平成26年5月30日(金)のイベントはこうして終わり、次の目的地に移動です。
上毛電鉄西桐生駅からJR両毛線桐生駅へは徒歩5分。実はデハ101で西桐生駅にいた時、停車時間を利用して桐生駅のコインロッカーに大きな荷物は預けていました。(社長さん自ら案内して下さいました。一生の思い出です)
以前、駅や観光地にあるコインロッカーは少し大きなカバンだと入れることが出来ませんでしたが、キャリーバッグが広まってからだと思うのですが、ビッグサイズのコインロッカーが普及し、長旅の荷物を駅に置いて身軽に出歩けるようになりました。多分、間違いない。
ここからは16:34発211系各駅停車で小山駅を目指します。この日は仙台まで行きそこで泊まりとなるのですがここで翌日からの日程を紹介。
31日(土)は運行を再開した三陸鉄道北リアス線「お座敷列車/北三陸号」、南リアス線に乗車。そして6月1日はJR釜石線「SL銀河」に乗車です。
運転体験を終え、解散場所の「赤城駅」を目指します。
大胡15:33発はフェニックスレッドの3号車。赤城駅着は15:53でしたが、私はそのままこの電車で
西桐生を目指します。(理由はまた後日)
で、ここから午前中のデハ101同様、東武特急「りょうもう36号」とのデッドヒートが始まりました。何せ赤城駅発は両列車とも15:57の同時発。
最初の内は上毛電鉄700形が健闘していたのですが、それも束の間の出来事でした。例えは飛躍しますが私は山手線と京浜東北線の併走でも結構、胸がドキドキします。(久しぶりに筆が滑っています)それがこのシチュエーションともなれば言わずもがなの展開です。
そんななんやかやで西桐生には17:03に到着。改札を出て振り返れば高校生の大群が電車に飲み込まれていきました。
※この写真を撮る前はもっと学生が一杯いた!
※高校生の通学定期には補助金が出ているようで、更に鉄道会社としての努力もあって昨年度は前年に比べ乗客数が僅かだそうですが増えたそうです。
上毛電鉄社長の古澤和秋さんから修了証を頂き、この日の運転体験を終えました。
さて話は変わり、登録有形文化財が多い鉄道としては私の頭の中では天竜浜名湖鉄道・わたらせ渓谷鐵道が直ぐに思い出されますが、「鉄道」に乗ってもらう動機付けとしては、今ある資産の有効活用と言う面と、地元の人に見直されるチャンス作りの両面で素晴らしいアイデアだと思っています。(この写真は改札内から撮影)
その登録有形文化財・大胡駅は所謂「文化財」として見栄えが良いかと言うとそんな感じはしないのですが、創業時の姿を今に伝え、またこれからも希少な昭和を後世に残していくという意味合いは大きいと思います。
さて駅舎からホームに向かう構内踏切の所にベンチがあります。このベンチは「しあわせなベンチ」と名付けられているようで、捨てられる直前に拾われた命のようです。「わたしにすわって たいせつなひとと しゃしんを とってみてください。きっと しあわせな きもちになれますよ。」とありましたが、残念ながら私の大切な人は私と鉄活をともにすることはありませんので、せめて二人で座った気分でこの写真を撮りました。
そして駅のホームからは可愛い「ハートマーク」も見られます。冬にイルミネーションだそうですがこのように1年間、通しでここで見られます。気持ちがホッコリ優しくなりました。「Jomo Dentetsu」ラブ。
※大胡駅の駅名標の上にも“なにか”があります。メルヘンです。
今回の運転は片道およそ200メートル。
信号旗を持つ方のところで停止、発信を繰り返して進みます。
終点が見え始めました。
線路の上に車止めが置いてあるところの少し手前の係りの方のいるところが終点です。今運転している運転台がデハ、つまり電動車サイドで、付随車との運転感覚の違いを楽しむことが出来ます。
その終点で左側を見るとデハ101の模型があり、まるで私たちの運転を応援してくれているかのようでした。
クハのエンドから運転体験の線路を見るとはこんな感じ。
これ以上は皆さんのこれからのお楽しみのためにここでは触れませんが、運転は何度やっても「楽しい」というのが素直な私の感想です。ここ上毛電鉄の運転体験は8000円と値段が手頃なのと、片道の距離200メートルも程よい長さで、これでデハ101も運転できれば申し分ないのですが、流石にデハ101はプロでもその運転に習熟が必要とのことで、今の所叶わぬ夢となっています。
さて運転体験の順番が回ってきました。
いよいよジュエルピンクのデハ715+クハ715の運転です。
中には制服も用意されており、その制服の中でも奥に架かっているのは少しデザインが異なっており、それは女性用。そうっ!今回は女性の参加者がおられたので用意されていました。これまで幾多の運転体験に挑戦してきた私ですが、豊橋鉄道の運転体験以外で女性の参加者を見かけるのは初めての事でしたが、本職の女性運転士が多くなっている時代でもあり、鉄道趣味における女性の増加、裾野の広がりを実感しました。
さて私も制服で体を包みいよいよ出発進行!です。
(余談)家族からは「来年の年賀状用の写真だね」と言われました。自分で言うのも何ですが、「似合っています!」。
電車庫の中で修復中のデハ104に乗ることが出来ました。
網棚に「萌え~っ」と60代の鉄ちゃんが恥ずかしげもなく心の中で叫びました。(笑)
皆さんもこの機能美に惚れませんか?
