2011年04月09日 18時00分

樽見鉄道「運転体験講習会」(13)今年が一番忙しかったロータリー車。

車庫内の見学も「運転体験講習会」の楽しみです。
この日(3月13日)は、初回(プレ?)と言うことで樽見鉄道の方が
総動員で対応されていたので実現したのかも知れませんが、
なかなか楽しいです。

この軌道モーターカーも、いつもなら通り過ぎるところですが、
今冬の大雪の際は、連日連夜、不眠不休で除雪にあたっていたと聞き、
写真を撮りました。
●職員の方も当然の事ながら、不眠不休だったそうです。
地方の足はこうして守られているのですね。

このモーターカー、年によっては稼動しないこともあるとのことでしたが、
やはり樽見鉄道には必要な存在なんですね。
因みにこのロータリーの反対側はラッセルになっています。

ところでこの車両『DB1』は、「新潟鉄工所」製で、
製造銘板には「ニイガタ 軌道モーターカー(ロータリー装置付き)」
とあり、形式は「MCR-4A」で、製造年は昭和59年。
製造番号は「4157」となっていました。

と、ここまで書いて、どうせこのブログにUPするなら
もっとちゃんと話しを聞いておけば良かったと反省しています。
仕事での取材の時は、「そんなに話しを聞いてどうするの?」と言う位、
メモをしていましたが、『趣味』は『趣味』と言うことで、
このモーターカーに興味のある方は、樽見鉄道を訪問された際に
お聞き下さい。(申し訳ない)

2011年04月09日 9時01分

樽見鉄道「運転体験講習会」(12)制輪子。

「運転体験講習会」では、鉄道の現場の方から様々な鉄道に関する
お話しを聞く機会があります。

この『制輪子』の話しもそうで、指導運転士さんと、
たまたまこの「モレラ号」のブレーキの効きの雑談をしていた時に、
いろいろ教えてもらいました。

上段写真は、「モレラ号」のブレーキ部分です。

ここ樽見鉄道の『制輪子』は“鋳鉄製”で、
昔からあるタイプなのだそうですが、ブレーキの効きもよく、
天候の変化にも対応し易いといった取り扱いのメリットと、
何よりも他の「レジン制輪子」等に比べ“安い”のが一番とのことでした。
ただデメリットとしては、磨耗が早く、短期間での交換が
必要なことだそうです。
(確か、一か月ももたないと聞いた)

そのため、車庫には下段写真のように、『鋳鉄制輪子』の在庫が
いつも多数用意してあります。
※この横には、交換した『鋳鉄制輪子』の残骸も一杯ありました。
いくら収集「鉄」でも、持ち帰りには困難な重さで
いくら家族に理解があっても、これだけは持ち帰りを
考えないほうが無難です。

今回は、もっと専門的な話しも出たのですが、
私にはチンプンカンプンなところもあって、この程度でご容赦下さい。

2011年04月08日 18時31分

樽見鉄道「運転体験講習会」(11)運転終了!

昨日の地震の影響で、東北地方の鉄道はまだ昨日以前の状況に
戻りきれていません。
“余震”と呼ぶにはあまりにも大きすぎる地震です。

さて「運転体験講習会」での運転を終えると、
写真の『運転体験証明書』が、参加者の皆さんの前で、
指導運転士さんから手渡されます。

『運転体験証明書』の裏面には今回の場合、
(1)運転速度…時速15km
(2)期日…3月13日
(3)合・否…合(でないと困りますよね)
以上が記載され、2回目以降もこの“体験証明書”を
持参することになっており、これがあれば『時速20km』運転ができます。

一人一人、拍手の中でもらうのは何とも“照れ恥ずかしい” ものが
ありますが、この年になっても嬉しいものでした。
私の表情まではこの写真で読み取れないと思いますが
一応のイベント終了と言うことで、安堵感が漂っていました。
もっともそれは私だけではなく、参加者共通の表情でした。

ところで参加された方の中で、以前にも他の鉄道で「運転体験」を
されている方がいらっしゃいましたが、
皆さんが異口同音で仰っていたのが、「モレラ号」の扱いやすさです。
そして、「運転ビギナーでも楽しいのでは」とも仰っていました。
とはいうものの、それは「何度か経験があるからでしょう」と
言われるかもしれませんが、私も実は同じ「初心者でもOK」という感想を
持ちました。

