおまけですが、今日の会場は「名古屋市市政資料館」です。重厚な感じをお感じ頂けると思いますが、それもそのはず国の『重要文化財』です。

今日もこの雰囲気の良さもあって「結婚式」が行われていました。(1年間にそれなりの件数があると聞いています)

それだけではなく、今日は見かけませんでしたがコスプレを楽しむ若い女性達が互いを撮影し合っているのを1度ならず見ていますし、モデルを撮影するカメラマンを見ることも珍しいことではありません。またドラマの撮影でも使われています。

大正時代に作られ昭和54年まで現役の裁判所だったこの建物は、「昔の鉄道」の話しを聞くに、正にこれ以上ふさわしい場所は他にないと思いました。

*地下鉄「市役所」駅からもここまでくる間に、瀬戸電名物だった名古屋城の「お堀」の廃線跡も楽しめます。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!