2018年08月01日 12時56分

チチカカ湖(7)世界遺産、織物と絶景。

「タキーレ島とその織物技術」は2005年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されていることを今回の旅で初めて知りました。

ユネスコ・アジア文化センター(ACCU:Asia-Pacific Cultural Centre for UNESCO)のHPによると、織物はスペイン征服以前のアンデス文化の要素が色濃く残されているそうです。

昼食後、集合時間までの30分を使い、島内探訪。世界遺産の光景と絶景が待っていると聞き、これは行かねばならないと決断。

景色は長閑でも標高が高く、それにチャレンジしたのは日本人のグループでは私だけです。

延々と続く上り坂。そこをゆっくり一歩ずつ。何とか10分ほど進む。そしてこの場所で時間的にギブアップ。急勾配を喘ぎ(あえぎ)ながら登ってきた蒸気機関車がついに立ち往生した気分。と言っても歩いたのはきっと500メートル程度だと思う。

石畳はスペイン征服前からあるそうで、この島が世界遺産に登録された理由の一つだそうです。

静けさが私を包んでいる。

さざ波すら無い。

湖を行く一艘の船。チチカカ湖を巡る観光船なのか地元の方の足なのかはこれだけでは分かりませんが、そのどちらであっても構わない。この景色をただ眺める。

綺麗ごとの話はさておき、実のところ戻る前に呼吸を整えていたのも暫くここにいた理由。風景を撮影することくらいで胸がドキドキすることはありませんので束の間、ボーっとしつつ時々シャッターを押す。ここがガイドさんが言っていた絶景ポイントかどうかは分かりませんが、それでも私には十分な絶景。

2018年07月31日 12時52分

チチカカ湖(6)世界遺産の島、タキーレ島。

潮の香のない海、チチカカ湖。

淡水湖なのですが、その風景は湖(うみ)ではなく海(うみ)と思えるものです。

標高約3810m。

船が航行する湖では世界で一番高い所にあるそうです。

ところでエクスカーションとは、、、

『エクスカーションは従来の見学会や説明を受けるタイプの視察とは異なり、訪れた場所で案内人の解説に耳を傾けながら参加者も意見を交わし、地域の自然や歴史、文化など、さまざまな学術的内容で専門家の解説を聞くと共に、参加者も現地での体験や議論を行い社会資本に対する理解を深めていく「体験型の見学会」です。』

これは国土交通省中部地方整備局企画部のHPにある解説。

前日のラクチ遺跡、ラ・ラヤ峠、この日の日の出、ウロス島の体験もそれに沿った内容だと思った次第。

そしてチチカカ湖でもう一か所訪問したタキーレ島。ケチュア族が暮らす島で、ここでは上陸後に大地の母パチャママからパワーをもらう儀式(自身も手を使うので写真無し)を全員で体験。地域の暮らしを知る手掛かりにもなりました。それを終えた所で昼食。赤い屋根の建物がレストラン。

※参考までにウロス島は「ウル族」の島です。

島の方の出迎え。子供たちとの記念写真。この後、再びパチャママの儀式あり。手に取ったお酒を少し大地にこぼし、大地に感謝。

因みにパチャママの儀式は2歳若返るそうですが、さてその効果や如何に。と書きつつ、どんな儀式なのかの詳細を書いていないのできっと伝わらないですね。多分、写真があっても説明が難しい。

昼食。プレートの右側は怪しい昆虫食ではありません。美味しい美味しいジャガイモの一種。プーノの町で、山積みで売られているのも見かけましたので一般的な食材のようです。ただ私たちにとっての見た目は…。

メインディッシュは鱒(ます)。養殖だそうです。美味。

2018年07月30日 12時49分

チチカカ湖(5)どんぐりころころ。

標高3808mのチチカカ湖。その湖に浮かぶウロス島に立っている。

高度に少し慣れてきたのか歩いている分には体調も良さそう。で、浮島なので歩いていると多少はフワフワするのかと思いきやそんなことはなく、素材ゆえの独特の柔らかさは体に感じますが、しっかりとした大地と言えます。これが海だったり、大型船が航行するようなところであればそうはいかないでしょう。

