2013年07月09日 22時55分

パリ都市圏のトラム(3)3号線終点&プチ市内観光。

今回紹介したパリのトラム2号線、3号線はパリのトラムの一部です。トラム全体を見渡せば新規開業・延長が相次いでいてそれだけでも驚きですが、パリ市の地図でその状況に追いついているのは、観光局の発行する「PARIS観光マップ」だけではないでしょうか?

また2号線と3号線では少々成り立ちが異なっていて、2号線は営業不振で運転を取りやめた鉄道路線を、パリ都市圏の拡大に合わせトラムとして再生させたもので、今回私が乗車した区間が殆ど専用線なのはそれが理由です。

一方3号線は都心部から放射状に広がるメトロ・RERといった鉄道ネットワークを、市街の外縁沿いにグルリと環状で結ぶことを目的に作られた路線で、数駅ごとにメトロ等と接続しており、乗客の動きも目的通りの動向となっています。またいわゆるパリ市内(東京都の区部という例えで如何でしょう)を走る路線はこの3号線が初めてとのことでした。

ということでトラム3号線の「Porte de Vincennes」駅。

この写真で右側に写っているのが『3b線』の電車で、真ん中の奥に停車しているのが『3a線』の電車です。目の前とはいえ、両系統の間には少々距離があります。

この「Porte de Vincennes」にはメトロ1号線の駅もあって都市交通の結節点と言えます…、と書きつつそれが理由でこの駅で系統が分かれているかどうかまでは分かりませんでした。

6月10日の昼食です。写真を撮っていた場所の目の前にお店があったということと「トイレ」という事情もありました。

一応ここでパリのトラム探訪を終了。TGVまで中途半端な時間ができたので、しばしパリ“観光”。とはいっても美術館等に入る時間まではなかったので散歩程度でした。

まずは凱旋門。

そしてセーヌ川越しのエッフェル塔。これで時間切れ。いざパリ東駅へ!

2013年07月08日 22時11分

パリ都市圏のトラム(2)2号線と3号線。

2号線の「Porte de Versailles」駅。ホーム1面2線で、電車はその2線を交互に使っていました。

このカメラの位置で2号線「Porte de Versailles」駅から180度体を回すとトラム3号線の「Porte de Versailles」駅が正面に見えます。

そこから右を見るとこんな風景が目の前に広がります。

このトラム3号線はこれまたもの凄く“大雑把”に言えばパリの市街地の南西端から東に向かい、南東端から方向を変えて更に北に向かい、北東端で今度は向きを西に変え、路線全体を上から見るとパリ市街をほぼ3/5周(地図上でのパッと見の印象で、厳密に距離計算はしていません)するような感じです。

また南西端の駅「Pont du Garigliano」駅と南東端から少し北に行った「Porte de Vincennes」駅間が『3a線』、そしてそこから「Porte de la Chapelle」駅間が『3b線』と運転系統が分かれています。

この写真は先ほどの写真とは逆側、東の方角から西方向を臨んでおりこれが3号線の「Porte de Versailles」駅です。

3号線車両の運転台。パリのトラムの運転台は日本では考えられないほど広々としており、運転士さんの労働環境も優れていそうでした。

そしてここが『3a線』の終点「Porte de Vincennes」駅。参考までにGoogle ストリートビューで「Porte de Vincennes」辺りを見てみると建設中のトラム3号線(a線、b線とも)が見られます。撮影時期は2012年6月となっていることから、この路線が本当に新しいことが見てとれて面白いです。

※Googleマップで「Porte de Vincennes」を検索し、そこからストリートビューに行くことができます。

2013年07月07日 20時26分

パリ都市圏のトラム(1)地下駅からトラム2号線に乗車。

パリのメトロ1号線の西の終点「ラ・デファンスLa Defense」駅。1号線ですからパリで一番古い路線となりますが、「ラ・デファンス」駅まで伸びてきたのは1992年とのことです。

その駅を降りて地上に出てビックリ!とてもパリとは思えない光景が目の前に展開。何と高層ビルが『林立』で、パリのイメージが一新されました。

パリの象徴「凱旋門」に似た雰囲気のあるこの建物は、一見モニュメントに見え、実際モニュメントの意味もあるそうですが、本当の姿は超高層のオフィスビル。建物の前の広大な広場では、ビルを背景に写真を撮る観光客も多く、賑わいを見せていました。

