2013年08月25日 22時31分

ナローの蒸気機関車・リューゲン軽便鉄道(5)

「99 4011-5」が9両の客車の先頭に付きました。

時間は9:48。出発は10:08なのでまだ20分ほど時間があります。この間、多くの人が蒸気機関車と一緒に記念撮影をしていました。世界中、どこでも蒸気機関車は愛される存在なのですね。

シュトラールズント中央~ベルゲン・アウフ・リューゲン(乗り換え)~プトブスと走ってきた列車が定時の9:49に到着。リューゲン軽便鉄道はこの列車に接続して運行される形態となっており、接続時間の約20分は乗車券の購入や写真撮影に必要な時間だと感じました。

※リューゲン軽便鉄道のプトブス発は8:08から20:08まで2時間おきで運転されています。(夏季ダイヤ)

これが一日乗車券。レシートみたいで何の面白味もないのですが、サインをする欄があります。このサインは鉄道の方に念押しをされたので書いたのですが、まるでクレジットカードで買い物をした時の気分でした。ただサインが無いと1日乗車券としては有効とならないそうです。

お約束の記念写真。750ミリゲージとは思えないほど堂々としています。

車内には大きなストーブが…。こうしたストーブは各車両についており、冬の厳しい寒さが骨身にしみるであろう北ドイツらしさを感じました。煙突もなかなかいい味を出しています。

2013年08月24日 20時24分

ナローの蒸気機関車・リューゲン軽便鉄道(4)

蒸気機関車への石炭の積み込み作業。

1)クレーンの先についているバケットで石炭をすくう。

2)バケットの下に何か漏斗(じょうご)の様なモノをぶら下げる

3)そのままの状態でクレーンを回転させる

4)蒸気機関車の石炭庫に漏斗をはめ込む。

5)バケットを開けて石炭を投下する。

見ていて飽きないと思うのは絶対に(ここは力を込めて!)私だけではないはずです。

そして出発準備が整った「99 4011-5」は構内を走り客車の待っている場所に向かいました。

2013年08月23日 20時19分

ナローの蒸気機関車・リューゲン軽便鉄道(3)

リューゲン軽便鉄道(Rügensche BäderBahn)は軌道の間隔が750ミリという日本では存在しない(はずの)狭軌鉄道で、「プトブス(Putbus)」~「ゲーレン(Göhren)」間の約24キロ。(実際に走る区間はもう3キロほど長くなります。その話は後日)を結んでいます。

三岐鉄道や近鉄の762ミリより更に狭い750ミリ。この狭い線路をこれから走るのかと思ったらそれだけで気分が盛り上がってきます。

でも蒸気機関車の大きさは線路幅に比べてもそれほど“小ささ”は感じませんでした。

ナンバープレートは「99 4011-5」。そう言えばと思い、モリー鉄道の写真を見返してみればそのナンバープレートは「99 2323-6」だったりしており、頭の2桁は蒸気機関車の証といったところなのでしょう。

でこの日一体何枚の「99 4011-5」を撮影したのでしょう?少なくとも30枚までは数えました。

※参考までにシュトラールズントを出発して戻るまでに撮影した写真は約400枚です。

2013年08月22日 20時10分

ナローの蒸気機関車・リューゲン軽便鉄道(2)

平成25年6月15日(土)、今回の「鉄」旅の山場を迎えました。

この日の目的はリューゲン島にある「ナローの蒸気機関車・リューゲン軽便鉄道」。

まずリューゲン島という島自体、日本では馴染みのない名前ですが、ドイツ観光局HPには「リューゲン島はドイツ最大の島です。 果てしなく続く海岸、手つかずの自然、そして優雅な海水浴場……総面積926平方キロメートルの島内には、保養地に求められるものが全て揃っています。 それは、バルト海の真っ只中で見る夢のようなものです。」とありました。有名観光地なのですね。もっとも“有名観光地”だからこそ蒸気機関車が今も走っていられるのかも知れません。

さて「シュトラールズント中央」駅発8:04、

「ベルゲン・アウフ・リューゲン(Bergen auf Rügen)」駅着8:32。

「Bergen auf Rügen」駅発8:40の「ラウターバッハ モル(Lauterbach Mole)」行きに乗り換え。

※「Mole」の読み方が「モル」か「モール」かどうかは自信がありません。少なくとも「Mall」=商店街のドイツ語表記ではないことは間違いなく、Mole=桟橋のようです。

単行の気動車の車内はゆとりです。それにしてもお客がいない。

「プトブス(Putbus)」8:49着。

ここからリューゲン軽便鉄道の旅が始まります。列車の出発は10:08なので駅の構内・車庫・工場をゆったり見物。

この1時間20分は敢えての選択でして、結果は大正解だったと思っています。なお、構内の撮影に当たっては車庫で出発準備をしていた方に了解を得ています。

2013年08月21日 19時53分

ナローの蒸気機関車・リューゲン軽便鉄道(1)

