2010年09月16日 18時08分

「クライチ路面電車博物館」のオープンカー

1927年製の「ブラックプール」市電で
使われていたオープンカーです。

1950年頃、イギリス中西部の町「ブラックプール」では
道路にイルミネーションが飾られていたそうです。
その装飾をイギリスのテレビ局BBCが撮影するために
当時使用されていた電車を改造したもので、
それをこの博物館が譲り受け、改修し、今の姿になっています。
※私の英語力では、絶対に正しいとは言い切れませんが
 博物館の英文の解説は、多分こんな内容と推察されました。

この日、私はこの電車に乗れませんでしたが
こうして撮影できただけでも幸せな時間でした。

この博物館では、日常的に修理も行っており、
確かに修理をしなければ走り続けることが
出来ないような年代モノばかりでした。

日本に本格的な動態保存の路面電車専門の博物館は
ありません。
博物館といえば、日本では国立か公立、
もしくは有力企業の運営によるものというイメージで
イギリスのようにボランティアの活動と市民からの寄付、
入場料収入・グッズ販売収入等で
運営することは難しいかも知れません。

それにしても、この日もロンドンの様な大都市からは
何時間もかけないと来られないにも係わらず
大勢の「鉄」ではない入場者がいました。
イギリスの懐の深さの一端を垣間見た気分でした。

それにしてもこの博物館は凄すぎる!!!

2010年09月16日 9時00分

「クライチ路面電車博物館」はロケの名所

電車は「リバプール」にいた車両で、1936年製。
美しい緑色の2階建てで、車内2階席は木製の床に
小ぶりなシートが置かれていました。

で、ここでの主役は電車ではなく、
電車の右側のクラシックカーのお話し。

何でこの車が止まっているかといえば
この博物館の中で、クラシックカーとクラシックトラム、
そしてタキシードの紳士・美しい女性を組み合わせた写真を
撮影していたのです。
※多分、商業ベースのポスターか雑誌用?
※女性の服装もこの乗り物たちにふさわしい
 優雅なモノでした。
 残念ながら写真を撮ろうとしたら「ダメ」と言われました。

この車は博物館が持っているものではなく
撮影していた人たちが持ち込んだものと聞きました。
こうした撮影は、日常茶飯事とは言わないまでも
結構あるそうで、映画やテレビのロケも多いそうです。

イメージしやすい言葉で言えば、映画やドラマの
SL走行シーンでよく出てくる大井川鉄道ですが、
残念ながら架線やちょっとした風景が
時代の雰囲気を損ないます。
しかし、この博物館では町並みを含め全て20世紀前半で
時計が止まっているのです。

日本なら明治村のN電とクラシックカーの
組み合わせといったところでしょうか。

2010年09月15日 18時27分

晩秋の「クライチ路面電車博物館」

右側の車両は「Metropolitan Elec.」の1930年製。
左側は「Gateshead & District」とあり1927年製。

この英語表記は運行会社と思われ、
「メトロポリタンはロンドンか?」
「ゲーツヘッドってどこよ?」とか
訳もわからず写真を撮り、電車に乗っていました。

この写真でも分かるように、ここは複線区間。
その両サイドに、この電車にマッチした街並みも続いていて
その建物の一つ一つが屋内展示施設・レストラン・土産物店と
なっていました。

この区間の下側に暫く複線区間が続き、
途中から単線となっていました。
(タブレット交換あり)

また単線区間は、博物館内とは思えない森を抜け
高台からイギリスの田園地帯を見下ろす場所(絶景ポイント)を
走ったり、それはそれは信じられないことばかりでした。
多分、走行距離は片道1キロは優に越えていたと思います。

●博物館内は、それこそ全ての場所が「撮り鉄」ポイントです。
 私もいつに無く写真を撮ったのですが
 却ってこの博物館の概要が分かる写真が一枚もありません。
 言い訳ですがそれほど素晴らしい景観です。

2010年09月15日 9時00分

クライチ路面電車博物館

この写真だけで十分、この博物館の魅力が
分かっていただけるのでは?

この博物館の正式名称は「CRICH TRAMWAY VILLAGE」
(home of The National Tramway Museum)で
私は、『クライチ路面電車博物館』と呼んでいます。
因みに「National」と入っていますが国立ではありません。

この博物館が保存している路面電車は、公式HP(現時点)で、
工事用の車両等も含め65両の写真が確認できます。

この電車のように動くものと静態展示の両方がありますが
相当数(半数弱)が動態展示と思われました。
●この電車の側面には
 「グラスゴー コーポレーション」とあり、
 グラスゴーの町で働いていた1922年製と思われました。
 それが博物館内とは言え、何と現役で、
 ポールを回した後、お客を乗せて出発した時には
 はっきり言って“鳥肌”が立ちました。

日本でポール集電の現役電車は、
明治村のN電しかいないのでは?

