2011年01月05日 18時08分

シドニー・ライトレール(4)全線が新線では無かった?。

シドニーの街からトラムが消えたのは1961年(昭和35年)。
昨年の11月末から12月にかけてUPした
「SYDNEY TRAMWAY MUSEUM」(シドニー路面電車博物館)の
「VISIT SOUVENIR」という冊子によれば、
1922年(大正11年)には、290キロのネットワークが
出来あがっていたということで驚くばかりです。

ところで今回、ライトレールに乗っていて、
どうやら併用軌道の区間は、きっと20世紀には
ここをトラムが走っていたのだろうと思いつつも
専用軌道の区間に入り「あれっ」と思うことの連続。
最初に気付いたのは、トンネルがトラムには不釣合いなほど
“立派”でなおかつ“時代ががっていた”こと。
そしてこの高架橋。(他にもありますが…)
若干分かりにくいのですが、まず左の壁が「レンガ」?。
その先の橋にあたる部分が、やはりレンガ積みのアーチ式。
そうなんです。やたら古めかしいのです。
私はこのトラムについて、何の情報も無く出かけてしまった
(乗ってしまった)ので、専用区間の乗車中は
目が泳いでいました。
※「子供みたい」と思いつつも先頭に乗っていて気付きました。
 まあ、「乗り鉄」は「乗るのが目的」ということでご容赦を。

名古屋に戻り、英語版「Wikipedia」をチェック。
正直言って、「Wikipedia」の情報だけで
ここに書くのは相当に気が引けるのですが
敢えて引用させてもらいます。

やはり専用線の区間は「貨物鉄道」の廃線跡を
再活用しているようでした。
成程納得なのですが、ヨーロッパではこうした事例が
あることは知っていましたが、
さすがにここシドニーにも正にこのパターンがあるとは・・・。
※「Wikipedia」に「Goods Railway」の記述があり、
最初は何のことかわかりませんでしたが
「goods」の和訳の問題で、最初は『路線状況が良い鉄道』かと
思いきや、どうやら「貨物鉄道」の意味のようでした。

2011年01月05日 8時02分

シドニー・ライトレール(3)車内。

5両連接車の車内は明るく広々しています。
このゆったりとした横幅は、トラムの域を超えています。

さて運賃ですが、ゾーン制となっており
1ゾーン=A$(オーストラリアドル)3.4。
※1A$=80円として270円位。
2ゾーン=A$4.4。(2ゾーンまで)
これが往復だと1ゾーン=A$4.8、2ゾーン=A$5.9と
劇的に安くなります。
私は「Day Pass」という“1日乗車券”を使ったのですが
『A$9』と3回の乗車で元が取れるほどで
とても“お得”と感じました。
ただ、“1日乗車券”と言ってもぱっと見“只のレシート”で
正直、無くさないようにするのに気を使いました。

それはさておき、
たまたまなのか、何時もなのかは定かではありませんが
車掌さんがいつも乗務しており、私は車掌さんから
切符を購入しました。
写真は終点のリリーフィールドで撮影したので
他の乗客が写っていませんが、
このトラムを利用する観光客は世界中から来ており
私が車内で会話した女性3人組は韓国の方で
私以外にも日本人はいましたし、中国人も多く、
あと、会話している言語が特定できない方もいて
その殆どの方が乗車券を車内で購入するだけに
車掌さんは本当に忙しそうでした。

ところでこのトラムの運転士さん・車掌さんは女性も多く
(写真中央の後ろ姿の方は車掌さん)
かつオーストラリア人らしくフレンドリーで、
車内写真を撮っていたら、女性運転士さんから話しかけられ、
「どこから来たか?」「トラムは好きか?」などと聞かれ
「日本の名古屋から来た市電好き」と答えたら
思いのほか喜んでくれ、実はその後、2回にわたって
その運転士さんの運転するトラムに乗り、
何度も挨拶をして別れました。

2011年01月04日 18時31分

シドニー・ライトレール(2)Paddy's Markets。

写真は「Paddy's Markets」停留所です。
『Haymarket(ヘイマーケット)』と言う方が
地元では“通り”が良さそうです、
実際にこのトラムの公式HPでも『ヘイマーケット』の
表記があります。
丁度「トラム」の後ろの建物がマーケットになっており
シドニー市内では比較的“お値打ち”な値段の商店が、
アジアのバザールのような雰囲気で軒を並べていました。
(基本、地元住民向けのマーケット)
またこの辺りはチャイナタウンで、美味しい中華料理屋さんが
軒を並べる通りもここから直ぐのところでした。
*今回のシドニーは「鉄」のみではなく、
 町歩きも楽しんでいます。

(シドニー・ライトレールの概要)
●1997年(平成9年)部分開通。
 2000年(平成12年)全線開業。
●全長…7.2キロ。
*「Centra(セントラル)」~「Lilyfield(リリーフィールド)
●内、路面区間…1.5キロ。(5.7キロが専用線)
●停留所…全部で14。
●全線の所要時間…25分。
●運行…終日10~15分間隔で、
「セントラル」と「スターシティー」の間は、
深夜帯でも30分間隔で運転されています。(24時間営業)
●軌間…1435ミリ。
●電圧…直流750ボルト。
●年間利用客数…350万人。
 ※1日1万人弱は路線規模からすれば結構な数字だと思う。

