2013年07月20日 21時15分
日本の都市交通やまちづくりの研究者、行政担当者らが数多く視察に訪れているストラスブール。私自身はそれほど高邁な目的があった訳ではないのですが、それでも一度は体感したかったのがストラスブールのトラムです。
ストラスブールのトラムは1960年に全廃され、その後、車社会の中でにっちもさっちもいかなくなった都市機能の再生のために行政が主体となり、市民の間に合った反対運動をも乗り越えて復活したというドラマは感動すら覚えます。ただそれは「鉄道が好き」だからということではなく、車社会の中で、車の通行とトラム(公共交通網の整備)の折り合いをつけ、更に市民の移動手段として定着させたのち劇的に路線網が広がっていった“現実”がそこにあるからです。
とまあ能書きはともかく、ストラスブール駅の地下にある「Gare Centrale」駅。日本語に訳すと「中央駅」駅といったところでしょう。トンネルの下半分が霞がかった感じですが、この日(6月11日)の最低気温は10度を切っていたものの日が昇って気温が上昇し、それに伴い湿度の高いトンネル内で霧が発生し、それがホームの方に流れ出ている状況でした。(私の推測ですが間違ってはいないはず)幻想的で結構いい感じでした。
今回、まず乗車したのはA線。ここはその一方の終点「Hautepierre Maillon」。ただ電車が停車しているだけの味も素っ気もない写真ですいません。
そして折り返してもう一方の終点「Illkirch Lixenbuhl」まで乗車。
そこから歩いて都心部方向に歩き出して撮影した1枚。芝生の緑も目に鮮やかな樹脂固定軌道と溝レールを行く7連接車体の電車。しかも日中は4~8分間隔で走っており、これが人口30万にも満たないストラスブールなのです。
※参考…愛知県豊橋市の人口はこの7月1日の統計で約38万人です。
(「LRT・まちづくり・ストラスブール」参考文献)
1)交通ブックス119「LRT-次世代型路面電車とまちづくり-」(著者:宇都宮淨人、服部重敬)成山堂書店
2)「世界のLRT」(著者:三浦幹男、服部重敬、宇都宮淨人)JTBパブリッシング
3)「ストラスブールのまちづくり」(著者:ヴァンソン藤井由美)学芸出版社
4)Wikipedia「ストラスブール」他