2011年09月21日 21時43分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(4)いざ「タウシュベツ橋梁へ!

今回、私が参加した「タウシュベツ橋梁見学ツアー」は
『旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー』と言い、
「NPOひがし大雪自然ガイドセンター」が主催しており、
この時の参加者は私を含め5名でした。

ツアーの開催期間(平成23年度)…4月29日~10月中旬。
時間…1)9:00~11:30
2)15:00~17:30(今回、私はこれに参加)
参加料金…一人3000円
※他のお客がいない場合は4000円でツアー催行。
※これとは別に早朝ツアー(朝5:30~7:00)あり。
但し、「タウシュベツ橋梁」が水没するまでの期間。

当初、私しか参加者がいないのでは?と思っていましたが、
他の方もいらっしゃってホッとしました。
ただ、このツアーは『旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー』であり、
私の今回の目的である「タウシュベツ橋梁」が見られるのは、
シーズン初めから8月中旬頃までだそうで「NPOひがし大雪自然
ガイドセンター」のHPで先日確認したところ、8月19日(今年)には
その橋は“水没”直前でした。その理由はまた後日。

ということで、写真に写っているのは「NPOひがし大雪自然ガイド
センター」のツアー車で、この場所からは徒歩で「タウシュベツ橋梁」を
目指します。
写真でツアー参加者が長靴に履き替えているのが確認できますでしょうか?
長靴は「NPOひがし大雪自然ガイドセンター」が貸してくれるのですが、
この必要性は、直ぐに分かることになります。

また、今いる場所に私たちが個人の車(レンタカーを含む)で入る場合は、
林野庁十勝西部森林管理署の『許可』と、この場所に至る道路の
ゲートの鍵を借りれば、来ることが可能だそうですが、様々な手間や安全を
考えれば、こうしたツアーで来るのが最善の方策と思いました。
※林道の鍵を開けて入山すると言うのは、今から20年以上前に、
北アルプス「槍ヶ岳」の山頂から中継した際、中継機材を登山道の
入り口まで林道で運んで以来の経験でした。
(趣味でも無いのに槍の穂先まで行っています。その時のスタッフは多分、
全員が私と同じ???)

2011年09月20日 8時00分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(3)旧士幌線は散歩道。

上士幌町鉄道資料館の奥には、旧士幌線の線路が残っています。

左の写真が旧「糠平駅」から「十勝三股」側で、右の写真が「帯広」側に
なります。
ここ「上士幌町鉄道資料館」を起点に、夏場(7月~8月の土・日・祝。
但し2011年度)には、「NPOひがし大雪アーチ橋友の会」により
『鉄道トロッコ試乗会』が行われており、この線路上を“足こぎトロッコ”で
走ることが出来ます。片道662メートルを一往復するもので、
所要時間は約20分とのこと。
風景も良いとのことで、子供向けのアトラクションなどとは思わず、
時間とタイミングが合えば体験してみたいと思いました。
(と言っても一人で乗るのは悲しいですが…)

また左側の写真の「十勝三股」側は、ここ「上士幌町鉄道資料館」を起点に
約8キロ先の「メトセップ」(地名と思われます)までの『北海道自然歩道
大雪の道』となっており、昭和30年(1955年)に作られた
3つのアーチ橋の上を歩くことも出来ます。“健康+鉄”が楽しめる場所は
他にはあまり無いでしょう…、等と書きながら私は歩いていません。
悪しからずご了承ください。
また、「上士幌町鉄道資料館」では“熊避け”の鈴も売っています。
これは“お土産”にもなりますが、どうやら北海道では『洒落』では
ないようです。

2011年09月20日 0時00分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(2)上士幌町鉄道資料館の展示物。

この「上士幌町鉄道資料館」、規模は小さいものの、士幌線の歴史が
よく分かるように工夫された展示になっています。

上段写真では「上士幌駅」の駅名標が輝いていますが、
画面中央にある駅の出札口でみかけた硬券乗車券を入れていた乗車券箱に
心惹かれました。
鉄道ピクトリアルの2011年10月号「特集:去り行く風景」にも
その姿がありましたが、実はこうした“道具”が現役時代の写真を
私は持っていません。
まだまだ現役で使っている鉄道会社も多くありますが、
こうしてここで改めて見て、やはり既に『郷愁』の世界の出来事に
なっていると実感しました。

