前日(9月12日)、グレンフィナン駅の構内に食堂車(ダイニングカー)があり、そこで食事が出来るのを確認していたので昼食に訪れました。
左にチラッと見えているのは除雪車で、かなりいかつい顔をしています。ということはさておき、丁度昼時に到着したせいかレストランは満席で、予約を入れて待つこと30分弱。
伝統的なイギリスの食堂車のスタイルかどうかは分かりませんが、どっしりと落ち着いた雰囲気はそそります。
メニューの表紙。夏場は毎日営業というのが如何にも観光地ですね。また平日の開店時間が朝9時と意外と早く、一方で閉店時間の午後4時半は、場所柄それより遅い時間の利用者はさすがにいないだろうと察しがつきます。
車内。
網棚の荷物は、勿論このダイニングカーのセット。でも食堂車なら荷物はそもそも座席に置いてくるのでは?とか思ってしまう心が素直ではない大人な私。ひょっとするとオープンサロンタイプの車両を改装しているのかも???
午前のジャコバイト号。10:53に顔を見せました。遠くに汽笛が聞こえると、それが近づいて来た合図。それにしても天候が…。
グレンフィナン陸橋に差し掛かっても煙は出ているとまでは言えない。何せここは下り坂で、そもそも煙を吐く理由がない。
橋を半分ほど過ぎたところで「おっ!煙」。
2回目にして分かったのですが、どうやらこの辺りで“ファンサービス”で煙を出しているようです。実はこの日、もう1回午後の便も撮影しているのですが、やはりほぼ同じタイミングで煙が上がりました。
そう言えばJR九州のSL人吉が、球磨川第一橋梁を渡る時に煙を上げるのと同じかな?
グレンフィナン陸橋での撮影を終えて前日同様のダッシュ。11:27の撮影。空が明るくなり始めている。
奇跡が起きた。何と思いも寄らぬ晴れ間が出現。線路を越えた場所で狙っていれば順光、、、だったのですが…。贅沢を言えばキリがありません。クラシカルな蒸気機関車が精一杯走るのを間近に見られただけで良しとしましょう。
2018年9月13日(木)。
朝8時を回っているのですが、他の宿泊客はまだ夢の中?
穏やかな朝の陽ざしの中でお客さんが来るのを待っている。
鉄旅で、かつ撮り鉄の旅でこれほどのんびりとした朝を迎えたのは初めてかも知れない。
この日もジャコバイト号の撮影のため、グレンフィナン陸橋へ。列車の通過時間が近づくとこんな感じ。前日(9月12日)よりも少ないかな?
朝から雨降り。
私は今回、雨降りが多いスコットランドの天候に合わせ、撥水加工の靴を履いて来ていたのですが、残念ながらの大正解。カメラを入れるバッグも、いつもは通勤でも使っているリュックなのですが、今回は雨カバーが付属しているカメラバッグ。一応万全の態勢で臨んでいます。
今年は12月5日から発売が開始された年末年始特割ドニチエコきっぷ。
今年も買い、早速昨日(12月16日)1枚を使用しました。私にとっては年末恒例の行事ですので、いよいよ今年も残り少しと感じ入っています。
ところで今回の図柄は地下鉄東山線覚王山駅からほど近い揚輝荘の中にある聴松閣(ちょうしょうかく)、聴松閣旧舞踏場、伴華楼(ばんがろう)、白雲橋(はくうんきょう)となっています。折角なのでこの年末年始特割ドニチエコきっぷを使って揚輝荘の見学に行くのも一興かと思案中。(休館日に注意)
などと思ったのは私自身、揚輝荘に入ったことはあるもののそれは何と40年前。松坂屋創業者の伊藤家の正月行事「お帳とじ」の取材でお邪魔したのですが、何だか凄いところが名古屋市内にあるものだと思ったのだけは今も覚えています。
今回の足。家でいつも乗っている車に比べ一回り大きい。そもそも私は車の運転が得意ではない方なので、結局同行者にほとんど運転してもらうような状況でした。
可愛らしい外観の小さなホテル。
グリーンツーリズムは分かりますが、スコットランドのスモールホテルというジャンルがあるんですね。こうしたホテルを泊まり歩くのはある意味、贅沢です。
このホテルの水は飲める!らしい。
ドキドキしましたが飲みました。美味しかった。
さてこのホテルを選んだのは同行者。食事が美味しいとの評判で選んだそうです。
コースではなくアラカルトで頼んだディナー。もっともスープは1人1つ。
一般的には良いイメージのない「ため息」ですが、ここは別。思わず幸せなため息が漏れてしまう至福な時。
地元産のジビエとサーモンを2人でシェア。
ボードの手書きメニューもグルメな気分を盛り立ててくれるスパイス。こうしてスコットランドの夜は更けてゆく。
この日のホテルはグレンフィナン陸橋からほど近い場所。あとはホテルに行くだけなので、チェックイン前にグレンフィナン駅に行ってみました。
こちらは駅の信号扱所。
駅舎とホーム。ローカル線の小さな交換駅。
名古屋エリアでは、非電化時代の関西本線蟹江駅とか永和駅に近い感じかな?もっとも両駅には中線があるので、この駅よりは広々した感じではありますが…。
この看板に書いてあるように、規模は小さいですが駅舎内は博物館とお土産屋さんになっており、また観光案内所でもあります。私はここでハリー・ポッターのロケ地ガイドの本を買いました。
時間にゆとりが出来たら、聖地巡礼で回ってみるのを良いかな?とか思っている次第。
博物館に足を踏み入れる。日本でも駅舎の中を見学施設として開放しているところがありますが、そんな感じです。長良川鉄道の郡上八幡駅「ふるさとの鉄道館」が近いかな?
