2012年12月30日 21時46分
(日本では多分?)ありえない鉄道の話し。
写真を撮影した順番と、今回の掲載順は異なりますが、話しをわかりやすくするためということでご容赦を。
写真は、当時の「林口線」旅客列車の終点「長興」駅です。列車は“下車するお客”が降りるとすぐに終点「林口」駅(貨物駅)方面に向けて出発しました。
“下車するお客”とわざわざ括弧書きにしたのには理由があります。実は、乗客の殆どは終点の「長興」駅で下車していません。また私も含めてですが、車内に乗客を乗せたまま列車は何事もなかったかのように数百メートル先に進みました。正直、私は面食らいました。車内の撮影をし、いざ下車しようと思ったら扉が閉まったのです。その瞬間の私の心境をお察しください。
この写真の撮影時間は18:04です。(列車の「長興」駅着は定刻から1分遅れの18:01)
この場所に18:07まで停車し、「長興」駅のホームに到着したのは18:09。そして列車は18:10、何事も無かったかのように定時で「桃園」駅に向けて出発しました。
結局察しがついたのは、「長興」駅のすぐ「桃園」側に警報機付きの踏切があり、その踏切対策として一旦前後に踏切がない区間まで車両を移動させ、そこに停車させておいたのであろうということです。
では「長興」駅で下車しなかった乗客たちはなんだったのでしょうか?見たところ家族連れや子供たちだけのグループもおり、見た限り、ほぼ全員が乗車した駅で下車していきました。正に『無料』効果は絶大で、「夕涼み列車」とでも言いたくなったほどでした。少なくとも私のような「鉄」はいませんでした。(なぜか車内の乗車人員数をカウントしており、「長興」で折り返した人は26名でうち小学生以下と思しき子供は11名)
さてもう一つ。この列車の方向幕は「青桐」となっており、この「青(本当は写真の字です)桐」という駅は台湾北部の支線の終点で、少なくとも台北から2時間近くかかります。恐らく「桃園」までは回送で走ってきたのでしょうが、私が乗車した4年前も廃止直前の今年も同じような運用あったのでしょうか?
それはともかく「林口線」のお別れには多くの鉄ちゃん(もちろん、台湾の方たちです)が詰めかけたようです。「海湖」までの延伸区間を乗ってみたいとは思っていましたが叶わぬ夢となりました。「桃園国際空港」へのアクセス鉄道になるのではという“噂”もあったのですが…。
私が乗車した台湾の鉄道で廃線となったのはこれで2つめです。やはり時代を感じます。