下段写真は、士幌線が現役時代の「駅」の写真で、
『懐かしい光景』というより、何か不思議な遠い世界のように見えました。

この他、「第三音更川橋梁」(国登録有形文化財)の建設中の写真が
展示されているなど、興味深い内容が多く、当初はささっと10分くらいで
回るつもりが結局30分近くかけてじっくり見てしまいました。

ところで帯広からここ上士幌町糠平まで、公共の交通機関(路線バス)で
来るには、旧士幌線並みの本数ではありますが、バスの所要時間は
1時間40分強で、旧士幌線の所要時間と大差が無いのが少々悲しいです。
※昭和52年2月当時の帯広~糠平間の最速列車の所要時間は1時間19分。
時間のかかる列車はバス並みもあったと当時の時刻表から推測されます。
※帯広~旭川間の都市間バスなら同区間は1時間10分ほどで到着しますが
帯広からのバスで下車することは来ません。参考までに。

私は今回、レンタカーで回りましたが、時間効率と立ち寄り場所を考えれば
止むを得ない選択でした。

2011年09月18日 18時33分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(1)上士幌町鉄道資料館に立ち寄り。

平成23年7月13日の最大の目的は、旧士幌線の「タウシュベツ橋梁
(をメインにした)見学ツアー」に参加し、自分の目で
「タウシュベツ橋梁」の美しさを感じること!でした。
勿論「タウシュベツ橋梁」のみならず、士幌線はその廃線後にも
数多くのアーチ橋が残されているなど、楽しみどころが満載なのも、
ここに足を運ぼうと思った大きな理由です。

「タウシュベツ橋梁」については近いうちに説明しますが、
『廃線マニア』の方には垂涎の的といっても良い場所(多分、反対する人は
いない思う…)で、その美しい姿は「鉄道」系というより、
「風景写真」のジャンルで何度も発表されており、『廃線マニア』では
ない私も、自分の目で一度は出会っておきたい風景でした。

そしてそこに向かう途中、糠平温泉の玄関口「糠平」駅跡にある
「上士幌町鉄道資料館」に立ち寄りました。
「鉄」の方で私と同じ「旧士幌線」を目的にした方には、
『立ち寄らない理由が見つからない』と言われそうな場所です。

洒落た建物の横には、下段写真の貨車(ヨ4843)+何かの台車部分が
静態保存されています。
私がここに着いたのは既に午後2時を回っており、人影もなく、
この資料館が本当に開館しているかどうかが不安になるほどでした。

2011年08月19日 8時09分

東京の交通100年博(6)函館市企業局交通部「排雪4号車」。

都電6068号とともに展示されている函館市電の「ササラ電車」
(排雪4号車)です。
今シリーズ(2)でUPした旧東京市電「ヨヘロ1形」を改造したもので、
今回、この『東京の交通100年博』のために里帰りしたものです。

函館市企業局交通部のHPによれば、函館市がこの「ヨヘロ1形」を
購入したのは昭和9年で、昭和12年に『排雪車』として改造され、
冬の降雪時に市民の足を守るために活躍しています。
とはいうものの、近年は自動車による除雪作業が主のため、出動する機会は
減っているそうで、こうして間近に見る機会はあまり無いそうです。
で、私もササラ電車の「ササラ」と呼ばれる“ブラシ”を見るのは初めてで、
とても興味深いものでした。
(車内のモーター等も見ることができ、とても珍しいだけにこちらも
堪能しました)
それにしても「箱館ハイカラ號」でさえも誕生から100年以上
経っていますが、それよりも更に10年以上は古いであろうとされている電車が
“現役”というのは驚くばかりですが、それを又、こうして
「東京の交通の歴史」を知る機会に見ることが出来るのはとても幸せなことと
思いました。