ただ、運転はやはり“プロ”で世界であることは間違いありません。
私も、これからその『奥深い』世界に入っていきたいと
心に誓いながら、この「証明書」を受け取っていました。

2011年04月08日 8時56分

樽見鉄道「運転体験講習会」(10)枕木の話し。

昨夜、宮城県で震度6強の地震があり、名古屋でも少し揺れを感じました。
今朝は、東北地方の鉄道がほぼ止まっています。
宮城県では、電気・水道等の生きていくための基本的なインフラが
まだまだ復旧していません。その工事に遅れが出ないことを
ただ祈るばかりです。
そんな状況の中、このブログはいつもの内容で更新します。

上の写真は、昨年の5月18日に車内から撮影した本巣駅構内です。
下り本線の右側の側線に、まだ14系客車が残っています。
当時、「ハイモ230-301」は、この14系の先に留置されていました。
今回の「運転体験講習会」で使用している側線は、
その右側(3本ある側線の真ん中)で、写真ではブルーシートを
かぶせられた“何か”が、留置されている線です。

ただこの側線、当然の事ながら殆ど放置されていた状況だったこともあり
線路状況は最悪で、これで国土交通省の許可が出るとは考えられず、
社長以下、樽見鉄道の社員が総出で改修したそうです。
●そう言えば、雑草もキレイさっぱり無くなっていました。

下の写真は、一見何の変哲もない枕木ですが、
これも必要に応じて交換をしています。
一番手前の枕木と、その奥の2本の枕木の色が全く違うことは
この写真でも見て取れます。
奥の新しい枕木は、“使用に耐えない”枕木を替えたもので、
その総数は160本に上るそうです。
一方、手前の枕木はまだまだ使えると言うことで交換せず!
つまり交換した枕木は必要なものだけ!
安全上、使えるものは使う工夫もしている訳で、
線路の所々で確認できる「新しい枕木」には
そんなエピソードが隠れていました。是非、「運転体験」時にご確認下さい。

通常、こうした作業は専門の会社にお願いすることが多いようですが、
経営が厳しい樽見鉄道では、“自前”でそれを行うことで、
経費削減と自分達のこのイベント実施への覚悟を決めたそうです。
『仕事』とはいえ、なかなか出来ることではないと思います。

2011年04月06日 9時00分

樽見鉄道「運転体験講習会」(9)「いつまでも走れ、未来へと…」。

写真の「ハイモ230-301」は2年前、
平成21年「ハイモ295-617」(三木鉄道からの譲渡車)の
デビューに合わせて置き換えで廃車されました。

(上段の写真)
車体にはNPO法人「樽見鉄道を守る会」の呼びかけで
沿線の子供達が描いた絵があり、全国のラッピング車両の中でも
その『ほのぼの』感は群を抜いていると思うのは私だけでしょうか?

真ん中には「いつまでも走れ、未来へと…」との文字が書かれていますが、
その想いとは別に、残念ながら樽見鉄道の『未来へと』は
なかなか繋がっていかないようです。

その分、ミャンマーで「いつまでも走れ、未来へと…」と
なってほしいのですが、この絵はミャンマーに付いた段階で
「ミャンマー国鉄色」に塗り直されるそうで、
どうせなら、日本の子供達の絵(言葉も含め)をつけたまま走らせた方が、
『国際交流の意味あいでも』良いのになあと思うのは私だけでしょうか?
もっとも輸出先がミャンマーと言うのが微妙ですが。

(下段の写真)
若干見にくいですが、名残の「大垣」~「神海」間の方向幕です。
現在、「神海」行きは存在しないので、今回は特別に出してもらいました。
こんなところも「運転体験講習会」ならではと言えます。

