2011年04月04日 8時50分

樽見鉄道「運転体験講習会」(5)主幹制御器。

上段の写真は、主幹制御器のモデルです。
何でこんなものがあるかというと、“学科講習”の最後に、
このモデルを使って主幹制御器(マスコン)の操作を実習しました。
まあ考えてみれば、まず『運転』の第一歩がマスコンであることは
間違いなそそうです。
しかし、こうした体験は“お初”でした。
画面のないトレインシミュレータと言った所でしょうか?

そして、下段の写真ですが、私に運転の順番が回ってまいりました。
マスコン・ブレーキ弁ハンドルを持つ手も様になって…いる訳ないですね。
●手袋は参加費の中に入っていますが、帽子は運転時に貸してもらいます。
そして指導運転士さんが、参加者運転中の写真を撮ってくださいます。

それにしても自分で言うのも何ですが、
なぜもっと嬉しそうな顔が出来なかったのでしょう?
でも、「楽しもう」「楽しもう」と思えば思うほど何故か体が硬く
なってしまうのです。

ところでノッチには5段階があるのですが、
段階ごとにクリックされるわけではないので、
ノッチとノッチの途中のところで止めてしまうことがあります。
そうするとフルノッチの状態となる時があり、
その途端「大きな警告音」がなります。
参加者でその「警告音」を鳴らさなかったのはほんの数名です。
さて私は???ご想像にお任せします。

これは「そういうシステムになっている」からなのだそうですが、
そもそも何でこんなややこしい構造になっているかについては
聞きそびれました。
なお、この「運転体験」では“3ノッチ”までしか使いません。

2011年04月03日 21時59分

樽見鉄道「運転体験講習会」(4)運転する線路。

樽見鉄道の運転体験は、本巣駅西側の側線を使って行われます。
その側線で実際に「走る」距離は300メートルです。
各鉄道会社の『運転体験』の中でも長い方ですが、
こうして見ても長さが実感できますね。

で、この線路を最高時速15キロで疾走します。
たかが15キロと言うなかれ。そのスピードでも十分、
疾走感が楽しめるのです。
運転体験時に毎度思う事は、乗客の時に比べ、
自分が運転している時の体感速度が『何とも早い』ということ。
“運転体験七不思議”の『一つ』です。
※他の6つの不思議は…、これから考えます。ご容赦を・・・。

ところで、この方向(大垣から樽見方面)、
実は3パーミルの上りになっており、
実際に運転すると分かるのですが、この殆ど水平にしか見えない線路で
何と勾配がはっきり体感できるのです。
それは特に下りこう配(この線路の逆、樽見から大垣方面)で顕著で、
ノッチを入れるのは出発の時だけで、後はブレーキをかけるだけと言っても
決して大袈裟ではありません。
一方、運転の難しさは上り勾配で、ブレーキのタイミングが難しく、
ともすると失速して停止位置より随分前で止めてしまいそうでした。
(あくまでも私の感想です。参加者全員が同じ感想かどうかは別です)

明知鉄道の明智駅のように、勾配が見た目でも分かれば何となく
心構えができるというものですが・・・。
まあ、実際には心構えができたとしても、
それで何かが変わるわけではありませんが・・・。

2011年04月02日 21時37分

樽見鉄道「運転体験講習会」(3)ハイモ230-314とご対面。

今回、私たちが“運転体験”したのは、ハイモ230-314。
平成4年富士重工製です。
※富士重工の鉄道車両部門を引き継いだのが、
新潟トランシスであることは皆さんご存知ですね。

平成18年に沿線にオープンしたショッピングモール
「モレラ岐阜」の全面広告車で、『モレラ号』と呼ばれています。

この車両をこれから運転するのですが、この電車の前に立った時の気持ちは
お察しください。

既に若狭鉄道(SL)・明知鉄道(気動車)・豊橋鉄道(路面電車)
・碓氷峠鉄道文化むら(EL)と、私はそれなりに実車の運転経験は
積んできたつもりですが、やはり慣れることは無いですね。
程良い緊張感が私をゾクゾクさせていました。

ところで写真の左端に『体験運転士のりば』という看板と短いホームが
あるのがご確認頂けますでしょうか?
実はこれ、樽見鉄道の社員の方たちの手作り。
今回の「体験運転講習会」向けに新たに作ったのだそうです。
まあ、如何にも取って付けたような感じでして、
ホームは今年の1月15日にUPしたオーストラリアのジグザグ駅の比では
無い短さです。
さすがにここにピタッと止める運転士さんの技には感服でしたが
この程度は『当たり前』『朝飯前』という感じでした。
尤も私達、体験運転士には、このホームに止めるなどというような
“過酷”な体験はありませんのでご安心ください。

さあ、12:45、いよいよ「ハイモ230-314」に乗り込みです。

2011年04月02日 8時00分

樽見鉄道「運転体験講習会」(2)いざ「本巣駅」へ!