2011年01月04日 8時06分

シドニー・セントラル駅(4)メトロ・ライト・レール。

写真はシドニー・セントラル駅にある停留所に入線する
「Sydney Light Rail」のトラムです。
正式には「Metro Transport Sydney」が所有する
「Metro Light Rail」というようですが、
公式HPでも単に「Light Rail」と表記されています。
よって私のブログも単に「ライトレール」と表記します。

さて、『シドニー・セントラル駅』の
「ライトレール」の停留所の場所ですが、
昨日紹介した“書店”の直ぐ裏というか
一昨日の駅正面の写真の“1階”に見える部分の、
建物から庇(ひさし)というか軒(のき)と柱状のものが
出っ張っている所が、この写真の場所で
「ライトレール」の乗り場となっています。

もう少しこの停留所の立地について補足すると
JR小倉駅と駅ビルに乗り入れる“北九州モノレール”を
イメージしていただければと思います。
少なくともJR名古屋駅直下の、
名古屋市営地下鉄桜通線「名古屋」駅ではありません。

1路線しかないこのトラムですが、交通の要「セントラル」と
観光地である「チャイナタウン」、「ダーリングハーバー」
「フィッシュマーケット」を繋いでおり、
ここ「セントラル」停留所からは多くの観光客が乗車し、
それぞれの目的地に向かっていました。

2011年01月03日 17時50分

シドニー・セントラル駅(3)鉄道書店。

「RAIL HERITAGE CENTRAL」に一歩、足を踏み入れると
目に飛び込んでくるのは、大量の『鉄道本』と、
夥(おびただ)しい数の『鉄道DVD』。

何種類くらいを販売しているかは聞けませんでしたが
私の実感では、少なくとも東京・神田の「書泉グランデ6階」を
上回っているのは間違いなさそうですし、
売り場面積は軽く4~5倍はありそうでした。

“海外鉄”の方達の間ではその存在は有名なのかも知れませんが
私はガイドブック等で見たことはありませんし、
『超弩級』の驚きでした。

店内をグルッと一周してみたところ
地元オーストラリアだけではなく、イギリス・アメリカ等
英語圏で出版された“鉄道書籍”は
殆ど揃っているのではと思ったほどで、
特に、『鉄道史』について書かれた書籍が多く目についたのが
印象的でした。
※オーストラリアの鉄道本は、まあ常識的な値段ですが
 英・米等からの輸入本は、「洋書」並みの値段と言うのが
 当然と言えば当然ですが『成程』でした。

ここは迷宮。一度足を踏み入れたが最後、魔界の迷路に入り込み
いつまでたっても抜け出せません。
そもそもコンコースで、「この中は何だろう?」と
思っってしまったのが運の尽きでした。
この日のこの後のスケジュールは、
大幅な変更を余儀なくされました。

2011年01月03日 9時08分

シドニー・セントラル駅(2)コンコースの鉄道遺産。

セントラル駅の中央コンコースのほぼど真ん中にある
「RAIL HERITAGE CENTRAL」。
「鉄道遺産センター」(?)と訳すと、
「central」は形容詞なのでおかしいし…、
「セントラル(駅)鉄道遺産」とするにしても…。

それはともかく、左側の胸像は
シドニーのあるニューサウスウエールズ(NSW)州の
『鉄道の父』と呼ばれる
「JOHN WHITTON」氏(1819-1898)。
(ジョン・ウィットン氏という読み方でどうかな?)

案内文には1857年~1890年の間、
“NSW RAILWAYS”のチーフ・エンジニアと
ありました。
明治元年が1868年ですから、
日本に鉄道が入ってくる随分前から
オーストラリアの鉄道の歴史が始まったことが
この胸像から見てとれます。
通勤客・旅行客が足早に通り過ぎていく場所に
さり気なく、堂々と存在しているのは
あまり日本では見かけないですね。

ところで、右側というか真ん中のドアを入ると・・・。(続く)

2011年01月02日 18時40分

オーストラリア/シドニー・セントラル駅(1)。

昨年の12月7日以来のオーストラリア/シドニー話しです。

オーストラリアで最大の駅と言えば、写真の
「シドニー中央駅(Sydney Central Station)」です。
まあストレートに和訳すれば「シドニー中央駅」ですが
一般的に「シドニー・セントラル駅」と呼ばれており
ここではそう呼ばせて頂きます。

英語版「Wikipedia」によれば
この建物は1906年(明治39年)のもので、
1番線から27番線(26・27番線は使用されていない)まで
ある、堂々たる文句なしの中央駅です。

私の勝手な感想では、日本で近いのは東京駅ではなく上野駅。
頭端式のホームがズラッと並んでいることにあります。
機関車牽引の列車は数少ないものの
例えばオーストラリア大陸を横断する
「インディアン・パシフィック号」は、
機関車を先頭にしてこの駅の3・4番線に
週2回到着し、機回しをして出発していきます。
また、もう一つの共通点として
初めてこの駅を利用する人にとって、
ホームと行先の関係が分かりにくいこともあります。
●上野駅…昭和の時代の話しです。今は改善されています。
●シドニー・セントラル駅…乗り入れ路線数が多く、
 まずは自分の行きたい駅が何線にあるのかを探すのが
 難儀です。
一方、「上野」との違いは、都心直通電車が「地下」ホームを
使っていることでしょうか?

