2017年06月01日 20時02分

1936年(昭和11年)発行 名古屋市鳥瞰図/吉田初三郎

※名古屋の全域の地図はあくまでも全体の雰囲気ということでご覧ください。

昭和11年に発行された「名古屋市鳥瞰図」。当時、鳥瞰図=初三郎と謂われた鳥瞰図絵師/吉田初三郎氏の作品。

名古屋と言えば金のしゃちほこ。本当にこんな風景をスケッチしたかどうかはともかくデザイン的には素晴らしいと思う。

以前、平成26年7月26日から名古屋市博物館にて「NIPPONパノラマ大紀行~吉田初三郎のえがいた大正・昭和」という展示が行われ、かくいう私もそこで(実質上)初めて初三郎氏の鳥瞰図に出会い、その面白さにはまりました。その魅力の一つが大胆なデフォルメ。

右端に伊勢神宮を配し、その上には富士山。

また左正面でひと際存在感を出しているのが御岳。

そして名古屋の街を見下ろすが如くある名古屋城。

また名古屋駅は、この鳥瞰図が出版された翌年に開業の(三代目)名古屋駅が既に「新名古屋駅」として描かれています。

一方、笹島駅。当時は名古屋駅の貨物駅なのですが、東海道本線から直接入る線路と、その後の関西本線からスイッチバックで構内に入る線路の両方が描かれています。恐らくその当時の姿はかくあったであろうと推察できる貴重な資料であると思います。

前の画像と合わせての話ですが、1932年(昭和7年)に全線開通した中川運河が描かれています。建設当時は「東洋一の大運河」と呼ばれ、名古屋駅と笹島駅を結んだ海運の大動脈も今は昔。それでも中京テレビ本社南側のエリアを含め、その再生に向けての動きが始まっており、変わりゆく様は目が離せない状況となっています。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!