さてさて、「ハイモ230-312」&「ハイモ230-301」の
ミャンマーでの活躍を祈るばかりです。

2011年04月05日 18時03分

樽見鉄道「運転体験講習会」(8)2両の廃車体。

運転体験の際、自分の順番では無い時に、樽見に向って右側の側線に
留置されている2両を見ていました。

右の車両は「ハイモ230-312」、
左の車両が「ハイモ230-301」です。
「312」は今回の廃車ですが、「301」は2年前に廃車された車両です。

今回、この2両は『ミャンマー』に“部品”として売却され、
実は、この「運転体験講習会」の翌日、
3月14日にこの本巣駅から樽見方面に2駅の木知原に移され、
そこからトレーラーに積み込まれました。
ここ本巣駅ではトレーラーに積み込めないためそうしたそうですが、
そもそも積出港までそのまま“甲種輸送”的なことは
出来ないかも思ったのですが、
費用の問題やそもそもJRの線路を走らせる状況に無かったようです。

それにしてもこの2両、ミャンマーでは輸出の建前とは違い
“部品取り”ではなく、当然の事ながら“車両”として
使用されると聞いています。

「ハイモ230-301」は2年前から動いていないわけですから、
「大丈夫か?」という気はするのですが、
現地ではちゃんと修理しながら使い続けるようです。
ある種、考えようによっては“凄い”技術力です。

まあ、樽見鉄道の車両が生き永らえるのは、ある種嬉しい反面、
故障でもしたら、何か『日本の信頼』を無くしそうで
若干恐い面がある点は否めません。

ところでこの風景に出会えたのは、樽見鉄道が「運転体験講習会」に
合わせた訳ではなく、全くの偶然とのことでしたが、
私の「鉄」心に響いたのは間違いありません。ラッキーでした。

2011年04月05日 9時03分

樽見鉄道「運転体験講習会」(7)ここが終点です。

この写真で、左側の「十文字」のある場所が、
今回の「運転体験講習会」『モレラ号』停車位置です。
その停車位置の少し先右側で、立っている(安全確認をしている?)方は
同鉄道の田中社長で、私たちの運転を長い時間見ていました。
(ひょっとして見張っていた?)
さすが第1回目(本当は、1回目ではなく“プレ”体験会なのですが…)
だけありますね。

ところで、次回というか本当の第一回「運転体験講習会」は
5月3・4.5日となっています。
※次回の「運転体験講習会」は樽見鉄道のHP
ご確認下さい。

で、話しは“運転”に戻しますが、
今回は全参加者が初回ということで最高時速“15キロ”となっていましたが、
次回以降に誕生する2回目以上の参加者は
時速20キロまでの体験が出来るそうです。

参加者はここを1往復するのですが、さすがに全国の『運転体験』の中でも、
運転区間が長い(300メートル)利点を生かし、
往路は150メートル毎に2回、
一番難しいブレーキをかけることができるようになっており、
そして復路は300メートルを一気に駆け抜ける段取りになっていました。

運転して思ったのは300メートルあるならば、
出来れば時速30キロ程度は出せるのではという点ですが、
残念ながら『側線』には速度制限があり、それは25キロなのだそうです。
ただ『20キロ』にその速度を抑えているのは、
万が一にも25キロを超えないための対策だそうです。
残念というか止むを得ないということでしょう。

何れにしろ、その枠を超えない範囲でしか国土交通省の許可は
出ないのですから、私たちもそれに従うしかないようです。

2011年04月04日 18時09分

樽見鉄道「運転体験講習会」(6)ブレーキ弁ハンドル。

ブレーキ弁ハンドルにビニールテープで、“印”がつけてあるのが
樽見鉄道の「運転体験講習会」の特徴です。

この鉄道のブレーキ装置は『直通空気ブレーキ』で、
編成両数の少ない鉄道向きだそうです。
※長編成になると、後部車両のブレーキのかかりが遅くなる欠点が
あるとのこと。

また高速運転より、一定の時速以下の車両に向いているとのことで、
樽見鉄道ではこれを採用しているそうです。
これ以上の技術的な話しには私は付いていけません。
悪しからずご了承下さい。

ところでビニールテープの話しですが、
実際にブレーキ弁ハンドルを扱ってみて、初心者にはこれが大正解!
それぞれの位置を目標にハンドルを動かせば、初めての運転でも、
そこそこちゃんと止めることができるのです。
他の運転体験では見かけない“配慮”ですが、ここをスタートに、
次(2回目の運転体験)は一つテープを外し、
最終的にはテープを無くすなど、ステップアップが図れそうです。