シュトラールズント (Stralsund)中央駅。

平成25年6月14日(金)天候は晴れ。予報は決してよくなかったのですが運が良かったと思います。

このシュトラールズントの街は、「シュトラールズント及びヴィスマールの歴史地区」として世界遺産に登録されていいます。ホテルのある駅前から歩いて10分少々、橋を渡ると古い街並みに入ります。

そこには特徴のある建物群と、良い感じの商店街が立ち並び、またカフェもあります。

話はガラッと変わりますが、普段の私の行動は「鉄」一直線でどちらかと言えば“ムリくり”に動いていたりもするのですが、今回は自分の年齢と一人旅であることをわきまえ、ひたすら体力の温存に勤めていました。

そんな感じですので、訪れた街が世界遺産であろうとそこを歩こうとはあまり思ったことが無いのですが、何故か今回は歩く気になり、ほんの1時間ほどだったのですが「成程」と思う程度は楽しみました。

またシュトラールズントは世界遺産だけではなく、水の都としても知られているそうで、こんな景色も素敵ですよね。

さてこの日の晩御飯。駅前には適当なカフェが無く、たまたま見つけたアジア系のテイクアウトの店で買いました。タイ風カレーとチキンカツのセットです。

2013年08月19日 19時27分

ナローの蒸気機関車・モリー鉄道(8)

モリー鉄道の次の目的地は、同じくナローの蒸気機関車が走る「リューゲン軽便鉄道」。

バート・ドーベランからロストックで乗り換え、「リューゲン軽便鉄道」への旅の起点となるシュトラールズント(Stralsund)には午後4時過ぎに着きました。

この区間の乗車券と乗り換え案内。そして0.5ユーロはロストック駅のトイレの入場券です。

ドイツではドイツ鉄道の駅であっても有料が当たり前で、原則0.5ユーロが必要です。そのため財布にはいつも0.5ユーロ硬貨を数枚入れていました。

(車内のトイレは勿論無料ですが…)

またトイレはある程度以上の大きさの駅にはあるのですが「ある」と思い込んでいた駅に無かったり、もしくはあっても鍵が掛けられて使えなかったこともあり一筋縄ではいきません。

一応「時刻表」のUP。バート・ドーベランは無人駅のため(モリー鉄道は有人です)、自動券売機で乗車券を買ったのですが、このように時刻表もプリントアウトされて出てきます。

さてロストックからシュトラールズントへ向かう列車は何と満員。立っている人もいるくらい混んでおり、座れただけでもありがたい状況でした。

こちらがシュトラールズントで泊まったホテル。駅の真正面にあるホテルで、徒歩2分!の近さでした。ホテルの地図を見ていたときはもう少し遠いのかなと思っていたので、ホッとしました。

2013年08月18日 18時15分

ナローの蒸気機関車・モリー鉄道(7)

1時間にも満たないモリー鉄道の日中を走る列車には「Salonwagen」が連結されています。英語ではサロンカーとなっていましたが、カフェカーというか走る喫茶室の方がしっくりきます。

ということで一度通った場所をただ戻るだけでは何なので、Salonwagenに乗車。北ドイツの風景をのんびり楽しめました。

この写真はそこのスタッフに撮影してもらったのですが、車内の雰囲気もさることながら私の重ね着も注目です。こんな格好をするほどの気温だったのです。

コーヒーカップもお皿も何もかもが「鉄道の旅」気分を盛りたててくれるには十分でした。

ここは「Kühlungsborn, Ost」駅。大勢の子供たちの団体が大きな荷物を持って待ち構えていたので一体どうやってこの列車の狭い車内に乗り込むのかと思いきや、蒸気機関車の次に連結されている車両が荷物車で、そこにドンドン積み込んでいるのを見て納得しました。日本では見ない光景ですね。

 

バート・ドーベランの一つ手前の駅、併用区間にある「Bad Doberan, Stadtmitte」駅で下車。

「男は客車のステップを一段一段、あたかも自分の人生を確認するかのように踏みしめながら石畳が敷かれた道路に降り立った。」

まあそんなことは無い訳ですが、でもなかなか楽しい一瞬ではあり、併用軌道区間での乗降体験は、それだけで価値があるように思えました。

そしてこの列車の出発を撮影し、私にとってのモリー鉄道の1日が終わりました。

2013年08月17日 17時11分

ナローの蒸気機関車・モリー鉄道(6)

「キュールングスボルン・ウエスト」の駅舎内には小さいながらも鉄道博物館が併設されていました。

なおこの後姿の女性はマネキンで、旧東ドイツの時代、女性が駅で働くことも珍しくなく、このような信号扱いもやっていたということなのでしょう。

何となく天竜浜名湖鉄道「天竜二俣」駅の鉄道歴史館とイメージが重なりました。

さていよいよバート・ドーベラン行きに乗車。と、その時、この列車の先頭車付近に日本人の団体さんがいるのを発見。今回ドイツに来てこれほど多くの日本人を見たのは初めてでした。(多分20名程度、日本人のガイドさんもいました)

