2013年06月11日 19時51分

りくべつ鉄道運転体験(4)運転体験「銀河コース」スタート。

2年ぶりのりくべつ鉄道。前に来たときは「Lコース」の体験運転でした。丁度そのころ「運転鉄」がマイブームで小湊鉄道、樽見鉄道、明知鉄道などで運転体験をし、りくべつ鉄道「Lコース」体験の前日の7月10日には三笠鉄道村のSL運転(S-304号)の機関士体験をしていました。勿論、りくべつ鉄道「Lコース」でも“運転”を堪能しましたが、昨年から「銀河コース」という日本の運転体験史上で最長距離となる片道1.6キロを2往復するコースが設置されたので、何とかその距離を運転したいものだと思い、ゴールデンウィーク明けのこの日にその願いが叶うことになりました。

さてこの「銀河コース」、「Lコース」体験者限定と言うことで、ここ陸別で一泊して1日目「Lコース」&2日目「銀河コース」という参加者が多いと聞きました。私も「Lコース」が未体験ならそういう選択をしたと思っています。まずはこの写真で跨線橋を渡ったホームに停車中のCR75-1で陸別駅構内を馴らし運転。

銀河コースの出発点は陸別駅の北見方向の構外にある金澤踏切を挟んだ先となるため、踏切直前まで運転して一旦下車。

踏切を歩いて渡り…と書くとまるで線路を渡ったみたいですが、実際には道路を横切り気動車庫?も兼ねているここ「寛斎」“駅”からCR70-8に乗務しました。金澤踏切を越えての運転体験は法令上認められていないと言うことで、残念ながら陸別駅のホームを出発しての運転体験は出来ません。

なお銀河コースで使用する気動車の交換等で踏切を通過することは認められているのですが、廃止となった『公道の踏切』を車両が通過するのはハードルが高いようです。

余談ですが、「トロッコ王国美深」では道路と交差する場所が数箇所あり、トロッコは車優先で通過することになっていますがこちらは“公道”ではないということで法令上での所謂『踏切』とはなっていないようです。

2013年06月10日 20時47分

りくべつ鉄道運転体験(3)陸別駅。

いろいろ寄り道して5月10日(金)10:20頃に旧「陸別」駅に到着。

私のりくべつ鉄道運転体験「銀河コース」の開始時間は11:00。ほぼ予定通りでした。

今回、駅前で目だったのが牛のベンチ。2年前の平成23年(2011年)7月11日にもここを訪れているのですが、その時はこの様な楽しいベンチはありませんでした。(当時の写真で確認しました)

この日の気温は12度。はっきり言って5月8日、9日の10度以下の気温に慣れかけていた私には『暑く』さえ感じました。この日、確か名古屋では25度近かったはずで名古屋に戻って気温差についていけるだろうかと心配になったほどです。(笑)

さて受付で体験運転料“3万円”を払い、運転開始までの暫くの間、陸別駅のホームのベンチでのんびりしていました。

※りくべつ鉄道の運転体験は今回で2度目。最初に行った平成23年7月11日の時の様子はこのブログで2011年8月10日から8回連載しています。

2013年06月09日 8時10分

りくべつ鉄道運転体験(2)ふるさと銀河線、今も残るレール。

北海道に桜前線が上陸してからもう結構経ち、6月6日の「釧路臨港鉄道の会」のブログ『つれづれ鉄道日記』ではサクラサク東根室駅が紹介されていました。でもこのブログは相変わらず冬景色の北海道「鉄」旅。今回の「鉄」旅の最終目的地は東根室駅ですが、一体いつ到着の日を迎えるのでしょうか?恐縮ですが寒々しい風景にもう少しお付き合い下さい。名古屋の最高気温は30度を超える日もあるというのに…。

