2011年04月02日 21時37分

樽見鉄道「運転体験講習会」(3)ハイモ230-314とご対面。

今回、私たちが“運転体験”したのは、ハイモ230-314。
平成4年富士重工製です。
※富士重工の鉄道車両部門を引き継いだのが、
新潟トランシスであることは皆さんご存知ですね。

平成18年に沿線にオープンしたショッピングモール
「モレラ岐阜」の全面広告車で、『モレラ号』と呼ばれています。

この車両をこれから運転するのですが、この電車の前に立った時の気持ちは
お察しください。

既に若狭鉄道(SL)・明知鉄道(気動車)・豊橋鉄道(路面電車)
・碓氷峠鉄道文化むら(EL)と、私はそれなりに実車の運転経験は
積んできたつもりですが、やはり慣れることは無いですね。
程良い緊張感が私をゾクゾクさせていました。

ところで写真の左端に『体験運転士のりば』という看板と短いホームが
あるのがご確認頂けますでしょうか?
実はこれ、樽見鉄道の社員の方たちの手作り。
今回の「体験運転講習会」向けに新たに作ったのだそうです。
まあ、如何にも取って付けたような感じでして、
ホームは今年の1月15日にUPしたオーストラリアのジグザグ駅の比では
無い短さです。
さすがにここにピタッと止める運転士さんの技には感服でしたが
この程度は『当たり前』『朝飯前』という感じでした。
尤も私達、体験運転士には、このホームに止めるなどというような
“過酷”な体験はありませんのでご安心ください。

さあ、12:45、いよいよ「ハイモ230-314」に乗り込みです。

2011年04月02日 8時00分

樽見鉄道「運転体験講習会」(2)いざ「本巣駅」へ!

3月13日(日)、朝10:40に集合、
無事40分間の事前講習を終えた私達は、昼食後、
「モレラ岐阜駅」12:28の列車で「運転体験講習会」の会場、
「本巣駅」へ向かいます。
この日の列車は踏切事故から復帰した『ハイモ295-315』です。
※写真は「モレラ岐阜駅」&進入する列車です。長閑な風景の中の駅です。
心が安らぎます。

さて、ここまで書いてきて皆さんには「運転体験講習会」が
樽見鉄道にとって、単なるファンサービスではない事が
ご理解いただけたかと思います。
実際に同様の「運転体験」を行っている鉄道会社は、
「若桜鉄道」「明知鉄道」「関東鉄道」「小湊鉄道」などなど、
決して大手の鉄道会社ではありません。
※「明知鉄道」の『明知』は駅名の『明智』と異なるため、
毎回変換ミスが無いか気を遣っています。ふうっ。

勿論、増収策の一環でもあり、ここ樽見鉄道の「運転体験」も
一人“1万円”の参加費が必要で、
決して気軽に参加できるものではありません。
ただ、ここでは「樽見鉄道1日乗車券」
「モレラ岐阜の2千円分の商品券(昼食で使える)」もついていて、
さすがに同様イベントの後発だけはあり、細かい工夫がなされています。
特に“1日乗車券”は、『乗ってもらうための工夫』として
評価しても良いと思いました。
ただ、遠方からの方には使いきれないかも知れません。
※地方鉄道で、「1日乗車券」が20枚も一度に売れることは
あまりないのでは?

こむずかしい話しが続いて恐縮でしたが、
まあ、私たち参加者が、楽しく運転体験することこそが、
樽見鉄道と地元に貢献できるわけで、
我々が「鉄」としての「(王)道」を歩むこと、つまり、
“乗って”“運転して”“楽しい1日を過ごすこと”が地方鉄道を再生する!
ということでしょうか。

2011年04月01日 18時33分

樽見鉄道「運転体験講習会」(1)辞令交付。

本日から、大船渡線の一ノ関~気仙沼が運行を再開するとともに
陸羽西線・わたらせ渓谷鉄道・山万が全線で運行再開
(山万…昼はバス代行)しました。
特にわたらせ渓谷鉄道は新型車両『WKT-501』も無事デビューを
果たしています。

さて今回の話題ですが、写真の説明は最後でします。

樽見鉄道の「運転体験講習会」が行われたのは、3月13日(日)でした。
「東日本大震災」の翌々日で、
樽見鉄道でもこの会を実施するかどうか相当悩んだようです。
が、結局この機会を見送った場合、良きに付け悪しきにつけ、
鉄道存続への地元向けアピールの機会を一つ無くすことになるとして、
敢えて批判にさらされるリスクも承知の上で開催を決定したと聞いています。

