2011年09月26日 18時04分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(9)絶景!

先回までの場所から車で少し奥に入り込み、そこから数分歩いた場所にある
「絶景撮影ポイント」に到着しました。

私がここを訪れた7月13日の水量は、ガイドさんの話しだと
例年より少ないそうで、今年は東日本大震災の影響からか、
水力発電を行っているのではないかと推察されていました。
(ということは、例年ならもっと橋が水没している?)

実際に撮影した感想としては、橋とダム湖の反対側の堰堤との間の
湖面の幅が少し狭いと思っていますが、もう少し時間をかけて場所を探れば
私好みの場所が見つかったのかもしれません。

まあ私一人の撮影行であれば、特に列車の様にシャッターを
押す時間が決まっている訳でもなく、しかも相手は動くわけではないので、
日の差し加減や雲の位置とかの拘りさえ私が持たなければ、
自分の足で高度を調整しながら撮影ポイントを探すのでしょうが、
ツアーと言うこともあり取りあえず『証拠写真』を撮影しました。
※実は、先回の場所もそうですが、撮影だけではなく
その場の雰囲気を楽しむ時間がそこそこあるツアーです。
以上は結果論として、自分が少々納得していないことに対しての言い訳です。

下段写真は、11あるアーチの一つを真正面から捉えてみました。
私はこの写真に湖面を揺らす風の流れを感じています。
皆さんは如何でしょうか?

2011年09月25日 18時01分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(8)朽ち果てていく「タウシュベツ橋梁」。

遠目では気付かないものの「タウシュベツ橋梁」は傷んでいます。

何故こうなっていくのでしょう?
勿論、長い間、手入れもされずにいることもありますが主には
この橋が水没することに原因があると聞きました。つまり水に浸されることが
無ければ、ここまで短期間(と言っても50年以上経っていますが)で
朽ち果てることは無いそうです。
コンクリート建造物の残念な特性だそうです。

このダムが「発電用」であることは前にも書いたとおりですが、
ここの水を使って『発電』するピークは冬なのでそうで、
そのため、5月くらいから水を溜め始め、冬を迎える頃には満水となり、
その後、徐々に発電のためにその水量が減って行き、翌年の4月頃には
ダム湖はスッカラカンになるそうです。

ということで、毎年5月に入ると徐々に橋が姿を消し始め、
8月中・下旬には全部水没!の可能性あり。
そして明けて1月からその姿を現し始め、4月には橋桁の一番下まで
見ることができるそうですが、橋として美しいのは当然の事ながら
「メガネ橋」を実感できる、ある程度「貯水」されている時期と
言うことになりそうです。
そんなこともあり、このシリーズ(4)で「タウシュベツ橋梁が水没」と
書いた理由が分かっていただけたでしょうか?

下段写真で「V」の字型にコンクリートが“壊れ”ているのが
確認できると思いますが、これは平成15年の「十勝沖地震」に
よるものだそうで、何せ発生したのが9月26日の既に
この「タウシュベツ橋梁」が水没した後だったため、地元では気を揉みつつ
「タウシュベツ橋梁」が湖面から顔を出すのを待っていたそうです。
そしてその姿を見た時、状況悪化が一気に進んでしまったことに
愕然としたそうです。

(注意)橋の上は危険なため立ち入り禁止です。

2011年09月24日 18時58分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(7)「タウシュベツ橋梁」の全貌。

いつもならこうした『記念写真』はあまり撮らないのですが、
「長靴」姿を残したくて同行のツアー参加者の方にとってもらいました。

この日は、天候の関係で、アーチ橋の存在感は実感できたものの
『メガネ橋』を実感とまでは残念ながらいきませんでした。

それでも下段写真でギリギリ「メガネ」っぽくはあるのですが
ここから少しずれるだけで、湖面に映る橋は全く見えず、
ちょっとした湖面を渡る風であったり、微妙なところで「メガネ」が
見えることはあまり多くは無さそうです。
ただ“早朝ツアー”に参加すれば見える確率は高いのだそうですが、
「糠平温泉」に宿泊していないとなかなか参加は難しそうですね。

