2014年11月11日 20時18分

和歌山線のスイッチバック・北宇智駅(2)旧駅に行ってみた。

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平成19年にスイッチバックが廃止されたのですが、よくもまあ解体されずに残されたものですね。

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駅前には近隣の観光地図が今もあります。今も現役に見えます。

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駅舎とホーム。こちらから見ると雑草が生い茂っているためやはり廃墟のようで、まるで廃線になった路線の駅舎がそのまま放置されたようです。寂寞間が漂っています。

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昭和感漂うホーム。やっぱり好きですね。この雰囲気。

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木組みの屋根もいい味を出しています。

ところでここ北宇智に来たのは、単にスイッチバック駅だったからではありません。いつの頃かは覚えていませんが恐らく遡る事45年ほど前、雑誌に掲載された一枚の写真を未だに覚えていたのがきっかけです。それは…。

ここ北宇智駅に停車中の客車列車。その列車にはたった1両だけ2等寝台車が繋がれており、しかも王寺~和歌山間の普通列車に連結されているという記事で、使われていた写真が北宇智駅で撮影されたものでした。

東京と関西本線湊町/和歌山線和歌山を結ぶ急行「大和」。1両の客車(確か10系)が夜行列車から切り離されるという個性的な列車の存在+スイッチバックという組み合わせはあまりにもインパクトが強く、いつかは「北宇智」に降り立ちたいと思うようになっていました。(これは誇張していません。本当です。)

2014年11月10日 20時17分

和歌山線のスイッチバック・北宇智駅(1)知る人ぞ知る。

平成26年9月28日、南海電車「天空」の次の目的は奈良交通の「ボンネットバスで行くさよなら五新鉄道」というツアーに参加すること。その出発地、和歌山線五条駅に向かうことになるのですが、ツアーの出発時間が15:20と少し時間があったので、橋本駅から五条駅を越えて「北宇智駅」を目指すことにしました。

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橋本駅発13:07の電車の到着は12:58で9分もここで停車します。その105系電車は2丁パンタ。

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これが噂に聞いた(…のはずは無いですね。話を作っています)ことのある霜取りパンタなんですね。間近に見るのは初めてのような気がします。何と言ってもパンタを折りたたんだまま走る電車は滅多やたらに見られるものではありません。

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北宇智到着は13:35。今は1面1線の典型的なローカルの駅ですが、以前は交換駅でした。

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しかもスイッチバック式で、勿論和歌山線では唯一の存在でした。その旧駅舎は今のホームからも見ることが出来ます。

ここにやってきた理由が正にそれで、ネットで「駅舎が今も残っている」という記事を見つけたからです。

またこの写真ではよく分かりませんが、駅舎と反対側のホームの線路は今も残っています。

2014年11月09日 21時19分

「かぎろひ」で『きんてつ鉄道まつり2014』に行ってきました。

平成26年11月2日(日)、近畿日本鉄道の「きんてつ鉄道まつり2014」に行ってきました。車庫で開催される“鉄道まつり”には殆ど参加したことがない私ですが、たまたま『クラブツーリズム』が名古屋発であの「かぎろひ」で五位堂を往復するツアー『きんてつ鉄道まつり2014 IN 五位堂 GO! GO!』を発売したので、それに乗って出かけることにしました。

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近鉄名古屋発は8:25。「かぎろひ」は8:21にその姿を現しました。

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各駅停車が発着する1番線から出るというのは思っていなかったので意外性がありました。てっきり4番線だと思い込んでいたので、やはり先入観を持たず素直に「何番線から乗るのだろう?」位の気持ちを持つべきでした。そしてもう一つの思い込み。それは2連ではなく4連だったこと。そんな運用もあるんですね。

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駅の案内表示は当然、「貸切」。一寸いい感じ。

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「かぎろひ」は定期列車の合間にダイヤを設定しており、途中駅では特急に抜かれたり、一方で各駅停車を抜いたりしつつでしたが、「大和朝倉駅」の待避線での停車は人生初体験で、なかなか新鮮でした。

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五位堂駅には10:58頃(定刻10:56)に到着。その所要時間は2時間半強。

