2011年02月21日 18時37分

キュランダ高原列車(2)絶景ポイント。

列車は、「ケアンズ駅」から「キュランダ駅」までの約33キロを、
1時間45分で結んでいます。
最初の内は、オーストラリアの平原をゆったり走っていますが、
フレッシュウォーター駅を過ぎて暫くすると徐々に勾配が始まり、
海抜ゼロレベルから、標高328メートルまで上がって行く、
文字通り「高原列車の旅」がその“正体”を現します。
敢えて仰々しい物言いですが、坂をゆっくり上っていく時、
眼下に広がる風景(この写真です)は
はっきり言って絶景だと私は思っています。
肥薩線か篠ノ井線の峠越えの風景とちょっと似ていて、、
でもスケール感が大陸的でこちらの方が大きいというか
雄大な感じがします。
※「キュランダ行き」の列車では、進行方向右側に見えます。

でも一方で、「鉄」の方ならこの風景からこの線の工事が
如何ばかりだったかは察しが付くはず。
これだけの絶景を臨める路線が、1891年(明治24年)、
日本でいえば日本鉄道の上野~青森間が全通した年の開業で、
当然のことながら工事はなかなか進まず
苦労に苦労を重ねてやっとこさで開業に漕ぎ着けたとのこと。
美しい風景が楽しめる陰には、
先人たちの血と汗と涙があったことを知ったからこそ“正体”などと
言ってみたくなったのです。

2011年02月21日 9時01分

キュランダ高原列車(1)ケアンズ駅

オーストラリア編の最終章です。(今更ですがお許しを)
平成14年1月3日、オーストラリアの東北部ケアンズを起点とする
「キュランダ高原列車」(Kuranda Scenic Railway)に乗車しました。
(写真は、ケアンズ駅)

この写真、私が撮影したものではなく、
平成20年に放送した番組で撮影したVTRから起こしたものです。
そのため、写真右下に○に「c」が入った著作権表示を入れてあります。

話しを戻して、平成14年当時、
私は「ズームイン!!SUPER」と「ズームイン!!サタデー」という
月~土で早朝番組を担当しており、
毎朝3時起きで、会社を出るのは毎日午後8時頃と言う、
コンビニの様な生活をしていました。
年末年始も“休止”は1月2日、3日のみで、
家族とどこかへ旅行しようにも難しい状況でした。
ところがこの年、珍しく日本テレビが
「年明けは楽(らく)してください」となり、
中京テレビの初中継日が1月7日(月)となったのです。

ということでオーストラリアはケアンズへ!
元旦「新春特番」の生放送を終え、家に帰ったのが午後2時過ぎ、
それから準備をして名古屋空港へ。
死に物狂いでやっと乗った夜行便の飛行機の席では爆睡。

でも、この「キュランダ高原列車」に乗ったのは、
私が「鉄」だからではなく、『ケアンズ観光』の目玉の一つだったから。
では私が撮影したケアンズ駅に停車中の列車の写真がないのは何故?
それはまた、回を改めて。

2011年01月17日 8時00分

「ZIGZAG(ジグザグ)」駅はワンダーランド(3)電車は止まるか?

雪が降り続いています。
名古屋は雪国と化しています。
今日は、『冬の釧路』対応防寒具で出社します。何だかなあ。

さて、画面の1/3を覆い隠しているのが
「フラッグストップ」用の緑色の円盤です。

この時、私は左手に円盤を持ち、必死になって振り続け、
右手でカメラを構え、チャンスを狙ってシャッターを押しました。
それも「ジグザグレイルウェイ」の機関庫を見学中の
観光客の皆さんから「頑張れ!」(だと思うのですが)という
熱い声援を受けながら…。
正直、この注目はチト恥ずかしかったです。

ところが先頭車は思いの他速いスピードで通り過ぎ、
一瞬、私の脳裏に最悪の事態がよぎりましたが杞憂に終わり、
無事、最後尾の後ろのドアが私の目の前に止まりました。
※写真でも確認できますが、ここはカーブで視認性に難あり。
電車に乗ってから外を見たら観光客の方で
最後まで見届けてくれた方が手を振ってくれていました。

