2011年02月21日 18時37分

列車は、「ケアンズ駅」から「キュランダ駅」までの約33キロを、
1時間45分で結んでいます。
最初の内は、オーストラリアの平原をゆったり走っていますが、
フレッシュウォーター駅を過ぎて暫くすると徐々に勾配が始まり、
海抜ゼロレベルから、標高328メートルまで上がって行く、
文字通り「高原列車の旅」がその“正体”を現します。
敢えて仰々しい物言いですが、坂をゆっくり上っていく時、
眼下に広がる風景(この写真です)は
はっきり言って絶景だと私は思っています。
肥薩線か篠ノ井線の峠越えの風景とちょっと似ていて、、
でもスケール感が大陸的でこちらの方が大きいというか
雄大な感じがします。
※「キュランダ行き」の列車では、進行方向右側に見えます。
でも一方で、「鉄」の方ならこの風景からこの線の工事が
如何ばかりだったかは察しが付くはず。
これだけの絶景を臨める路線が、1891年(明治24年)、
日本でいえば日本鉄道の上野~青森間が全通した年の開業で、
当然のことながら工事はなかなか進まず
苦労に苦労を重ねてやっとこさで開業に漕ぎ着けたとのこと。
美しい風景が楽しめる陰には、
先人たちの血と汗と涙があったことを知ったからこそ“正体”などと
言ってみたくなったのです。