「小利別」を出て10分ほど車を走らせていたら、線路が残されている区間に出ました。

そこから少し行くと今も現役に見える橋がありました。

国道には「川上橋」という名前があったので、ふるさと銀河線の旧「川上駅」の近くであろうと推察しました。

橋の名前は、利別川に架かっている橋梁なので「第**利別川橋梁」もしくは「利別OO橋梁」だと思うのですが、確認するのを怠りました。ただ「池田」を起点にして95キロ地点であることは、この写真の真ん中にキロポスト(距離票)で確認できます。

※95キロは池田起点で「分線」~「川上」間。

2013年06月08日 19時32分

りくべつ鉄道運転体験(1)池北線廃線跡巡り。

宗谷本線の美深から旧国鉄池北線/りくべつ鉄道(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)陸別駅まで公共の交通機関(鉄道&路線バス)を利用すると、地図で見れば分かりやすいのですが、旭川と北見の2箇所でスイッチバックすることになります。(遠軽を入れれば3箇所)

昼の12時半過ぎに美深を出発すると、一番早くても北見には夜の19:45着です。また翌日は北見8:08の北海道北見バスに乗車で9:41に陸別着です。時間的には問題はなく、例え陸別で運転体験のスタート時間まで少々時間あっても構内の見学をすればよいので、これで時間を持て余すことはありません。ただ今回は廃線跡を少し楽しむのも良かろうと思い、レンタカーを選択しました。前日の宿泊先の宿のある北見市留辺蕊町(「蕊」の字は私には到底書けません)からは、北見市中心部の西方に位置する置戸町へ峠越えでショートカットでき、時間的にも余裕が出来ました。

写真の場所は旧ふるさと銀河線で言えば「置戸」~「小利別」間。廃線跡は線路こそ無いものの整備されている漢字で、丸で遊歩道のようになっていました。

小さな支流の橋梁が今も手付かずで残されています。(清水川橋りょう 97K815M77地点)

小利別駅の駅舎とホームは今も残されています。駅舎は公共トイレとして使えるようになっていました。

その小利別の国鉄時代の入場券。前の写真で列車交換可能駅だったことが分かりますが、私はこの駅に昭和52年に訪れた証拠です。ここから北見方面へは池北峠を越えて置戸に向かっていたのですが、その間は15.9キロもありました。池北峠は車では丘を越える感じなのですが、鉄道ではさぞかし大変な峠越えの一つであったであろうと感じました。

 

2013年06月07日 20時00分

トロッコ王国美深(9)名寄への移動は路線バス。

翌日の5月10日(金)の予定は、朝11時からりくべつ鉄道の運転体験「銀河コース」。美深を昼過ぎに出て、翌日のその時間に間に合うべく旧・北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(更に昔は国鉄地北線)「陸別」駅に到着するには、公共の交通機関でも十分間に合うものの結構大変。

ということでまずは「美深」(JR美深駅から徒歩数分)バス停から名士バスで「名寄駅前」に向かいました。この路線バスは1~2時間間隔で走っており、私は12:40発に乗車。定刻の13:15に名寄駅着。

JR「名寄駅」に挨拶はちゃんとしてここを立ち去り、ここからはレンタカーを借りました。

このシリーズの(2)で名寄からレンタカーでトロッコ王国美深に行くべきだったか?と書いたのはこれが理由です。

車だと行動の自由度が高くなります。この日の宿は北見市留辺蘂町の『塩別つるつる温泉』。良い湯でした。

(PS)

車での移動時、20~30頭の群れをなすエゾシカをみました。勿論群れではないエゾシカも見ており、その出現率は驚くほどで、地元の獣医さんの話しでは繁殖率が高いこともあって北海道では深刻な問題となりつつあるそうです。5月8日の稚内~美深間の移動時だけで3回の警笛&ブレーキを体験したのは前に書いたとおりですが、以前、北海道に来た時もほぼ毎回、同様の体験をしています。

