2010年12月06日 7時06分

『世界一』のケーブルカー(3)いよいよ出発。

いよいよ出発です。
何故か、「インディー・ジョーンズ」のテーマ音楽が
発車の合図です。
(皆さん、思いっきりイメージを膨らませてください)

まあ、お約束というか「急勾配」を“惰性?”で駆け下りる
『トロッコ』ということでこのメロディーなのでしょうが、
乗客たちには思いのほか受けていました。
というより一番受けていたのは私かも…。
※映画を知らないと、この音楽で“笑い”は起きません。

車両の後ろにあるケーブルが
ケーブルカーたる所以だったするのでしょうが
いささか私の常識の枠を超えた形状をしており、
これが果たしてケーブルカーなのだろうかと
疑念を持ってしまうほどです。

ところで「シーニック・レイルウェイ」の名前の所以ですが
シーニック・ワールドのHPを要約すると
「19世紀のイギリスの遊園地の乗り物で、
馬や人力(後に蒸気)で引き上げ、
一気に降下させていたものがあり、
その線路沿いに風景や動物の絵があって
“シーニック・レイルウェイ”と呼ばれており、
その名称が広く使われるようになった」とのこと。
この地で楽しめるのは“絵”ではなく
“本物”の風景なのですが同類ということからか
「シーニック・レイルウェイ」と呼んでいるようです。

確かにこのケーブル乗車中、一昨日UPした
『ブルー・マウンテンズ』の風景に近いものが、
短い時間というより瞬間ですが見られます。

(備考)
ここ「シーニック・ワールド」には
「レイルウェイ」の他にも「ケーブルウェイ」と
「スカイウェイ」という2つの乗り物があります。
両方とも『ロープウェイ』であり、
「ケーブルウェイ」はやや紛らわしいと感じました。
まあ、そんなことを考えるのは私くらいでしょうが・・・。

2010年12月05日 18時00分

『世界一』の「乗り物」改め「ケーブルカー」(2)座席。

さて、ケーブルカーの座席ですが、
体を固定する“バー”みたいなものもあって
どこからどう見てもジェットコースターの
座席にしか見えません。
●この“バー”は、ジェットコースターとは違って
 椅子に座ると体を押さえるという事はありません。
 “握り棒”の親分と思ってください。
 『ひょっとして』と期待した方、残念でした。
 ただ、乗車した時から下車するまで
 私はこの“握り棒”を掴みっぱなしでした。
 (ケーブルカーでこんな経験は当然ながら『初』)

一列に2~3人ほどが座ることが多く、これが確か7列。
車両は3両連結でした。

この先頭の席は、当然の事ながら大人気で、
乗り場のゲートが開くと争奪戦です。
私はその席は断念し、後ろの方にしか陣取れませんでした。
●因みにこの写真は、下車終了後にそそくさと撮影したもの。
 とてもお客さんが多く、のんびり撮影など出来ません。

この椅子の座り心地は、見た通りで良い訳がありません。
でもこれを車両と思わず、一つのアトラクションと思えば
これで良し。乗車時間は僅か2分ほどなので
『乗り心地』がどうとかいうレベルではありません。

2010年12月05日 9時00分

『世界一』の乗り物(1)いざ奈落の底へ。

写真は『ブルー・マウンテンズ』のエリアにある
とあるアトラクションとさせていただきます。

急傾斜を下るところなど、どこからどう見ても
ジェットコースターですが、それにしては
やけに横幅が・・・広い!

実はこれ、2本のレールの上を走る立派な鉄道なのです。
※所謂、鉄道事業者の鉄道ではありませんが…。      
何となく急勾配であることからお察し頂けると思うのですが
信じ難いことにケーブルカーです。

これが存在するのは、世界遺産『ブルー・マウンテンズ』内の
「シーニック・ワールド」という自然探索観光施設です。
●シドニーから西へ約100キロ、電車で約2時間で
 最寄り駅は「Katoomba」(カトゥーンバ)です。

