2012年05月05日 18時20分

高山本線ローカル列車の旅(2)。

高山本線の「富山」~「猪谷」間を普通列車に乗ったのは私が記憶する限り、初めてのことで、最初に乗ったのは昭和46年(1971年)8月17日で、急行「北アルプス」号でした。その後も特急「ひだ」で通過したことはありますが、“普通列車”の良さは流石にノンビリと風景が楽しめ、窓からゆったりした気分で写真も撮影できることです。

上段写真は、米どころ富山平野の春らしい風景。田植えを前にして水をはったのでしょうか、水面が鏡のようになり、家々を映していました。
またその向こうには山々が聳えて(そびえて)いるのですが、ガスっていてあまりはっきりは見えません。

高山本線の旅の魅力は、何と言っても風景の素晴らしさにあります。海には縁がありませんが、平野から山に分け入り、その山が作る渓谷美も半端な存在ではなく、最後にまた平野に戻っていく如何にも『山国日本』を感じさせてくれるのが私が高ポイントを付ける理由です。

そんなことを考えていたら「笹津」駅に到着。私の眼の前に如何にも古めかしい駅名標が飛び込んできました。JR西日本の定番ではなく、こんな駅名標も残されているんですね。こんな発見も“普通列車の旅”ならではでないでしょうか?それにしてもこの駅名標は昭和4年(1929年)の開業時の名残ということもあり得るのでしょうか?

2012年05月04日 18時10分

高山本線ローカル列車の旅(1)。

今年のゴールデンウィークは5月1日(火)と2日(水)の2日間も休みをもらっていました。その5月1日の天気予報で富山方面が比較的安定していそうだったので、思いつきで富山ライトレールと富山地方鉄道富山市内軌道線に乗りに出かけました。

その帰りの2日は、富山県高岡市の万葉線に乗ってから帰るか、それとも高山本線の普通列車で本州を縦断するか迷いましたが、結局万葉線は次回に譲り、高山本線の旅を選びました。昨日の「臥龍桜」の写真もその道すがら撮影したものです。どちらにしても2日は、丸栄百貨店の「鉄道模型展」の準備のため、夕方には名古屋にいる必要があり、久しぶりの『ノンビリ鉄旅』を楽しむことにしました。

上段写真は高架工事真っ盛りの富山駅。(1日に宿泊した『富山エクセルホテル東急』の部屋から撮影)
下段写真は富山駅に停車中の8:14発の850D「猪谷」行きです。一見3両編成に見えますが、実際は前の2両の編成で、「速星」まで通学する高校生で満席どころか立っている人も多く、私は何とか座れた状況でした。それにしても男子高校生の大人しさに比べ、女子高生たちの元気さには圧倒されました。ただ通路に座りこんで喋っている姿はあまり褒められたものではありませんでしたが…。それでも通学で乗車する人がいるから『鉄道』が存在するのかもしれないと思っていたら、平成20年開業の「婦中鵜坂」で下車する通勤客も結構いて少々驚きでした。

(余談)
富山駅の現在の駅舎は、上段写真の真ん中左にありますが、元は右端の場所にありました。そのため改札からホームまでは少々距離があり、遅くとも10分前には改札口を通ることをお勧めします。私は7~8分前の通過でしたが結構あせりました。

2012年05月03日 21時19分

「臥龍桜」(がりゅうざくら)をご存知ですか?

岐阜県高山市一之宮町に『国指定天然記念物』の一本桜「臥龍桜」があります。臥龍とは龍が横たわっているという意味でしょうが、枝振りは正にその通りのイメージですね。ただ樹齢1100年の老木だけあり、枝の支え無しには姿は保てないようです。(この桜の説明は「飛騨一之宮観光協会」のHP等を参考にしています)

この写真を撮影したのは昨日(5月2日)の10時32分頃で、文字通りの『満開!!』。今年も見事に咲き誇っています。桜の花は本当に『日本の春』を感じさせてくれます。ただゴールデンウィークの最後の日まで、私たちがこの美しさに魅了されることができるかどうかは、ギリギリ大丈夫ではないかと期待しつつ、少なくとも散りゆく花は楽しめるのではと思っています。

