2011年08月02日 8時08分

三笠でSL機関士体験(2)機関庫の中には薪の山。

先回の写真を撮った後、機関庫の中を見せてもらいました。
で、驚いたのが「薪」の山!

本当に物事を知らないのは『楽な人生』というのは居直りに近い話しですが、
火室で石炭を燃やすに当たり、最初から石炭を入れることはなく、
その前段階として、まずは油を滲みこませたボロ布等に火をつけ、
それで「薪」に火をつけ、それが良く燃えてきてから「石炭」を
くべるそうです。
こう書くと怒られそうですが、まあまずは威勢の良い「焚き火」から
SLの運転準備が始まると言うことでしょうか。
7月16日(土)にNHKで放送された『NHKスペシャル
「復活~山田洋次・SLを撮る~」』でもそんなシーンを見受けました。
(ご覧になった方も多いのでは?)

そんなことから毎回、結構な量の薪を使うそうで、そのため、
蒸気機関車の機関庫には、こうした薪の山があるのは普通の事とのことでした。

ところでこの日、ここで作業をされていた方は、てっきりこの「機関士体験」の
指導をされる方と思い込んでいたら、内1名の方は、何度も機関士体験に
通われている、そういう意味では私と同じ立場の方でした。
話しを聞いているうちに分かったのは、通っている内に作業の手伝い
(“機関庫体験”と言うべきでしょうか?)をするようになった
ということで、当然の事ながら「機関士体験」は
“有料”のため、それはそれで払っているそうですが、“機関庫体験”も
「とても楽しい」と仰っていました。

私が参加しようにも単なる足手まといでしょうが、
火起こしはやってみたい気が・・・。

2011年08月01日 18時04分

三笠でSL機関士体験(1)三笠鉄道村に到着。

(お詫び)
今朝8:00にUPした「D51603」の話しを本日(8月1日)
午前中にご覧になった方にお詫びです。
中京テレビのシステム不具合で、写真がUPされていませんでした。
午後、早々に修正しました。申し訳ありませんでした。

さて、ここから新しい話題です。
三笠鉄道村『SL機関士体験クラブ』の「機関士体験」をしたのは
7月10日(日)でした。
この日、前にも書きましたが9時前にここに到着した私は、既に煙を
上げている「S-304号」を発見しました。
そこで「三笠鉄道記念館」に向かう前に準備作業をしていた方に声をかけ、
少し写真を撮らせてもらうことにしました。

この日は日曜日とあって、朝10:00からこの「S-304号」が
トロッコ2両を牽いて一般の方を乗せて走るため、この時間には既に準備が
完了しているようでした。

「S-304号」のドテッ腹に、『暖房はコークス』とありますが、
この反対側には『テツゲン』の文字がありました。
今時の若い方には『コークス』が何かとは知らない方が殆どでしょうが、
石炭から“作る”燃料で、北海道では家庭の暖房用にも使われていました。
(懐かしい!)
『テツゲン』はそのメーカーで、鐵原(株)室蘭コークス工場で
この蒸気機関車が働いていた頃から、この文字があったように聞きました。

(「S-304」…「三笠鉄道村」HPから)
●昭和14年、日本車輌製。昭和61年に廃車。
●日本製鉄輪西製鉄所(新日本製鉄室蘭製作所)向けに作られた。

この写真を撮りながら、これからこれを運転するかと思うと、ワクワク・
ドキドキが止まりませんでした。というのは少々どころか相当に大げさですが、
若桜鉄道のC12の運転体験とは違い、石炭で“お湯”を沸かして走る
本物の蒸気機関車の運転に『期待』が高まっていたのは本当です。

2010年12月31日 8時05分

鉄道博物館の「D51 426」。

平成22年12月5日(日)、
周りからは「まだ行ったことが無いの?」と言われ続けた
大宮の「鉄道博物館」に行って来ました。

この日、「碓氷峠鉄道文化むら」での『EF63』の
運転体験を終え、「交通博物館」に到着したのは午後2時過ぎ。

で、とりあえず「駄目で元々」気分で、
「D51シミュレータ」の予約状況の確認に向かいました。
そうしたら…、何と『“16:45”からでしたら
体験できます』とのこと。早速申し込み。
そして写真のように運転し、思わぬところで今年の
「運転」収めとなった次第です。

この「D51シミュレータ」は、
鉄道事業者(プロ)向けの「運転訓練シミュレータ」も開発している
『富士通株式会社』によるもので、
実は、中京テレビのシステム部門とも取引があることから
『一度「D51シミュレータ」を体験してみてください』との
話しを頂いていました。