※エゾシカの群れの写真は撮っていません。後続の車がいたためですが、日本国内で海洋生物・サルを除き、自然界の哺乳類をこれほどの群れで見たのは初めてでした。

2013年06月06日 20時57分

トロッコ王国美深(8)終点の「高広の滝」。

トロッコ王国美深の終点は、「高広の滝」(駅)と名付けられています。

この写真で矢印の先の2本の筋が「高広の滝」で、地元の方の話しでは、雪解けの時期と雨が降った後に出現する「幻の滝」と言ってもいいような滝だそうで、一年間を通して見えることはないそうです。確かにそのか細さは「その通りですね」と言ってしまいそうですが、この滝の存在は、仁宇布に戻ってから聞いたので、線路から見えたかどうかまでは私には分かっていません。(申し訳ありません)

川に架かる橋は旧「美幸線」の廃線跡。列車が走っていても不思議ではない光景ですが、このようにここに鉄道があったことを示す名残はまだまだ至る所に残されています。エンジン付きトロッコに乗った後は廃線跡巡りと言うのもお勧めです。

2013年06月05日 20時52分

トロッコ王国美深(7)美幸線の廃線跡の使い方。

「仁宇布」の駅名看板は廃線当時のものではなさそうです。その理由は、結ばれる事の無かった「えさし」の名が書いてあるからですが、ここを訪れる年間1万人を超える人たちの多くは、ここが「美幸線」の廃線跡で、「美」=「美深」、「幸」=「北見枝幸」という地名の文字から取られているということを知らずに来ているのではないでしょうか。

トロッコ王国美深という廃線跡の使い方は素晴らしいと思います。ただ今年のように雪解けが遅いと、ゴールデンウィークでの開業に間に合わせるための作業は想像以上に大変だったでしょう。それでも、それを乗り越えてここを運営する「NPO法人トロッコ王国美深」の存在には大きな拍手を送ります。そしてこのNPOがあるからこそ多くの方がここを訪れていると言っても過言ではないでしょう。全国にあまたある廃線跡でどこでもできるとは思えませんでした。

話しは変わって、トロッコの車庫の裏に何故か「サハネ581-19」が!何かに使われている様子もなく、一体どうしてここに置いてあるのでしょう?NPOの人に聞くことは出来ませんでした。

このサハネの存在は有名なようで、2日後にお会いした釧路臨港鉄道の会の方から「今もありますか?」と聞かれたほどです。

この写真はトイレです。

撮影した理由はこの「駅名標」っぽい「にうぷかんこうトイレ」の看板。行先の「おとこ」「おんな」も洒落が効いています。

ここからはトロッコ王国美深のまとめです。

ここに来ることを決めた時、あらかじめ電話で5月9日の朝一番の乗車の予約をしたのですが、その際にまず聞いたのは「一人で来る方はいますか?」でした。「いますよ」とのことでしたが、それでも『一人で乗っても楽しいのだろうか???』とズーッと思っていました。

そして乗車後の答えは「一人で乗っても楽しい」でした。名古屋から来るにはあまりにも遠いのですが、遠路はるばる来た価値はありました。

さようなら「トロッコ王国美深」。本当に『もう一度来たい!』そう思っています。

2013年06月04日 20時42分

トロッコ王国美深(6)日本一の“長距離”運転体験をした!のかな???

往復10キロの『長旅』を終え、「仁宇布」駅が見えてきました。

構内のこの『止まれ』という鉄道らしくない停止標識の所が終点。出発してから40分が過ぎていました。

その『止まれ』の標識の先にあるターンテーブルで車両をUターンさせます。

日本で一番小さい(?)現役の転車台の作業には結構見入ってしまいます。

こちらの(車輪付き)軽乗用車は分かり易く言えば『救援車』。(形式名を付けるならキエ?)

線路上で入国者にトラブルがあったらこの車で出かけるそうです。一昨日このブログで「カーブに差し掛かるとハンドルを切ろうとする」と書きましたが、この車には自動車時代のハンドルが残されており、係りの方によればカーブでは「思わずハンドルを切ろうとしてしまう」とのこと。やっぱりね。

さて「鉄」ちゃんの間で、本物の車両を運転する「運転体験」が静かなブームになっていると言ったら『そうそうっ』と同意してくださる方も多いのでは…。

ここトロッコ王国美深のトロッコたちは運転体験でいう『本物の車両』というジャンルには入らないでしょう。でも物は考えようで、少々どころか相当に強引ですが気動車と言えば気動車ともいえ、ここのトロッコも広義の『運転体験』のジャンルに入れてみたいと思いました。その場合、ここは日本で『最長距離』を運転できる場所をなります。そう言いたくなるくらいここは楽しい場所でした。

2013年06月03日 20時29分

トロッコ王国美深(5)キタキツネ出現!

