神岡鉄道神岡線は、昭和59年(1984年)に第3セクターとして開業し、平成18年(2006年)に廃止となりました。確かその翌年からレールマウンテンバイクが始まったと記憶しています。その時から気にはなっていたものの、名古屋からそれだけを目的に行くには少々不便で、暫くして電動アシスト付き車両になり、人気が急上昇して行く姿の報道に触れるにつき驚きを感じていました。
15時過ぎから15:30スタートの回の準備が始まりました。
車両の方向転換の方法は面白い。
地元の方の手作りと聞いていますが、こうした工夫をする方がいるのは、やはり地元の強み。
私が乗ったトロッコ。ひざ掛けが用意されていますが、自転車を漕がない人にとっては必需品であると実際に乗ってみての感想。
駅構内。
今年、実際に走れるように整備され復活を遂げた「おくひだ1号」(KM100形)。この復活を含め、廃線跡を観光資源として地元活性化に繋げる取り組みを実際にこの目で見てみたいと思っていたのはその通りで、その想いがこの日(11月3日)、やっと実現しました。「ガッタンゴー」がまさしく軌道に乗り、「おくひだ1号」のこの姿を見られる日が来るとは感無量。
そしてその横には神岡鉱山で使われていた車両の展示。
私の知人で廃バスの「赤錆」好きという方がいまして、その影響かどうか、ジャンルは異なるものの私もこうした引退車両を見るのは好きです。
駅前の機関車のみならずこのシンプルさが堪らない。
貨車のさび具合がまた良い。もっともそれは忙しく働いていた輝かしい現役時代があらばこそ。
駅舎内は展示スペース。
日本鉄道表彰選考委員会「「蘇ったレール」特別賞の楯が誇らしげに展示されています。
今や注目度満点のこのガッタンゴー。シーズン中は予約が取りづらい状況となっており、今回かく言う私も、自転車を漕いで行くいわゆるレールマウンテンバイクは乗れずじまいで、スタッフがオートバイで後押しする木製トロッコに何とか乗ることができました。
囲炉裏(いろり)のある飛騨らしい室内。
自在鉤(じざいかぎ)の上にある天棚(あまだな)には何故かアメリカの蒸気機関車の模型がある。
今や懐かしい瓶(びん)に入った飲料の自動販売機。思わず写真を撮ってしまいましたが、子供たちどころかその親の年齢であって、ここで初めて見た人も多いと思う。昭和の時代の演出かな?
名古屋から飛騨古川までのルートは幾つかの選択肢があります。どれを選ぶかは人それぞれですが、どんなルートがあるのかな?とか考える時が一番の楽しみかもしれませんね。
話をもう少し深掘りするなら、岐阜県飛騨市神岡町まで公共交通で行くルートは、今回の私は、飛騨古川から路線バスに乗っていますが、他にも猪谷まで高山本線で抜けて、そこから路線バスに乗る選択もあります。そうすれば旧国鉄神岡線/神岡鉄道神岡線気分を味わえるはずです。
古川駅前13:15発の濃飛バス神岡営業所行きのバスは、よもやの観光バスタイプ。てっきり普通の路線バス車両が来るものと思い込んでいたので。これが神岡行きとは目の前で行き先を確認するまで思ってもみませんでした。もっとも翌日の神岡から飛騨古川への戻りのバスはごく一般的な路線バスタイプでした。
参考までに飛騨古川~神岡間のバスは20キロ超の距離を45分乗って驚きの300円。JRの幹線並み。
岐阜県飛騨市神岡町。私が以前数度取材で来た時は岐阜県吉城郡(よしきぐん)神岡町。鉱山の街として栄えたことで知られています。今も往時を忍ばせる風情ある家並みが印象的です。
街の真ん中を流れる高原川。この写真だけ見れば開けた感じですが、高原川に沿って走っていた旧神岡線は、よくぞここに鉄道を敷いたものだと感心するほどの急峻な山間を走っていました。
さて15:30からの「レールマウンテンバイク ガッタンゴー!!」(Rail-MTB Gattan Go!!)を予約していたので少し早めの14:45頃に旧奥飛騨温泉口駅に到着。駅名の奥飛騨温泉口は神岡鉄道時代の名前で、それ以前の国鉄神岡線時代は神岡駅でした。
私が現役時代のこの駅に最初で最後に降り立ったのはその「神岡駅」で、昭和53年(1978年)3月2日、猪谷発5:47の621Dは6:16に神岡駅に到着。
高山本線の夜行列車からの乗り継ぎで、奥飛騨のスキー場に遊びに行くための下車で、ここまで知人に迎えに来てもらいました。
思い出話を終えて、駅前には「神岡トロッ庫」と称して、かつて神岡鉱山で使われていた電気機関車と人車、それと何故か立山砂防(通称。正式には国土交通省立山砂防工事専用軌道)のディーゼル機関車が展示されています。
例によって私の好みはこのパンタグラフ。
こういう運転台に座って運転してみたい。
11月3日の昼食。JR東海の在来線では車内販売がありません。そのため、往路では1715C(美濃太田発下呂行き)で11:18に下呂駅到着後、乗継の25D「特急ひだ5号」が出発する11:33までの15分間が昼食を調達するチャンス。