正式なシステム名は「実写映像可変再生システム」と言って
要は、撮影した走行映像を使用し、ノッチ操作/ブレーキ操作と
連動しながら、映像の可変再生が可能なものです。
“プロ向け”では実務に近い適度な緊張感が集中力を高め
訓練成果を向上させることが出来るとしてますが
単に運転するだけではなく、訓練生の訓練履歴や
成績管理も出来るシステムです。
なおかつ、パソコンでも使用可能ということで
私は「個人的」にほしいと思っていますが
一般市販の予定は無いとの事でした。

さて、実際に「D51」を運転した感想です。
まずは、加減弁・逆転機・ブレーキ等の操作機器を
どうやってコンピュータに繋いでいるのだろうと驚いてしまうほど
一つ一つの機器の動きに合わせての『画面の動き』が
自然なこと。
想像以上に実機の感覚があるという点に驚かされました。
※一応、若桜鉄道でC12を運転しているので…。
惜しむらくは、最近の大型ハイビジョン画面に慣れた目には
前方に広がる走行映像の画質が「今ひとつ」に見えてしまうこと。
ただ、これは私が体験した“初心者コース”だけのことかも
しれませんね。

トレインシミュレータは、九州鉄道記念館他で体験していますが
「本物の機関車」を使っている点で、今の所、
大宮の右に出るものは無いと実感しました。

2010年06月28日 9時04分

若桜鉄道SL体験運転 修了証明書

全てのイベントが終了後、
全員が集まって「修了証明書」授与式です。
※写真左下のバッジは体験運転時に着用したもの。

何と若桜鉄道の原社長からこの修了証が
一人一人に手渡されました。
かつ、名前と「あなたはC12167号機の体験運転
第1回目を修了したことを証明します。」の文章を
「以下、同文」にすることなく、参加者全員に対して
丁寧に読んで下さいました。(ちょっと感動!)

実は今回、岡山県の『井原鉄道』の方が
見学に来ていたのですが
井原鉄道ではこれまで『子供向け』の体験運転会を
開いたことがあるそうですが、
これから大人向けの運転会を開こうと考えているとの事。

そこでリピーターが多い若桜鉄道の「手法」を学び
“大人に満足”してもらうにはどうすれば良いかを
勉強しているとの事。(参加費用と内容のバランス)
「近々始めたい」としていましたので
私も「その節は参加したい」とアピールさせてもらいました。

(裏情報)
若桜鉄道の体験運転会を、大体5回以上続けると
「ベテラン」ということで
この体験運転会の『午前の部』に参加できるように
なるそうです。(この情報はHPには出ていません)

この『午前の部』は、運転に慣れた参加者向けということで
申し込み自体は通常通り行うのですが、
『午前の部』への参加希望があるかないかの
問い合わせがあるそうです。(大体5~6名の受付)
これに参加すると、私の参加したコースにプラス
まず、運転時間が長くなったり、
転車台まで走らせたり、触れる機器が増えたりだそうです。

リピーター対策として秀逸と思いつつ、
慣れない人と分けることで、慣れない人に接する時間も増やせ
かつ、そのリピーターの人たちが午後も残り、
この体験運転会のボランティアスタッフ的な動きもしており、
様々なメリットがあると感じました。

SL体験運転、最高です。
圧縮空気と侮る無かれ。
その楽しさは経験してみないと絶対に分かりません。
今年中の再チャレンジを心に誓った私でした。

2010年06月27日 18時16分

若桜鉄道SL体験運転 転車台

いよいよSL体験運転、最後のイベントです。

C12が転車台に入った所で、
「ターンテーブルを回す方、いますか?」の声がかかり
思わずダッシュしました。

C12は全長11メートル強なので
転車台の直径は15メートルほどでしょうか。

これを人力で回すわけですが、
機関車空車重量が39.54トンなので
重さは多分、40トンくらい。本当に回るのか?
※石炭と水を積まないので実際の重さも
 空車重量に近いそうです。

4人がかりでしたが、意外と簡単に回り始めたのには
少々びっくり。
難しかったのは最後、これから入線させる線路に転車台の線路を
合わせるいわば微調整。
勢いをつけて回すことは出来ないので
ゆるゆると動かすのですが、思いっきり力をいれても
かえって動かない。でも、最終的にはOKがでました。

今回は、C12が転車台のほぼ中央に止められたので
簡単な作業だったそうですが、
これが少しでもずれると結構な重労働となるそうです。
※運転士の腕が問われるとのこと。

何事も奥が深い!と実感しました。

2010年06月27日 9時03分

若桜鉄道SL体験運転 走行線

SLの運転が出来る走行線のこれがほぼ全て。

実際には、写真の少し左側がスタート地点です。

撮影の仕方次第ですが、細かいことを気にしなければ
カメラを縦位置にし望遠のUPで
この線の中央付近を走るC12を狙うと
後ろの山並みの緑と蒸気機関車の黒のコントラストが
結構いい感じでした。(単機回送的雰囲気…、私だけ?)

