2018年08月13日 20時59分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(4)絶景。

ラグニアス湖点描。


等高線に沿いつつ、標高を上げて行く列車。

朝食を終えた7:20。私は1回部屋に戻ったものの、展望車ならほぼ360度の景色が独り占めできるのに、眺望が180度に満たない場所にいるのはこの列車の楽しみ方では無いとばかりにいざ!展望車へ。展望車にはスタッフが1名いたのみ。

あまりの景色の良さに、結局その後も客室でのんびりすることもなく、ほぼ最後尾の展望車でまったり。そのおかげでペルーらしい景色に出会えました。

展望車のラウンジからの1枚。

荒涼たるこの風景が、どこまでも続いている。大自然に圧倒される。ただ流石に吹く風(動く列車なので、相対的な話)は少々冷たい。

2018年08月12日 10時53分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(3)出発。

朝食の準備の済んだ食堂車からラグニアス湖を臨む。
そこに行かなければ見られない絶景。これはどこへ旅をしていても、素晴らしいと思える風景に出会った時に毎回思う事。そして毎回が私にとって特別な時間、特別な経験。

更に言えば朝食を頂きながら楽しむという究極の贅沢。

距離標(キロポスト)。右の「632」ではなく、左側の226が終点のアレキパまでの距離。

このキロポスト、途中から段々どうでもよくなり、結局確認することもなくなって、ただただ列車に揺られていました。旅好きな鉄ちゃんから旅人に変身。

6:30、列車は静かに動き始めました。この列車の終点、アレキパ駅到着予定は15:30。9時間の旅の始まりです。

サラコチャ駅に残る駅員さん。

2018年08月11日 10時45分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(2)朝日に浮かぶ。

朝6時。ようやく光がその勢いを強め始めました。

6:03、日の出。

ペルーで見た4回目の朝日ですが、ペルーに限らず世界中どこでも、何度見ても敬虔な気持ちになるのは何故でしょう?

それにしても短期間にこれだけ朝日を見たのは、15年以上前、「ズームイン」という番組を担当していた時以来。どんなに寒い冬の朝でも、太陽を浴びれば、骨まで凍てついた体が、肌(表面)から徐々に融けていき、いつか芯まで人心地になっていくのを感じていました。

朝日に輝くアンデアン・エクスプローラー号。言葉になりません。

でもこの景色への形容詞を私は探していました。荒涼(こうりょう)たる、寂寞(せきばく)たる、渺茫(びょうぼう)たる、この景色に相応しいのはどれでしょう。まだ他にも相応しい言葉がありそうです。

6:10、列車に戻る。乗客の方が全員来たわけではない早朝のイベント。でも参加した人だけが知る朝の清々しさ。

2018年08月10日 20時26分

アンデアン・エクスプローラー号/高原列車は行く(1)記念写真。

アンデアン・エクスプローラー号の旅は続きます。

この回で、名古屋を出発してから64本目の投稿。

※東成田駅等を含む。

アンデアン・エクスプローラー号に乗ったのがもう遠い過去の思い出になりつつあります。

さて平成30年(2018年)4月28日(土)。

サラコチャ駅での電波状況。深夜に一度目が覚めた時のスクリーンショット。車内に置かれたこの列車の案内の冊子には、ネットを忘れてノンビリしよう(要約)とありました。(笑)

沿線の市街地のある所では、確かに電波を受信していますが、私の場合、使った場合でもせいぜい今どこを走っているのかの確認のために地図アプリを立ち上げた時だけ。考えようによっては、時間を贅沢に使う旅を続けていました。

4月28日(土)も早起き。朝5時半集合での日の出ツアー。

外に出る。サラコチャ湖とラグニアス湖との間にある丘に登る。見えているのがラグニアス湖です。

ここで初めて乗ってきた列車の全貌を知る。改めてこの列車の美しさに感動。

駅舎の横に駅員さんらしき人がいる。その先の山の斜面に、横に一本の線があり、きっとこれからそこを登っていくのでしょう。(ここは敢えて「登る」を使ってみる)

丘の上からのサラコチャ湖。ただ夜明けを待つ。

ここはやはり記念写真を撮らねばと添乗員さんにお願いする。今乗っている列車を見下ろしながらのこうした写真は、多分、私の人生でこれが一枚のみ。

気温は計っていませんが、体感では4~5度。

真冬並みとまでは言わないまでも一桁の気温は体に堪える。ダウンジャケットは必需品。

2018年08月09日 13時19分

アンデアン・エクスプローラー号/プーノを出発(5)標高4241mで熟睡。

平成30年(2018年)4月27日(金)、夜の9時40分頃。

サラコチャ駅。駅となっていますが、周りに集落があるとは思えず、日本ならば信号所。

ここで一夜を明かすと聞きました。何で展望車に来たかって、そりゃあまあ鉄道愛好家の性というやつでしょうか?

