2017年05月28日 15時33分
「名古屋駅より主要駅に至る 賃金、里程、到着時間表」。
そのその昔、運賃は「賃金」と言っていたのですね。知りませんでした。
参考までに名古屋=東京間は234.6マイル。賃金は4円49銭。所要時間は9時間で隔世の感あり。豊橋と蒲郡の間に「御油」がありますが、これは今の愛知御津駅で、昭和23年に改称されています。一方の「御油」は名鉄の駅名になっています。
東海道53次の宿場町として栄えた「御油」を名乗るには、東海道本線はあまりに遠く、まあ当然の帰結と言えます。
名古屋駅発時間表。東海道本線の上りはほぼ東京行きで、その間に武豊や沼津、豊橋の名前が見られます。
一方、下りは下関、神戸といった有名どころが並ぶ半面、恐らくマイナーと思える「糸崎」は、昭和の鉄道ファンならともかく、今やほとんどの人には馴染みが無いはず。
かつて糸崎(広島県三原市)には大きな機関区があり、昭和40年代、大型蒸気が走る路線として人気のあった呉線のC59,C62と言った機関車が集結していました。ということで大正時代も同様に糸崎が重要な拠点だったことがうかがい知れます。
もう一つ中央本線に注目!朝5:45に出る列車は何と飯田町行き。当時、すでに中央本線は東京まで開業していましたが、長距離列車は今の飯田橋駅に近い「飯田町」を起点にしていました。
この冊子はまさに歴史の生き証人。
鉄道公徳當(当)選モットー。当時、すでに「モットー」が外来語として定着していたのが面白い。一方「当選」の意味は今一つ分からない。公募でもしたのかな?
それはともかく「1降り2乗り3発車」とか「押すな、離るな、割込むな」とかもさることながら「お互いに座席を譲り合いましょう」など今の時代にも通じる『標語』が並んでおり90年以上前も今もあまり変わっていない…。