ところでこの「排雪4号車」の台車の形式はブリル21E-1で、
「箱館ハイカラ號」(このブログでは2010年11月8日~UP)と同じ。
その他にも私は何か見落としている『見所』がありそうな気がしています。

9月10日(土)までの『東京の交通100年博』、
もしも東京に行く機会があればお勧めします。

2011年08月18日 18時17分

東京の交通100年博(5)都電6086号。

『東京の交通100年博』の目玉の一つに、この6086号の実物車両の
展示があります。
しかも、車両の右側にチラッと町並みが見えますが、昭和の時代を駆け抜けた
“都電”の雰囲気が味わえるようになっています。

実はこの町並み、来年1月21日(土)公開予定の
映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」の撮影の際に作られた
セットの一部で、「夕日町三丁目」の新聞屋さんや郵便局を始め様々な看板も
見られ、昭和39年という正に6000形が一番輝いていた頃を
髣髴させてくれます。

また下段写真の車内にも当時の吊り広告(再現?)がなされ、
私が『懐かしい』と言うには少々語弊がありますが、
それでも当時の雰囲気は十分に伝わってきます。

日本路面電車同好会の方の話しによればこの「6086号」は
都電荒川線で最後を迎え、その後個人のお宅に引き取られ
保存されていたそうですが、その後、東京都交通局に戻り、
荒川車庫で保存されてきたという歴史があるそうです。
また、車内吊りの広告は復元と推察されるものの、
車内の窓の上部分のものであったり、一部、現役当時のものがそのままに
なっているはずとのことでした。

「広告は時代を映す鏡」の一つであると私は思っていますが、
車内も車外もそんな気持ちで一つ一つの広告を見ていく楽しみがここには
ありました。

(宣伝)
映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」は中京テレビも製作に
参加しています。シリーズ3回目となるこの映画は、毎度「鉄道」が
大きな役割を果たしています。
(昨年の4月5日から映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の鉄道
への拘りをUPしています)
今回は“3D”で映画となっていますので、是非『昭和』の時代を
“立体”的に楽しんで頂ければ幸いです。

2011年08月18日 8時05分

東京の交通100年博(4)「myつりかわ展」の私のお気に入り。

「myつりかわ展」で私が一番面白いと思ったのがこれ!

東京都の大学生のアイデアによるもので、私は「“ここ起き”つり革」と
勝手に命名してみました。
つり革の握りの上の左半分には都電の「王子駅前」~「早稲田」間の
停留所名が書かれており、右半分には「ここで起こして下さい」と
書いてあります。
要は、寝ている人が目の前のつり革の“駅名”部分の自分が降りる停留所名に
スライダーを合わせ、立っている人に起こしてもらおうというアイデアですが、
起こす人もどの停留所で座れるかが分かると言うもので、
“入選”したのも納得です。

ただこれを長距離の乗客が多い路線で設置すると、立っている乗客同士での
争いが起きそうで、都電レベルが良さそうです。

因みにデザインの原画では「三ノ輪橋」~「早稲田」間になっており、
これは流石に細かすぎると言うことで多分、写真の形になったのであろうと
思っています。

ある日ある時、電車に乗ったら、そのつり革が全部違う形状だったら…、
何て考えると電車で立つのも楽しくなりそうですね。

グランプリ作品だけではなく、今回展示されている様々な“つり革”が
車両に登場して欲しいと思いました。

2011年08月17日 18時14分

東京の交通100年博(3)「myつりかわ展」が面白かった。

『東京の交通100年博』の一角で「myつりかわ展」が行われていました。
これは東京藝術大学と東京都交通局の産学連携プロジェクトの一環としての
イベントで、一般公募で1976点が全国から集まり、グランプリを含む
入賞7作品、入選29作品が実際にモックアップとして制作され、
この会場で展示されていました。

下段の写真はそのグランプリ作品で「袖口から出た手」が“つりかわ”となり、
このつり革を握る手が、まるで握手をしているかのように見えるのが
ポイントだそうです。 (神戸の会社員の方の作品です)

