2011年08月07日 9時08分

三笠でSL機関士体験(12)「S-304」機関庫に戻る。

この日の三笠鉄道村「機関士体験」の参加者の内、
三笠市営バスでここを訪れたのはどうやら私だけでした。

何せ路線バスで岩見沢に戻るには、1時間に1本程度の三笠市営バスと
その後も本数の少ない北海道中央バスへの乗り継ぎが必要で、
疲れ果てた中年(老年???)オヤジを見かねた指導運転士さんが
「列車の時間次第だが、岩見沢まで送ろうか?」と声をかけてくれました。
この日、私は「岩見沢」発17:58の特急「オホーツク7号」で
「北見」まで行く予定だったのでその旨を伝え、
お言葉に甘えることにしました。

もっともその代わり、16:00発の「SL列車」の運転終了後、
機関車の整備をし、機関庫にいれるまで待っているように言われたのですが、
これはかえって願ったり叶ったりで、その作業の一部始終を
見学することにしました。

ということで遅まきながら写真の話しですが、“本線”からバックで
側線に転線し、これからポイントを切り替えて機関庫に戻るところです。
機関車の前でポイントを切り替えている姿が見えています。

2011年08月06日 18時15分

三笠でSL機関士体験(11)学科実技講習終了証明書。

最後に写真の「学科実技講習終了証明書」が交付されます。
上段写真が表で、下段写真が裏面です。
「SLの汽笛が今も聞こえる・・・」なんて、痺れるフレーズですね。
北海道はそうそう行ける場所ではないので、少し欲張って
「体験」しましたが、それだけの“価値”はあったと思っています。
ところで私は「練習運転」後に、「運転体験」を4回やったと
報告しましたが、その申し込みはどうしていたのでしょう?
今回の手順をここで書きます。

1)三笠鉄道村『SL機関士体験クラブお申込みフォーム』で
「学科講習」と「運転体験」を申し込む。
※その時に「最低2回は運転したい」というリクエスト。
2)「体験運転」実施時間における“予約”が満杯の場合を除き、
「三笠鉄道記念館」担当者から、当日の参加者に対し「体験運転」の追加が
出来ることの案内がある。
3)「体験運転」追加希望者は、三笠鉄道記念館の担当者に申し出て
「体験運転」を行う。

●今回は、三笠鉄道記念館の方から「今日は時間とお金の許す限り
何回でも運転体験できます」と言われました。

●「運転体験」の各開始時間は「三笠鉄道村」のHPにある通りですが、
予約が入っていなければ“随時”受け付ける方式ということが分かりました。

●この日は、学科講習を申し込んだ私を含めて4名にプラス、
ベテラン2名の計6名の参加申し込みで、初心者の内、
2名は「学科講習」に含まれる「練習運転」だけで帰られたので、
午後の大半の「運転体験」の時間は実質、4名にその全てが委ねられた
格好でした。
またその際、「練習運転」を含め5回目の運転から“山の中”までの
全区間450メートルが運転できると説明されました。

●そこで、“時間とお金の許す限り”というよりは“お金”の許される範囲と
言うことでギリギリ“山の上”まで行くことにしたのです。

2011年08月06日 9時02分

三笠でSL機関士体験(10)記念写真。

「機関士体験」が終わると『記念写真』撮影の時間です。

機関士制服(なっぱ服)に制帽の出立ち(いでたち)でしかも左腕には
“光り輝く”『機関士』の腕章。(全て借り物です)
それで運転席に座り、さもちゃんと運転してきたかのような顔をして
写真に納まりました。
これぞ「運転体験」時の至福のひと時です。

ところで機関士制服ですが、様々なサイズが用意されていますので、
余程のことが無い限り、着られるものが無いと言うことはなさそうです。
私のウエストは90センチを肥えており、いや越えており、
心配していたのですがそれは取り越し苦労でした。

最近、名古屋の「鉄」4人での『呑み鉄』の際、蒸気機関車全盛時の
機関士さん、機関助士さんに『太目の方はいたのだろうか?』という話しに
なりました。
確かに昭和の鉄道写真で、車掌さんや駅長さんはともかく、
『運転系の方でそういう写真はみたことが無いね』というのが全員の
一致した結論でした。

とまあ、そんな話しは後日談として、記念写真の後、
「学課講習料」と「運転体験料」を支払い全ては終了しました。
350メートル×往復×4回=2800メートル
450メートル×往復=900メートル
計3700メートルがこの日の成果でした。

さて今回の「運転体験」のまとめです。
当たり前ですが『難しい』の一言に尽きます。特に“ブレーキ”は
これまでの数回の“体験”で会得できるものではなく、
写真の私は爽やかな表情をしていますが実態は相変わらずの悪戦苦闘でした。

2011年08月05日 18時09分

三笠でSL機関士体験(9)終点間近。

バック運転の終点(つまり出発点)まで残り300メートルを切りました。
(上段写真)
そして遂に終点に到着です。(下段写真)

