2015年03月28日 20時00分

「若桜鉄道」の『SL走行社会実験』。

写真は全て2010年6月19日撮影。

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鳥取県の第3セクター「若桜鉄道」が4月11日(土)に『SL走行社会実験』を行います。区間は若桜~八東間の9.4キロ。そこを時速10キロ前後でゆっくり走ります。

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今回はSLの集客効果と経済効果を検証するという目的で行われますが、いくつかの興味深いというか今まで誰も考えつかなかったのではないかと思うアイデアで溢れています。

1)鉄道の車検を通していない蒸気機関車C12167が本線を走る。

本来これは法律上認められることではありません。そのために定期列車を1往復運休させ線路を閉鎖することで可能となりました。

※その変わり代行バスの運転あり。

2)撮り鉄対策を万全に行い、恐らく日本初の撮り鉄さんから“稼ぐ”。

有料予約制の駐車場や撮影場所を設定し、それにより想定される撮影地の奪い合いを回避します。更に宿泊プランやお弁当も用意しています。余談ですが、スピードが遅いだけに撮りがいもありそうです。

3)鉄道ファン向けイベントの実施。

これは全国の“公募”社長さん達が勢揃いしてトークイベントをするというもので、由利高原鉄道、山形鉄道、ひたちなか海浜鉄道、いすみ鉄道、若桜鉄道の各社長たちが一同に会してステージに登壇するというのは興味津々。何れも個性的な方たちだけに未だかつて聞いたことが無い“苦労話”が聞けるかもしれません。

4)地域ぐるみの支援体制。

行政だけではなく、宿泊業者、市民団体、住民、ボランティアが「沿線サポート委員会」を結成し、各駅でイベントを行うそうです。

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ところで若桜鉄道のC12は運転体験できることで知られており、私は2010年6月19日(このブログでは6月23日~UP)に行きました。圧縮空気を動力にしているので最初はどうなのかな?という気持ちもあったのですが、始まってしまえば「これが蒸気機関車か!」と楽しい時間を過ごしました。本来は本線を走ることのない(出来ない)この機関車が今回、煙はでないものの特に帰路(八東⇒若桜)は編成の先頭に立ちます。考えるだけでもわくわく気分です。一方、往路のDD16牽引も私には十分魅力的です。

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因みに客車の乗客はこの方々です。

詳細はウェブサイト「鳥取因幡観光ネット」でご覧頂くことになりますが、地方鉄道の今後の生き残りの手段の一つとして今回の『SL走行社会実験』の結果は注目に値します。私自身は残念ながら行く事は出来ないのですが、是非多くの方が若桜に足を運び、撮り鉄を楽しみつつ公共交通の今後について考える時間を過ごしてくれることを願っています。

そしてこの試みが1回だけで終わらず次に繋がり、将来自走できる蒸気機関車として復活し、本線上を走るようになることを切に期待しています。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!