さてここに来た理由はトラム2号線に乗る事。

トラム2号線(T2)は「Pont de Bezons」 ~「Porte de Versailles」を結ぶ路線…と言っても分かりにくいですが、もの凄く“大雑把”に言えばパリを流れるセーヌ川の西側の各地をほぼ南北に結ぶ路線です。1997年にここ「ラ・デファンス」を起点にまずは南側に開通し、その後北側の「Pont de Bezons」に向けて伸びており、この電車はそこから走ってきた電車で、私はこの電車「Porte de Versailles」行きに乗車しました。

ところで今パリを走るトラムは1992年に『復活』したことで知られており、大都市圏でのトラム復活の報には大いに驚かされました。今回はどうしてもその“復活”トラムを体感したくてやってきました。

※トラムの「ラ・デファンス」駅は地下にあり、メトロ1号線からは直ぐの乗換が出来ます。

 

(「パリ都市圏のトラム」参考文献)

1)交通ブックス119「LRT-次世代型路面電車とまちづくり-」(著者:宇都宮淨人、服部重敬)成山堂書店

2)「世界のLRT」(著者:三浦幹男、服部重敬、宇都宮淨人)JTBパブリッシング

3)Wikipedia「トラム(パリ)」他

4)「地球の歩き方/パリ&近郊の町‘13~’14」ダイヤモンド・ビッグ社

5)その他、観光案内所で配布の日本語観光マップなど

2013年07月06日 21時36分

パリ市内、パリ東駅にて。

タイトルをしばし変更。「パリ…」とさせていただきます。そしてまずは「パリ東駅」構内。

この日(6月10日)の午後、この駅が起点のTGV東ヨーロッパ線でドイツの「カールスルーエ」に向かうべくあらかじめ切符が取ってあったのですが、トランクを抱えながら動き回って撮影するのは無理というより注意が散漫になり、不測の事態を招くのを防ぐため朝一番で訪れました。

まずは2階建のTGV Duplex編成にご挨拶。午後乗車する車両は2階建ての2階席というのは分かっていたので期待感が高まりました。

次に駅構内を見下ろせる場所を見つけたのでそこからパチリ。大きな吊り広告が目立ちますが、ガラス屋根で構内は明るく、行き交う人を見ているだけで楽しい気分になりました。

ヨーロッパの鉄道、特に「国鉄」駅に自動改札があるというのは意外な感じでした。ここは近郊線専用ホームで、これだけずらりと並んでいるとなかなか壮観です。が…、「人が見当たらない」とは言わないでください。私がいた朝のラッシュ時間帯、電車が到着するとゲートはフルオープン状態で次から次へとお客さんが通っていました。補足ですが、自動改札は近郊線ホームだけでそれ以外のホームには改札はありません。

一方こちらはパリ・リヨン駅。

停車中のTGVが見えますが、撮影したのは1983年(昭和58年)10月。当時のTGVはここリヨン駅でしか見られず、その後、路線を増やし東ヨーロッパ線が開業したのは2007年でした。

2013年07月05日 22時08分

パリ「鉄」旅2013、宿泊したホテル。

時差の関係で6月9日(日)の同日パリ着。

この日のホテルは「パリ東」駅の目の前のホテル「オールシーズンズ パリ ガール ド レスト TGV」。

写真の真ん中にある緑色の看板の建物がそれです。

ただ入口はカフェの間にあり、今回はまだ日があったので分かりましたが、日が暮れた後だと見落としそうです。また入口のドアには鍵が掛かっており、一瞬、本当にここで良いかと心配になったほどです。実際にはインターフォンがありそれで「マイ ネーム イナミ」といったら鍵が開けられ、中に入ることが出来ました。

このホテルのバスルームです。ヨーロッパでありがちなシャワーだけという事は無く湯船があってゆっくりと長時間の飛行機旅の疲れを癒すことが出来ました。但し、部屋の広さはそれほどではなく、またパリのホテルは宿泊代が結構高く、ユーロ高もあって日本円で約13000円(朝食付き)でした。まあバスタブ+ホテルのスタッフの対応が良かったので納得はしています。

泊まった部屋は「鉄道ビュー」とは言えませんが、「駅ビュー」で、まずは午前5時28分の「パリ東駅」。時差ボケでこの時間には目が覚めていました。

朝食後の8時半頃には明るくなっていい感じです。

ところでホテルの予約はネットでしています。ホテルの予約サイトは数多くあり、その選択でまずは立ち往生してしまうのですが、ぞれにしてもホテルの予約を自分の手でする時代が来るとは20年前には考えたこともありませんでした。もっとも当時は、ツアーではない個人手配で海外に行くこともありませんでしたが…。