(このケーブルカーの概要)
●正式名称…シーニック・レイルウェイ(Scenic Railway)
 ※通称は『トロッコ』だそうです。
  『トロッコ』とは程遠いイメージですが…。
●路線延長…415メートル(公式HPによる)
※毎度のことですが、乗り場の係員に聞いた路線延長は
  430メートルでしたが、上記では「公式HP」の
  数字にしました。
●標高差…250メートル(乗り場の係員に聞いた)
●斜度…52度(乗り場の係員に聞いた)
●速度…時速15キロ(乗り場の係員に聞いた)

ところで、「乗り場の係員の方に聞いた」と書いていますが
正確には、「このトロッコのことを教えてほしい」と
係員に話しかけたら“立て板に水”で、
上記のことを教えてくれ、ご丁寧にも私のメモも
確認してくれました。
結構、聞かれているのでしょうね。

それはさておき、タイトルの「世界一の乗り物」とは
上記の「概要」で既にお察しの通り、
斜度が“世界一”ということ。
「シーニック・ワールド」のHP(日本語版)にも
しっかり『世界一の急勾配を駆け下るトロッコ電車』と
書かれていました。
※「“電車”って何よ」と突っ込まないで下さい。

2010年12月04日 17時32分

ブルー・マウンテンズの景色。

オーストラリアの世界遺産の一つ、
「ブルー・マウンテンズ」の風景です。
※「ブルー・マウンテンズ」は世界遺産(自然遺産)です。

写真の真ん中にある『3つの岩山(ポチっとしたところ)』は
「スリーシスターズ」と言って、ここの代表的な景観で
これを眺められるところがメインの観光スポットになっていると
言っても過言ではないと思っています。

この名前「ブルー・マウンテンズ」の由来ですが、
この辺りはユーカリが広範囲に自生する地域で
そのユーカリに含まれる“油分”が気化すると
青みがかって見え、それが一部だけではなく
山(というよりこのエリア)全体が青く見えるからであると
説明を受けました。

平成22年9月16日、私は半日このエリアに滞在し、
ゆっくりと大自然を堪能しました。

ところでただ世界遺産というだけで、
この地に来た訳ではありません。
ちゃんと理由があります。それは又明日。

(ところで)
「ブルー・マウンテンズ」ならぬ「ブルーマウンテン」と言えば
略して「ブルマン」。私にとっては高値の花のコーヒーでした。
「ブルマン」はジャマイカ産のコーヒー豆で、
ここ「ブルー・マウンテンズ」とは全く縁も縁もありませんが、
最近、「ブルマン」って聞かないですね…。
ということで、余計な連想話しで失礼しました。

2010年11月25日 9時00分

シドニーで海外鉄!

祝!!名古屋&シドニー姉妹都市提携30周年!
と言うことで行ってきましたオーストラリアはシドニーへ。

等と言うとまるで仕事か、仕事でなくとも
何か高邁な目的があって行ったみたいですが
決してそんなことはなく、
単に私の夏休みと家族の夏休みの時期が合わず
どこに行こうかなと思った時に
以前から『“シドニー”で体験したい「鉄」があった』
というのがシドニー行きを選択した本当の理由です。
●滞在したのは9月15日(水)~18(土)の4泊。

写真はシドニーの街の中心にあり360度の展望が
楽しめる「シドニータワー」から撮影したシドニー市街地です。
シドニーと言えば「オペラハウス」が有名ですが
このタワーからその姿はほんの一部しか見えず、
同じ“一部しか見えず”ならばということで
「シドニー(セントラル)」駅方面を写したものです。
高層ビル群の向こうに、実は少し見えているのですが
この写真で確認するのははっきり言って無理ですね。
(申し訳ありません)

今後の参考に言えば、望遠レンズがあれば
シドニータワーからシドニー駅周辺を走る電車は撮影可能です。
また、街の中を走る「メトロモノレール」もいい感じで
撮影できます。
なお、ガラス越しではありますが
少しの工夫でガラスの反射はかなり防げます。

さて、今日からしばらく『シドニー「鉄」』話しに
お付き合いください。

2010年10月31日 18時30分

シカゴ・オヘア国際空港の新交通システム

世界でもトップクラスの巨大空港。
アメリカはシカゴ・オヘア国際空港にも新交通システムが
あります。

乗ったのは平成15年5月18日、
取材でフロリダ半島のタンパ市に向かった際、
日本航空からアメリカン航空への乗換の時です。
●忙中閑あり。これ位は仕事であっても許される範囲?