ところでこの「臥龍桜」は下段写真でホームが写っていることでも分かっていただけると思いますが、何と高山本線「飛騨一ノ宮」駅から“天然記念物”を愛でる(めでる)ことが出来るのです。しかもこの2枚の写真は、「猪谷」発「美濃太田」行きの普通列車の車内から撮影したもので、列車から降りてはいません。「鉄ちゃん」の間でも知る人ぞ知る存在なのか、誰でも知っている存在なのかはともかく、実際に満開の「臥龍桜」をご覧になった「鉄」の方はそれほど多くは無いのでは?
※下段写真には花がいっぱい写っており、どれが「臥龍桜」かと言うと、ホームに咲いている花の左奥にあります。上段写真と枝振りで確認してください。

なお、特急の車内からでは「あっ」と言う間過ぎて、その存在を確認することすら困難という表現もあながち大袈裟ではないと個人的には思っています。

今日から暫く「桜通線の壁画」の話しをお休みし、高山本線ローカル列車の旅を綴ります。

2012年05月01日 19時40分

地下鉄桜通線の壁画(6)丸の内Ⅱ。

名古屋市営地下鉄「丸の内」駅の改札外で『桜通線』と『鶴舞線』を結ぶ連絡通路は、間違いなく通ったことがあるはずなのですが、上段写真の様に「天井が低い!」ことを発見しました。
ましてその低くなった場所の両サイドに壁画があることは意識した事がありませんでした。

*タイトル…「玄耀〈はるかなるものへ〉」
*作家…デザイン:三塩英春
    製作:日本碍子、シントクナショップ
*寄贈…日本碍子(株)、松下電工(株)
*完成年…平成元年
*大きさ…高さ2m35cm、長さ…12m

なお、上段写真の右側の壁面には「松下電工」の名前があり、左側の壁面に「日本碍子」の名前が嵌め込まれており、そこから察することが出来るのは、2面ある壁画のそれぞれをそれぞれの会社がスポンサーとして作ったのではないかということです。ただそうとも言い切れないと思うのは、『共同出資』『共同製作』も考えられるからです。もっともこの2つの壁画が一対で一つの作品であろうことは私の見当違いではないはずです。

さて、先回の「美術の著作物等の利用」ですが、まず絶対条件は、その全容(上段写真のような)を必ず見せる事です。それがあって初めて下段写真の様な私の気になった(心惹かれた)部分の使用が可能となります。

返して言えば、下段写真のような「作品の一部」を集め、それでも『何枚かをひっくるめれば全容が分かる』であろうとしてUPすることは不可だと考えます。くどいようですが、まずは1枚の写真の中に作品全体が写っていることがマストです。
著作権豆知識でした。

2012年04月30日 18時56分

地下鉄桜通線の壁画(5)丸の内。

今回、壁画の話しをUPしている理由は、名古屋市営地下鉄の芸術散歩だけが目的ではありません。日常的に利用する駅も、その気になって観察すると思わぬ発見があるからです。
そもそもこれまでも、そしてこれから紹介する駅で、下車した事が無い駅は、ゼロでは無いもののはっきり言って少数派です。中には何度も利用しているにも関わらず完全に壁画がある場所を咄嗟に思い出さなかった駅は結構あります。

ここ丸の内駅もその一つです。その具体的な話しは、申し訳ありませんが、次回にさせて頂きます。

今回の壁画は、
*タイトル…「銀河の音楽〈LA MUSICA DELLE Galassie〉」
*作家…サビーノ・ヴェントゥーラ(イタリア)
*寄贈…(株)ビオット
*完成年…平成元年
*大きさ…高さ2m10cm、長さ…12m

ガラスアートにも見えますし、磁器にも見えますし図案も含めてちょっと不思議なアートです。
実は今回、作家と寄贈者を検索したのですがサビーノ氏はやはり現代ガラス作家のようで、下段写真の作家のサインが印象的でした。

ところで私が今回、壁画の写真をUPするにあたっては著作権法に則って書いています。
気になる写真の利用ですが、著作権法第46条に「公開の美術の著作物等の利用」があり、詳しい話しはここではしませんが、何れにしろ公開されている美術品はこのブログの様な使い方は問題が無いと考えています。ただ条件は幾つかあります。(次回説明)