2013年07月04日 21時33分

ドイツ「鉄」旅2013。まずはパリへ。

今回はまずはフランス・パリを目指しました。

そして選んだ航空会社は「中国東方航空」。理由は言わずもがなですが、ネット上の航空料金比較サイトで検討を行った結果で、航空券の購入は中国東方航空を取り扱っている旅行社のネット決済でした。

さて中部国際空港を6月9日(日)、朝8:50発上海行きに搭乗。定刻に出発しました。中国東方航空は上海をハブにしている航空会社で、中部からは1日3便が上海に飛んでいます。正直、3便もあるというのは全く知りませんでした。

上海・浦東空港には現地時間の10時過ぎのこれも定時到着。国際線でボーディングブリッジを使わず、バス移動と言うのは一体、何年振りだろうと思い出そうにも思い出せませんでした。少なくとも10数年前に、取材で東欧のブルガリアに行った際、オーストリア・ウィーン~ブルガリア・ソフィア間の飛行機が小型のためそもそもボーディングブリッジが『無理』だったことはありますが…。

ところで今回の旅の最初の難関と思っていたのは、上海・浦東空港でのパリ行への乗り継ぎ。しかしそれは全くの杞憂に終わりました。到着後、案内表示に従って国際線乗り継ぎカウンターを簡単に発見。そして荷物検査をしたら登場待合は目と鼻の先。

これまで経験した「国際線同士の乗り継ぎ」の中で、ひょっとしたら一番短時間で済んだ空港だったかもしれません。と言っても私の経験はほんの数回ですが…。

そして中国東方航空の上海発パリ行きは、定刻の12:30に出発。まずは順調な旅の始まりでした。

(因みに)

私は決して英語は堪能ではありません。最低限度の「旅行会話」〈ホテルのチェックイン、会計等〉は出来る!と自分に言い聞かせて旅をしています。

殆ど根性の世界です。

2013年07月03日 21時35分

ドイツ「鉄」旅2013。

先月(6月)9日(日)から20日(木)までの12日間、ほぼ全日程ドイツの「鉄」旅をしてきました。

早目の夏休みという事なのですが、プロフィールにもあるように定年を控えていることもあり、2週間の連休を頂きました。所属部署の皆さんが協力してくれたからこその休暇でした。(感謝)

さて今日の写真は「鉄」旅で撮影した中から3枚をピックアップ。

1)モリー鉄道(ドイツ北東部)

2)ヴォルタースドルフのトラム(ベルリン)

3)腕木式信号機(ドイツ南西部の町、カールスルーエ)

です。詳しくは明日からの連載で紹介します。

ところで日本の多くの鉄道愛好家にとって、海外の鉄道への興味は比較的薄いと聞いています。鉄道趣味誌でも海外の鉄道を中心に特集を組んでいるのをあまり見かけません。

私自身は、勿論、日本国内の鉄道への興味が中心ですが、海外の鉄道も好きです。特にトラム&ナローへの好奇心は止まることはありません。ということで今日から暫く12日間の「鉄」旅話しを書かせていただきます。お付き合い下さい。

ただあまり細かい解説や各種データの使用は、私自身が持っていないこともありますが、そもそも地名を含めて馴染みが薄いでしょうから、今回は『紀行』風に纏めてみたいと思っています。こう書くと中身の薄さの弁解に聞こえますね。その通りです。(お詫び)

連載は一か月を超えるかもしれませんが、「こんな街があるんだ」「へえーっ、面白い列車だね」「交通システムの考え方が違うね」などなどをお楽しみいただければ幸いです。

2013年01月12日 20時04分

鉄道交通を考える。(6)フランス・ストラスブール市のトラム。

私がヨーロッパで訪ねてみたいトラムの走る町を二つあげるなら一つがドイツのカールスルーエ。そしてもう一つがここストラスブールのトラムです。

この写真は「ストラスブール」駅の地下にあるトラムの駅「Gare centrale」です。実は昨日UPした上の写真(では分からないと思いますが…)の真ん中に地下に降りるエスカレーターがあります。そこには「STATION TRAM GARE CENTRALE」の文字が見えています。

人口約26万人のストラスブール市のトラムは1994年11月25日に誕生しました。ということではなく1960年に全廃された路面電車が“復活”したものです。しかもここのトラムは、新しい都市計画に基づいて一から作られたもので、地下駅も国鉄駅と交差するために新設されたものです。そしてここストラスブールの街は、21世紀に入りますます拡大する世界のトラムを語る時に、必ず出てくる場所なのです。