近鉄名古屋から8:30発の大阪難波行きに乗れば、大和八木着10:15、大和八木発10:19の急行に乗り継いで10:27には着きますから、所要時間でこの「かぎろひ」を選択することはないでしょう。

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ところでこの「かぎろひ」ですが、私の印象は「貸切バス」の電車版といったところです。旅行会社が運営するという意外性もあり、ゆったりと旅を楽しめました。

※ビールは往路の方が売れていたような気がします。

※全10問の「近鉄クイズ」が出され、全問正解者と9問正解者には記念品が渡されました。私は当然・・・、『9』問正解で下敷きを頂きました。何を間違えたかといえば、近鉄電車が受賞したブルーリボン賞の回数です。(恥&涙)

なお近畿日本鉄道の「きんてつ鉄道まつり2014」の報告は「和歌山・奈良の旅」が終わったら連載の予定で、私なりの楽しみ方をお読みいただければと思っています。

2014年11月08日 19時18分

南海電鉄「天空」の旅(9)和泉こうみとの出会い。

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橋本駅に到着して南海の急行/難波行きの電車を見ていたら何かヘッドマークが付いているのを発券。

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よく見ると10月11日(土)開催の泉北高速鉄道「せんぼくトレインフェスタ」のPRヘッドマーク

泉北高速のHPには、『「せんぼくトレインフェスタ2014」の開催をPRするため、2014(平成26)年9月23日(火)から、3000系1編成にヘッドマークを掲出する。』とあったのですが南海6000系での掲出もあったんですね。ここではたまたま居合わせた方がカメラのシャッターを押していました。

萌え!!!

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ところで日本国内で、同一ホームの同じ番線を使い連結・解結をせずに複数の列車を発着させている例はそれほど多くは無いはずです。ただ橋本駅がそうだったかは今回、初めて知りました。1面2線で、難波方面と高野山方面を、ほぼ切り分けた運用をしているこの線では考えてみれば当然の選択なのでしょう。でも運用上は大変そう…。

2014年11月07日 19時13分

南海電鉄「天空」の旅(8)2300系で高野線探訪。

今日は、平成26年9月28日(日)、「天空」の旅の往路で撮影できず、帰路で撮影した高野線風景を集めてみました。

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まずは紀伊神谷駅の入線。トンネルから覗く駅の明るさで私のガラスへの写り込みを誤魔化しています。

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紀伊神谷で極楽橋行きの電車と交換。ここ紀伊神谷は秘境駅の雰囲気バリバリ。駅員さんがいたのには驚き。

この感じ、好きです!

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上古沢駅付近。山里の風景です。

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12:07、上古沢駅到着。山しか見えません。やっぱりここも堂々たる秘境駅の印象がありました。

もっとも電車の本数が多いし、特急も走る路線なのであくまでも眺める風景についての私の感想です。

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いよいよ九度山駅まで下ってきました。山線だけに大私鉄南海にあっても中小私鉄の交換駅の雰囲気がでています。

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最後に紀ノ川を渡ります。往路では、この鉄橋が「天空」の最初のハイライトだったはずなのですが、不覚にも“乗った”嬉しさが先にたち、まともな写真を撮っていません。流石に帰路は冷静です。

こうして南海電鉄高野線「天空の旅」が完結しました。橋本着は12:30でしたので、僅か2時間足らずの小さな旅。でも満足感は計り知れないものがありました。

2014年11月06日 19時11分

南海電鉄「天空」の旅(7)2300系ズームカー。

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極楽橋発11:49の橋本行きは、11:43着の折返し。2300系は初乗車で、期待感が高まります。

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左側(一番線)がこれから乗車する各駅停車。右側が12:07発の「天空」で写っているのは特別料金不要の自由席車である2000系です。停車している位置に差があるのは、一番線ホームが少々奥まで入っているためです。

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この系列ではステンレス車体に花が描かれており、この車両では「しゃくなげ」です。その色の鮮やかさが山岳地帯の緑にマッチし、美しいと感じました。ところで2300系は転換クロスシートでなおかつ窓の大きさが半端ではありません。もしも「天空」が満席でも、風景を楽しむだけなら、この電車でも遜色はないのではとさえ思えました。少なくとも2000系のロングシートよりは遥かに観光気分に浸ることができます。

