新竹(シンチュー、Hsinchu)駅。
1913年(大正2年)完成で、現存する台湾の鉄道駅で最古の駅舎。
単に古いだけではなく、その優美で豪奢な姿も含め台湾の重要文化財に指定されています。
日本人建築家のデザインによるもので、この駅舎をここで作ったということから日本時代においてもここ新竹が台湾にあって重要な拠点駅であったことが分かります。
尖塔部分が時計台になっており、街の人に今の時間を伝えています。
駅舎の中はまるで映画かドラマに出てくるセットのような感じ。
改札口は自動改札機が無ければ、現代とは思えません。
広々とした集札口。これもこの駅の役割を感じさせます。
この駅を見るだけでも新竹駅に下車する価値は十分あります。
苗栗から新竹に移動。新竹に行く目的は、そこから内湾線に乗り換え、更に台湾新幹線に乗り継いで高鐡桃園経由で台北/桃園空港に向かうため。
苗栗発9:31発、新竹着9:58、自強号108レに乗車。
新竹駅だけではなく、台湾鉄道のほぼどの駅の集札口にあるスタンプ台。決して記念スタンプではありません。
こんな感じで、自分で切符に押印します。時にこのスタンプ台は行列が出来ます。
字がつぶれていて判読不能ですが「**站証明用」とか「**站証明章」とか書いてあると思います。聞いたところによると台湾鉄道では領収書が無いので、この印を押した切符が領収書代わりとのこと。2000年に台湾に行った時も下車する度にこの印を押していました。
おかげでこのスタンプは私にとって切符収集用のツールとなっています。参考までに台湾新幹線は、自動改札機を通すと使用後(乗車後)であっても切符が戻ってくるのでこの印はありません。
日本で切符を手元に残そうと思うと、国鉄時代は駅員さんに備え付けの無効印を押してもらっていました。
その後JRになり、この無効印が無くなり切符が残せなくなった会社もありました。その後、JR各社とも無効印が復活し、記念に切符を手に入れることが出来るようになりましたが、鉄道マニアのみならず観光客にも好評なのではと思っています。
そういえば台湾には周遊パス的なものを除き『途中下車』はありません。(…のはず)
TRAの赤文字がカッコいい!Taiwan Railway Administrationの略ですが、ロゴデザインが如何にも台湾です。
「普悠瑪自強号」。普悠瑪号じゃないの?とか言われそうですが、普悠瑪号は、自強号の中での愛称列車。特別な存在なのです。そのため乗車券での列車名は自強号280レです。これは少し残念。
始発駅のしかも朝早くなのでこうした車内の写真も撮影出来ます。
TEMU2000型電車。7号車はTEMA2063。2013年デビューの第16編成です。
これが笠寺駅で出会った第19編成だったら最高なのですがそれは贅沢というもの。
座席は普通車とグリーン車の中間といったところ。ただシートは思ったより固めでホールド感はあるものの、個人的にはもう少し柔らかいほうが好みです。
車内のモニターは「普悠瑪号」。いつも出ているわけではありませんが、それでも時折これでもかと主張しています。営業最高速度は140キロということで、窓外を流れる風景からするとそれ位のスピードは出していたのではないでしょうか?速い!気がします。
2013年、台湾鉄道に颯爽とデビューした普悠瑪(ぷゆま)号。現在19編成あり、その全てが日本車輌で作られ、東海道線を甲種輸送されて名古屋港から積み出されました。
この写真は昨年の12月17日に笠寺駅で撮影したもので、名古屋臨海鉄道の機関車が不調のためこの駅で抑止されていました。なおこの写真の撮影時に、私の周りには台湾からこの甲種輸送を撮影に来た方が多く見られ、台湾における鉄道趣味がどれほどのものかを知ることになりました。そしてこの編成に乗れるかどうかは別にして、普悠瑪(ぷゆま)号に乗りたくてわざわざ3月23日(水)の宿を斗六にしたのです。で、その前に…。