ところでこの「myつりかわ展」。展示会場に入った時はそれほどでも
無かったのですが、1点ずつ見ているうちに私はすっかり引き込まれ、
思いのほかこの会場にいてしまいました。
とにかく参加者の方たちのアイデアあふれる作品は、単にユニークな形状と
いうものもあれば、グランプリ作品のように作者のメッセージ(思い)を
感じるものもあったり様々で、『東京の交通100年博』だけではなく、
この「myつりかわ展」も一見の価値ありです。
(これが紹介したくて今回、このタイミングで『東京の交通100年博』を
UPすることにしました)

今回のグランプリ作品は、実際に車両に設置されるそうです。
個人的には是非、このつり革(都営交通100年の気持ちを込め)と
握手したいと思っています。

2011年08月17日 8時30分

東京の交通100年博(2)ヨヘロ1形モックアップ。

今回の『東京の交通100年博』の最大の目玉がこれと言っても
過言ではなかろう「東京市電ヨヘロ1形電車」のモックアップです。
この『東京の交通100年博』開催のために作られた実物大模型で、
中もご覧の通り“模型”とは思えないほど忠実に再現されています。

参考までに形式名の『ヨヘロ』とは、
●「ヨ」…四輪単車の「ヨ」。
●「ヘ」…べスチビュール付きの「ヘ」(濁点なし)
 ※べスチビュールの意味は、出来れば会場でご確認を。
  不親切ですいません…。
●「ロ」…車体改造を行った大正6年の「ロ」
だそうで、
 これらは車体の左側にある解説板から転載しました。

因みに、この「ヨヘロ1形」を改造した車両は今も現役で、
それが函館市電の除雪車“ササラ電車”で、今回その“ササラ電車”も
東京に里帰りし、屋外で展示されていました。

明治30年代に製造され、最盛期には206両が活躍した
「東京市電ヨヘロ1形電車」だそうですが、運転台のシンプルさを見るにつけ、
当時の技術水準からすれば、これが『最先端の技術を駆使』ということ
なのでしょうが、乗客を乗せて走って停まると言うことはこれで足りると
いう証(あかし)なのでしょう。

ところでこの『東京の交通100年博』で撮影&ブログUP可能な被写体は、
「東京市電ヨヘロ1形電車」と屋外展示プラス、関連の企画展示のみです。
ブログにUP出来ないのは致し方ないにしても、“公共交通”の歴史を
実感できる今回のイベントだけに、写真等の資料はともかく、
もう少し撮影可能な展示物が欲しかったと言うのは欲張りすぎでしょうか…?

2011年08月16日 18時09分

東京の交通100年博(1)江戸東京博物館。

東京は総武線「両国駅」下車、直ぐの所に『江戸東京博物館』があります。
場所としてはかの有名な大相撲の聖地「両国国技館」の隣と言った方が
通じやすいかも知れません。
ここは場所としての「江戸」~「東京」の歴史と文化に関わるものを
収集・保存・展示施設で、建物の巨大さもさることながら、その展示物等の
充実振りは建物の規模に決して負ける事は無いと聞いています。

その『江戸東京博物館』で、今年の7月14日から9月10日まで、
「都営交通100周年記念特別展 東京の交通100年博」が開催され、
多くの都民のみならず、全国の“乗り物”好きの方が来館されています。
ということで私も行ってまいりましたのでその報告を。
北海道の話しを連載中ですが、このまま行くとこの特別展が
終わりそうですので、そちらは少しお休みします。ご了承ください。

入場料は、大人1名1300円と「鉄道博物館」「リニア・鉄道館」に比べ、
少し高めかとは感じたものの、内容は充実しており、まあ許せる範囲で
あろうと個人的には思っています。

「都電・バス・地下鉄の“いま・むかし”」のサブタイトルが付けられた
この特別展ですが、そのかなりの部分は『都電』に割かれており、
路面電車がお好きな方には“是非モノ”の内容で、一方でバスマニアにとっても
外せないイベントであることは間違いありません。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!