かくして楽しい楽しい「ジグザグレイルウェイ」の旅は終了。
私にとっては、
1)「リクエストストップ」の体験
2)オールドタイマーの気動車への乗車
3)腕木式信号機の操作
4)絶景!満喫
5)フラッグストップ体験
と、何とも盛り沢山な一日でした。

ところで『「ジグザグレイルウェイ」で、
SLではなくディーゼルカーに乗ったのは何故ですか?』と
友人から聞かれました。
答えは「ヴィンテージ・ディーゼルカー」が十分魅力的に
思えたのと、「SL」運行日よりも「ディーゼル」運行日の方が
乗客も少ないだろうから、
ゆったりこの鉄道を楽しめるのではないかと思ったからです。

さて「乗り鉄」は基本『乗るだけ』というスタンスですが
普段出来ない体験へのチャレンジは別です。
“運転体験”ではない何がしかの“体験”付き『乗り鉄』先は
無いものかと今、真剣に思っております。(笑)

2011年01月16日 17時28分

「ZIGZAG(ジグザグ)駅」はワンダーランド(2)フラッグストップ。

今日は雪。午後3時頃一旦止む予報でしたが
結局降り続いています。
「撮り鉄」の方はさぞかし忙しい一日を過ごされたのでは
ないでしょうか。一方、私は冬眠です。

さてジグザグ駅のホームには
柄の付いた『緑色の円盤』が置かれています。
何のためにあるかと言えば、実は電車を止めるためのモノ。

鉄道の世界で「フラッグストップ」と言えば、
アメリカ等の国で、線路際に立って“旗”を振れば、
駅でなくても「列車が停車し乗車」出来ることで知られていますが
ここ「ジグザグ」は、駅であるにも係わらず、
駅に立っているだけでは電車は止まってくれません。
“旗”ならぬこの柄の付いた『緑色の円盤』を振り
電車の運転士がそれを確認できた時だけ、電車が止まります。

ではどうやって『円盤』を振るのかと言うと
駅に「STOPPNIG OF TRAINS」という看板があり、
そこに詳しく書かれていますが、要は、運転士に分かるように
一生懸命この“やけに重い”円盤を振れ!ということです。
※また、「夜」になれば「夜」の電車の止め方があります。

では、電車を降りる時は?ということですが
まず、シドニー・セントラル駅で「ジグザグ」までの
乗車券を購入した際、駅員さんから『一番後ろの車両に乗り
車掌さんに「ジグザグで下車」を伝えなさい』と言われ、
電車に乗車して直ぐに車掌さんに申し出ました。
すると車掌さんは「一番後ろのドア(だけ)を開けるので
そこから下車」と教えられました。

駅員さんの言葉は「リクエスト・ストップ」の注意点で
車掌さんの言葉は「短すぎるホーム」への注意でした。
ようするに、「ジグザグ駅」はまるで路線バスが如く
下車客がおらず、乗客がいなければ通り過ぎてしてしまう
「リクエスト(要望すれば)ストップ(止まる)」駅だったのです。
私が何もアクションを起こしていなければ…、
結果は「火を見るより明らか」ということです。

2011年01月15日 17時30分

「ZIGZAG(ジグザグ)駅」はワンダーランド(1)短すぎるホーム。

「ジグザグレイルウェイ」を乗り終え、帰途につくことに。
ということで「ジグザグ駅」まで戻ってきました。

写真の左側に写っている「倉庫」みたいな建物は
「ジグザグレイルウェイ」の機関庫で、
右側が…、「えっ!線路しかない?」ということは無く、
写真中央の線路の右側に「何かあるの?」位にしか見えない所が
「ジグザグ駅」です。
車両1両分どころか半分もない無人駅です。
※手前の線路が「リスゴー」方面で、
 向こう側が「シドニー」方面となっています。

1月9日にUPしたこの駅の写真ですが、
実はホームの端から撮影しており、
改めてご覧頂ければ「短いホーム」を実感できます。
※この写真にもその「リスゴー」方面行きのホームも
 写ってはいるのですが確認できないくらい存在感無し!