ホテルの朝食券。ホテルは雑居ビルの中にあり、パッと見レストランは無いと思ったのですが、やはりその通り。
何とファストフード店で朝食。朝食券は決まったメニューをオーダーするものではなく、一定の金額の金券方式。上限を超えて注文する場合は、その分は自己負担。台湾通の方に聞いたら、コンビニでおにぎりに交換とかいろいろあるようで、最初は驚いたがその内に慣れてきたとこのことでした。
さて普悠瑪号花蓮行き、斗六7:05発。普悠瑪号は車体傾斜装置がついており、その運用のメインはカーブの多い台北と東海岸を結ぶ東部幹線。ただ一部の列車は西部幹線(縦貫線)にも入っており、3月24日時点で、ここ斗六駅が西部幹線の駅では普悠瑪号が走る一番南。つまりこの駅から南側(高雄方面)では乗ることは出来ませんでした。
ただ2016年4月21日のダイヤ改正で台北/松山駅~高雄駅~潮州駅間を結び、台北~高雄間を3時間30分台で走る列車が1往復設定されたので、斗六駅は、普悠瑪(ぷゆま)号の栄えある起点駅では無くなっています。
平成28年3月22日(火)。この日の目的は阿里山森林鉄道に乗ること。
●阿里山森林鐵路が正しいのでしょうが、公式サイトのhttp://www.railway.gov.tw/Alishan-tw/でも阿里山森林鉄道を使っていますので、このブログでもそれにならいます。
高雄から嘉義(かぎ、Chiayi)までは朝7時発の自強号112レに乗車。高雄駅の跨線橋から地下化工事の進み具合をチラ見。
列車は6:56頃に入線。それにしてもこの時間から行動しているのは鉄旅ならではですね。
朝食はホテルが用意してくれたボックス。オレンジジュースにヨーグルト、菓子パン。
それにおにぎりのセット。
実はホテルは朝食付きで予約していたのですが、朝食のスタート時間が7時からだったので、駄目元で何か列車の中で食べられるボックスを用意してもらえないかと前日に聞いたら、「ホテルで調理したものは出せませんが…」とのことでしたが、このセットをチェックアウト時に貰いました。
嘉義着8:15。
こちらは2000年5月21日の嘉義駅。駅舎の右側のオブジェの有無などの違いはあるものの駅舎そのものは同じです。知らない人が見ればこの写真を2016年と言ってもきっと疑わないでしょう。
西暦2000年5月22日。この日、私は南廻線を普通列車で旅していました。その時は高雄から13:16発の復興号175レ(日本で言うと準急列車、客車列車)に乗って枋寮着14:53。そこから15:33発の普通列車に乗り継ぎ東海岸の台東(当時の台東新駅着17:32)に向かっています。
出発地は普快の起点である枋寮駅。
乗車したのはDR2700型。この車両は台北と高雄を結ぶ台湾のメインルートである縦貫線が非電化だった時代に「光華号」という名称の最高速列車として運用され、正に「華」として君臨していました。縦貫線電化後は普通列車として、2000年当時は枋寮と台東を結ぶ南廻線の普快の運用にも入っていました。
この列車の行き先は「台東新」駅。その駅は台東の郊外にあった南廻線と台東線との接続駅で、枝線となっていた「台東新」~「台東」駅間の廃止後、「台東」に改名されました。因みにですが「台東新」駅を発着し、「台東」駅に入らない列車には「台東」駅との間に無料の接続バスが運行されていました。それは事前に知っていた訳ではなく、「台東新」駅に着いて知りました。
さて光華号の写真はかつて鉄道雑誌や書籍でも紹介されており、車内の真ん中にあるこのデザインも含め、海外の鉄道車両の中では特に私に強い印象を残しており、また憧れの車両の一つでした。
2000年に撮影した太平洋。このシリーズの(3)でUPした場所と同じような気がする…。