話を11:49発の各駅停車に戻しますが、恐らく10名を軽く越える外国人の方が乗られており、流石世界遺産です。

2014年11月05日 17時08分

南海電鉄「天空」の旅(6)これが極楽橋。

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さて駅を出てダッシュ。11:24着の「こうや5号」を向かえ撃ちです。

極楽橋駅の近くにこんな赤い橋があるのは知る人ぞ知るかもしれませんが、この橋こそが駅名の由来である「極楽橋」です。まずは31000系。

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11:26発の「こうや4号」。こちらは30000系。

一応狙って撮っている所謂「撮り」なのですが、橋の欄干をどこまで入れ込むかを粗雑に扱ったので何れも中途半端な感じになってしまいました。こうして撮影できただけも良しと自分を納得させています。

高野線もケーブルカーも列車本数はありますので、少し時間を取って、ここでの撮り鉄も面白いと思います。

(参考)この橋の存在はたまたまWikipediaの「極楽橋駅」で知り、それで出かけました。

2014年11月04日 20時04分

南海電鉄「天空」の旅(5)天空の車内。

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極楽橋に到着してようやく落ち着いて「天空」を撮影するチャンスが来ました。天空の極楽橋発は12:07。時間はタップリあります。もっとも私はその前に出る11:49発の橋本行きに乗車&他にやることもあったのでとりあえずこの撮影を済ませました。

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和歌山電鉄もとい和歌山電鐵の電車と同系列の電車の改造ですので同じ「改造仲間」ということで何か親しみがあります。

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ついでに駅構内も撮影。これまで来た時にこんなこった照明があった覚えがないので、やはり心の余裕の違いでしょうか?

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更に11:16発の高野山行きを後追いで一枚。

2014年11月03日 21時02分

南海電鉄「天空」の旅(4)高野線の絶景。

高野線の楽しみは風景だけではなく、急勾配、急カーブ、トンネル、鉄橋が連なっていること。

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ここ丹生川橋梁は撮り鉄スポットでもあります。

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こんな山深いところによくも鉄道を作ったものだと感心するよりも、更にこの奥に堂々たる宗教の聖地があることに驚きを禁じ得ません。

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20メーター車が入れないことは当然としても、17メーター車でもきつそうなカーブの連続です。

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山道を上って上って11:11に極楽橋に到着。4両編成が限界の山中の駅ですが、狭い場所に工夫を凝らして作ったことがよく分かります。

2014年11月02日 20時57分

南海電鉄「天空」の旅(3)天空に乗車。

タイトルの本題にいよいよ入ります。南海高野線に乗るのはこれで3回目。

1回目は昭和54年(1979年)10月13日。

これは高野線の乗りつぶし。

2回目は平成15年(2003年)11月1日。

こちらは鋼索線(高野山ケーブル)の乗りつぶし。

そして今回は電車の「乗り鉄」です。

ところで私の好きな「日本の山岳路線ベスト3」を挙げて欲しいと言われたら、ここ高野線(橋本~極楽橋)と大井川鐵道井川線、JR飯田線(本長篠~天竜峡)となりその中でも…ここからは甲乙付け難いですね。

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さてその高野線の山岳区間に観光列車「天空」が登場したのが平成21年(2009年)。2200系改造の展望車に一度は乗ってみたいと思ってはいたものの、名古屋から和歌山県のここ橋本へは、距離はともかく心理的には若干遠く、やっとこの日に念願が叶いました。

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どちらが先に運転を始めたかはともかく、JR東海の117系「そよかぜトレイン117」にも似た開放的な「展望柵」。

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そこから風を感じながら眺める風景は気持ちよく、ズーっとそこにいたいと思ったものの、ここは大人気スペース。譲り合いながら暫し楽しみました。

天空

橋本10:32発の「天空1号」の座席指定券。私のような個人客はフリーダイヤルで電話予約という大私鉄にしてはアナログな方法をとっており、しかも発売日が10日前からということで、旅の予定を立てづらいというのもここに来ることを躊躇させる理由の一つでした。

なおこの日は当日券も発売されていました。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!