朝の出発を2列車撮影し、虎尾糖廠の出発地点虎尾駅へ。この駅は、かつて旅客輸送もしていた頃は現役だったのですが、今は観光施設となっています。なおこの写真では写っていませんが、駅の裏側は今もシュガートレインが行き交うヤードも広がる製糖工場です。
ここには自転車を借りる目的もあってやってきました。朝9時オープンなので、しばし周囲を散策。このレンタサイクル情報は、ここ虎尾に何度も通っている鉄友に教えてもらったもので、これは大正解でした。
虎尾駅は先に書いた通り台灣糖業公司/虎尾糖廠に隣接しており、そこから今は使われていない線路が台湾鉄路管理局(台湾鉄道)斗南駅に向かっており、少し先には橋が残されていました。
橋は虎尾の観光名所になっているようで、こんなオブジェが置かれていました。
橋の線路を見れば何と1067ミリと762ミリの3線構造になっており、斗南駅まではそこそこの距離があることから、ここ虎尾糖廠が台湾の製糖業において重要な地位にあったことが伺えます。1067ミリゲージのの客車がここまで走っていたとは思えないものの、砂糖製品を積んだ1067ミリゲージの貨車はそのまま台湾鉄道に直通していたのかなと思ったものの、それを確認する語学力が私にないのは残念。
時間に余裕があったのでしばしの寛ぎ。
台湾最後の現役製糖鉄道、虎尾糖廠。毎年のように「今年が最後かも」とか言われ、それでも今年は動きました。高雄2日目の2月9日はその虎尾が目的地。
高雄/佐営6:45発の新幹線に乗り「高鐵雲林」7:30下車。高鐵雲林駅開業以前は台湾鉄道の斗南駅からバスが一般的だったはずですが、今は高鐵の駅からタクシーで向かうのが便利。
虎尾の街に入り、製糖鉄道の踏切番の方に恐る恐る声をかけ、列車の通過時刻を教えてもらいました。この日は午前8時台に2本、10時台に2本が製糖工場からサトウキビの集積所(積込所)に向かい、9時台に1本、10時台に1本、12時台に2本が戻ってくるで“あろう”ということ。時間はあくまでも目安のようですが…。まあ運転されることが分かっただけでも収穫。
因みに運転時刻(運転本数)は毎日変わるとのことで、その日の作業に応じて日々決めているようでした。
※8:08~撮影。
台湾には観光のために残されている製糖鉄道が各所にありますが、やはり今も現役ということで日本から多くの鉄道ファンが訪れていますし、今回で言えば地元台湾の鉄道ファンも見かけました。まあ私もその一人で、へろへろ線路のナロー好きにとってここは正に聖地。以前からこの地に立ちたいと思っており、やっと念願が叶いました。
土埃をあげて走るさまはただそれだけで絵になります。
※8:20~撮影。
通過時間が近づけば踏切番の方が出てきますので、それでこちらもスタンバイ。
踏切を悠然と通り過ぎる貨車は想像以上に魅力的。
よれよれの併用軌道はただそれが現役というだけでうっとり。
土砂降りの雨の中、BRTは専用レーンを極めて快適に飛ばします。しかも専用レーン区間が長い。一方でお客さんが少ない。前途が不安。
台鉄嘉義駅に到着。阿里山森林鉄道の駅のある表側ではなく反対側のバスターミナルに到着。これもお客さんの数に影響しているのかな?
