アンデアン・エクスプローラー号、年に一回のお祭りに出会う。の巻。
16:20頃、アフタヌーンティーの時間が終わり、部屋で寛いでいました。窓外の景色が田園風景から街並みに変わり、踏切をゆったりとした速度で通過。と、その時、思わぬ光景がそこにありました。
ここはクスコからプーノへの途中にあるシクアニの町。
思わずカメラの電源を入れ、速攻で撮影。間に合いました。
あとで聞いたところこの町では年に1回、小学校に通う子供たちが各クラス別に民族衣装を身に着けて練り歩くお祭りがあるとのこと。
3年前のサハリン/ノグリキでも年に1回のお祭りとの出会いがありましたが、こうした出会いが私を旅に駆り立てるのかも知れません。
※ノグリキのお祭りはこのブログでは2015年11月18日~でUPしています。
子どもたちが踊りながら練り歩く姿は本当に可愛い。
パレードに寄り添うように歩く大人の姿もありました。
標高3505メートル。夢幻の世界に踏み入った気分。
ラクチ遺跡から直ぐのところにあった石垣から飛び出ている石段。上り下りに使うのでしょうが、何せ場所が場所だけに一体何年前からここにあるのだろうと思って撮影した一枚。インカ帝国の時代からあるのでは?などと考えるのが楽しい。
ラクチ遺跡に向かう時は気付いていませんでしたが、列車が見通せる場所を通過。客車の青と白の塗分けは遠目でも印象的です。
ダブルルーフのクラシカルな列車の横を行く人。彼の眼にこの列車はどのように映っているのでしょうか?
ダブルルーフを車内で見上げてみる。凝った造りに改めて職人の技を感じる。
ラクチ遺跡から戻り、15:40頃からアフタヌーンティー。
盛りつけられたスイーツ。インスタをしている人にはたまらない被写体の一つ。となるのでしょうか?
携帯電話に高度計アプリを入れ、それをチェックしながらの旅。この列車に乗る時にツアーの添乗員さんから携帯電話のGPS機能を使った「高度計アプリ」があるのを教えられ、それを早速試している。
※このアプリはたまたま選んだだけで、教えてもらったものではありません。
クスコの標高は3400mなので、まだまだ同じレベル。
因みにどのアプリでも誤差はある程度あるようなので、確定とまでは言えないものの参考レベルでは使えます。
14:20過ぎ、ラクチ遺跡へのツアーに出掛けます。
クスコを出発して約3時間強。初めての下車です。
インカ帝国の遺跡。
ペルーのクスコ周辺に規模の大きい歴史遺産がこれほど各所にあるとは私は知りませんでした。そしてここラクチ遺跡もその一つで、検索するとこの遺跡も結構出てくる(日本語サイト)ので、日本人でここを訪れる方はそれなりにいるようです。ただツアーでの訪問は少ないという印象です。
修復中と思われる作業。
列車が動き出した後、昼食後も展望車には行かず部屋のソファーに体を沈め、風景を眺める。
「揺れます」とは聞いていたもののさほどでもない。もっとも私の「揺れる」の基準は、廃止直前の時期の名古屋市電であったり、ミャンマーの鉄道だったりするので比べる対象が…。などの戯言(ざれごと)はさておきですね。
ただ上下左右への揺れが少ないと言っても、そもそも滑りやすい机の上にカメラなどを置くのは止めた方が良さそうです。また一番揺れるのは、私の体感では列車がブレーキをかけたり、勾配の途中に停まった状態から走り始める時の前後動で、自動連結器で繋がった16両編成ですから、それを避けることは難しいでしょう。昭和の時代の客車列車に乗ったことのある方なら分かって頂けると思います。もっとも平地での停車中からの動き出しは本当に滑らかです。
乗車してから1時間半。やっと列車に乗っていることに慣れ始めました。カーブに差し掛かるとこの列車の長さがよく分かります。因みに私の乗っている車両は前から10両目。
列車が通過すると手を振ってくれる子どもがいるのがきっと世界共通。14:16。
展望車からの眺め。
石畳?みたいなものが見えればそこはきっと駅。
洗面・トイレ回り。
飾りもお洒落。
この袋の中身。何が入っているのだろうと興味津々で開けてみれば…。ひょっとしての期待を裏切らないトイレットペーパーの予備。
なおこの袋を持ち帰ることはしていません。
標高4000メートル超の場所を走る列車のため、ベッドサイドには緊急事態に備えた乗務員の呼び出しボタンあり。(何か用事があれば押して良いとは聞きましたが、主たる用途はこれかな?)