まるで昭和40年代、関西本線にSLを撮影に行った時に下車した
「中在家信号所」(加太~柘植間、駅では無い)みたいでした。

(参考)
この駅の標高は998メートルで、JR駅の標高ベスト10なら
多分、十分に射程圏内ではないでしょうか?
シドニーからここまでの間、電車は右へ左へカーブの連続で
長大編成を誇る「インディアン・パシフィック号」や
貨物列車を空から見れば、地を這っていく大蛇のように
見えること間違い無しです。

2011年01月08日 8時06分

シドニー・モノレール(3)建物の中に駅が。

シドニー・モノレール「City Centre(シティーセンター)」駅は
建物の中にあります。

モノレールの駅が高架なのは殆ど常識の世界ではありますが
さすがにこれは珍しい風景ですね。

またモノレールが走るのは、基本道路の上ですが
目線の位置が高いだけに見晴らしは良く、
「どこかに行く」という目的が無くとも
『ただ乗っている』だけでも楽しいです。
というか、是非一周してほしいです。

ダーリングハーバーを横切る時は車窓から
左右に行き交う船を眺め、
チャイナタウンから都心部にかけては
人や車の動きを楽しんだり、
目の前に迫ってくる建物の迫力に「おおッ」と思い、
そして時には建物を通ったりと、
一時たりとも目が離せず、
しかも飽きることはありませんでした。

日本の各地にあるモノレールよりも小型の車両で
写真のように高架といっても“高すぎない”のが
ここの良さだと実感しました。

ただ一点だけ注意があります。
もしもシドニーでモノレールに乗るならば
写真のような全面広告の車両は避けたほうが良いでしょう。
何故なら、車内から外が見えないことは無いものの
楽しむことも、まして写真を撮影することは
はっきり言って“難しい”です。
5分間(運が悪いと更にもう5分)待って次のモノレールに
乗りましょう。

2011年01月07日 18時26分

シドニー・モノレール(2)トークン

モノレールには写真の「トークン」を購入し乗車します。
※トークン⇒乗車券代わりのコイン。
●1乗車A$4.8(1A$80円換算で380円強)。

基本、自動券売機(という言葉は似合いませんが…)での
購入ですが、各駅には駅員さんが常駐しており、
小銭が無い場合でも、日本の様に硬貨への『両替』ではなく、
そのまま窓口で発券してくれます。
*自動改札が「トークン」専用のため、
 窓口でも「トークン」を渡されます。

「TNT DARLING HARBOUR MONORAIL 1988」の文字と
走行中の「モノレール」の図柄の刻印が見て取れますが、
多分、開業時から使っているのでしょうね。
私は乗車の際、決して安くは無かったこともあり、
乗車とは別の記念での購入は止めましたが、
観光地の『記念コイン』の雰囲気がバリバリで、
今は、「買っておけば良かった」と少々後悔しています。
●自作でキーホルダーにしても良かったカナ?と思っています。

さて、この運賃が高いか安いかですが、
まず言えるのは、気軽に乗れる料金でないことだけは確かです。
しかし、乗客の大多数を占めるのは観光客で、
地元の人が移動の手段として利用するシーンは
殆ど見かけませんでした。
そう考えればこの運賃、
遊園地の“ライド・アトラクション”程度とも言え、
それプラス主な観光地を繋いでいる利便性を考えれば、
重宝に使えることは間違いなく、
まあ『そんなもんかな』という気がしないでもないです。

2011年01月07日 9時05分

シドニー・モノレール(1)遊園地感覚の公共交通機関。

シドニーの街の中心地を走る「シドニー・メトロ・モノレール」。『ライトレール』と同じく「Metro Transport Sydney」の所有で
一般的には「シドニー・モノレール」と呼ばれています。

