平成26年12月1日(月)。動き始めた機関車は転線。
客車の連結に向かい始めました。確かに「渓湖糖廠の五分車(2)」で機関車の向こうにいたのは観光用五分車で乗車する客車ではありません。そう言えば私たちが火起こしを見ている時に、隣の線路に客車を牽いたディーゼル機関車が入って来ていたのを思い出しました。
そして客車が連結されて一息ついたと思った9:10頃に「機関車を動かすから乗らないか」と声がかかり慌てて乗車。
つまり先の場所は出庫準備をする場所で、乗車するのは製糖工場の横にあるこの場所であることがやっと分かりました。
輝く真鍮(しんちゅう)から漏れる煙。美しい!
製糖工場の巨大さに改めて驚かされました。現役の頃を髣髴(ほうふつ)させます。
2013年(平成25年)2月23日(土)の訪問記を続けています。
今回の渓湖糖廠訪問で入れなくなっている場所があるのに気付きました。
それがここで、廃車体がズラリ並んでいました。
何とも不思議な場所にいる気動車と思われる車両。
車庫らしきところにも用途が分からない事業用と思しき車両。何とも魅力的というか悪魔の囁きに誘われてその術中にはまってしまった感じでした。
とそんなこんなでこの時は台北に戻ることにしました。
台鉄員林駅までの戻りは路線バス。少し迷って、道を聞きながら辿り着いた渓湖のバスターミナルです。
そこから乗って員林駅のバスターミナルで降りたのがこのマイクロバス。バスターミナルで聞いて乗ったので間違いはないと思うのですが、何せ走った道路はマイクロバスでもやっと一台が通れるかどうかと言いたくなる街中の細い道。日本でも地方で路線バスに乗ると郊外では広い道を走り、集落では旧道を走るパターンがありますが、それをより極端にした感じです。往路で利用したタクシーとは通った道が全然違っており、どうもメインではない路線バスに乗ったようでした。これも旅の醍醐味???
今回の渓湖糖廠の五分車(4)で取り上げた車両の屋内展示スペースもじっくりと時間をかけて見学し、その上で撮影もしています。
それはさておきオープンエリアの構内の見学自体は自由という雰囲気だった(多分そう言ってくれていたと思います)ので、2014年では歩いていない場所にも行っています。緑地の中にいた内燃機関車。少し大きいと思ったら「七分車(1067ミリゲージ)」。
ふと貨車の連結器を見たら自動連結器とピンリンク式の両方がありました。珍しいものを見せてもらいました。
※今回の台湾製糖鉄道の旅で、製糖鉄道と台鉄の接続ポイントでは、ナローと1067ミリの3線区間があったのを知りましたので、そこで入替用に使われていた車両かもしれません。
構内の側線の造形美。こうした配線は結構見かけるのでそれほど珍しいものではありませんが、ナローと言うだけで何だか楽しい気分でした。
2013年(平成25年)2月23日(土)、私はここ渓湖糖廠を訪ねています。
台北から新幹線で高鐵台中まで行き、台鉄新烏日から区間車で員林へ。(写真は員林駅)
そこから本当はバスに乗る予定だったのですが、乗車予定の台鉄新烏日からの区間車が突然運休!更に次の列車も遅れており、蒸気機関車の運転開始時間に間に合わせるべくタクシーを飛ばしました。
巨大な製糖工場が見えてきました。
蒸気機関車346号が出迎えてくれましたが、観光客が見当たらず閑散としていて火も入っていない。どこかおかしい…。
人がいないので写真は撮り放題で、しかも他の観光客の動きを気にする必要もない。でも何かが変。
広い構内にはディーゼル機関車を先頭にした観光列車が停まっているものの動く気配が無い。そこでスタッフらしき人を見かけたのでこの日の列車の運転時刻を確認してみました。と、そこで驚愕の事実を知ることになったのです。
本来、土・日・祝祭日に運転されるこの渓湖糖廠の五分車ですが、何と旧正月の休み期間に動かしていたのでこの日は運休とのこと。しかも次に動くのはどうやら3月に入ってからという事が何となく分かりました。どうやってそれを知ったかって?当然ですが日本語も英語も通じないのですが、カレンダーを持ってきてそれに「○」「×」を書いてくれたのです。来る前にネットの公式サイトも確認していたのですが、残念!の一言です。もっともそれがあったからこそ今回のツアーには是が非でも参加してリベンジしたいという強い気持ちが生まれたのは間違いありません。
台鉄の電車といい臨時運休の渓湖糖廠といい、まあ海外はそんなものだとは思っていますが、ついていない時はジタバタしないことが肝要です。(トホホ)
蒸気機関車346号は1948年のベルギー生まれ。1954年からここ渓湖糖廠で働き1977年に引退するも、2007年に復活を遂げ今も元気に活躍しています。
火室の下に落ちていく火の粉が見えます。分かるかな?
運転台からの一枚。
スタッフの方に呼ばれたので行ったら火室を開けて見せてくれました。
ところでここの機関車で一つ発見がありました。そもそもはツアーの参加者が気付き教えてもらったのですが、第2動輪にフランジがありません。
日本の蒸気機関車ではE10形が有名ですが、そもそもこれだけじっくり見たのは私にとって初めての経験で、この第2動輪は346号が走る線路にありえない程の急なカーブがあることを教えてくれました。
蒸気圧が上がるまでしばし渓湖糖廠内の見学。
屋内の車両展示スペースにはここで使われていた蒸気機関車等が大切に保存されていました。
そんな中、またまた見つけてしまいました。トイレの案内。面白い!それにしても今時、厠(かわや)と読める日本の若い人はいるのだろうか?
機関車に戻って来たら、丁度クランク部分のねじを一つ一つ外して注油の真最中でした。
結構手間のかかる仕事ですが、年代モノの機関車だけに多分、動かす時は毎回している作業なのでしょう。
もっとも日本でも同様の作業を都度やっているはずで、始業点検は“古い車両”だからということは無いはずです。間近にみているので『特別』感があったような気もします。