また室内には酸素ボンベとマスクあり。(何と看護師さんも1名乗務されています)
この写真、あえて私の恥を晒します。
トレーナーを着てベッドでグダグダしてから着替えてディナーに向かったのですが、部屋に戻り、びっくり仰天。ベッドはほぼ使用前の綺麗な状態に戻され、脱ぎっ放しのトレーナーが畳んでありました。
ところでそのトレーナーの手前にあるのは、アンデアン・エクスプローラー号の乗客だけがもらえるバッグ。私は勿体なくて未使用のこのまま家まで持ち帰りましたが、他の方々は、列車の旅の途中で買ったお土産を入れたりして早速使われていました。またベッドの手前下のスリッパですが、これは折角なので部屋にいる時は使っています。
枕元のコンセントに差しっ放しだった携帯電話の充電ケーブルもある意味お洒落な状態に。
※ペルーのコンセントの形状ですが、どこでもほぼ日本のプラグが使えます。このコンセントも日本と同じ。しかもここに2つ。反対側のベッドサイドにも2つの計4つのコンセントがあり、時代の趨勢を感じずにはいられませんでした。(電圧は異なります)
昨年の5月に運行を開始し、登場してやっと1年経ったばかり。以前、オーストラリアを走っていた車両をペルーに持込み、クスコで改装したのだそうです。
踏切では列車の通過に伴いご覧のごとく大渋滞。
列車が通り過ぎれば一斉に人と車が動きます。
私の居室は『CHILCA2』。
ラウンジで鍵を渡され部屋に向かいます。どんな部屋なのだろうかとドキドキ。
1両に2室のジュニアダブルベッドキャビン(JUNIOR DOUBLE BED CABIN)。部屋の広さは13.1平方メートル。「ななつ星in九州」に12室あるスイートより少し広めの部屋です。と言っても私は「ななつ星in九州」に乗ったことが無いので体感での比較は出来ません。
私の語彙が多ければきっとこの部屋の調度品などを美しい言葉で修飾することができるのでしょうが、残念…。
※部屋割りの都合でたまたまアップグレードされています。運が良かった。
豪華なのですが、居心地が良すぎ…。
正面のドアは、真ん中がトイレ・バスルームへの入り口、右側がクローゼットとなっています。
最上級のデラックスダブルベッドキャビンとは部屋の広さが同じで、トイレ・バスルームの作り(ゆとり)が違うそうです。
参考までに私の部屋のバスルーム(シャワールーム)の広さは、かつて乗ったトワイライトエクスプレスのシャワールーム(共用)と同程度の印象です。
10時50分過ぎに列車に乗り込み、最後尾のラウンジのある展望車に集合。ウェルカムシャンパンを頂きます。
インターナショナルな車内。アルゼンチンから来られたご夫婦と少しだけ会話。そして互いに記念写真を撮影。と言っても語学力の関係で「どこから来たのですか?」程度。残念な私。今ならワールドカップの話ができたかな。
んーっ、リッチ。
高地では酔い易いので、一瞬の躊躇はあったのですが、敢えて大人の洗礼を受けに行く。
私がジャケットを着ているのには訳があり。
以前、この列車のディナータイムにはドレスコードがあり、最低でもジャケットとネクタイ着用とされていました。一方、この列車の室内はトランクの持込みが不可(荷物車に積込み)で、室内に持っていけるのはキャリーバッグかボストンバッグ程度。そのためジャケットを着て乗り込むことを、荷物を少なくする手段として選択しました。
などと書きましたが、ドレスコードは最近、緩くなったそうで、それほどかしこまらなくとも大丈夫だとは聞いていました。ただどうせなら、まあネクタイはしないまでもジャケット位は楽しもうかと思ってこうなった次第。実際に外国人の乗客の方たちも私程度のカジュアルな感じの方が多かった印象です。
ただ部屋に入って直ぐに着替えています。
そして4月26日午前11時。列車は音もなく静かに動き始めました。と、書きたかったのですがそうはならず。
クルーズトレインは賑やかな旅立ち。
いい旅になる予感。
ふと横を見るとナローの線路と客車と貨車。右に泊まっている標準軌の貨車の大きさの差は歴然。
今回の旅ですが、片道約734キロ(参照:https://www.cnn.co.jp/travel/35105874.html「アンデスの高地を抜けて――豪華列車アンデアン・エクスプローラーの旅」2017.12.31 Sun posted at 19:00 JST)で、
初日の4月26日はクスコ~プーノ(チチカカ湖)間、384キロ(参照:https://www.perurail.com/travel-recommendations/)を走ります。
上記の距離はあまり情報が無く、あくまでも私の調べということでお願いします。
さてこの日の乗客は44名。24の客室(2人部屋)がある内、私のように1人で1部屋を占有していることもあるので多分、ほぼ満室だったと思います。何れにしてもどっと人が押し寄せるという事はなく、受付もゆったりとした時間が流れています。
ワンチャク駅。
駅前には何とも可愛い、愛嬌のあるデザインの蒸気機関車が静態保存されています。
どんな来歴があるかは全く不明。ナローゲージであることは確かですが…。
発車までまだ40分もあるのですが、早々に記念写真。日本のクルーズトレインでは多分、撮影できないアングル。
このオープンデッキの展望車、乗車後私にとって最高の居場所となるのですが、まだこの時はそうは思っていませんでした。
ところでオープンデッキと言えば第61回のブルーリボン賞に輝いたJR西日本のオハ35系。まだ乗ったことは無いのですが、その展望車に乗るのが私の次の願望になった一瞬。