2018年08月21日 20時46分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(11)列車が後退?

(我が心の本音)

最初にツアーの行程表を見た時、「サンベイ洞窟」を検索したのですが出てこない。まして地図で「サンベイ洞窟」を探しても出てこない。どんなところに連れていかれるのだろうと疑心暗鬼。もっともアンデアン・エクスプローラー号の旅なので、見る(学ぶ、体験する)価値の無いところに行くことは無かろうと思っていた程度。

それが来て見てビックリ。よもや紀元前の遺跡どころか壁画を目の前に見るという、歴史好きにとっては「んーっ、堪らん」という事態となり、これはもうはっきり言って想像を絶する出来事でした。

見学時間を入れて往復で約40分。「はあはあ」(標高の高いところを歩く&興味深いものを見て興奮するさま)しながら列車に戻る。

一人ポツンとしている列車のクルー。おしぼりを持って皆さんの帰りを待っている。

列車のスタッフ。私が撮影しているのを知っていても自然体。

11時を少し回ったところで出発。

と思ったら何と列車は来た道を戻っていく。

謎かけではありませんが、その心は?

列車は結構な上り勾配の途中に停車していました。そのためいかに強力な機関車であっても16両の客車を引き出すことが困難であり、一旦比較的平らな場所まで編成を戻し、そこから改めて全力でダッシュ!ということだと私は思いました。

再出発時の機関車のエンジンの排気はなかなかでした。

2018年08月20日 11時44分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(10)紀元前の壁画を見る。

「Pinturas Rupestres de Sumbay」 サンベイの洞窟絵画。私の参加したツアーの案内を除き、日本語の検索では出てきません。日本人の『観光客』がネットにアップした形跡がない世にも稀な地。

ペルーレイルのHPにはその概要が出ています。

The art of the emblematic Sumbay caves

紀元前6000~8000年前に描かれた壁画が残された洞窟。普段は厳重にガードされていますが、アンデアン・エクスプローラー号の乗客には、その入り口の鍵が開けられ、私たちはそれを間近で見ることが出来ました。(詳しい解説もあり)

洞窟壁画と言えば、世界史の授業など聞いた記憶のある「ラスコー洞窟(フランス)」「アルタミラ洞窟(スペイン)」が思い浮かびます。

例えて言えば「高松塚古墳」に入り、その装飾壁画を見ている気分。

あらかじめ歴史的遺産の壁画を見ます。とは聞いていましたが、よもやこれほどくっきりと残っているとは思っておらず、また当時、この辺りもしくは近隣のエリアにどんな動物がいたかがわかるのも興味深いものでした。

もっとも私が一番驚いていたのは、よくぞこの洞窟を発見したという事。先人(研究者たち)の情熱は素晴らしい。

触るのは勿論厳禁ですが、それでも至近距離での記念撮影は公認です。

2018年08月19日 11時41分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(9)サンベイ洞窟を目指す。

だだっ広いところでいきなり停車。これからエクスカーションの一つ、サンベイ洞窟の観光です。

近くに全く人の営みを感じない場所でも、お土産を売る人がいるのは凄い!の一言。

先ほど渡った橋が見える。よくぞここに橋を架けたものだと心底思う。日本なら経済産業省の「近代化産業遺産」に認められる可能性大。また登録有形文化財にもなっていそう。

標高4000mを越える場所。

歩いて谷を下る。

2018年08月18日 11時34分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(8)渓谷美。

大地の割れ目が見え始めました。今回の旅で、また新しい風景との出会いです。

10:08、116キロポイントを通過。73キロを約2時間で走破。

川を渡る。

渡ってきた橋。

「PROHIBIDO EL PASO DE PEATONES POR ELPUENTE」。間違いなくこの橋を渡るのは禁止。

この看板があるという事は、渡る人がいるという事の裏返し?

2018年08月17日 20時28分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(7)ビクーニャを発見。

この辺りでは、「運が良ければビクーニャの姿が見えます」。一方で「ビクーニャは列車が近づくとほぼ逃げていき、遠くでその姿を見るのがやっとです」と列車のスタッフから教えられていました。

小走りのビクーニャ。その撮影に成功!

この写真には列車のスタッフも「珍しい」と驚いていました。

と、その時またまたビクーニャを発見。

更に機関車の遥か先にビクーニャがいるのを見つけ、その手前で線路が左にカーブしているのを確認。

ビクーニャに狙いをつけ、機関車との込みショットを狙って待つことしばし。「ビクーニャよ、動かないでくれ」と念じつつ、その時を待つ。1枚の画面に何とか収めることが出来ました。

野生動物が見られるアンデスの大自然はどこまでも続く。

2018年08月16日 20時11分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(6)貨物列車と交換。

8:04。189キロメートルを通過。226でのスタートから37キロが経過。1時間半かかっていますから、如何にこの路線が厳しい線形かという事が分かります。

先に書いた通り、フリアカ~アレキパ間は現在貨物専用の路線となっています。それでもまさか貨物列車と行き違うことになるとは思っていませんでした。時間は8:06。

人の気配がするだけでホッとする。

タンク車は何を運んでいるのだろう?