3月13日(日)、朝10:40に集合、
無事40分間の事前講習を終えた私達は、昼食後、
「モレラ岐阜駅」12:28の列車で「運転体験講習会」の会場、
「本巣駅」へ向かいます。
この日の列車は踏切事故から復帰した『ハイモ295-315』です。
※写真は「モレラ岐阜駅」&進入する列車です。長閑な風景の中の駅です。
心が安らぎます。

さて、ここまで書いてきて皆さんには「運転体験講習会」が
樽見鉄道にとって、単なるファンサービスではない事が
ご理解いただけたかと思います。
実際に同様の「運転体験」を行っている鉄道会社は、
「若桜鉄道」「明知鉄道」「関東鉄道」「小湊鉄道」などなど、
決して大手の鉄道会社ではありません。
※「明知鉄道」の『明知』は駅名の『明智』と異なるため、
毎回変換ミスが無いか気を遣っています。ふうっ。

勿論、増収策の一環でもあり、ここ樽見鉄道の「運転体験」も
一人“1万円”の参加費が必要で、
決して気軽に参加できるものではありません。
ただ、ここでは「樽見鉄道1日乗車券」
「モレラ岐阜の2千円分の商品券(昼食で使える)」もついていて、
さすがに同様イベントの後発だけはあり、細かい工夫がなされています。
特に“1日乗車券”は、『乗ってもらうための工夫』として
評価しても良いと思いました。
ただ、遠方からの方には使いきれないかも知れません。
※地方鉄道で、「1日乗車券」が20枚も一度に売れることは
あまりないのでは?

こむずかしい話しが続いて恐縮でしたが、
まあ、私たち参加者が、楽しく運転体験することこそが、
樽見鉄道と地元に貢献できるわけで、
我々が「鉄」としての「(王)道」を歩むこと、つまり、
“乗って”“運転して”“楽しい1日を過ごすこと”が地方鉄道を再生する!
ということでしょうか。

2011年04月01日 18時33分

樽見鉄道「運転体験講習会」(1)辞令交付。

本日から、大船渡線の一ノ関~気仙沼が運行を再開するとともに
陸羽西線・わたらせ渓谷鉄道・山万が全線で運行再開
(山万…昼はバス代行)しました。
特にわたらせ渓谷鉄道は新型車両『WKT-501』も無事デビューを
果たしています。

さて今回の話題ですが、写真の説明は最後でします。

樽見鉄道の「運転体験講習会」が行われたのは、3月13日(日)でした。
「東日本大震災」の翌々日で、
樽見鉄道でもこの会を実施するかどうか相当悩んだようです。
が、結局この機会を見送った場合、良きに付け悪しきにつけ、
鉄道存続への地元向けアピールの機会を一つ無くすことになるとして、
敢えて批判にさらされるリスクも承知の上で開催を決定したと聞いています。

結果、地元を中心に遠くは神奈川県・大阪府からの参加者もいて
3名は欠席したものの17名による「運転体験講習会」がスタートしました。
欠席の方は何れも関東の方と言う事でしたが、それでもこの会の模様は、
地元のメディアで取り上げられ『樽見鉄道』が全国から“注目されている”
“愛されている”感は伝わったと思います。

さて写真の説明ですが、参加者は「モレラ岐阜駅」前にある
「モレラ岐阜」で集合し、そこでまず“学科講習”を行いました。
その終了時に、この『辞令』(右側の写真)と
運転士の『ネームプレート』を頂きました。
特に『辞令の交付』(左側の写真)は、同鉄道の田中社長から直に受け、
まるで本物の“運転士”になる『辞令』を渡されているみたいで
少々照れもありましたが嬉しくもありました。

2011年04月01日 8時08分

樽見鉄道に新車・ハイモ330-701。

今日から新年度。また、大船渡線の「一ノ関」~「気仙沼」間が
運転を再開します。

さて、岐阜県の樽見鉄道では、国や県の補助を受けて1億2900万円で、
写真の新車『ハイモ330-701』を導入しました。
なぜ大赤字で存続の危機にある樽見鉄道に“新車”という声も聞かれますが、
補助金の関係で、『新造車両が条件』という止むを得ない一面もあるようで、
表面的にはなかなか分かりづらい面もあります。