場所を地図で確認。2つの湖に挟まれた場所であることは確認出来ましたが、実はこの場所、携帯電話の電波が届かないところ。そうした状況でも一定の条件が揃えばグーグルマップが使える場合があることを初めて知りました。

ところで電波の届かない所で一夜を過ごすという経験がいつ以来か思い出せない。

夜の遅い時間、展望車ではギター+歌の時間が続いていました。

標高4241m。チチカカ湖のある3800mよりも高く、前日通ったラ・ラヤ峠の4335mよりも少し低いだけ。

いつも通り寝られるだろうかと心配でしたが、私の場合は大丈夫でした。

2018年08月08日 13時17分

アンデアン・エクスプローラー号/プーノを出発(4)至福のディナータイム。

平成30年(2018年)4月27日(金)のディナー。私たちのテーブルを担当するスタッフが、翻訳ソフトを駆使して、日本語版のメニューを作ってくれました。『翻訳ソフト』を使ったというのがいま時ですね。それにしても嬉しいサービス。実はこの列車のメニュー、本来は持ち帰り出来ないシステムなのですが、この日本語版だけは持ち帰りOKということで、有り難く頂きました。

※この時までに出されていたメニューは英語とスペイン語。

1)カプチーノ

2)海老とオコパソース添え

もっとも私にとってはオコパソースって何?です。

南米のソースとのことですが…。

3)テンダロイン・ステーキ

4)ライムカスタード

それにしても厨房の5人のスタッフに感謝したくなる美味しさ。

標高3977mの至福。

2018年08月07日 13時13分

アンデアン・エクスプローラー号/プーノを出発(3)白ワインベースのカクテルに酔う。

プーノを出発し、1時間半ほど走ったところの駅。地図アプリで場所を確認。「フリアカ駅」到着。

ISO6400の威力。保線用車両。何でそう思うのかと言えば車体が黄色いから。

フリアカの商店街の真っ只中を列車が走る。線路はきっと“道路”。

2日目のカクテルタイムは白ワインベース。堪らん。うっ、旨い!これは夢なのか現実なのかどちらだろう。

列車の中でカクテルを味わうなんて私の人生できっともう無いだろう。と思った瞬間。

この日もピアノ演奏あり。

2018年08月06日 13時11分

アンデアン・エクスプローラー号/プーノを出発(2)プーノ駅。

17時を回ったところで列車は出発。

部屋から外を見ているのですが、考えてみれば、私が見られているとも言えます。あられもない姿で無くて良かった。

それにしてもお店との距離が近い。近いというよりテントの屋根は線路ギリギリ。

列車が通る時、都心部ではどこの町でも絶賛、渋滞中。

10分ほどで駅を通過。ここが多分、プーノ駅。

煉瓦作りのクラシカルな駅舎の前で、安全確認をする鉄道員。こうした方の支えで私たちが旅を楽しめる。

いくつもの線路が、ポイントを渡るたびにその数を減らしていく。日本なら感傷にふけることはまあなさそうですが、ペルーだと旅の始まりの予感。

ここからアンデアン・エクスプローラー号の旅、第2章の始まり。

街の真ん中に何やらゲーム機?の様なものが置いてあり、それに興ずる若者たち。

彼らがこの列車に振り向くことはありませんでしたが、高校の入り口にいた男子のグループは、私が手を振ったらちゃんとお返しをくれました。

何せ列車のスピードは自転車並み。そんな“国際交流”をする時間がありました。

2018年08月05日 13時09分

アンデアン・エクスプローラー号/プーノを出発(1)ミネラルウォーターが事件です。

アフタヌーンティーを楽しんだ後、列車に乗り込み、部屋に戻りつつアンデアン・エクスプローラー号の食堂車を撮影。

座席の配列は2種類あります。

ここは昼間のラウンジカー。

そこかしこに花が置かれています。

そして辿り着いた『CHILCA2』。トイレに入って驚いた!

ミネラルウォーターが列車オリジナルの袋に入れられていたのだ。

朝は間違いなく入っていなかった。

一応、それが分かるように右側のボトルの袋は下げてみました。

2018年08月04日 13時05分

チチカカ湖(10)アフタヌーンティーと血中酸素飽和濃度。

アレキパへの出発を前にこの日もアフタヌーンティー。

連絡線とアンデアン・エクスプローラー号の右側にある建物がそれを楽しむ場所。

ここではバイオリンの生演奏。

レトロなスペース。

暖炉の火が心まで暖めてくれます。と言うほどの寒さだったわけではありませんが、ただ日中は暖かくとも、日暮れともなれば別で、このもてなしが有り難く感じられたひと時。

自分の食べたいものを選ぶビュッフェスタイル。

ここで血中酸素飽和濃度を測るパルスオキシメータの登場。高山病の程度を図る機器で、どの旅行社の主催かによらずペルーの高地ツアーの添乗員さんは携行いることが多いそうです。私が参加したツアーでもカタログに、ちゃんとそのことが記載されていました。

90以上あれば正常で、85はまずまず。80を下回ってくると要注意で、5~60代は危険水域の可能性ありとのこと。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!