2019年07月10日 16時12分

人力トロッコを求めて(5)これが絹雲母(セリサイト)。

本当に本物の採掘の最前線。目の前に岩盤があり、そこが線路の終点。いわゆる炭鉱の採掘現場の小さなパターンかと勝手に思い描いていましたがそんなことはなく、それぞれ採掘の目的たる鉱物が変われば、当然のことながらそれを掘り出す方法も変わるという当たり前のこと。

私たちが入れるのはここまで。この先に絹雲母(セリサイト)の地層があり、それを掘っているとのこと。

これがここで掘り出したばかりの絹雲母(セリサイト)。鉱物と言うから固い石状のものを想像していましたが、粘土鉱物なのだそうで、当たり前ですが触った感触は粘土そのもの。これを精製して製品として出荷しています。

現役時代、東海3県の市町村の内、多分7~8割は取材でお世話になっており、ここ東栄町は1度、カービング(木工芸彫刻)の取材で来ています。ただその時は、それ以上にこの町を知るような取材を怠っており、ひょっとしたらその時にこの人力トロッコと出会えていたかも知れず今思えば残念。

2019年07月10日 8時07分

人力トロッコを求めて(4)現役の力。

鉱山の説明を聞きつつ、坑道を奥に進む。トロッコを撮影する同行者たち。多くの方はトロッコそのものに興味津々ですが、私は分岐器にも興味津々。面白い。

ところでですが、ここに来るまで私は手で押して動かすトロッコの存在は、合理化の波に乗り遅れた、時代遅れの存在なのではないかと感じていました。しかし今も現役である理由はちゃんとある訳で、現場を見ることでそれを理解し始めていました。

そして奥三河の山中になぜ化粧品の原料を採掘する鉱山があるのだろうか?という疑問も含め、坑道奥深くのここに到着するまでには、ほぼ解消していました。

というか、このツアーの参加者の方の半分は鉄道が好きな方と思えたのですが、三信鉱工の社長さんへの質問は、鉄道というより産業としての「鉱山」の質問が多く、それは私も同様でした。

坑道内はこうした分岐ポイントが一杯。その理由は…。三信鉱工では鉱山探検(坑内見学)を定期的に行っており、もっとも秋までは既に予約が入っているようですが、是非、自分の目と耳で確かめられることをお勧めします。



ADVERTISEMENT

電子書籍「稲見駅長の鉄道だよ人生は!!」
稲見駅長の鉄道だよ人生は!! ―各駅停写の旅―

カレンダー

2019年7月
« 6月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!