それはそれとして、この2月17日に開かれた“樽見鉄道連絡協議会”
(沿線5市町で組成)で、平成23年度・24年度の2年間については、
年間約1億円を支援することが決まり、まずはこの先2年間の廃線は免れました。
しかし、この1億円は期間限定が故に存続に向けての好材料とは言えません。
※平成21年度まで、ほぼ毎年約1億円の赤字が出ているため、
その補填の意味合いです。

社員数の削減を行う一方、様々な増収策を打ってきた樽見鉄道。
でも、それで追いつく赤字ではありません。
そこで何とか地元にその存在をアピールするべく今年から始めたのが、
実は、このブログでも2月15日にUPした『運転体験講習会』なのです。

その詳細は次回以降に譲りますが、
『鉄道が無くなっても「町」が消えるわけではないが、
地図や時刻表から1本の線が消えることで町がなくなったようだ』
という声はよく聞きます。
勿論、そんな「存在感」だけのために鉄道を残すことは本末転倒でしょうが、
『地方を守る』『地方を生かす』という意味での“鉄道”の存在は、
もっと『国』と『県』が、その存続に向けて建設的な議論をやっても良いと
個人的には思っています。

2011年02月15日 9時00分

樽見鉄道でも「運転体験」が。

このブログでは昨年の5月19日から
映画「RAILWAYS」の公開関連ニュースの取材で、
樽見鉄道を訪問した話しを書きましたが、
そのご縁で知り合った樽見鉄道の方から、
来月3月13日(日)、樽見鉄道」でも「運転体験」を行うとの
連絡を頂きました。

ということで、早速『樽見鉄道』のHPをチェック。

そして発見!
樽見鉄道公式HPのトップにでかでかと
『レールバス「プレ」運転体験講習会』参加者募集の案内が
出ていました。
運転する車両は決まっていて、写真の“モレラ号”こと
「ハイモ230-314号」です。
これは、沿線にある大型ショッピングモール「モレラ岐阜」の
協力を得ているのでこの車両とのことでした。

さて樽見鉄道の“運転体験”は私の感覚では
「ついに」というか「やっと」というか、そんな感じです。

今回、運転体験で使うのは本巣駅構内の旧貨物線で、
その距離約300メートル。
時速も15キロを体験できるとHPに出ていたので
なかなか食指が動く距離と速度です。
樽見鉄道さんからのメールでは、
将来は時速20キロを目指したいとしており、
これも走らせる距離が結構長いので実現できると思われます。

さて前述の「ついに」「やっと」の意味ですが、
樽見鉄道が依然、貨物輸送を行っていたことは
皆さんご存知かと思われますが、
それゆえ、本巣駅の側線が結構長いのです。
それで、その線を「運転体験」で使えれば“楽しかろう”と
思っており、それが実現するのは『運転鉄』にとっては
嬉しい限りです。
(いつから私は「乗り鉄」から「運転鉄」に・・・)

参加費は1万円。家族の理解を得るために今日もまた頑張って働こう!

2010年12月31日 8時05分

鉄道博物館の「D51 426」。

平成22年12月5日(日)、
周りからは「まだ行ったことが無いの?」と言われ続けた
大宮の「鉄道博物館」に行って来ました。

この日、「碓氷峠鉄道文化むら」での『EF63』の
運転体験を終え、「交通博物館」に到着したのは午後2時過ぎ。

で、とりあえず「駄目で元々」気分で、
「D51シミュレータ」の予約状況の確認に向かいました。
そうしたら…、何と『“16:45”からでしたら
体験できます』とのこと。早速申し込み。
そして写真のように運転し、思わぬところで今年の
「運転」収めとなった次第です。

この「D51シミュレータ」は、
鉄道事業者(プロ)向けの「運転訓練シミュレータ」も開発している
『富士通株式会社』によるもので、
実は、中京テレビのシステム部門とも取引があることから
『一度「D51シミュレータ」を体験してみてください』との
話しを頂いていました。

正式なシステム名は「実写映像可変再生システム」と言って
要は、撮影した走行映像を使用し、ノッチ操作/ブレーキ操作と
連動しながら、映像の可変再生が可能なものです。
“プロ向け”では実務に近い適度な緊張感が集中力を高め
訓練成果を向上させることが出来るとしてますが
単に運転するだけではなく、訓練生の訓練履歴や
成績管理も出来るシステムです。
なおかつ、パソコンでも使用可能ということで
私は「個人的」にほしいと思っていますが
一般市販の予定は無いとの事でした。