遊ぶ子供たちの姿は万国共通。それを見ている人たちの笑顔も万国共通。

今、この島の主産業は「観光」だそうです。

それにしてもペルーの色使いは魅力的です。私もこの島でお土産を買っています。

1時間近くこの島にいて、その最後は島の方による歌。

そしてこの場に居合わせた14人の日本人のためにその方達が日本語で「どんぐりころころ」を歌ってくれたのは驚き!「観光」の島と言えど、私には嬉しい思い出が出来ました。

この船はトトラで出来ています。

私もトトラ船に乗り、しばしチチカカ湖を航海。

ドラえもんに出てくるドラミちゃんの頭を後ろから見ている気分。何だか可愛い。

2018年07月29日 12時46分

チチカカ湖(4)ウロス島に上陸。

アンデアン・エクスプローラー号では幾つかのエクスカーションが組まれており、4月27日はガイドさんの案内でチチカカ湖の島巡り。

朝8時半少し過ぎにプーノの港をスタートし、暫くすると葦(あし)原の間を走って行く。航路として整備された場所のようで、プーノを出入りする観光船はここを通るシステムのようです。

ウロス島はテレビなどのメディアで何度か紹介されている葦(あし。トトラ)で出来た浮島。私の中ではチチカカ湖の奥(プーノから遠いという意味)にあるイメージでしたが出航して20分ほどで到着。

トトラで出来た島の一つに上陸。

今どきなのでソーラーパネルに驚くことはありませんでしたが、その前でトトラを使った浮島の作り方の説明をまず聞きます。

そのトトラは食べることも出来るという事で希望者は試食。皮をむいた見た目はサトウキビ。食感はシャキシャキと言いたいのですが、それほどの歯ごたえはなく、味も特にありませんがほんのりした甘味が微かにあると言えばある、、、という程度。誤解されては困るのですが不味いということはありません。チチカカ湖に行く機会があったら、ウロス島で暮らす方が日常的に食べているこのトトラを是非お試しください。

チチカカ湖の海の幸。おっとチチカカ湖は「海」ではあいませんね。「湖(うみ)の幸」と修正。魚の種類は分かりませんが、こうしたものがこの湖で獲れるそうです。

2018年07月28日 12時39分

チチカカ湖(3)給水塔とボイラー。

朝食後の散歩。

この場所は、プーノの港と船便でペルー・ボリビアのチチカカ湖周辺の港とを結ぶ荷物の積替えのためのふ頭にある貨物駅と思われます。かつては列車も多く走り、そのためこうした蒸気機関車時代の給水塔が残っているのでしょう。

私が乗車した「CHILCA号」。こうやって見るとそれほど大きな感じはせず、全長も20メートルはなさそうで、多分18メートル位ではないでしょうか。

他の車両もほぼこんな感じの外観。

こちらは察するにですが、昔使っていた蒸気機関車のボイラー部分。確信はありませんが、形から想像しています。いろいろ面白いものがあって、他の方はともかく鉄道を趣味とする者にとっては興味が尽きません。

鉄道員の皆さん、何か打ち合わせ中のようです。

山にへばりつくように家が立ち並んでいる。プーノの町がアンデスの山に囲まれていることを教えてくれます。長崎に似ている、とはその時の感想。

2018年07月27日 12時31分

チチカカ湖(2)ボリビアとの鉄道連絡線。

アンデアン・エクスプローラー号の隣に停泊中の船。

この後、チチカカ湖の島の観光に出掛けた際の帰路、プーノの港が近づいて来た時にその船を撮影。

時間を朝に戻し、少し明るくなってからその船を探索。

 

中にはレールが敷かれており、つまりこの船は鉄道連絡線。

ここプーノとボリビアのGuaqui グアキとを結んでおり、ボリビア国内の鉄道が1000ミリゲージであることから船内は標準軌との3線になっている。

 

港にいた方によると『動いている』とのことでしたが、とてもそうは思えない感じ。それにしても一体何両の貨車が運べるのだろう?

この日は桟橋と船との間のレールは繋がっていませんでした。やっぱり今は使われていないのかな?

青函連絡船や宇高連絡線とは比ぶべくもありませんが、2つの国の貨物列車直通の需要がこの船で間に合っていたという事なのでしょうか?

