2013年11月15日 20時31分
交通科学博物館には2つの国鉄80系が保存されています。
一つは気動車の80系。ただ一般的には“81系”もしくは“はつかり型”と呼んだ方が、馴染みがあるのかも知れません。名古屋地区では紀勢本線の特急「くろしお」として運転されていたのですが、私の記憶の外です。
私が会社に入り、尾鷲・熊野方面の出張時に使っていたのは同じ80系でも“82系”と呼ばれるグループ。ただシートはこの固定タイプでワイドビューとなってからのゆったりリクライニングシートとは大違い。対面式ボックスシートではないというだけでも贅沢は言えないのですが、尾鷲まで乗っているのは結構つらいものがありました。それゆえ自腹でグリーン車に乗った経験もあり。もっとも物凄い贅沢をしていると自己嫌悪を感じながらでしたが…。
もう一つの“80系”は電車の80系。一世を風靡した2枚窓の「湘南スタイル」でないのは残念ですが、それでもこの3枚窓も私にとっては東海道線のエースの印象があります。
車内は電車というより客車の雰囲気で、座席の背ずりの上半分が板というのは、今の若い人にはきっと理解できないでしょうね。また車内の写真は、パッと見だけでは電車と気付く人は少ないかも知れません。
昭和の時代に登場した2つの80系。歴史を語る産業遺産であることは間違いありません。京都への移転時にも是非保存して欲しいと願っています。