※著作権法46条のみならず、著作権法の解釈は個別に検討しており、使い方によっては、この壁画写真のブログでの使用を避ける場合もあります。皆さんも著作物の使用方法で心配な場合は、『公益社団法人著作権情報センター』を検索し、そこに問い合わせることをお勧めします。丁寧に教えてもらえるはずです。

2012年04月29日 20時20分

地下鉄桜通線の壁画(4)国際センター

ゴールデンウィークです。
3連休の中日、近所の公園で「鬼ごっこ」をする子供たちを見かけました。車を運転していた時の信号待ちの出来ごとでしたが、私は逃げる側の子供たちの動きを後ろから見ていました。勿論、公園の真ん中でキョロキョロする“鬼”の子の行動も見届けていたのですが、逃げる側の子供達の方が、“鬼”をまるで何かのターゲットの様に探り、仲間の位置も確認しつつ隠れるためのベストポジションを選んで行動しているのが印象的でした。

等とここで書く以上は、何がしか私の中で「鉄」のイメージが働いたからで、まあどうということは無いのですが、車両や駅の写真を撮影する時の場所選びに際し、右に左に動く自分の姿を後ろから冷静に見ている非「鉄」の方は、きっとこんな感じなんだろうと思った次第です。もっとも鬼ごっこの子供たちのように可愛くは無いでしょうが・・・。

さて、ここから今日の話題です。「国際センター」駅の壁画ですが、

*タイトル…「夢のあしあと」
*作家…作野旦平
*寄贈…ダイコク電機(株)
*完成年…平成元年
*大きさ…高さ2m50cm、長さ…15m

場所は改札を出て左に少し言った場所で、これまでの壁画もそうですが、“manaca”を「ピッ」とやった後に『どっちにあるのだろう?』と、目が泳いでしまいました。
(すいません。使ったのは「ドニチエコきっぷ」でした)

駅員さんに聞けば直ぐに分かるのですが、今シリーズでは聞かずに自力で捜しています。そのため思わず時間がかかった駅も実際にはあったのですが、「国際センター」は直ぐに見つかりました。

肝心の作品ですが、ガラスのモザイクという表現で間違ってはいないと思いますが、独特の世界観が寓話のようにも見えました。(あくまでも個人的な感想です)

2012年04月26日 18時02分

ゴールデンウィーク特割ドニチエコきっぷ「2012」。

写真は今年の名古屋市交通局「ゴールデンウィーク特割ドニチエコきっぷ」です。
昨年の同切符は、ほぼ1年前の4月30日にこのブログでも紹介していますが、デザインを比べてみると手をVの字に広げているハッチ―の恰好は同一と思われる一方、背景は大きく変わっています。
そんな「ゴールデンウィーク特割ドニチエコきっぷ」の昨年と今年の大きな違いは、4枚組1800円が2000円となったことです。
使える日数はカレンダーの関係もありますので何なのですが、昨年は8日で今年は7日です。

ところで私の今年のゴールデンウィークの過ごし方ですが、特段、どこかに出かける予定も無いので、この切符を使い、桜通線の芸術散歩&全駅下車を達成しようかと思ってします。(どちらが優先事項かは自分でもわかりません・・・。)
実は「中村区役所」~「野並」間については、全駅に壁画があるのは承知しているのですが、徳重までの延伸区間についてはまだ確認が出来ていません。それもちゃんと調べてみようと思っています。

どうでも良い話しかも知れませんが、土日祝日の桜通線の運転間隔である“10分”というのは、一寸下車して壁画を鑑賞するには手頃な感じです。ただ壁画の場所を探したりすると、平日の7分半間隔で1本やり過ごす方が良いかもしれません。

さてさて、このきっぷを使い切ることは出来るのでしょうか?因みに昨年は3勝1敗でした。

2012年04月25日 19時27分

地下鉄桜通線の壁画(3)名古屋(続編)

桜通線「名古屋駅」の壁画は一つではありません。

その場所は上段写真の丁度真ん中奥で、桜通線の改札を出て11番出口と12番出口を結ぶ中地下一階コンコースです。

*タイトル…「春のめざめ SPRING IMPULSE」
*作家…エカチェリーナ・ゲツォワ(ブルガリア)
*スポンサー…東京海上火災保険(株)
*完成年…平成元年
*大きさ…高さ2m30cm、長さ…12m