アンデスの風景。高原の湿地帯と言うと、日本ならミズバショウのイメージですが、ここで咲く花はあるのだろうか?

この線の最高地点は通り過ぎたと思うのですが、その後も列車はアップダウンの繰り返しです。

2018年08月15日 20時06分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(5)恐らくこの旅の最高地点。

森林限界を超えた高地を、2本のレールだけが人の手が入っていることを主張している。

アルパカの牧場。これだけの数を一度に見たのはこの旅では初めて。

展望車には双眼鏡が用意されています。遠くの景色を楽しみ、高原に生息するビクーニャなどの野生動物を探すため。

雪景色のアンデスの山々。線路に沿って走る道路をトラックが編隊を組んで走っている。(ように見えました)

列車は右に廻り、左に廻り、そしてアップダウンを繰り返しながら歩みを進めます。

4月28日(土)、アンデアン・エクスプローラー号の旅。

手元の高度計で4241mのサラコチャ駅を朝6時半に出発し、午前8時01分、私の計測していたタイミングでの最高地点、海抜4472mを通過。

今、フリアカ~アレキパを結ぶ鉄道は貨物の専用線となっており、例外としてこの列車でしか経験できない高さ。

※Wikipediaにはこの路線の最高地点は4470mとの記載あり。上記の高度4472mは車内での計測ですので、ほぼピタリかも?

ここを越える標高は中国の清蔵鉄道の5072mのみ。

時折見えるアルパカの牧場。

私が生まれた年の大ヒット曲「高原列車は行く」を思わず口ずさむ。

その歌の舞台は福島県にあった「沼尻軽便鉄道(のちの磐梯急行電鉄)」ですが、たまたま私の知合いの鉄ちゃんのカラオケの十八番(おはこ)がこの曲で、何でよりによってそれを思い出したのだろう。(曲ではなく、友人のことです)

2018年08月14日 13時21分

お盆の小話。

私事ですが、お盆期間中も通常通りの勤務をしています。

だからって訳ではありませんが、その通勤の足の話。

名古屋市交通局の地下鉄は休日ダイヤ。朝の時間帯はいつもより本数が少ないものの、乗客が半分程度ということもあり座っての通勤です。

もっとも帰宅時は、そうは行かず結構な込み具合。とはいうものの普段と同程度で、通勤の方は少ない印象。

名古屋鉄道も土休日ダイヤなので、こちらも同じででしょうか?

一方、JR東海は平日ダイヤですが、そもそもこの期間のラッシュ時の電車に乗ることが無いので実態は不明。

それではあおなみ線はどうなっているのでしょうか?実は平日ダイヤ。本社が移転したことで知ったのですが、乗継割引がある2事業者で対応が分かれているとは「へーっ」というのは偽らざる感想。そして私の通勤だけで言えば、往復ともいつもより空いています。ただ乗るのは名古屋駅からささしまライブ駅との間の1区間だけなのであまり恩恵はありません。

2018年08月13日 20時59分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(4)絶景。

ラグニアス湖点描。


等高線に沿いつつ、標高を上げて行く列車。

朝食を終えた7:20。私は1回部屋に戻ったものの、展望車ならほぼ360度の景色が独り占めできるのに、眺望が180度に満たない場所にいるのはこの列車の楽しみ方では無いとばかりにいざ!展望車へ。展望車にはスタッフが1名いたのみ。

あまりの景色の良さに、結局その後も客室でのんびりすることもなく、ほぼ最後尾の展望車でまったり。そのおかげでペルーらしい景色に出会えました。

展望車のラウンジからの1枚。

荒涼たるこの風景が、どこまでも続いている。大自然に圧倒される。ただ流石に吹く風(動く列車なので、相対的な話)は少々冷たい。

2018年08月12日 10時53分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(3)出発。

朝食の準備の済んだ食堂車からラグニアス湖を臨む。
そこに行かなければ見られない絶景。これはどこへ旅をしていても、素晴らしいと思える風景に出会った時に毎回思う事。そして毎回が私にとって特別な時間、特別な経験。

更に言えば朝食を頂きながら楽しむという究極の贅沢。

距離標(キロポスト)。右の「632」ではなく、左側の226が終点のアレキパまでの距離。

このキロポスト、途中から段々どうでもよくなり、結局確認することもなくなって、ただただ列車に揺られていました。旅好きな鉄ちゃんから旅人に変身。

6:30、列車は静かに動き始めました。この列車の終点、アレキパ駅到着予定は15:30。9時間の旅の始まりです。

サラコチャ駅に残る駅員さん。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!