結果、地元を中心に遠くは神奈川県・大阪府からの参加者もいて
3名は欠席したものの17名による「運転体験講習会」がスタートしました。
欠席の方は何れも関東の方と言う事でしたが、それでもこの会の模様は、
地元のメディアで取り上げられ『樽見鉄道』が全国から“注目されている”
“愛されている”感は伝わったと思います。

さて写真の説明ですが、参加者は「モレラ岐阜駅」前にある
「モレラ岐阜」で集合し、そこでまず“学科講習”を行いました。
その終了時に、この『辞令』(右側の写真)と
運転士の『ネームプレート』を頂きました。
特に『辞令の交付』(左側の写真)は、同鉄道の田中社長から直に受け、
まるで本物の“運転士”になる『辞令』を渡されているみたいで
少々照れもありましたが嬉しくもありました。

2011年04月01日 8時08分

樽見鉄道に新車・ハイモ330-701。

今日から新年度。また、大船渡線の「一ノ関」~「気仙沼」間が
運転を再開します。

さて、岐阜県の樽見鉄道では、国や県の補助を受けて1億2900万円で、
写真の新車『ハイモ330-701』を導入しました。
なぜ大赤字で存続の危機にある樽見鉄道に“新車”という声も聞かれますが、
補助金の関係で、『新造車両が条件』という止むを得ない一面もあるようで、
表面的にはなかなか分かりづらい面もあります。

それはそれとして、この2月17日に開かれた“樽見鉄道連絡協議会”
(沿線5市町で組成)で、平成23年度・24年度の2年間については、
年間約1億円を支援することが決まり、まずはこの先2年間の廃線は免れました。
しかし、この1億円は期間限定が故に存続に向けての好材料とは言えません。
※平成21年度まで、ほぼ毎年約1億円の赤字が出ているため、
その補填の意味合いです。

社員数の削減を行う一方、様々な増収策を打ってきた樽見鉄道。
でも、それで追いつく赤字ではありません。
そこで何とか地元にその存在をアピールするべく今年から始めたのが、
実は、このブログでも2月15日にUPした『運転体験講習会』なのです。

その詳細は次回以降に譲りますが、
『鉄道が無くなっても「町」が消えるわけではないが、
地図や時刻表から1本の線が消えることで町がなくなったようだ』
という声はよく聞きます。
勿論、そんな「存在感」だけのために鉄道を残すことは本末転倒でしょうが、
『地方を守る』『地方を生かす』という意味での“鉄道”の存在は、
もっと『国』と『県』が、その存続に向けて建設的な議論をやっても良いと
個人的には思っています。

2011年02月15日 9時00分

樽見鉄道でも「運転体験」が。

このブログでは昨年の5月19日から
映画「RAILWAYS」の公開関連ニュースの取材で、
樽見鉄道を訪問した話しを書きましたが、
そのご縁で知り合った樽見鉄道の方から、
来月3月13日(日)、樽見鉄道」でも「運転体験」を行うとの
連絡を頂きました。

ということで、早速『樽見鉄道』のHPをチェック。

そして発見!
樽見鉄道公式HPのトップにでかでかと
『レールバス「プレ」運転体験講習会』参加者募集の案内が
出ていました。
運転する車両は決まっていて、写真の“モレラ号”こと
「ハイモ230-314号」です。
これは、沿線にある大型ショッピングモール「モレラ岐阜」の
協力を得ているのでこの車両とのことでした。

さて樽見鉄道の“運転体験”は私の感覚では
「ついに」というか「やっと」というか、そんな感じです。

今回、運転体験で使うのは本巣駅構内の旧貨物線で、
その距離約300メートル。
時速も15キロを体験できるとHPに出ていたので
なかなか食指が動く距離と速度です。
樽見鉄道さんからのメールでは、
将来は時速20キロを目指したいとしており、
これも走らせる距離が結構長いので実現できると思われます。

さて前述の「ついに」「やっと」の意味ですが、
樽見鉄道が依然、貨物輸送を行っていたことは
皆さんご存知かと思われますが、
それゆえ、本巣駅の側線が結構長いのです。
それで、その線を「運転体験」で使えれば“楽しかろう”と
思っており、それが実現するのは『運転鉄』にとっては
嬉しい限りです。
(いつから私は「乗り鉄」から「運転鉄」に・・・)

参加費は1万円。家族の理解を得るために今日もまた頑張って働こう!