駅を彩る鉢植えの花。こうした風景はヨーロッパの駅だけではなく日本でも見かけますが、スコットランドの地まではるばるやって来たという感慨があるせいか、何か特別な存在に見えます。
ところでこのグレンフィナンの地が、単に美しい景色の中を蒸気機関車がけん引する列車「ジャコバイト号」が走るだけなら、ここまで世界的な観光地になったでしょうか?確かに撮り鉄さんは来るかも知れませんが、映画のロケ地という価値の大きさには全く驚かされます。
グレンフィナン陸橋を俯瞰で撮影した場所から駐車場までは歩いて約15分。結構距離があるのです。そしてその駐車場から車を出して走ることしばし。
あらかじめギリギリ間に合うのではと目星をつけてあった場所の一つ。幹線道路のすぐ横からの撮影。ぶっつけ本番。このS字カーブは想像以上にいい感じだった。
人のことはあまり言えませんが、世に爆煙好きな方は多いです。そしてそれが上り勾配に立ち向かう重連だったりしたならばそれはもう痺れまくりです。ただ私はこうした長閑な風景を行く蒸気機関車ならば、この程度の少し遠慮がちな煙も好みです。
秋の訪れを感じさせる日本でもありそうな風景。
15:40の撮影。この日の撮影はこれで終了。
そして最後にこの場所での動画です。1分14秒あります。
2018年9月12日。鉄道撮影のお立ち台として世界的な知名度がありながら、おそらく世界で一番撮り鉄でない人たちが集うお立ち台に到着。
その場所はグレンフィナン陸橋Glenfinnan Viaduct。
コンクリート製では世界最古と言われている美しいその姿は、鉄道写真ではなく、映画「ハリー・ポッター」の中で、ホグワーツ特急が走る路線として有名になりました。
こうして撮影する私の周りにいる人たちは、間違いなく世界から集まってきた「ハリー・ポッター」『聖地巡り』をするファン。その人数は恐らく数百人。一体何か国語が飛び交っているか見当もつかない。
考えようによっては私と同行者にとってこの場は完全にアウェイ。
聖地だから人が集まるというのはその通りでしょうが、この風景があらばこそ聖地となり得たのは間違いないと思います。イギリス国内でも、スコットランドは決して観光地として行き易い場所ではありません。
ましてグレンフィナンの地に来て、1日2往復の列車の時間に合わせてここにいるには、「1日で、ここだけ見れば満足です。」と言い切るほどの“覚悟”が必要と言ったら大袈裟でしょうか?
折り返しバック運転の列車を陸橋の下からあおってみる。
これはこれで絵になる。
などと悠長に構えて撮影していたわけではありません。ここからジャコバイト号の追っかけです。
ジャコバイト号の夏季の運転は午前、午後の2往復。次の撮影まで3時間ほど時間があるのでその間に昼ご飯。
それにしても最初の撮影地あたりにはレストランもお店屋さんもなし。人口密度の低いところなので致し方ないのですが…。
ずーっと走ってきた幹線道路から、集落がありそうな雰囲気のある場所を目指して脇道にそれてみる。まあいわゆる動物的な勘ですね。で、ありました。世界的な食品小売りチェーンのお店。早速サンドイッチとコーヒーを買い、絶景ポイントの駐車場で食す。
これぞスコットランドという風景。
時刻表を見れば、ジャコバイト号の時間ではありませんが、ローカル列車の通過時間が近い。
13:14に撮影。とこうして書いているとまるで私が全てを調べて仕切っているかのようですが、実はこれ、同行の方が何から何までお膳立てしてくれた賜物。
実はレンタカーの手配もその方にお任せで、なおかつスコットランドでのホテルの手配もお任せ。
この地が3度目であったりする方なので、まあお任せするのが一番無難だったりはするのですが、ここまでおんぶに抱っこだと、次回誘っていただけるかどうかがとても心配な今日この頃。
そして今回の旅の最大の目的地に到着。
そこに午後運行のジャコバイト号が到着しました。