2013年02月19日 20時16分

1991年のドイツ(4)ヴッパータールのモノレールは美しい。

街の中を走っている列車から窓外を眺めると、まず目に入るのが逆U字型の太い鉄塔or橋桁…。その表現は難しいですが、何はともあれ下を眺めれば商店が並んでいるという日本ではあまり見られない風景が楽しめました。

でも本当の楽しみは列車を降りてからで、この独特のアーチが延々と続くさまは「美しい!」とさえ感じました。それはさておき、支柱を道幅一杯(建物ギリギリ)の場所に建ててあるのを見て、私は19世紀から20世紀の変わり目の時代に住民との合意形成つくりをどう行ったかが気になりました。

最低限度、こうした構造物を作ることが出来たという技術力があったからこそ実現したとは言えるでしょうが、住民に説明しようにも誰も見たことが無いわけですから…。

ところでヴッパータールのモノレールの車両(当時)は3車体構造となっており、真ん中の車両に台車(車輪)はなくフローティング構造となっています。トラムのフローティング構造は身近なところでは豊橋鉄道のT1000形でも見られますが、高架線を懸垂式で走る姿を見ると文字通りのフローティングだと思いました。

このモノレールの感想ですが、街に溶け込んでいるのであまり深く考えなくても良いのでしょうが、川の上に交通機関を走らせるという、所謂、街の形に合わせた交通機関の選択肢もさることながら、当時は“技術力”を見せる要素も強かったのではないかとも思いました。このパターンはきっと日本には当てはまらないですね。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!