この空港の新交通システムも、到着してみて
気付いたのであまりでかい口は叩けませんが
あとで調べたところでは「Airport Transit System」
(略してATS。自動列車停止装置ではありません。)と
呼ばれており、
空港内の3つの国内線ターミナルや国際線ターミナル等に
5駅がある本物の交通機関でした。
結んでいるのが単に点と点ではないのは
さすが超巨大な『シカゴ・オヘア空港』と思いました。
(但し、私の乗ったのは確か2区間だったような…)

ご覧のように結構可愛いデザインの2両編成で、
空港内のターミナル連絡のための交通機関としては
こうした新交通システムは「ピッタリだね」と
感じました。
全長2.7マイルですから4キロ強。
全線乗ると9分だそうです。
勿論無料で、24時間運転との事。

(余談)
私の搭乗機がシカゴ・オヘア空港に着陸し、
誘導路からターミナルに近づくにつれ
これでもかというほど沢山のアメリカン航空機を見ました。
大小取り混ぜて一度にこれだけ同一航空会社の飛行機を見たのは
後にも先にもここだけです。
アメリカの大手航空会社の「ハブ空港」は
まさしく“ハブ”なんだと驚愕の念を持ちました。

(ところで)
この時の目的地である、フロリダのタンパ空港ですが
実は、ここにも「新交通システム」による
空港内連絡シャトルがあったのですが
到着時は利用しなかったので気付かず、
出発時にそれを利用することになり初めて知りました。
ところが宿泊していたホテルでの早朝のチェックアウトが
事前に準備してもらっていたにも係わらず
何故か手間取り、空港に着いたのが出発直前。
シャトルに乗った時もカメラを出す時間すらなく、
泣く泣く思い出だけを持ち帰りました。

2010年10月30日 7時00分

台湾桃園国際空港のスカイトレイン

空港繋がりで、空港内の新交通システムをポチッと。

まずは台湾桃園空港のスカイトレインです。
以前、樽見鉄道(このブログでは5月19日~)を訪れた時に、
ハイモ295-216が「新潟トランシス」製だったので
その時、「新潟トランシス」のHPを見ました。
その中で、台湾桃園国際空港の新交通システム
「スカイトレイン」が同社製であると知りました。
※他には関西国際空港の「ウィングシャトル」も。

写真は平成20年8月23日、
台湾の鉄道を乗りに行った際に撮影したものです。
※その時の「乗り鉄」は3月10日に「台湾のSL」と題して
 UPしています。

この時は、中部国際空港から台湾桃園空港に飛んで行き
そのまま高雄国際空港まで国際連絡便に乗り継いだのですが、
その短い待ち時間の間に、写真を1枚だけ撮りました。
実のところ、乗ってはいません。
※次回、チャレンジのつもり。

写真がまるで変色したみたいですが
ターミナルビルの大きなガラスには着色がしてあり
この色でしか撮影できませんでした。

ここのところ海外の空港はどんどん巨大化しており
“動く歩道”などでカバーするのは
流石に困難な状況のようで
こうした空港内新交通システムを導入する事例も多く
これから特に海外の巨大空港を利用する際は
こうした交通機関の有無を事前に調べておく必要性も
感じています。
⇒もっとも、家族は必要ないと言うのでしょうが…。

2010年10月29日 18時25分

バーミンガム/ピープルムーバ(マグレブ)のこと。

今回、バーミンガム/ピープルムーバを書くに当たり
主に参考にしたのが、写真の
「Maglev at Birmingham Airport:
from system concept to successful operation」という
リポートのコピーです。

ここのマグレブが運用を始めた直後とも言える
1985年の年号が入った資料で
手書きで「INFO DESK」とありますから
多分、バーミンガム/ピープルムーバを訪れた際、
インフォメーションセンターみたいなところがあって、
そこでこの全16枚の資料を入手したのでしょうが
その辺りの経緯は既に記憶の蚊帳の外です。
※自分で書いていても情けない。

内容は、ここの「マグレブ」に関する技術的な解説をメインに、
実際の運用面の記述がされているようで
何となく読み取れたのは、この『ピープルムーバ』が
先進的な技術であるということです。
表題の「successful」という単語に期待感も感じられますね。
ただ、私の英語力では限界があり、書けるのはここまで。