ところでこのC12167号機ですが、第二次世界大戦の末期
昭和19年8月31日から昭和21年11月6日まで
鳥取機関区に配属され、実際の若桜線を走っていたそうです。

それから西日本を渡り歩き平成19年8月8日に
ここに戻ってきました。

167号機もこんな運命が待っているとは
よもや思っていなかったでは?

石炭を積むことも、煙を上げることもありませんが、
それでも汽笛、ドラフトは一端(いっぱし)。
老後の余生を、まずは自らが産業遺産として
はたまた現役時代を過ごした若桜への恩返しに
これからも活躍してほしいと
走る姿を見ながら感じた次第です。

2010年06月26日 19時06分

若桜鉄道SL体験運転 カーブでの動輪

SL体験運転会で、C12の起点はカーブになっていました。
以下は、私の個人的なこだわりです。

私が以前から興味があったことの一つに
動輪とレールの関係は
「カーブでどうなっているか?」でした。

写真で、右側の動輪踏面と左側の動輪踏面の
レールと接している場所の違いが
分かっていただけるでしょうか?

右側の動輪踏面は、レール端の内側(奥)にありますが
左側の動輪踏面はレール端からはみ出ています。

動輪は完全に固定され、左右にずれる事はないので
この写真のようになるのは当たり前ですが
実際に目の当たりにすることは少ないのでは?
※電車のボギー台車のような2軸では
 このような現象は無いと思います。

やはり蒸気機関車のように
台枠に固定された車輪が3軸以上であったりすると
こうなるわけですが、こんなに分かりやすいとは
思いませんでした。

今回のSL体験運転の収穫の一つでした。

2010年06月26日 9時07分

若桜鉄道SL体験運転 C12助士席

C12の運転台、助士席から前を覗いてみました。
*この写真を撮影した場所が起点で
 奥の倉庫があるところが終点です。

本来、体験運転の段取りでは1人が運転中に、
次の運転者が助士席側から
その様子を見学することになっています。

それで慣れてもらおうと言うことでしょうが
私は、そちらをあまり見ずにこんな写真を撮影していました。
小さな窓からどんな風景が見えるか
興味津津でしたが、思ったより視界が広がっている
印象でした。
まあ、C12だからということもあると思いますが。

一方、逆サイドのバック側はと言えば、
当然の事ながらはるかに視界が開け、
成程と思った次第です。

2010年06月25日 18時08分

若桜鉄道SL体験運転 C12運転台

C12の運転台。いよいよ運転開始です。
*写真はC12 167号機の運転席に座る私です。
 運転士の制服と帽子は若桜鉄道が貸してくれます。
 ところでこの制服、昔は「菜っ葉服」と
 言ったと思うのですが、今は?

若桜鉄道の谷口剛史(たにぐちたけし)さんの指導の下、
まずは、操作機器の説明を受け、
それから実際の運転を始める段取りです。
*写真は、記念撮影用のポーズで
 私が右手で握っているブレーキレバーは、
 単機の運転時には使いません。
 その上の小さなブレーキレバーを操作し、
 機関車を止めました。

運転時に一番重要と思えたのは
私の正面に存在する加減弁(電車で言えばノッチ)です。
その操作は本当に難しく、
私は恥ずかしながら動輪を空転させてしまいました。
(初心者にはよくあるそうですが…)

この他にも逆転機等を操作し、10分ほどの体験運転は
無事終わりました。

気分は運転士、最高です。
緊張はしませんでしたが、運転の難しさだけは実感しました。

2010年06月25日 9時00分

若桜鉄道SL体験運転 C12 167

体験運転までの前置きが長くなってしまいました。

参加費の1万円(学科講習料2000円+
体験運転料8000円)を支払い、学科講習を受け、
いよいよ『C12 167』の運転です。

このSL、ご存知の方も多いと思いますが
実は改造車であり、水と石炭で動くわけではなく、
圧縮空気で動きます。
(リヤタンク部分に積んでいるそうです)

とは言っても、蒸気を使わないだけで
動かす仕組みは全く同じ。
違いがあるとすれば、蒸気ほど圧力がないため、
大きなパワーが出ないとの事。
でもC12だけを動かすならば十分との説明がありました。

圧縮空気の運転のメリットは、当たり前ですが
石炭でお湯を沸かすことが不要なため、
運転までの準備が圧倒的に少ないこと。
それと一番のポイントは、
暑い季節になっても運転台が『暑くない事』だそうです。
言われてみれば、「そりゃそうだ」の世界ですね。

で、実際に走るのは140~150メートルくらいでしょうか?
それを2往復します。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!