これら写真に写っている所は、見た目では分かりませんが
4~5パーミルの上りで、注意しなければならないのは、
客車をホームの位置にピタリと止めるには“失速”に気を付けないと、
手前に止まってしまうことです。
しかもホームの有効長が極端に短いと言うか、
1両分のしかもギリギリしかなく、4~5回運転した程度で定位置に
止めるのは至難の業で、もしも私が上手く止められたとしても
それは単なる“偶然”である!というのが結論です。
実は、私は何度やっても手前に止めてしまい、結果、ブレーキを緩め、
再び加減弁を動かし、停車位置の調整をしていました。

●この線路の勾配(出発点発“山の中”方面)
*出発点~約300メートル⇒4~5パーミルの下り
*300メートル~350メートル(ポイントのある所)⇒6パーミルの上り
*350メートル~450メートル⇒10~11パーミルの上り

2011年08月05日 8時00分

三笠でSL機関士体験(8)分機器通過。

すでにお気付きでしょうが「三笠鉄道村」の機関士体験の楽しみの一つに
分岐器の通過があります。

「運転体験」をしている時はそれほど楽しめませんが、“添乗”している時は、
特に機関車が分岐器を渡るジョイント音に“萌え”ました。
やはり、電車・気動車・客車といった私たちが日常的に乗車する車両とは
全然違います。
そもそも機関車は機種により軸配置が異なるため、ただでさえ
その面白さは増幅されます。そして今回は3軸の蒸気機関車です。
これは「機関士体験」におけるもう一つの“体験”(発見?)でした。

目を閉じてそのジョイント音に耳を傾けていると、
そのその昔、音楽の時間に『三連符』を習った時のことが脳裏に・・・。
「タ・タ・タン」というリズム(音)になるのですが、
『三笠に来て本当に良かった』と思ったのはいったいこれで何度目
だったのでしょう。
(お詫び…「目を閉じて」という表現は誇大です。目は開いていました)

2011年08月04日 18時04分

三笠でSL機関士体験(7)バック運転の妙味。

終点まで行けば、そこからはバック運転です。
客車2両を牽いて(押して)のバック運転(前進運転もそうですが)は、
ここ「三笠鉄道村」の機関士体験ならではの妙味と言えそうです。

上段写真は、「SL列車」の最後尾(最前部)から撮影したものですが、
前回の写真と合わせると、走行区間の勾配や、分岐した線路を下に
見る感じが良く分かります。

下段写真は、指導機関士さんによる「お手本」で、さりげなく後ろを見て
ブレーキハンドルに手を置く姿には惚れ惚れしてしまいます。

なお、「機関士体験」100回以上という超ベテランの方の運転を
見せてもらいましたが、指導機関士さんとは座り方が異なり、
完全に後ろ向きに座って、左手で加減弁・ブレーキハンドル等の操作を
していました。
当然の事ながら、運転技術を認められたその方だけの
“特例”とのことでしたが、ブレーキ操作の絶妙さは「本職!」と感じました。

●バック運転時の出発ですが、「SL列車」も「機関士体験」でも、
客車の最後尾に乗務している車掌の“旗”の合図で運転を開始し、
機関士はバック運転中、ズーッと後方確認をすることになります。
なお、バック運転そのものは、「350メートル」走行時も同様です。

2011年08月04日 8時07分

三笠でSL機関士体験(6)計5回目の運転体験で行ける場所。

「練習運転」と3回目の「運転体験」の計4回の運転を体験し、
5回目の運転を申し込むと、それまでの走行距離350メートルが
450メートルと長くなります。
それゆえ私は「運転体験」の第4回目を申し込みました。

写真は、その伸びた100メートル区間の景色を助士席側で撮影したもので、
上段写真は、入って直ぐの場所で下段写真は終点間近の場所です。
というより、誰がどう見ても終点です。

当初の350メートルは、今シリーズ(4)の上段写真から出発し、
(4)下段写真の場所を通り抜け、(1)の上段写真で「S-304号」が
止まっている少し先の右側にある機関庫の直ぐ左側が終点です。
※(1)で「S-304号」が止まっている線路が
 「SL列車&機関士体験」時の“本線”です。

今回の写真の話しに戻しますが、『450メートル』コース専用区間に入ると、
直ぐに上段写真の右側に向かう(小樽方面)を分岐し、それから更に
奥に向かいます。

今回の写真を撮影した場所は、10~11パーミルの上りで、
加減弁の微妙な調整が要求されます。短い区間(100メートル)とはいえ
折角の北海道らしい風景の中を走るのですが、『心のゆとり』など
あるはずもなく、まずは運転に専心していました。

(参考)三笠鉄道村の「SL列車」は、この写真の場所まで運転されます。

2011年08月03日 17時53分

三笠でSL機関士体験(5)火室はとにかく熱い!