2010年09月14日 18時38分

クライチ路面電車博物館まであと少し。

ミッドランド・メインラインの
“メリディアン”は1時間45分かかって
「ダービー」駅に11:45到着。(定時!)
●この駅のある「ダービー」市は、
 「競馬」で有名な『ダービー』ではありません。
 誤解なきよう。
 私は地元の人に「競馬の町ですか?」と聞いて
 大笑いされました。

ここで12:00発「マトロック」行き
ローカル列車に乗り換えました。
●写真は、「マトロック」行きの2両編成のディーゼル。
●ダービーでも、当然このローカル列車が
 終日運転するかを確認しました。

そうなんです。クライチ路面電車博物館への道程は遠いのです。

やっとこさで終点の「マトロック」に12:32到着。
とりあえず駅近くの観光案内所を訪ねました。
そこで教えられたのは、
マトロックからクライチ路面電車博物館に行くバスは
本数が少なく、確か1時間以上待たねばならず、
泣く泣くタクシーに乗りました。(確か3000円以上?)
因みにこのマトロック周辺は結構な観光地で、
小規模なものではあるものの可愛らしいホテルや
お土産屋さんも立ち並んでおり、ちょっと意外でした。
※名古屋周辺なら一昔前の「香嵐渓」?

またこのマトロックにはSLの保存鉄道「Peak Rail」もあって
この日も運転されていたのですが
私はそれを見かけることは出来ませんでした。

2010年09月14日 9時00分

ミッドランド・メインライン“メリディアン”

「セントパンクラス」駅停車中の
ミッドライン・メインラインの気動車
『クラス222メリディアン』です。
※「ミッドランド・メインライン」という会社は
 今は無いようです。(参照:Wikipedia)
※ところで「メリディアン」は今も健在?

これで、イギリス中央部の「ダービー」駅を
目指すことにしました。
昨日書いたとおり、「Seaton Tramway」を諦めた私は
次なる選択肢として、「CRICH TRAMWAY VILLAGE」
(クライチ路面電車博物館)を目指すことにしたのです。

当然の事ながら、この駅でも帰りの最終列車まで
予定通り運転されるかどうかを確認しました。

かくして9:30定刻にこの列車はセントパンクラス駅を
無事、出発しました。

車内写真はUPしませんが、この車両は“狭い”印象です。
大変スマートな外観でそれはそれで良いのですが
デザイン的に上半分が絞られているので
3列シートの1等車に乗ったにも係わらず圧迫感がありました。

2010年09月13日 18時02分

ロンドン、セントパンクラス駅

ロンドンの一大ターミナル「セントパンクラス」駅です。
本来ならこの駅に来る予定は無かったのですが…。
●当時、この駅は大工事中でゴシック建築の駅舎は
 使用していませんでした。

平成17年10月23日(日)、私は「ウォータールー」駅から
列車でイギリス南部の町「Axminster」に向かい
「Seaton Tramway」を訪問する予定でした。
(「シートン路面電車博物館」とでも訳しておきます)

そのため前日の22日、
ロンドンに着いたその足で「ウォータールー」駅に出向き、
翌・日曜日の『列車運行情報』を確認しました。
何故?
地方の保存鉄道(博物館)などの運行日(開館日)は
一般的に土・日なのですが、一方、イギリスの鉄道では、
土・日に突発的な工事運休などがあるのは日常茶飯事。
時刻表に掲載されているからといって、
決して安心は出来ず、その日、列車が運転されるかどうかの
「駅」への確認は必須事項だからです。
車での移動ならこうした心配は無いのですが、
土・日の鉄道移動は要注意なのです。

前日、「ウォータールー」駅の駅員さんは『大丈夫』と
言っていました…。
にも係わらずこの日、午前中の列車は全て運休。
このため、別の路面電車博物館に向かうことにしたのです。

2010年09月13日 9時02分

時には『海外鉄』、イギリス編。

平成17年10月22日(土)、
私は単身、イギリス・ロンドンに向かいました。
※少し遅めの夏休みで家族とは別行動の一人旅です。
●イギリス国内は、写真の4日間有効のブリットレイルパスを
 使用しました。
●最初に使用する際に必要な「ヴァリデーション」
 (使用開始日の特定)は、ヒースロー空港の
 ヒースローエクスプレスの乗車券売場でしました。
 *券面に押印があります。

主たる目的は路面電車三昧とユーロスターに乗車すること。
とはいうものの、「加悦SL広場」同様
この時も下調べは不十分でした。(こんなのばっかりですね)

準備不足の理由…1週間の休みをとるため、
出発直前まで死に物狂いの忙しさが続いたから。
休んだからと言って担当の仕事の量が減るわけではなく
単に休みの前に仕事を寄せるだけ。

よって事前に調べる時間が少なく、
まあ、行けば何とかなるさとは思っていましたが
事前準備とは関係ないところで
次から次へと何ともなら無い事態に遭遇し、
それでも、親切なイギリス人に助けられたりもあって
無事、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

今回は、海外旅行ではこんなトラブルも考えられるという
事例集としても楽しんで下さい。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!