さて、実際に「D51」を運転した感想です。
まずは、加減弁・逆転機・ブレーキ等の操作機器を
どうやってコンピュータに繋いでいるのだろうと驚いてしまうほど
一つ一つの機器の動きに合わせての『画面の動き』が
自然なこと。
想像以上に実機の感覚があるという点に驚かされました。
※一応、若桜鉄道でC12を運転しているので…。
惜しむらくは、最近の大型ハイビジョン画面に慣れた目には
前方に広がる走行映像の画質が「今ひとつ」に見えてしまうこと。
ただ、これは私が体験した“初心者コース”だけのことかも
しれませんね。

トレインシミュレータは、九州鉄道記念館他で体験していますが
「本物の機関車」を使っている点で、今の所、
大宮の右に出るものは無いと実感しました。

2010年12月30日 17時09分

「碓氷峠鉄道文化むら」EF63運転体験(11)蒸気機関車あぷとくん。

「碓氷峠鉄道文化むら」名物『蒸気機関車あぷとくん』です。

今回、ここ「碓氷峠鉄道文化むら」そのものの紹介は
あまりにも有名なので書きませんでしたが、
とにかく“鉄”なら『一度は足を運ぶべし』と実感しました。
かくいう私は、今回が初訪問で偉そうなことを言える立場に
ありませんが、行くだけの価値は十分あります。

そんな中、ナロー好きの私の心を擽(くすぐ)ってくれたのが
軌間610ミリ、路線長約800メートルの『あぷとくん』です。
DL「10000」と、
この蒸気機関車「3950 GREEN BREEZE」が
3両の客車を牽引しています。
ここの自然環境とイギリス生まれの「3950」のマッチングは
抜群です。(25日の写真も見てください)

時間の都合で、今回、この列車には乗れませんでしたが
次回は是非乗ってみようと思っています。

ところで、今回、「EF63」運転体験を終えて
思ったことがあり、単なる夢想なのですが書かせていただきます。
それは、この「3950」を運転してみたいと思ったこと。
お客を乗せての運転は、如何に「遊園地の乗り物」とは言え
許されないとは思いますが、「お客を乗せなければ…」と
思ったのです。
「EF63」の運転をした後は、一息ついて
引き続き「蒸気機関車あぷとくん」の運転。
考えただけでもワクワクしませんか?(私だけ?)
平日や閑散期のアトラクションとして“鉄”の
注目を集めるのでは無いでしょうか?

「碓氷峠鉄道文化むら」EF63運転体験(了)
「文化むら」の皆様、お世話になりました。

2010年12月30日 8時58分

「碓氷鉄道文化むら」EF63運転体験(10)運転中。

平成22年12月5日(日)午前11時半過ぎ、
「EF63」実機運転を終え、ポーズを取っている私です。

片道400メートルの区間を1往復。
ただそれだけのことなのに、血圧が一気に上がりました。

《出区点検と私》
1)パンタグラフ上昇。
 ⇒パンタグラフが架線に接した瞬間、
  私のアドレナリンも上昇しました。
2)空ノッチテスト。
 ⇒上手くノッチが入らないというか、焦ってしまって
  何ともならない。頭の中の『ノッチ』はどうなった???
3)通電テスト。
 ⇒ここはボタン類の操作のため、落ち着いて…、
  できる訳もなく、違うボタンを押しそうになってしまった。
  体内電流も上手く通電されていない状況。
4)ブレーキテスト。
 ⇒これまでの何度かの運転体験を少しは生かせると思っては
  いたものの、惨敗!焦る心にブレーキをかけたいのだが…。

とりあえず他にもあるのですが、次に実際の運転を。

《運転と私》
とはいうものの、ノッチもさることながら、ブレーキは
何度やっても『一筋縄ではない』ことを
改めて確認しただけで終わってしまいました。
正直、運転前は“25パーミルを楽しもう”を
余裕をかましていましたが・・・、そんなものですね。
指導してくれた方から、
「せっかく高いお金を払っているのだから楽しみなさい」と
言われていたのですが何ともならず、
写真のポーズが私の精一杯だったことを最後に報告します。

運転体験200回を越える人たちもいるそうですが
そこまではいかないまでもあと10回位は運転してみたい。



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稲見駅長の鉄道だよ人生は!! ―各駅停写の旅―

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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!