ところでここでデハ100形のプチ情報。デハ101とデハ104では吊り掛け駆動の走行音が違うそうです。この話は、デハ101で西桐生を往復した時、その走行音の重厚感に聞きほれたのがきっかけで、上毛電鉄の方との雑談時に「デハ101は音が良いですね」と話しかけたら、「デハ104とは音が違うんですよ」と返ってきました。何とデハ101は貨物を牽くためにモーターを換装しているのだそうで、それゆえ「音鉄」の方に評判が良いそうです。もしデハ101に乗ることはあれば是非、その音に耳を傾けて下さい。私がこれまで聞いた吊り掛け音の中では間違いなくトップクラスです。それにしても何でも話しをしてみるものですね。
さてこちらは軌道自転車。車庫内に見学用に飾ってあるのではなく、ほんの数メートルですが実際に漕ぎました。これが意外と面白い!
本物の電車の運転体験だけではなくシミュレーターでも“運転体験”をしました。
画面は当然、上毛電鉄!実車に行きつくまでも飽きさせない工夫が一杯の運転体験会です。
電車庫の外にも線路が繋がっています。何のためにあるかは、車庫の見学会の時などに上毛電鉄の方に聞いてみてください。
※上毛電鉄では車庫の見学については常時受け付けているようです。興味のある方はこちらのHPを参照してください。
平成26年(2014年)5月30日(金)は思いで深い日になりました。
電車庫の700形第2編成で、記念すべき経験をしました。
それは打音検査。私がハンマーで叩いているのは台車のネジですが、これが4つあるうちの一つだけ緩めてあり、それを順番に叩いていくと一つだけ確かに音が違うのです。今回は素人でも分かるように大きくネジが緩めてありましたが、実際の(本職による)作業時には、微妙な音の差でほんの僅かなネジの緩みを発見するそうです。
こちらは動力を伝達していくベルトの造形美。登録有形文化財の「大胡電車庫」の建屋の中で、一番文化財“らしさ”を感じさせてくれる装置かもしれません。
UPにするとこんな感じ。パズルを解くような面白さもあり、如何にも『工場』という感じがします。昭和の時代、ありふれた景色だった気もします。
上毛電鉄の大胡電車庫の中に、小さいけれど思わぬお宝がある「記念資料館」があります。
中はこの写真×2ほどの広さです。ヘッドマークと言った「らしい」ものもあるのですが、ここの面白さは工具類が充実していること。何でもいいから展示しようという乗りかもしれませんが、私はこうした意外性は結構好きです。
そして上毛電鉄の方が特に丁寧に説明してくれたのがこの装置。私も初めて見ました。これが整流器。
整流器は交流で送られてきた電気を、鉄道用の直流に変換する装置で、直流電化された鉄道事業者にとっては必需品中の必需品です。ガラス製品?と言った感じで、その形が何とも怪しいのですが、これが本物の整流器だそうです。
正直言って、その仕組みはさっぱりわかりませんでしたが、この時代がかった機械に「いいね!」です。そうそうっ、今はこうした整流器は使っていないそうです。