火室では、石炭が燃やされています。
よってその周りはとても熱い!です。ということを“乗務”するまで
私は『忘れて』いました。
「焚き口」から『火』が見えていると思いますが、
つまり「焚き口戸」一枚を挟んで、『私』は『火』と向かい合っているのです。

『何でそんな当たり前のことを今更』ということになる訳ですが、
蒸気機関車の機関士(機関助士)をされていた方から
「夏の運転室は地獄」という言葉を何度も聞いていたものの、
それはそれで何となく分かっていたつもりではあったのですが、
今回、それを初めて“体感”し、また傍で見るより“想像以上”であることを
理解しました。

そこから察するに、運転室は冬場でも当然熱いはずで、
外気温との差が大きい冬場の大変さも推し量ることができました。

参考までに今回の指導機関士さんから聞いた話しですが、
冬の北海道は、岩見沢辺りでも以前は、氷点下20度になることが
それほど珍しいことではなく、右半身への暖かさに油断していると、
運転室から身を乗り出しての運転があった場合、左半身、特に顔が
“凍傷”にならないように気を配っていたそうです。

以前、釧網本線「SL冬の湿原号」の火室を停車中に
撮影させてもらったことがあり、その時に、一瞬乗っただけで少しは
分かったつもりでいた自分自身の浅薄さに呆れるばかりです
やはり“乗務”しなければ実感できないことは数限りないことを
改めて知りました。

また今シリーズ(2)で書いたことの補足ですが、冬場に火を起こす作業は、
機関車自体が冷えきっている為、相当な手間と時間がかかったそうです。
蒸気機関車の運転の大変さを一つずつ体で覚え、
そして知識を増やせる楽しい時間を持たせてくれた家族や職場の皆さんには
「火室」の話しの回で恐縮ですが、感謝した次第です。

2011年08月03日 9時00分

三笠でSL機関士体験(4)いざっ!!運転体験!

私たちの運転で、SL列車を走らせられるのは「幌内鉄道」350メートル。
そこそこの長丁場で、しかも北海道の鉄道の原点とも言える線路。
思わず気合いが入ります。

で、上段写真は、SL列車(運転体験)の出発地点に停車中で出発直前の様子。
下段写真は、快走する「S-304号」です。何となく私は“撮り鉄”風に
撮っていますが、何と、“撮り鉄”の方が数人、私の横で熱心に
シャッターを押していました。考えて見ればそれも「さもありなん」で、
撮り方の工夫次第で、本格的なSLの走行写真を撮れると思いました。
何より、少し気持ちが良いのは“撮り鉄”さん達が、「運転体験」の
素人運転にもカメラを向けてくれていることで、
似非(えせ)プロ機関士気分を満喫。自己満足の最たるもので、
自分で書いていて呆れ返ってしまいます。

そしてここからは家族には絶対に読まれたくないのですが、
それこそ私は調子に乗って4回の運転体験をしました。体験料は皆さんで
計算して頂くとして、この体験数には理由があります。
それは次々回くらいに…。

何はともあれ、この日のために小遣いをコツコツ貯め、“SL機関士体験”を
第1目的にここまで来たのです。
きっと許してもらえるはず?????

2011年08月02日 18時08分

三笠でSL機関士体験(3)「S-304号」をトロッコ客車に連結!

さて、午前10時のSL列車の運転開始時間が近づき、9時半過ぎに、
トロッコ列車(コトラ149456+コトラ153095)に
「S-304号」を連結です。

最終的に連結された時間は9:37でした。
ところで・・・と言うのも変ですが、客車に機関車が繋がる瞬間と言うのは
結構ワクワクします。(皆さんは如何でしょう?)

遠くはシベリア鉄道でも何度かある機関車の付け替えで1駅だけ見ることが
出来たのですが、その時、ロシア人の親子連れが私と一緒に見ていたのを、
今、又思い出していますし、ここ日本でも同様の光景
(機関車の連結を見る方がいる風景)は、何度も体験しています。
また、それは機関車+客車でなくとも、気動車同士・電車同士でも
実のところ、私の興味は同じです。

ここで三笠鉄道村『SL機関士体験クラブ』の「機関士体験」について
少し解説。
実際に運転するのは「S-304号」1両ではなく、
客車2両も繋いだ“3両編成”です。私にとって、単車ではない経験は
当然の事ながら『初』で、結構驚きでした。

●学科講習…10:30~11:45頃まで
 ◆終了後、各自昼食。
●練習運転…12:50~
 ◆機関士制服(なっぱ服)に着替え、帽子を被っていざ体験。(貸してもらえます)
ここまでが、『学科講習料10,000円』に含まれます。

●運転体験…ここから先は1往復、5,000円でした。

●練習運転も運転体験も毎時00分発、30分発のSL列車の運転の合間での
「運転」となります。そのため大体ですが毎時10分頃~25分頃、
40分頃~55分頃の間が私たちに与えられた時間となっています。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!