3月23日(水)、今回の台湾鉄旅の最後は「斗六」の街に宿泊。理由はまた明日。(写真は斗六駅。橋上駅です。)
駅周辺で“食堂”を探したものの『入ってみたい』店は見当たらず、どうやら街の中心地に行かないと食堂街はないような感じでした。で、この旅の最後の食事はラーメン。しかもアルコールは置いていないということで何とも閉まらない夜になってしまいました。
まあこんなことも含めて「旅」です。こうしてまた打たれ強い旅人に進化した気分。
西暦2000年の阿里山のバスターミナル。建物は今も同じ。この時も阿里山からの下山はバスを使っており、2016年のこの日もそのつもりでした。で、路線バスの切符売り場に行ったらよもやの全便満席。台湾鉄道の嘉義行き、新幹線の嘉義行きなどその日阿里山を下山する全てのバスが、、、です。
翌日の3月24日は日本に帰る日だし、そもそも阿里山はホテルが満室…。
オンシーズンにはバスを予約したほうが良いなどとはどのガイドブックにもネット情報にも上がっていなかった…。
ホテルに戻り嘉義駅までのタクシーを手配してもらうとしたものの、それも全て出払っていてOUT。最終案として、旅行社がミニバスをチャーター形式で運行(定額。路線バスよりは高いが、タクシーよりは格段に安い)しているはずなので「この紙をバスターミナル周辺の人に見せて、係員を探してください」とのこと。
一応、午後5時に出るミニバスを予約したもののその時間にはまだ2時間半もある。さてどうしようかと思い、バスターミナル近くにいた人と話(勿論、中国語。殆ど雰囲気での会話)をしていたら、「路線バスの運転士さんと交渉すると乗れる場合があるよ」とのご託宣。で、台湾鉄道嘉義駅行きのバスはNGでしたが、このバス、14:40発の新幹線(高鐵)嘉義駅行きのバスの運転士さんからOKの返事。バスターミナルの切符売り場(実はコンビニのレジ)で発券をお願いしたら、そんなことは出来ないとのことでしたが、運転士さんが口添えしてくれてチケットを購入。とにかくここを出られれば良し。(ミニバスの予約係りの人にキャンセルを申し出たら驚きの返金あり。期待していなかったので嬉しかったです。ありがとう!台湾)
さて私達が乗れたからくりですが、この路線バスは定員乗車。ただ途中の停留所からの乗客があるため、満席ではここを出発しないようで、そのための席が私達に回ってきました。確かに台鉄の駅(嘉義の中心地)へ向かうバスは16年前、途中からの乗客が結構あった記憶があります。一方、新幹線駅に向かうバスは途中からの乗客は少ないという判断が運転士さんにあったのでしょうが、その読み通り、途中からのお客さんは1人もおらず、3席が最後まで空席でした。
雨が降る高鐵嘉義駅。写真はこの一枚のみですが、まずはここまで来られた事に感謝。
高鐵嘉義駅から台鉄嘉義までは車で20分ほど。でも確かBRTがあったはず。と思っていたらありました。
それも時刻表によれば16:50発がある!何たる幸運。神は私たちを見捨てていませんでした。
BRT(bus rapid transit)とはバスを使った大量輸送機関。これに乗れるということで、同行の方は少々興奮気味。いやいや私も同じです。
運転士さんから乗る時に渡されたICカード。最初は意味が分かりませんでしたが、BRTの利用についての映像がバス車内のモニターで流されており、どうやら高鐵嘉義駅から台鉄嘉義への利用者は、BRTの利用促進のため無料らしく、ただ乗車人員の把握のためこのカードを配っていたようです。ということで当然このカードは下車時に回収。
後で調べたら、高鐵(新幹線)の利用者だけが無料のようでしたが…。
再履修の神木線神木駅。
シェイの撮影を終えて前日歩いた遊歩道をまた歩く。こんなことをする人はあまりいないだろうなあ。それはともかく折り返し13:30発の列車の到着。この段階では音は聞こえていますがまだその姿は見えていません。こうした駅員さんの動きに鉄道マンとしての矜持(きょうじ/プライド)を感じます。
霧の中から現われる列車。ヘッドライトの灯りに浪漫を感じます。
タブレットを高々と上げる。
今日は機関士さんがタブレットを受け取る瞬間。
ここまで撮影して私の阿里山での撮影は終了。
