2013年06月15日 19時19分

りくべつ鉄道運転体験(8)松浦踏切と百恋駅。

さて松浦踏切を道路中心に見るとこんな感じ。ふるさと銀河線時代も間違いなく踏切警報機、遮断機の設置されていない第4種踏切だったでしょう。

列車が通らないためこの踏切は廃止されています。ただ踏切施設「とまれみよ」の標識もあり、右側にはりくべつ鉄道による「線路横断注意!」の看板もあります。しかし、ここは今、正式には踏切ではありません。ふるさと銀河線廃止時に、踏切も廃止されています。法律上、ここを乗り越え、更に北見側に走行可能区間を延ばすことが認可されることは可能性がゼロとは言えないまでも難しいと思われます。参考までに運転体験の起点金澤踏切は、安全確認に万全を期することで特例として“渡る”ことが認められていると聞きました。

ここ松浦踏切を超えることは出来るのでしょうか?期待するしかありません。

さて上の写真で左側に写っていた駅舎風の建物。「百恋駅」の駅舎です。今、北海道陸別町の「陸別町商工会」のHPにある『りくべつ鉄道構外特別運行!!』(運転体験ではなく乗車体験)の説明には「陸別駅~百恋駅(旧しもくんねべつ)」間の運転と書いてあります。

一方、運転体験銀河コースの説明では【金澤踏切~松浦踏切】となっています。

そもそも「百恋」の名前はここの地名ではありません。陸別町が作っているペットボトル入りの水「陸別百恋水(りくべつひゃっこいみず)」(注:ひゃっこい=ひやっこい=冷やっこい…多分)に因んでここに作ったとのことでした。それにしてもパッと見、駅???と思わせるには十分な存在感でした。

「寛斎」まで戻る列車を見送りつつ、廃線跡の利用法について考えていました。ここの運転体験料は3万円。1日最大で4名。1日の収入は最大12万円です。一方、線路の保守費用、車両の維持費用、指導運転士さんやその他のスタッフの方たちの人件費等々の費用は如何ばかりでしょう。ペイできるからやっている事業でしょうし、付帯する経済効果や取材等による町の宣伝効果も考える必要もあるでしょう。

そこで1回3万円の価値をどう考えるべきでしょうか?多くの方は恐らく高いと感じ、参加している当の私であっても好きなだけではそう簡単に払える金額ではなく、やはり覚悟が必要です。ただその金額を支払うだけの価値がここにあると思っているからこそ陸別まで来ました。

岐阜県には旧神岡鉄道跡を利用するレールマウンテンバイクがありますし、トロッコ王国美深・りくべつ鉄道のように廃線跡が利用されている路線は少数派です。

この問題は簡単に答えがでることではありませんが、地域経済の活性化への取り組みという視点も含め注目していきたいと思っています。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!