何れにしろ、鉄道車両の運転で一番難しいのが「ブレーキ操作」であることは、
多分、皆さんも異論は無いと思いますが、
このテープは正にそのハードルを低くしてくれるアイテムで、
「ブレーキ操作」へのアレルギー(恐怖?)を無くすには
うってつけと感じました。

また、この「モレラ号」ですが、思いの他、他の「運転体験」時の
車両に比べ、ブレーキ扱いが『自動車』に近い感じで、
ハンドルの位置に合わせて『ブレーキ』が効いていく感じでした。
指導運転士さんにそのことを伝えたところ、
「そんなに違いは無いはず」とのことでしたので、
個体差なのかもしれません。

私の感想としては、ここで修行(運転体験)を積んで、
他の鉄道に「チャレンジ」もありかな?ということでした。

2011年04月04日 8時50分

樽見鉄道「運転体験講習会」(5)主幹制御器。

上段の写真は、主幹制御器のモデルです。
何でこんなものがあるかというと、“学科講習”の最後に、
このモデルを使って主幹制御器(マスコン)の操作を実習しました。
まあ考えてみれば、まず『運転』の第一歩がマスコンであることは
間違いなそそうです。
しかし、こうした体験は“お初”でした。
画面のないトレインシミュレータと言った所でしょうか?

そして、下段の写真ですが、私に運転の順番が回ってまいりました。
マスコン・ブレーキ弁ハンドルを持つ手も様になって…いる訳ないですね。
●手袋は参加費の中に入っていますが、帽子は運転時に貸してもらいます。
そして指導運転士さんが、参加者運転中の写真を撮ってくださいます。

それにしても自分で言うのも何ですが、
なぜもっと嬉しそうな顔が出来なかったのでしょう?
でも、「楽しもう」「楽しもう」と思えば思うほど何故か体が硬く
なってしまうのです。

ところでノッチには5段階があるのですが、
段階ごとにクリックされるわけではないので、
ノッチとノッチの途中のところで止めてしまうことがあります。
そうするとフルノッチの状態となる時があり、
その途端「大きな警告音」がなります。
参加者でその「警告音」を鳴らさなかったのはほんの数名です。
さて私は???ご想像にお任せします。

これは「そういうシステムになっている」からなのだそうですが、
そもそも何でこんなややこしい構造になっているかについては
聞きそびれました。
なお、この「運転体験」では“3ノッチ”までしか使いません。

2011年04月03日 21時59分

樽見鉄道「運転体験講習会」(4)運転する線路。

樽見鉄道の運転体験は、本巣駅西側の側線を使って行われます。
その側線で実際に「走る」距離は300メートルです。
各鉄道会社の『運転体験』の中でも長い方ですが、
こうして見ても長さが実感できますね。

で、この線路を最高時速15キロで疾走します。
たかが15キロと言うなかれ。そのスピードでも十分、
疾走感が楽しめるのです。
運転体験時に毎度思う事は、乗客の時に比べ、
自分が運転している時の体感速度が『何とも早い』ということ。
“運転体験七不思議”の『一つ』です。
※他の6つの不思議は…、これから考えます。ご容赦を・・・。

ところで、この方向(大垣から樽見方面)、
実は3パーミルの上りになっており、
実際に運転すると分かるのですが、この殆ど水平にしか見えない線路で
何と勾配がはっきり体感できるのです。
それは特に下りこう配(この線路の逆、樽見から大垣方面)で顕著で、
ノッチを入れるのは出発の時だけで、後はブレーキをかけるだけと言っても
決して大袈裟ではありません。
一方、運転の難しさは上り勾配で、ブレーキのタイミングが難しく、
ともすると失速して停止位置より随分前で止めてしまいそうでした。
(あくまでも私の感想です。参加者全員が同じ感想かどうかは別です)

明知鉄道の明智駅のように、勾配が見た目でも分かれば何となく
心構えができるというものですが・・・。
まあ、実際には心構えができたとしても、
それで何かが変わるわけではありませんが・・・。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!