戻りの列車は定員まであと100人強との表示ですが、これがあるということは1列車で最大350人の人が乗るということ。ナローの5両編成でこの人数は果たして多いのか?それにしても混んでいた。
眼下にある嘉義へ向かう線路に再びジョイント音が響くのはいつになるのでしょうか。
阿里山森林鉄道ではタブレットが使われています。
16:22。折り返し16:30発の列車が見え始めました。駅員さんが緑の旗を出して入線。
タブレットを上げて受け渡しのスタンバイOK。
機関士さんのタブレットは駅員さんの赤色の旗に収まり、駅員さんが差し出したタブレットは機関士さんの腕の中に。
ここが終点なので、わざわざ動いている列車とこの作業を行う必要があるのだろうかという疑念が浮かびましたが、ここはもともとスイッチバックの途中駅。
この鉄道が全線復旧し、嘉義からの列車が上がってくるようになればここではポイントの操作も行われます。そのため、ここでタブレットのやり取りをするのであろうと推察しました。
ということが分かったので、翌23日に再履修をすることに決定。
今回の阿里山のシリーズは場所別でUPしており、時系列が分かりにくくて申し訳ありませんがご理解下さい。ということで平成28年(2016年)3月22日(火)。
沼平線の下見を終えて神木線を少し撮影することにしました。歩き出したのは午後4時前で、多分神木発16:30の最終列車には間に合うだろうというアバウトな感じ。途中には桜の名所があり大陸からと思われる観光客でごった返していたので桜の上半分だけ撮影。
遊歩道をドンドン下っていきます。この頃には万が一列車に乗り遅れたら、この道を昇ることになるのかという強迫観念に駆られ、脇目も振らずに猪突猛進していました。
それにしても「鬱蒼(うっそう)たる」という枕詞(まくらことば)を付けたくなる正に『森』。
霧が更にその幽玄さを引き立てています。
撮り鉄でなく、たっぷりと時間をかけて歩くのは気持ち良さそうです。この雰囲気をなかなかです。
16:13。やっと神木駅が見えました。同時にホッともしました。
山の中の駅。
※阿里山の森については、阿里山について書かれたガイドブックやウェブサイトをご覧下さい。
残念ながらこの日も御来光は見えず16連敗。まあ少し空が明るくなっただけで良しとするか。因みにこの写真の撮影時間は日の出後の6:25。
昨日UPした星取表にこの日も×が付きましたが、もしも○だったらどえらい気分が良かったでしょうね。きっと。でもそんな邪心があるところに福は来ません。巻き込んでしまった皆さんゴメンナサイ。
諦めて列車で下山。最終列車の出発時間は6:50で、正にその最終列車に乗車。恐らく世界でも有数の朝早い時間帯での最終列車でしょう。
※参考…ここから阿里山まで歩いて行くことも出来ます。
出発時間まで駅のオブジェの記念撮影をしたりしていましたが、まあ他にやることも無かったので…。
朝の7:18に阿里山駅に戻り、そのまま朝食を食べに駅前のレストランへ。ホテルは朝食付きで予約したのですがホテル内にレストランは無く、外で食べるシステムとなっており、阿里山駅前のレストラン街にある1軒がホテルとの契約レストランでした。そこは幾つかのホテルの朝食を引き受けているみたいで、店内は大混雑。こうした経験は初めてでしたが合理的といえば合理的ですね。
ホテル街の一角。右から2番目の白い4階建てが宿泊したホテル。
(ご注意)
もしも来年桜の時期に阿里山へ行くことを考えるなら取り敢えず出来る限り早くホテルの予約をしてください。
私は今回12月1日に予約したのですが、その後、私が普段閲覧している複数のホテル予約サイトで、阿里山駅近ホテルの空室を見ることはありませんでした。(実はもう少し安いホテルは無いものかと探していました)
ギリギリ首の皮一枚で繋がったようです。桜のシーズンだけあって大陸からの観光客が大挙して押し寄せており、いやいや「大挙」という言葉も生易しいと思うほどで、正直言って「阿里山ってこんなに観光客が来るところだったっけ?」とか過去の経験が邪魔したのかもしれませんが、それでも土俵際で踏ん張り何とかうっちゃることが出来ました。
とか思っていられる内が華でした。この後…。