下山する電車は15:40発。到着が15:15でしたので25分の時間が山頂散歩の時間です。
少し忙しいですが、その25分で山頂を往復することが可能です。もっとも電車は30分間隔なので、そうはせずにゆっくりと散歩し、カフェでお茶を飲んだりする人が結構いる感じで、はたまた歩いて下山する人もいるとのことでした。
さて山頂近くから「山頂駅方面」の眺望。緯度の関係と標高、そして風が強く、防寒対策が十分でない私は早々に退散。一応、長袖のシャツにウインドブレーカーは重ね着していたんですけどね…。
下山して山頂駅に戻った時に撮影した一枚。やっぱり良いなあ。考えてみればこの程度の山の高さで木が見えない広々とした風景というのは日本では北海道であってもないかも?ですね。
16:10の定時より少し早くラクシーに戻りました。
ダグラス行きの電車は16:25発なのでしばしまったり。
こうしてこの電車を改めて見ると本当に惚れ惚れします。日本でもこんな電車があったら良いのにとつくづく思いました。でもどこを走ったら良いかは思いつきませんが…。
車内は木製(簡単な構造の)転換クロスシート。乗車時間が知れているのでOKですが、長時間になるとこのシートでは少しつらいかも?です。(私の個人的感想です)
フェル式鉄道の足回り。先頭部に潜り込むと台車の前にレールを挟むようなものが見えましたが、これをブレーキにして下山するとは思えず、更に後ろに回るとピカピカに光った横向きの車輪がありました。
これでレールの間の“レール”を挟んで下りるのであろうと察しがつきました。(鉄道会社の方の確認は取っていません)
いわゆる駆動する車輪の踏面部分には砂撒きらしきものもあり、如何にも登山鉄道です。
スネーフェル登山鉄道は、フェル式鉄道というシステムを使って急勾配を上り下りします。
雄大な風景の中を3本のレールが突き進んでいます。
「Fell mountain railway system」(フェル式鉄道)とは一見、ラックレール式にも見えますが、歯車のようなものは使っておらず、ただのレールです。上りの時は使わないとの事ですが、下りの時はこのレールを挟む機器があり、それをブレーキとしているようです。
運転士さんは如何にも重そうなノッチを思いのほか小刻みに動かしており、勾配やカーブに合わせての運転は経験が必要であろうと察しました。
一昨日UPした写真の乗降用のステップ部分はこんな感じで特に塞がれている様子が無く、夏場の運転だけだからこれで良しとされているのか、それともここを塞ぐ寒気よけのものがあるかどうかは分かりませんでした。それとこの運転士さんのいる場所は、私は気軽に立ち入ってしまいましたが、本来どうなっているかは分かりません。ただ「入って良いか?写真を撮影して良いか?」は事前にちゃんと聞いており、運転士さんが頷いたのでここで撮影しています。
観光鉄道なのでおおらかなのかも知れませんが、皆さんも入られる時は「許可」を得たほうが良いでしょう。
(私の英語)
「This space photo OK?」…せいぜいこの程度です。
参考までに運転士さんは私がカメラを向けているのも承知しておられます。
マン島名物の巨大水車(The Great Laxey Wheel)。
電車も一時停止をして写真撮影タイム。
望遠でUP。世界最大の動く(現役の)水車とのことで、そう説明されればそうだろうなあと実感です。大きさもさることながら美しさも『世界一』とさえ思いました。
水車は電車の右側に見えるので、乗車するときは右側の席に座るのがお勧めです。とか言いつつ、どこでどう見ても日本人の、しかもおっさんが一人で乗っているということからか車掌さんが「右側に座ると景色がいいよ」と勧めてくれたので、たまたまそうしていただけです…。それは車内が空いていたこともありますが、途中で「ここからは左側に座りなさい」と教えてくれたりもして、その辺りは流石に観光地です。
この登山鉄道は複線となっているのですが、何と右側通行で、途中で行き違う電車は進行方向左側に見え始め、そして消えていきました。理由は分かりませんが不思議な気がしました。
スネーフェル山は標高2036フィート(620メートル強)のそれほど高い山ではありませんが、ここマン島にあっては最高峰で、その頂上からの眺望は絶景とのこと。そしてそこに登るための電車・スネーフェル登山鉄道(Snaefell Mountain Railway)がラクシーから出ています。
まずはデッカイ集電装置のお出迎え。これもビューゲルと呼ぶのでしょうが、日本の路面電車に付いていたビューゲルとは一味も二味も違います。
運転室内の装置もどれがどういう役目なのかがよく分からないものもありますが、どれもこれも年代物には違いないはずです。
14:45のほぼ定刻に出発。隣にはマンクス電気鉄道のラクシーで折り返す電車の引込み線が併走しています。
そこには私がここまで乗ってきた電車が丁度ポールの方向転換をしていました。
登山鉄道は3インチ6フィート(1067ミリ)ゲージでマンクス電気鉄道は3インチゲージ。その違いも楽しみつついよいよ急坂に差し掛かり“登山”を実感させる区間に突入です。
ダグラス・ダービー・キャッスルを出発すると左手に車庫が見えます。
あっ!「Electric Railway」の大看板を発見。この日からそれは私にとってはアメリカのハリウッドサイン(Hollywood Sign)を超える存在となりました。(と言ってもハリウッドサインを見たことはありませんが…)
電車の運転形態ですが、2014年8月6日(水)は、ダグラス・ダービー・キャッスル発が9:40~16:40までで、終点のラムジー(Ramsey)行きの他、途中のラクシー(Laxey)折り返しも含めて30分間隔です。(但し、12:10発はありません)
それでも全線が複線化されており、車両は路面電車タイプですが専用軌道をひた走ります。が、こんな急カーブが続く区間もあります。
途中でのすれ違いは、時刻表をみればほぼ計算できます。この写真も待ち構えていて撮りました。
線路幅が狭い!と気付いた方。ビンゴです。軌間は3フィート(914ミリ)です。
かくしてラクシー駅に14:40の定時から2分ほど遅れて到着。ここで左側に停車中のスネーフェル登山鉄道に乗継です。
(追伸)
ネットでの情報です。ダグラス湾馬車鉄道は来年は工事のために運休のようで、次にお目見えするのは2年後とのこと。線路の位置も変わるようで私がUPした風景は今年で見納めだったようです。
当ブログで「ダグラス湾馬車鉄道」(2)と(3)の間に乗ったマンクス電気鉄道の話を今日から書きます。時間軸に従って3部作の超大作となってしまいました。(筆が滑っています。その理由は読んでいただければ分かりますが、最初から言い訳をしておきます)
マン島のマンクス電気鉄道(Manx Electric Railway)の起点、ダグラス・ダービー・キャッスル(Douglas Derby Castle)はダグラスの市街地の北に位置しています。
まずは遠景で。矢印の場所に何かがあります。
同じ写真をトリミング。矢印の場所に注目。
「Electric Railway」の大看板がありました。
ダグラス湾沿いに歩いていたら13:40発の電車が急坂を上って行くのが何となく見えたので撮影した一枚。矢印の場所に電車がいます。
普段、余り歩かない生活をしているのを忘れていました。やっとの思いで着いたダグラス・ダービー・キャッスル駅。14:10発の電車にギリギリ間に合いました。写真で見知ってはいたのですが、こうして対面してみると驚きの古典電車です。