2010年08月01日 18時16分

明智鉄道気動車体験運転 7月24日は暑かった。

明智駅を出て直ぐ右のところにあった
7月24日、体験運転修了直後の気温表示です。

決して私たち、体験運転参加者の熱気がもたらしたものでは
ありません。

この日、明智に比較的近い「岐阜県多治見市」では
38.6度(日本一)もあり、さすがに明智も暑かった。

なぜ最後に気温の話しかとお思いの方に…。
体験運転では、ディーゼルエンジンを一人の体験につき
必ず一回切ります。

もうお気づきの方もいるかと思いますが、エンジンを切れば
『エアコン』は止まるのです。
体験運転なので、「エンジンスタート」が
如何に重要な儀式かを参加者も明知鉄道の方も
よくよく分かっていることもあり、全員、
諦めて暑さに耐えていました。

最後に、明知鉄道の勝さん、西尾さん、遠山さん、
小川さんお世話になりました。ありがとうございました。

2010年08月01日 9時00分

明知鉄道気動車体験運転 運転中

気合十分で、ノッチ操作とブレーキ操作。
何だかんだと言っても、
やっぱりこれをやりに「明智」まできました。

事前の説明会も、点検の流れの学習も
全てはこの写真のためと言っても過言ではありません。

でも実はこの時、私は大失敗の最中だったのです。
写真では見えていませんが、
左足が『デッドマン足踏スイッチ』から離れてしまって
いたのです。
※運転中、左足は常にこのスイッチに置くことになっている。
 スイッチから5秒間、足が離れると警報がなるという
 安全装置。
 その警報を私は鳴らしてしまい、直ぐに足を置き直した。
 (もっと長く離すと緊急停車)

今回の結論…どんなに肩に力が入ってみっともない写真しか
      撮れなくてもやっぱり実車の運転は楽しい!
      これにつきます。

またいつか挑戦したいと思っています。

2010年07月31日 18時48分

明知鉄道気動車体験運転 一番難しかったこと

今回の気動車体験運転で一番難しかったことは
ノッチ操作。
因みに写真で私の左手はノッチを持っており、
右手は私ではなく他の方の手で
「インジケーター」を指してもらっています。
※インジケーターには「1」「2」…という数字であったり
 「切」など、ノッチの位置に合わせた表示がされます。

この28日の午前9時にUPした分を
ちょっと見てほしいのですがノッチの説明が
わざわざ黒板に書いてあります。

スピードを上げる際に、ノッチを指定位置の
例えば、『1』『2』とか入れていくのですが
これが意外と難しい。
「何が?指定位置に入れるだけでしょ…」と
思われるかもしれませんが、それは慣れたらの話し。

『カチッ』という感覚はあるのですが
問題は、数字と数字の間。
何と、フルスロットルになってしまうのです。
勿論滑らかに各数字のポジションに入れれば
そんなことは起きないのですが
素人がやることなのでそうは行かない!
私もやらかしてしまいました。
※参考…今回の体験運転でノッチは「2」までしか
    使っていません。

やっぱり『プロ』の世界は一筋縄ではない!!!

2010年07月31日 8時04分

明知鉄道気動車体験運転 寒天列車到着

本筋とは大分離れますが…。

参加者13名が交代で体験運転をしているその最中に、
明知鉄道の一大名物「寒天列車」が
明智駅に到着しました。13:41定刻でした。

明知鉄道では恵那発12:45、
明智着13:41で様々なグルメ列車を運転しており
特に「かんてん村の寒天ずくし」のヘッドマークも
誇らしげな“寒天列車”は
明知鉄道で昭和62年からスタートしたその元祖です。
※確か前は「ヘルシートレイン 寒天列車」と
 言っていた記憶がありますが
 明知鉄道のHPでは特にそれを謳っていないようでした。

寒天列車明智駅到着時、
私は他の方の「体験運転」を見ることもなく、
この列車から降りる方たちを見ていたのですが
多分、満席。(定員30名)
殆どが中高年の女性で、「鉄」ではないので
駅到着時に、アケチ10号やヘッドマークを
撮影することもなく、日本大正村に向けて散っていきました。

2010年07月30日 18時24分

明知鉄道気動車体験運転 制限時速

明知鉄道の気動車体験運転の制限時速は
『10キロ』です。

この6月23日からこのブログでUPした
若桜鉄道のSLもほぼ同じ速度と記憶しています。

早いか遅いかと言えば確かに遅い!
でも、緊張した我が身には随分早く感じました。

それはそれとして、
時速10キロをキープすることは
正直、もっと難しいと思っていましたが
案外簡単にできました。
車だと、アクセルの踏み加減でどんどんスピードが
変化しますが、考えてみれば「鉄」の上に「鉄」を
転がすわけですし、実際の車両で運転士さんが
ノッチオフしてもスピードが直ぐには変わらないことを
考えれば当たり前でした。



ADVERTISEMENT

電子書籍「稲見駅長の鉄道だよ人生は!!」
稲見駅長の鉄道だよ人生は!! ―各駅停写の旅―

カレンダー

2021年2月
« 7月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  

プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!