何となくと言っては失礼かも?ですが、
名古屋の東山動物園にある「スカイビュートレイン」を
スケールアップして、公共交通機関レベルまで
引き上げた感じと言ったら分かって頂けますでしょうか?
デザインも似ていますし、各車両間で通り抜けが出来ないのも
同じですね。
また1両の車体長が短いという共通点もあります。
何より、走っている姿を直(じか)に見ると驚くほど
オーバーラップします。
兎にも角にも“可愛らしさ”全開!
遊園地のアトラクション的な“乗り物”です。

一方、大きな違いは『シドニーモノレール』が7両編成で、
「スカイビュートレイン」は確か5両(?)編成ということ位。
(私は、どうしても“似ている”と結論付けたいらしい)

(シドニー・モノレールの概要)
●開業…1988年(昭和63年)
●路線長…3.6キロ(環状線)
●駅の数…7駅
●一周に要する時間…15分
●運転日…クリスマスを除く毎日
     ※クリスマスに休業するのがオーストラリアらしい。
●運転時間…月~金:午前7時~午後10時
      土~日:午前8時~午後10時
●運転間隔…5分毎
●運行…単線の一方通行。
    名古屋風(名城線)に言えば左回り(反時計回り)。
●年間乗降客数…約400万人

2011年01月06日 17時49分

シドニー・ライトレール(6)ウェントワース・パーク。

ライトレールの最初の開業時の終点、
「Wentworth Park(ウェントワース・パーク)」です。

どこか専用線区間で、なおかつ「順光」で一枚くらい
写真を撮りたいと思い、途中下車しました。
●2010年9月18日(土)12時半頃。
こういう時、「1日乗車券」は便利ですね。
●ここで降りた時、2000年まで終点だったことは
全く知らず、偶然の産物でした。

それはさておき、『降りたのは良いのだが…』という状況で
考えてみれば当たり前だったのですが
この停留所からリリーフィールド方面は高架の専用線で、
一方、セントラル方面は直ぐにトンネル。
停留所エリアから外へ少し様子見がてら出てはみたものの
線路を見上げることしかできず、写真撮影は難しいと判断し、
ホームで数枚撮って切りあげました。

この後、お隣の「Fish Market(フィッシュマーケット)」まで
チョイ乗りし、昼食を取って私の「ライトレール乗りつぶし」は
終了しました。
●「フィッシュマーケット」は、規模と雰囲気は異なりますが
日本で言えば「築地」が比較的近いイメージと思われます。
『魚の卸(という表現が当たっているかどうか別にして)市場』に
隣り合わせで「魚料理」の店が軒を並べ
地元のシドニー市民+世界中から来た観光客で大賑わい。
シドニーに行き、ライトレールを堪能するなら
外せないスポットです。
※『ライトレール』の利用客も多く見受けられました。
どこを走るかのルート選定が、如何に重要であるかを
改めて認識した次第です。

(遅まきながら初夢)
東海道本線貨物支線(南方貨物線)がLRTとして日の目を見、
それを中心に、東臨港線の貨物とLRTの兼用化も含め
名古屋南部に一大LRT網が整備され、環境都市“名古屋”が
世界中から注目される。なんちゃってね。

2011年01月06日 9時00分

シドニー・ライトレール(5)リリーフィールド。

トラムの終点、リリーフィールド停留所です。
写真は、車止めの方からトラムを撮影しています。

小高い丘の中腹にこの停留所がある感じで、
トラムを降りると、階段かエレベーターで地上レベルに
出ることになります。

はっきり言って住宅街は広がっていますが
お店の一軒もありませんでした。
一方、左側は更に低い場所になっており、
実は、今は使われていない“風”の貨物駅が広がっていました。

ところでこのリリーフィールドは、
このまま延長できる構造になっています。
どうやら延長計画があることは間違いなさそうです。

これが日本であり、そして「新線が開通」したら
例え延長区間が100メートルであっても
出かけていく(乗りに行く)のが私流の“乗り鉄”ですが
流石にシドニーまで来る訳にはいかないので
もし、この線が延長開業したら、「トラム」の明るい将来に
日本の地で、きっと一人で祝杯でもあげるのでしょう。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!