ところで何故、狭軌レールはここで切れているのだろう。

2018年07月26日 12時11分

チチカカ湖(1)チチカカ湖に昇る朝日。

南米ペルー、アンデアン・エクスプローラー号の旅を再開です。今回はその2日目。終日エクスカーションとしてのチチカカ湖探訪。

4月27日(金)朝5時半。チチカカ湖に昇る朝日を見るために外にでる。まだ日の出前ですが、オレンジ色に染まり始めた空が列車に一筋の線を描いています。

停車しているのはいわゆる「プーノ駅」ではなくチチカカ湖に面した港の桟橋。アンデアン・エクスプローラー号のHPに「Lake Titicaca Station (Puno)」とあった意味がやっと分かりました。

地図で確認。

焚き火に手をかざしながら日の出を待つ。これもアンデアン・エクスプローラー号のイベントの一つ。

正に「夜明けのコーヒー」。昭和43年(1968)発売の「ピンキーとキラーズ」のヒット曲「恋の季節」の一節にこの言葉があったなんて知っている人は歳が分かる。

午前6時。太陽が顔を見せ始めました。

ご来光。

ご来光と言えば高い山の山頂で見る荘厳な日の出ですが、ここは標高が富士山の山頂3776mよりも高いので、その言葉を使っても罰は当たらないでしょう。

2018年07月13日 17時12分

アンデアン・エクスプローラーの旅(13)カクテルタイム。

ディナーを前に、カクテルタイム。19時から始まるのに合わせ、ジャケットを身に纏いラウンジカーに向かう。この日のカクテルは赤ワインベース。

ここはフラッシュをたかず雰囲気重視。

グランドピアノの伴奏で生歌あり。

日本のクルーズトレインでもこうした大人の時間はあるのでしょうか?

19:30から始まったディナーの写真はありません。撮ってはあるのですが、あまりに出来が悪く…。

その代わり(にはなりませんが)22:30頃に着いたフリアカ駅。この日の最終目的地、プーノまではあと少し。でもそこに到着する前に私は眠りにつきました。

2018年07月12日 17時08分

アンデアン・エクスプローラーの旅(12)標高4335mに到達。

ペルーレイル/アンデアン・エクスプローラー号のHPでは17:45と書いてあったラ・ラヤ峠の観光の開始時間。この写真を撮影したのは17:51でほぼ定時。もっとも時間通り走っていたかどうかは日本に戻ってから確認したこと。一応、日本を出発する時にタイムスケジュールをダウンロードしておいたのですが、それを気にして旅をすることがいかに意味のないことかはその時点で悟っていました。

GPS計測による高度計アプリでは4358メートルですが、同列車の乗務員の方からのインフォメーションでは4335メートルでした。

なぜここで停車しているのか?それはここがクスコ~プーノ間で一番標高が高いからで、クスコ(3400m)から1000m近く高度を稼いでいます。

因みに現在、ペルー国内の鉄道で、旅客列車の走る路線の最高地点がここ。日本の最高地点は小海線の清里~野辺山間(1375m)にありますが、駅ではない正にその地点で停車していると思って下さい。

周りはほぼ真っ暗ですが、デジタルカメラは流石。

ブレブレですが、何とこの暗さの中でお土産屋さんが盛業中。一応灯りはあるのですが、支払いの時は携帯電話を懐中電灯代わりに財布を照らしてお札を数えます。売っているのはアルパカ製品や民芸品です。

ラ・ラヤ峠で停車する列車の目の前には教会があります。この近くに集落があるのでしょう。

ここに10分ほどいて車内に戻ります。どの停車駅でもそうなのですが、列車からの乗降用にステップが用意されます。乗客数が限られているので基本、一箇所だけで対応しています。

2018年07月11日 17時06分

アンデアン・エクスプローラーの旅(11)給水塔と転車台。

シクアニ駅(この駅名で、多分正解)。蒸気機関車が現役時代の名残であろう給水塔が今もあります。

結構ボロボロな感じではあるものの転車台もそのまま残っています。

現在、このクスコ~プーノ間にどれほどの数の列車が走っているかは分かりませんが、これらの設備は多分、使われてはいないでしょう。

サッカー少年たち。ペルーのサッカーは強いと聞いたことがありますが、この標高で走り回っているのは、ただそれだけでも凄いと思う。

民族衣装を身に纏い、颯爽と歩くペルーの人たち。

重い荷物を背負って舗装されていない道を歩く姿は、昭和の時代を生きてきた私にとってデジャブ。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!