それにしても単なる「コンクリート製」の橋に何故心惹かれるのでしょうか?
私にも正直、よく分かりません。でも何かが「良い」のです。
アーチの連続性がそう想起させるのでしょか?
ちょっと話しが飛びますが、スイスの世界遺産「レーティッシュ鉄道」や
オーストリアの「センメリング鉄道」のアーチ橋も私は大変美しい造形で
あると思っており、
勿論、素材の違いはありますが、その優美さは共通だというのが
偽らざる感想です。
※地元の上士幌町観光協会が発行している観光パンフレット
「大雪山国立公園かみしほろ」の表紙写真は下段写真とほぼ同位置で
撮影した綺麗な『メガネ』橋(風景を切り取ったサイズは異なります)です。
パンフレットをここで掲載しないという不親切なブログで恐縮です。

(余談)
この辺りは『黒曜石』の産地だそうで、このタウシュベツ橋梁近くでも
探せば見つかるそうです。高校生の時、歴史の授業で『石器』
(刃物として…だったかな?)として使われたと習ったと記憶があります。

2011年09月23日 18時56分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(6)遂に「タウシュベツ橋梁」に到着!

森を抜けると目の前にご覧の景色がいきなり広がりました。
写真で、川の上にかかる橋のように見えるのが「タウシュベツ橋梁」です。
このアングルでは、その何が素晴らしいのかは全く分かりませんが、
ともかく私の目に先ず飛び込んできたのがこの風景です。

この橋がかかるのは発電用のダム湖「糠平湖」(人造湖)で、
昭和30年に『湖』が出現しました。
ダムを作った電源開発株式会社のHPによれば、この「糠平湖」の水を
使って発電を行う「糠平発電所」は昭和31年1月17日から
運転開始となっていました。

『国鉄士幌線』の「糠平」~「十勝三股」間は、昭和14年に
開通したのですが、昭和30年8月にこの糠平湖を作るために
「清水谷」(「糠平」駅から2つ帯広よりの駅)~「糠平」~
「幌加」(「糠平」と「十勝三股」の間の駅)の間のルートが変更となり、
この「タウシュベツ橋梁」を通るルートが廃止されました。

つまり「糠平湖」が出来なければ、ここを昭和53年まで士幌線は
通っていた“はず”なのです。
※士幌線の廃止は昭和62年でしたが、その前に「糠平」~
「十勝三股」の間は、バス代行となっています。

2011年09月23日 8時07分

名鉄名古屋駅「新聞輸送」のある風景。

名古屋鉄道「名鉄名古屋」駅のとある土曜日の昼下がり
(午後1時半過ぎ)です。

ホームに「新聞(夕刊)」が積まれた台車が1台、取り残されたように
止まっていました。
私は電車待ちだった為、その後の作業を見ることなく
その場を去ってしまったのですが、また日を改めてちゃんとこの“風景”を
見届けたいを思いました。

私が小学生~中学生頃でしたでしょうか、平日の午後2時前後に
『新名古屋駅』を利用すると、“降車”側ホームには
「新聞」を積んだ台車があふれ、電車が到着するたびに慌しい光景が
繰り広げられていました。
今も同様かどうか確認していません(だからもう一度見たい!)が、
名鉄「新名古屋駅」特有のホーム形態のため各電車の停車時間は短く、
そんなこともあってか当時、車掌さんが降車側ドアスイッチを
「閉」にした後も、荷扱い(新聞の積み込みに使う)ドアを駅員さんが
力技(手)で開けたままの状態にし、積み終わると同時にその手を離し、
勢いよくドアが閉まっていました。
その光景は子供心にもその当時、「凄い!」と思っていたことを
思い出しました。

昭和の時代は他の鉄道会社でも「新聞輸送」は行われていた記憶が
あるのですが、今では自動車輸送に押され、きっと数えられるほどの
鉄道でしか残っていないでしょう。
今回はたまたまのタイミングでホームに取り残されたような“台車”が
気になりUPしてみました。

2011年09月22日 8時47分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(5)ヒグマ出没!注意。

車で先回の場所まで林道を走っているときにも“怪しい落し物”
(お察しください)が道路のそこここにありましたが、駐車場所から
タウシュベツ橋梁に向かう“遊歩道”の入り口には上段写真の
「ヒグマ出没!」の看板が・・・。