こう書くと大仰な感じですが、下呂駅では駅弁の販売はなく、駅近くにコンビニもありません。そこまでは承知の上でとにもかくにも駅外に出てみるも、周りには見事にお土産屋さんしかない。そこで“飯もの”は無いにしても何か食べるものはあるだろうと足を踏み入れたところ、「特急ひだでは車内販売なし」の売り文句で売っていたこの「笹すし」を購入できました。地元の名物ではあるもののお土産屋さんはさすがに承知しているのだ。
久々野を出て分水嶺である宮トンネルを抜け、飛騨一ノ宮駅を目指して下ってゆく。車窓にこの風景が見えると『飛騨』に来た実感が湧きます。勿論、それまでも『飛騨』を走ってきてはいるのですが…。一方、名古屋に帰る時は「さようなら、飛騨。」という気分になります。
駅舎が新しくなった高山を通り過ぎ、飛騨古川着は12:42。
まず目指すはこの跨線橋。
お立ち台には先客あり。そして私も含め、結構な入れ代わり立ち代わり。鉄道ではなく、車で来ている人も多いのでしょう。
映画「君の名は。」を見た時に不覚にも目頭を押さえたことを思い出しつつ…。というか映画を見た時に、どうしてこの角度の映像なのだろうと思っていたら、こんな橋が出来ていたとは平成29年の1月まで知りませんでした。
この貼り紙に納得。
飛騨金山~焼石間。
ここ飛騨金山~下呂間の渓谷は中山七里とも呼ばれ、飛騨川に沿って走る高山本線の車窓のハイライトだと私は思っています。かつての国鉄時代、急行や特急では、中山七里の景観を紹介する案内放送もありましたが、今はどうなのでしょう?ワンマンの普通列車ではそうした案内放送がないことを今回、確認しました。帰りの特急列車では、、、寝ていました。
4715Cの下呂着は11:18。普通列車の旅はここまで。ここからは「ひだ5号」(名古屋発飛騨古川行き)に乗車(下呂発11:33)し、先を急ぎます。
何せ次の普通列車は13:56発。それではこの日のガッタンゴーの出発に間に合いません。
駅を出てしばし散策。
多分、25年は降り立っていない下呂駅。プライベートでも仕事でも、そもそも鉄道で来たことが殆どない。
15年ほど前に下呂の温泉旅館から生中継したのは覚えているが、移動は往復とも会社のマイクロバスだった。確実に下車したのはキハ85系が運用を始めて暫くの頃、知人から「キハ85系で行く下呂温泉で昼の宴会」に誘われて以来だと思う。
ということもあって、これがその当時にあったとしても覚えていないのもむべなるかな。でもこうしたオブジェは観光地の入り口としては良いと思う。
さて閑散期より2両増結で9両編成の「ひだ6号」。下呂で乗客が入れ替わることを見通し、珍しく自由席に乗車。2/3程度の席が埋まっており、海外からの旅行者もいてインターナショナルな車内。
さて鵜沼から下呂までは普通列車で移動し、そこから特急に乗り換え「君の名は。」の駅に向かいます。
鵜沼発9:32の美濃太田行き3709Dに乗り、続いて美濃太田9:57発の4715C下呂行きに乗車(写真の左側の車両)。キハ25形のクロスシート車。ロングシートだったら風情に欠けるとか(勝手に)思っていたので、ホッとしたというのが本心です。
長良川鉄道は最近、乗っていないなあ。1月から『観光列車「ながら」×岐阜舞妓のおもてなしで極上旅』というイベント列車があるようで、興味はあるもののまだ予定が立たない。
下油井着10:35で発は10:50。ここで2本の列車と交換。まずは4712C(下呂発美濃太田行き)。10:38に到着。
山間(やまあい)の駅で普通列車同士が行違う風景も、キハ25形、75形と言った3扉車の時代が来るとはほんの数年前までは思いもしませんでした。
ちょっと暇になったので自撮り。
続いて「ひだ6号」(富山発名古屋行き)の登場。参考までに先発の4712Cは白川口で15分停車し、「ひだ6号」に道を譲ります。高山本線は駅の交換設備は勿論、信号所も廃止になってはおらず、それでも長時間停車があるというのは考え方によっては単線の典型と言えます。
それにしても列車番号の「****C」の「C」というのはまだ馴染めない。その内に慣れるとは思うけど…。
11月3日(金)文化の日は飛騨路の旅。
目指すは岐阜県飛騨市神岡名物の「レールマウンテンバイク ガッタンゴー!!」(Rail-MTB Gattan Go!!)。と言いつつそもそもこの日に岐阜県飛騨市神岡を目指すことになった理由は別にあり。それは後日に種明かし。でもそれがあったおかげでガッタンゴーに初めて乗ることが出来ました。
名古屋から特急「ひだ」でちゃちゃっと行くのも芸が無いと思い、また高山まで高速バスを使うには、3連休初日なので渋滞が怖く、まずは名鉄名古屋発8:31の普通電車で岩倉着8:52。
続いて8:55岩倉発の準急に乗車し。柏森で下車(9:06)。
回送電車を一本見送り。
下り線は島式ホームなのですが、北側の線路は折り返し専用で犬山方面には繋がっていません。
柏森9:13発の快速特急に乗車。新可児行き準急から新鵜沼行きへの乗り換えは犬山でも出来るのですが、同一ホームでの乗換えが便利ということであり、そこは電車内の案内放送の指示に従いました。
木曽川を渡れば終点の新鵜沼は目と鼻の先。(9:22着)