しかしその再生への足取りは、今、日本国内で喧伝されているような『先進的路面電車=ヨーロッパのトラム』と一言で済まされるような簡単なことで無かったようです。ともかくことが全て順調に進んで今があるわけではなく、関係者の努力と情熱、そして住民の理解があってこそ幾つもの困難を乗り越えることが出来ての開通でした。そして今では6路線53キロがこの街に走っています。

(参考:広島電鉄の鉄・軌道の路線延長でも35.1キロです)

今はそんなことを微塵も感じさせないほどストラスブールの街にトラムは馴染んでいるようです。(友人談)

写真はD線で運行中の2000系で7車体のトラムが街中を走る姿は圧巻の一言です。

 

(参考文献)

ヴァンソン藤井由美著「ストラスブールのまちづくり」学芸出版社

(参考講演)

ヴァンソン藤井由美「公共交通導入で賑わうフランスの地方都市」全国路面電車サミット2012大阪・堺にて

2013年01月11日 21時09分

鉄道交通を考える。(5)フランス・ストラスブール市。

フランスの首都パリからTGVで2時間20分、フランス北東部にストラスブール市があります。その玄関口が「ストラスブール」駅。

大きなカイコの繭の様であり、また大きなガラス細工のようなこの建物は鉄道駅というよりコンベンションセンターというか飛行場の空港ビルのような感じもします。今時のヨーロッパの鉄道駅はかくも洗練された近代的と言うより近未来的デザインで作られているのかと驚きを隠せません。

そのガラス張りの駅舎の中にはもう一つ駅舎があります。これが旧駅舎で、もっとも『旧』と言っても現役なのですが、この駅舎の保存問題が出たときに、建て替えではなく、それをスッポリ覆う建物の中で保存するという発想は日本ではなかなか考えられないでしょう。

もっとも門司港駅のように手間暇かけて保存修理を行ったり、観点は異なりますが東京駅の“復原”と『比較して』と言う意味ではありません。

あくまでも私個人の感想ですが、例えば梅小路蒸気機関車館に移築されている山陰本線「二条駅」が、そのままの場所でストラスブール駅のように保存・活用されたとしたなら素敵だなあというレベルです。

それにしてもガラス張りの構内はとても明るくまるで屋外にいるが如くです。

日本とは文化が異なるため、市民感覚を含め一概に比較することは許されませんが、機能性が優先される日本の駅との違いを感じざるを得ません。

 

ところで今回の写真は私が撮影したものではなく、私のワイン好きな友人がフランス・ストラスブールを2011年9月に訪れた際、私のリクエストに応えて撮影してくれたものです。(この場を借りて御礼申し上げます)

因みに彼は「鉄」ではありません。

2010年10月03日 18時02分

ユーロスター パリ北駅に無事到着

平成17年10月26日、
「ユーロスター」は無事「パリ北」駅に
30分以上遅れて到着。(確か、15時前くらいだった)
●やっと写真を撮影!

それにしても乗って走り出せば
後は列車に全てを任せるしかなく
のんびりと「機内食」ならぬ「車内食」を
楽しんだりしていました。

今はイギリス国内も全線高速化されていますが
当時はかなりの区間をゆったり走っており
それはそれでイギリスの風景を楽しむ余裕もありました。

でも、トラブルはまだまだ続く。
翌27日、パリ発名古屋行きのJAL便(当時はあった)まで
時間が合ったので、地下鉄利用で市内観光をしていました。

いやな予感はあったのですが、何と地下鉄車内で
3人組のスリと格闘する羽目に。
彼らの手口は、駅で待ち構えていて
扉が開いた瞬間に乗り込み、“カモ(観光客)”を見つけると
手足を押さえつけ財布を盗み、かつ扉が閉まるまでに
電車から降りると言うものでした。

早業と言えばそれまでですが、彼らにとって残念だったのは
相手が私だからとは言いませんが、反撃されて
何も収穫が無かったことです。(何も盗られなかった)
私はケガとかしなくてまずは幸いでしたが
その直後に他の乗客から「気をつけたほうが良い」と
言われましたが、注意して防げるものでもないですし…。

(おまけ)
シャルル・ドゴール空港の案内所で、
『日本の名古屋に向かうJAL便はどのターミナルから
出発するか』と聞いたら、「名古屋」は知らないと言われ
何も教えてもらえませんでした。つくづくトホホ。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!