2012年07月08日 20時24分

ミュンヘンのトラム(3)。

ミュンヘンのトラムの18番系統「Am Gasteig」電停(ミュンヘン中央駅から東方向に位置します)です。ここには安全地帯がなく、写真をよく見ると道路から直接乗り込んでいるのが見えます。電車の停車中、車はどうしているかと言うと、ただ電車が動くのを待っています。この道路、車の通行量が少ないか?と言うとそんなことはなく、結構車の往来はあります。まあ公共交通優先が市民に“受け入れられている”ということでしょうし、「信用乗車」で停車時間が短いことも“受け入れられやすい”のでしょう。

一方、線路と歩道の位置関係で言えば、電車が停車すると車が通り抜けられるスペースがなく、これで乗降客の安全がかえって守られている感じでした。歩道で待っていた乗車のお客は、電車が到着すると徐(おもむろ)に歩道から離れ、下車したお客もあわてることなく、悠然と歩道に向かっていました。考えてみれば下車客は、乗客さえいれば、急いで歩道に行く必要はないわけで、この電車だけに限れば「そりゃそうだよね」ということになります。

ところでミュンヘンのトラムには、車内に自動券売機(当然ですがドイツ語です)がありました。ヨーロッパの一般的な「信用乗車」方式の場合、検札が時々あってその時に乗車券を持っていないと懲罰的な運賃が適用されます。“摘発”の瞬間をドイツで見かけたことがあるのですが、自動券売機があったらどう取り締まるのだろう?と思ってはみたものの、乗車する前に乗車券を購入しなくてもよいということは、“電車が来てしまい、乗車前に乗車券を買う時間がない!”といった『咄嗟』の時には利便性が高く、市民サービスとして優れていると感じました。

2012年07月07日 20時53分

ミュンヘンのトラム(2)。

ミュンヘンのトラムで「成程」と感じたことに、2~3区間程度の、歩いてもしれている距離を市民が実に気楽に利用している点がありです。写真では電車を待っているお年寄りの姿が見えますが、実際に乗車すると10代と思しき若い方も多く、数百メートルでも歩くよりはとりあえず電車に乗って移動!という風でした。この短区間の利用は、「富山地方鉄道市内軌道線・環状線」の乗客の動向に近いと感じました。

 

名古屋市営バスを平日の昼間に利用しますと、交通弱者ともいえるお年寄りの姿が目立ちますが、ミュンヘンのトラムではそんなことはありません。恐らく、「車の移動」「自転車での移動」「トラムでの移動」等々、時と場合と言うか移動する目的で使い分けているのではないのでしょうか?ドイツは名にし負う車大国です。ただ都心部の駐車場は、あまりないような感じで、それも影響しているのかもしれません。

 

ところで1枚目の写真に写っているのはミュンヘンのトラムで最も一般的なR2.2型で、この電車は2105号編成です。

この写真は2105号編成ではありませんが同型車の運転台のスピードメーターです。その数字は停車中ですので「0キロ」ですが、専用軌道だけではなく併用軌道でもその数字は50キロに達します。電車の加速・減速性能が高く、車内で立っている時はそれなりに覚悟している必要(?)がありますが、都心部において40キロ超で走ればそれは結構、車と互角の勝負と言え、路面電車は「遅い!」交通機関と言うイメージは少なくともミュンヘンではありませんでした。などと言うことも、伊達に80キロまでの数字があるのではなさそうです。

 

さてスピードメーターの中には時計が組み込まれその針は午後2時半過ぎを指し、その下にあるのは“トリップメーター”に見えました。今表示されている数字は「756706」で、ひょっとしたらこの電車はこれまでに75万キロを走ったということでしょうか?

それにしてもまるで車のメーターみたいで「ヘーッ!」と思ってしまいました。別段、世界有数の車生産国だからと言うことではないでしょう。

 

2012年07月06日 22時42分

ミュンヘンのトラム(1)とするつもりでしたが…。

今回からは、ドイツ・ミュンヘン市のトラムの話しを少々。ミュンヘン市の人口は130万人強。日本でいえば福岡市・川崎市よりも少なくさいたま市より多いといったところでしょう。

その市街地にUバーンと呼ばれる地下鉄7路線、そしてSバーンの路線が10路線、更に路面電車(トラム)の路線が11あります。(ミュンヘン運輸交通連合のホームページの路線図で数えています・・・)

鉄道の利便性が高い都市と言えましが、決してミュンヘンがドイツでは特別な街ではなく、一般的に言ってドイツの各都市の公共交通はしっかりしている気がします。

さて、今日は猫の写真ですが、日本でも和歌山電鐵に「猫の駅長」さんがいたり、小湊鉄道「高滝」駅にも駅猫がいたりで、猫と駅には深いつながりがあります(久しぶりに筆が滑っています…)が、こちらはミュンヘンの中央駅から18番系統の路面電車(『富山ライトレールの楽しみ方(1)。』で紹介した写真の路線)におよそ20分揺られた「Gondrellplats」(18番系統の終点)で見かけた“ドイツ”の駅ネコです。

それにしてもこんな素敵なお出迎えがあるとも思っても見ませんでした。緑化軌道を背景に、一見、堂々としていますが、この距離が限界で、これ以上近づくことは許してくれませんでした。実はこの位置で電車の到着を待っていたのですが、電車が近づくにつれて悠然とこの場所を離れていきました。なかなか上手くいかないものです。

 

私の知り合いに猫の写真を撮り続け、その写真を公開する『ねこきこう』というブログをやっている早川敦子さんと言うタレントさんがいるのですが、別段その方に影響を受けているということはないのですが、駅に猫がいると思わずシャッターを押してしまいます。

因みにこの写真は昨年(平成23年)6月4日に房総半島を横断した時に小湊鉄道「高滝」駅で、列車の窓から「いるっ!」と思い、反射的に撮影したものです。

勢いでもう一枚。こちらは台湾中部の「追分」駅(海線)での駅猫です。平成20年8月24日、ここの猫もなかなかいい位置で撮影させてくれませんでした。結構何回も挑戦したのですが、画面の右下にちらっと見えるこの写真がBESTという体たらくで、この段階で撮影を断念しました。なお、私と入れ替わりに追分駅にいた方(「鉄」っぽかったのですが…)が引き続き猫にカメラを向けていたのですがどうだったのでしょうか?まあ“駅猫”の紹介ということでお許しください。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!