ところで、何故このような資料が手元に残っているかという
説明をここでさせていただきます。
このブログで5月13日から「シベリア鉄道」の延べ5泊の
「乗り鉄」話しを書いていますが、
これは「ソ連」のクーデター事件があったからこそ
実現したものです。
で、モスクワを抜け出たあと、やっと本来の渡欧の目的を
果たすべく西側社会に向かいました。
その目的とは…、
「一利用客から見たヨーロッパの公共交通」をテーマにした
『調査』であり、ドイツの路面電車を中心に文字通り
利用客として様々な“体験”をしてきました。
その中で、確かその当時もJR東海の「超伝導リニア」の話題が
名古屋では盛り上がっていたこともあり
方式は異なれど同じ磁気浮上式ということで
バーミンガム/ピープルムーバを見学に行ったものです。

2010年10月29日 7時07分

バーミンガム/ピープルムーバの車両。

バーミンガム/ピープルムーバの車内です。

乗車定員は立席34、座席6で、
一度にそれほど沢山の人が乗れる乗り物ではありませんが
これで、1時間に5000人を運ぶ能力があるとのことで
車体が小さい分、運転頻度をあげることができるようでした。
※数珠繋ぎで運転?

(車体の概要)
●長さ…6メートル
●幅…2.25メートル
●高さ…3.5メートル

それで、「浮上時の感覚は?」となる訳ですが
フワッと浮いて滑らかに動き、
終点に着くとドスンと落ちるという感じでした。
リニモに比べ、やや大袈裟に動くという表現で
ご理解いただけないでしょうか?
“着陸”時の感覚を含め、当然の事ながら
リニモに一日の長ありです。

そしてこのシステム全体についてですが
乗った当時は“テーマパークの乗り物”的と思いましたが
今の時代に合わせて表現すると、
世界の大空港で導入されている
ターミナル連絡用新交通システムがイメージ的には
割りと近いと思います。

結局、1995年(平成7年)に運行を停止したのも
『理念』と『夢(浮上式鉄道)』はともかく
この大きさでは、空港内ならともかく、
空港から外に向けての交通機関として
『小規模車両による高頻度運転で大量輸送』の理念は
最初から無理があったのではと思いました。

と、ここまで書いて「バーミンガム国際空港」を
グーグルマップの航空写真で見ていたら
ピープルムーバがあったのと(多分)同じ場所に
何やら新交通システムっぽいものの気配が…。
早速「バーミンガム国際空港」の公式HPを覗いて見たら
何と、「a free 'Air Rail Link'monorail system」の
文字を発見。
どうやら後継の鉄道があるようです。
どなたかご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?

2010年10月28日 18時33分

イギリスに浮上式鉄道があった。

時は1991年(平成3年)11月4日、
場所は、イギリス中部の町「バーミンガム」です。

写真は1984年(昭和59年)から
1995年(平成7年)まで運転されていた
「バーミンガム/ピープルムーバ」と呼ばれるものです。
※上記を含め、この鉄道に関する記述は、
 手元資料・Wikipediaを参照しています。

この鉄道は、一般の方が利用する磁気浮上式鉄道としては
世界初のものでしたが、日本ではそんなに大きくは
取り上げられなかったと記憶しています。

(バーミンガム/ピープルムーバの概要)
●路線…バーミンガム国際空港~バーミンガム国際駅
●距離…623メートル
●所要時間…100秒
●浮上高さ…15ミリ
●運転方式…全自動無人運転
●最高速度…時速54キロ

◆バーミンガム国際駅…バーミンガムの中央駅とも言える
「バーミンガム・ニューストリート」駅から10分ほど
「ロンドン・ユーストン」駅方面に向かった途中の駅。
また、バーミンガムの国際展示場にも隣接している。

◆この「ピープルムーバ」は、システム自体の名称のようで
当時のバーミンガム空港のパンフレットでは
「futuristic People Mover System -MAGREV- 」とあり
『未来の乗り物/ピープルムーバは磁気浮上式』といった
ところでしょうか?
※MAGREVとは…magnetic(磁気) levitation(浮上)の略。

◆基本的にリニモや上海マグレブと同じ原理と思われます。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!