2012年12月29日 21時58分
平成24年12月28日(金)、台湾の桃林鉄路「林口線」の最終列車が走りました。
日本の鉄道路線の廃止ともなれば各メディアが大きく取り上げますが、台湾の1鉄道路線の廃止を取り上げた日本のメディアは少なくとも私は見つけられませんでした。
今回この「林口線」の廃止をここで書こうと思ったのは、この路線が極めてユニークな存在であったこと。それはもともと1968年に貨物線で開業し、その後、2005年に旅客営業を始めたものの1日2往復のみ。しかも運賃無料!(本当に無料でした)であったことなどがその理由ですが、今回は貨物営業・旅客営業とも終えることになりました。(参考資料:Wikipedia他)
この写真は今から4年前の平成20年(2008年)8月26日に撮影したもので、その起点「桃園」駅で停車中のDRC1033+DRC1034の2両編成。3305レは定刻では17:30の出発でしたが、このホームへの入線は10:29。「来た!」と思ったら直ぐの17:33に出発しました。
※「桃園」駅は「台北」駅から『自強号』で約30分。名古屋(中部国際空港)から台北行きの飛行機が到着する台湾桃園空港の“最寄駅”です。
※「林口線」の「桃園」駅は台湾鉄路局(日本でいうJR)の駅とは同一構内にありません。それほど遠くは無いのですが、少々不思議な空間にありました。
これが時刻表。台湾で使われる漢字は日本人にも馴染みやすく、“読み”はともかく、“視覚”では駅名が認識できますね。それはともかくまず1日2往復であることは見て取れます。「桃園」駅を出た列車は片道を30分かけて走りますが、「桃園」から終点の「長興」までの距離は、wikipediaによれば11.7キロ。途中の駅が3駅であることを考えると時間が結構かかっているように見えます。実際のところ列車の時速は30キロ程度しか出しておらず、ここまでの情報の範囲内ではいったいどんな過疎地であり劣悪な線路状況で走っているのかと言いたくなりますが、実際には住宅地であったり、工場地帯であったりを走っています。
※往路が「去」。復路が「回」というのもわかりやすくていいですね。
写真は「桃園」駅から2駅目の「宝山」駅です。乗降は結構あり、この写真を見る限りどこかの通勤路線の駅といったら信じてもらえそうですね。
ところでこの「林口線」ですが、私が乗車した4年前は「長興」駅が終点でしたが、その後「海湖」駅まで旅客営業区間が延ばされ、そして今回の終焉を迎えました。とはいうものの貨物列車の終点は「海湖」駅の一つ先にあって、路線名の由来でもある「林口」であり、知れば知るほどユニークな存在というのがご理解いただけると思います。でも本当に面白いというかビックリしたのは当時の終点「長興」駅での出来事でした。また次回。