そうそう、ホームの使い方というか使い勝手で面白いと
思ったのは、長距離列車のホームは、
ヨーロッパ式で改札がありません。
一方、国電区間と言うのがふさわしい近距離線(郊外を含む)の
ホームには“改札”があり、
これが地上ホームで並んでいるのが不思議な感じでした。

2010年12月07日 18時02分

『世界一』のケーブルカー(6)鉱車発見。

ほとんど「谷底」到着間際です。

ディズニーランドのジェットコースターに乗ると
途中に様々な「楽しい」アトラクションが展開しており
そういう意味ではここよりも「シーニック」の原点に
近いのではないかと突っ込みを入れたくなりますが、
実はここ「シーニック・ワールド」にも“小技”が
存在しています。
写真左側では、鉱山の鉱車が暴走し、
今にもケーブルカー側に転落しそうな展開になっています。

ただ、乗っている時にこの鉱車に気付けるほど
余裕のある人はどれだけいるのでしょう?
私も降りてから一人で「クスッ」としてしまいました。

ところで、普通の観光客(私も含め)は、
このケーブルカーでジャミソン渓谷に下り、
遊歩道を歩き、ロープウェイで頂上まで戻るのですが
意外や意外と言うか、ある程度は予測できると言えば
その通りかも知れませんが、
帰りもケーブルカーの方が結構いらっしゃるのには
正直、驚かされました。
ロープウェイもなかなか良いと思ったのですが…。

もしもオーストラリアに行かれ、
『ブルー・マウンテンズ』に行かれることがあったら
「所詮、遊園地の乗り物・遊覧鉄道でしょ」などと言わず
『世界一』の斜度を楽しむのも一興です。

以上、『世界一急勾配』のケーブルカーでした。

(追伸)
「ケーブルカー 斜度 世界一」で検索すると
『アメリカのケーブルかも』との情報あり?
本当の所は????

2010年12月07日 8時08分

『世界一』のケーブルカー(5)急勾配を落下状態。

「Top Station」(頂上駅)を出発し、
「Bottom Station」(谷底駅)を一気に向かいます。
時速15キロなんてとんでもない。
体感速度は時速50キロと言っても過言ではありません。
●「Bottom」=「谷底」などの翻訳は
 行けば分かりますがピッタリです。
 すいません。起終点の駅の話しを書くのを
 ここまで忘れていました。
●それにしてもこのスピードは、ケーブルカーの速度では
 ありません。

こうして前を覗いても、風景なぞはついぞ楽しめません。
どうやって見ても、森林の中を駆け抜けるジェットコースターの
前面展望です。
●途中で横の展望も瞬間開けますが…。

日本のケーブルカーの最急勾配は、
高尾登山電鉄の『31度18分』ですが、
とても比較の対象となりえません。

はっきり言って「谷底」に降りて行くのではなく
“落ちていく”といった方がピッタリの斜度です。

乗客の方たちも「ケーブルカー」に乗っているというよりは
明らかに「ジェットコースター」乗車中の騒ぎ方でした。
※子供たちより中高年の方たちの方がはしゃいでいました。
 勿論、国籍を問わずです。

2010年12月06日 18時58分

『世界一』のケーブルカー(4)誘導滑車。

こちらもケーブルカーのケーブルカーたるところ。
ケーブルカーの命綱たるロープを支える『誘導滑車』です。
※これを撮影していたのは当然ながら私一人でした。

このケーブルカー、実のところ、ここに来るまでは
てっきり観光用に作られたものとばかり思っていましたが
そうではなく、このケーブルカーの終点周辺が
もともと石炭鉱山で、頂上から採掘現場までの間の、
人員輸送のために作られたと現地で聞きました。
ようするに「人車」だったんですね。

ここ『シーニック・ワールド』は、「ジャミソン渓谷」の
大自然を楽しむ施設で、広い敷地内には
それをしっかり堪能できる遊歩道も整備され、
短いコースで10分程度、
長いコースでも50分ほどで歩けます。
余談ですが、私はその10分コースを歩いきましたが
心の洗濯にはこれでも十分。
日頃の行いを悔い改めようという気分になれます。

で、その遊歩道の途中に、炭鉱跡の見学が出来るところもあり、
使われていた機械などの展示もあります。
どうやって掘り出した鉱石を運んでいたかはともかく
「人車」がケーブルカーというのはあり得る話しです。

それにしても鉱山で働くということは、
今も時々、事故が起きているので軽々に語れませんが
ケーブルから眺める『ブルー・マウンテンズ』の美しい風景は
きっとここの炭鉱夫の方たちにとっては
一服の清涼剤だったのではないでしょうか?
きっと今のように全速力で走ることもないでしょうから。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!