壁画の説明板によればこの作品は45枚のガラスレリーフでできていると書かれており、私は思わず本当に45枚あるかどうかを数えてしまいました。

中に蛍光灯が仕込まれているので、この作品の周りだけがまるで浮き上がっているような異空間に見え、殺風景な通路が何か別世界の印象を与えているようですが、何せ場所が場所だけあって私自身、これまで殆ど印象に残っていないというのが本音です。

また連載3回目で言うのはいささかという気分はありますが、名古屋市交通局公式HPの地下鉄駅構内図にはこの名古屋駅だけではなく、『壁画』の存在する全ての“駅”構内図にその場所の案内はありません。さらに言えば、そもそも公式HP内に、『壁画』についての記述を私は発見できませんでした。
折角、身近にこんな素敵な芸術があるのに勿体ないと言わざるを得ません。更に更にここでもう一度敢えて「あまりにも勿体ない!」と強調しておきます。

ところで、東山線の名古屋駅側にもとっておきの壁画があります。が、何せ終日人通りの多い場所ですので、まだちゃんと撮影できていません。また別の機会に…。

2012年04月24日 19時24分

地下鉄桜通線の壁画(2)名古屋

桜通線名古屋駅の壁画です。
場所は、桜通線の改札を出て直ぐなのですが、コンコースと言うより、通路と言った方が良い場所のため、ご覧の通り人通りは多くありませんというより、はっきり言って少ないです。それだけにじっくりと作品を楽しめます。

*タイトル…「イメージスペース・名古屋駅の人々」
*作家…高松次郎
*寄贈…東海銀行
*完成年…平成元年
*大きさ…高さ2m20cm、長さ…62m40cm

作家の高松次郎さんについては「Wikipedia」等で検索できますので、興味のある方はご自分でお調べください。何せ、私は芸術を『楽しむ』ことはあっても、芸術家の方(作品)を解説するほどの知識がありません。

一方、大きさは私の手元資料では、名古屋市営地下鉄の駅にある芸術作品では“最長”です。この壁画に沿って歩けばわかるのですが、その長さも感動ものです。でも、ここを歩いている人で、壁画を鑑賞している人は残念ながら一人もいませんでした。名古屋市交通局の宣伝不足なのか、それとも日常の一コマ故、既に空気のような存在となっているのでしょうか?

なお、作品はガラスの中にあるため、写り込みがあったりで写真は極めて撮り難い状況です。もっとも撮影に気をとられることがないので、その分ゆったりとご鑑賞できます。(と、ここでは書いておきましょう)

2012年04月23日 18時06分

地下鉄桜通線の壁画(1)中村区役所

鉄道趣味の一ジャンルに“なってしまった・・・”という言い方を思わずしたくなってしまう『とてつもない』というか、初めて聞いた時には「えっ?そんなのありですか?」と驚愕した『全駅下車』。
横見浩彦さんの名前が直ぐに浮かんできますが、Wikipediaで「全駅下車」と検索すると『杉原巨久』さんの名前が出てきます。(杉原さんは『全駅下車見聞の旅―日本の鉄道全線9600駅』という本を出版されています。)

その全駅下車と写真の地下鉄桜通線・中村区役所駅の壁画との間にはどんな関係があるのでしょうか?
それはさておき、意外と知られていない『名古屋市営地下鉄』の特徴に、桜通線の各駅を中心に、相当数の壁画等の芸術作品が駅のコンコース等に展示されていることがあります。全部まとめて「エキナカ美術館」という表現が過言で無いと言っても良いとさえ思っています。

ということで、今日から暫く「エキナカ美術館」の話しにお付き合いください。

(中村区役所駅の壁画)
*タイトル…「地中の虹」
*作家…瀧川嘉子
*スポンサー…旭硝子(株)
*完成年…平成元年

で、『全駅下車』と壁画の関係ですが、実のところ直接的には何の関係も脈絡もありません。ただ『全駅下車』に挑戦するなら身近なところで、なおかつ桜通線の各駅の様に、降りて楽しめる『線』から始めたら如何でしょうか?と言う提案でありまして、決して私が『全駅下車』への挑戦宣言をしているわけではありません。皆さんへのお勧めです。

今年のゴールデンウィークは、3連休+4連休の方も多いと思います。『全駅下車』の第一歩の参考になれば幸いです。などと言うのは“壁画”の話しを書きたいが故の方便でしょうか?



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!