日本から一般の観光客がここに訪れるのはとても意外でしたがそういうツアーもあるんですね。もっとも参考資料で「ことりっぷ 鉄道でめぐるヨーロッパ」(昭文社)を挙げたのですが、「ことりっぷ」と言えば若い女性向けの旅ガイドで、そもそも「鉄道でめぐる」と言う本が出ただけで「時代が変わった」と思いましたし、その中に「モリー鉄道」があるのにはひっくり返りそうになりました。

そしてお約束の記念写真。因みにこの写真は『ツアーのガイドさん』に“日本語”でお願いして撮影してもらいました。老年に差し掛かる男の一人旅はガイドさんにはどう映ったのでしょうか?

2013年08月16日 19時49分

ナローの蒸気機関車・モリー鉄道(5)

途中の「ハイリゲンダム(Heiligendamm)」駅。ここでキュールングスボルン・ウエスト発バート・ドーベラン行きと交換。夏季ダイヤでは朝夕を除き、ここで1時間に1回、こうした風景が楽しめます。

ナローとは言え、900ミリゲージなので機関車は思いのほか大きく見えます。

またここの列車はこの日、私が見た限りでは(小ぶりではあるものの)最短6両、最大10両の客車が連なる堂々たる編成であり、それもモリー鉄道の魅力に繋がっているような気がしました。

そして終点の「キュールングスボルン・ウエスト」には10:24頃にちょびっと、ちびっと、これって標準語なのかなあ?そんなことはさておき、ほんの少しだけ遅れて到着。(定刻は10:21)ナローの蒸気機関車の旅は一旦こうして終了しました。

2009年10月にダージリン・ヒマラヤ鉄道に出かけた際、ダージリン~グム間の区間観光列車(蒸気機関車牽引)を予約したはずが何故かディーゼル機関車に変更された悲しい思い出があります。今回やっと長年の夢、『ナロー+蒸気機関車列車への乗車』が叶いました。ヤッター!

で、到着したらお約束の機回しを見学。

転轍機を手動で操作する姿は正に感涙もの。

素敵な光景です。

そして10時35分、バート・ドーベラン行きが出発。駅から歩いて数分もかからない場所で、かつカメラはコンデジでしたが、気分はすっかり「撮り鉄」でした。

(余談)

機回しを撮影している時以降、私以外にもう一人デジタル一眼を持った40代と思しき「鉄」ちゃんがいました。勿論日本人でないのはすぐに分かったのですが、どこ(どこの国?)から来られたのかが気になりました。理由は、その男性の隣には恐らく奥さんと思われる女性がおられ、何とも所在無げにされていたからです。この後、私は11時35分発のバート・ドーベラン行きに乗車し帰途に着いたのですが、その車内から何度もカメラを構える男性を見かけました。そこにはBMWと女性の姿がいつもあり、、、と、後はお察し下さい。因みに私の妻は一度だけ私の『鉄』旅に付き合ったことがあります。(台湾です)

私は「付いて来ないほうが良い」と一応“アドバイス”はしてあったのですが、その結果「私は荷物番ではない」「2度とあなたの『鉄』旅には付き合わない」と宣言され、3泊4日の旅は2日目で破局を迎えました。トホホ。

2013年08月15日 19時08分

ナローの蒸気機関車・モリー鉄道(4)

一夜明けて平成25年6月14日、ホテルに荷物を預けてまずはバート・ドーベランの併用軌道での撮影。

時間は9:10頃で、バート・ドーベラン9:12着の列車です。

このモリー鉄道には転車台が無いため、蒸気機関車の正向きを撮影しようとする場合は、必ずバート・ドーベラン行きとなります。そしてこの区間は線路が南北に走り、かつ南行きがバート・ドーベラン行きで、一日中ほぼ順光で正向きが撮れると言う願ったり叶ったりの素晴らしい鉄道です。

おっとこの鉄道の概要を書き忘れていました。

モリー鉄道はバート・ドーベラン(Bad Doberan)~キュールングスボルン・ウエスト(Kühlungsborn, West)間、15.4キロを45分前後で結んでいますが、朝・夜には同じ区間を走るバスもあり、観光鉄道であるだけではなく、地元住民の足にもなっています。

さてバート・ドーベランを9:36発の列車に乗車。先の写真を撮影してから“始発駅”の「バート・ドーベラン」まで歩いても時間的には余裕がありました。そしてここは併用軌道区間にある最初の停車駅「Bad Doberan, Stadtmitte」。まるでトラムの乗り場のごとくで街中で突然列車が停まると「そこが駅だった」という感じ。なかなか楽しい光景です。ところで先の3枚の写真はこの駅よりも少しキュールングスボルン・ウエスト側で撮影しています。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!