往路は結構、精神的に一杯一杯でしたが、帰りは余裕のよっちゃん(この言い方、既に死語だろうなあ…)で風景を楽しみました。勿論、安全第一であることは言うまでもありません。(笑)

雪解け前には雪解け前にしか見られない風景があり、また雪が解けると湿地には水芭蕉が花咲き、夏には夏の風景が広がり、そして秋になりこの線路が雪に埋もれるまで本当にいろいろな大自然が楽しめるそうです。話しを聞いているだけでその美しさが目に浮かびました。

とその時、目の前の線路を横切ろうとするキタキツネの姿発見!思わず急ブレーキをかける!ということはなく、スピードダウンしてその場を通り過ぎ、後ろを振り返ったら線路にまだいたのでトロッコを止めて暫し撮影タイム。今回は私のトロッコだけの単独運転だったのでこんなことをしましたが、他のお客さん(トロッコ)がいて続行運転時であれば安全面から考え、停車することは無かったので、正直、ラッキーだったと思っています。

キツネは人間を見て逃げるわけでもなく、その辺りをウロウロ。

線路の上をゆっくりと歩いて離れていきました。そして私はその愛らしい姿を見て、トロッコのサイドブレーキを外し、アクセルを再び踏みました。

キタキツネを見ることはここでは珍しいことではないそうです。線路よりは道路で見かけることの方が多いそうですが、観光客の食べ残しの食べ物であったり、不用意に食べ物を与える人がいたりで、それがある種の獲付けとなり、人里に出没しているそうです。それに伴い、人を怖がらないキツネが道路ではねられることもあるとのこと。「エキノコックス」という感染症の感染源ともされており、見た目の可愛らしさに惑わされない方がよさそうです。参考までに夏が近づくとキツネの毛は抜け落ち、やせ細ったように見えて可愛いらしさは半減だそうです。(談:地元の方)

2013年06月02日 20時23分

トロッコ王国美深(4)一人で乗っても楽しい。

何せ車輪の直径が小さく、乗り心地は期待してはいけません。細かい振動が常時、体全体に伝わってきます。想像以上とここでは書いておきます。でもその揺れがあるから「楽しい!」とも言えます。

時速は恐らく20キロ程度なのでしょうが、目の高さがレールにへばり付いていると言っても過言ではない状況でその迫力は満点です。

さて片道5キロの道のりを走ると左方向に開いているポイントが見えてきました。

ここが終点の「高広の滝」。左回りのループ線で一周するようになっています。

折り返したところでの記念写真。運営スタッフが待ち構えていてこうして写真を撮ってくれます。と言ってもスタッフは記念撮影用のためにここに来てくれるのではなく、ポイント操作のためです。で、そのついでにこうしたサービスも行っているそうです。

そうそう、私が着ている白いコートですがトロッコ王国美深で借りたものです。薄手のダウンジャケットまでは持参したのですが、「もう一枚来たほうが良いですよ」と勧められた一枚です。(借りて良かった。実感です)

因みに無料貸出しのコート類はサイズも揃っており、また毛布等も用意してありました。このサービスはよく考えてあると驚きでした。拍手!パチパチ。

さてこの写真で私は左手でハンドルを握っていますが、当たり前ですがハンドルはカーブを回るためについている訳ではありません。トロッコはフルオープンカーですので、万が一の際に備えての安全のためにいつも手にしています。が、運転を始めた時はカーブに差し掛かると何故かハンドルを切ろうとしている自分がいました。(笑)

さあ「仁宇布」に戻ろう。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!