「この一体は、ヒグマの生息・多発地帯です。十二分にご注意して下さい」
とあり、『十分』ご注意ではなく、『十二分』にご注意は、
冗談であったり過剰表現ではなく、今回のガイドさんも実際にこの近くで
見かけたことがあるとのことでした。
また少し前に「上士幌町鉄道資料館」で“熊避け”の鈴を販売していると
書きましたが、ガイドさんも『鈴』を身に着け、軽やかな鈴の音を
響かせながらの道すがらで、音は“軽やか”でも、身の安全には
重い存在でした。
実際、上段写真の「注意して下さい」の下に、鋭利な刃物で
切り裂いたような『キズ』があり、それは熊の爪で出来たものだそうで、
ある種のマーキングだとその時に聞きました。
(写真では分からないでしょうが…)確かに人がドライバー等で
こじ開けたとは思えない不思議な感じでした。

そうして歩いたのが下の写真の歩道で、そこそこ整備はされていますが
歩きやすくはなく、倒木の間を縫って歩き、また所々泥濘(ぬかるみ)も
あり、足元に注意を払いながら一歩一歩、目的地に近づいていきました。

その目的地までもう少し。正面の木立の切れ目の先にそれはありました。

2011年09月21日 22時51分

名古屋レール・アーカイブスの所蔵資料展への来場御礼。

本日、「NPO法人名古屋レール・アーカイブス」の第4回所蔵資料展
「定点観測 市電が走った街並みは・・・いま 名古屋の電車風景」を
無事終えることができました。

このブログをご覧になっておいで頂いた方もおられ、この場を借りて
御礼申し上げます。

ところで今回の写真はその資料展で展示した写真ですが、
上段写真は、昭和45年に撮影された名古屋・上前津交差点です。
そして下段左側の写真は、今回の展示用に今年に入って撮影した
本来のものです。ところが・・・。

先週の土曜日(9月17日)、来場された方から『「三井住友銀行」の
後ろにあるビルは取り壊されて今は無いですよ』との指摘を受け、
当会の会員が確認に向かい、下段右側の写真を撮影し、会場に展示しました。
確かにビルは無くなっていました。何とも思いもかけぬ形で
今回のテーマ「定点観測」を実践することになってしまいました。

それはともかく今回の資料展用に撮影した「平成」の“風景”で、
「昭和」の“風景”と季節感を合わせているものは、早いもので昨年の秋に撮影したものもあり、実は“上前津交差点”以外にも『風景』が
想像以上に大きく変わっている場所もありました。

そんなこともありましたが、何とか資料展は終えることができました。
来年も開催を予定していますのでよろしくお願いします。

2011年09月21日 21時43分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(4)いざ「タウシュベツ橋梁へ!

今回、私が参加した「タウシュベツ橋梁見学ツアー」は
『旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー』と言い、
「NPOひがし大雪自然ガイドセンター」が主催しており、
この時の参加者は私を含め5名でした。

ツアーの開催期間(平成23年度)…4月29日~10月中旬。
時間…1)9:00~11:30
2)15:00~17:30(今回、私はこれに参加)
参加料金…一人3000円
※他のお客がいない場合は4000円でツアー催行。
※これとは別に早朝ツアー(朝5:30~7:00)あり。
但し、「タウシュベツ橋梁」が水没するまでの期間。

当初、私しか参加者がいないのでは?と思っていましたが、
他の方もいらっしゃってホッとしました。
ただ、このツアーは『旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー』であり、
私の今回の目的である「タウシュベツ橋梁」が見られるのは、
シーズン初めから8月中旬頃までだそうで「NPOひがし大雪自然
ガイドセンター」のHPで先日確認したところ、8月19日(今年)には
その橋は“水没”直前でした。その理由はまた後日。

ということで、写真に写っているのは「NPOひがし大雪自然ガイド
センター」のツアー車で、この場所からは徒歩で「タウシュベツ橋梁」を
目指します。
写真でツアー参加者が長靴に履き替えているのが確認できますでしょうか?
長靴は「NPOひがし大雪自然ガイドセンター」が貸してくれるのですが、
この必要性は、直ぐに分かることになります。

また、今いる場所に私たちが個人の車(レンタカーを含む)で入る場合は、
林野庁十勝西部森林管理署の『許可』と、この場所に至る道路の
ゲートの鍵を借りれば、来ることが可能だそうですが、様々な手間や安全を
考えれば、こうしたツアーで来るのが最善の方策と思いました。
※林道の鍵を開けて入山すると言うのは、今から20年以上前に、
北アルプス「槍ヶ岳」の山頂から中継した際、中継機材を登山道の
入り口まで林道で運んで以来の経験でした。
(趣味でも無いのに槍の穂先まで行っています。その時のスタッフは多分、
全員が私と同じ???)

2011年09月20日 18時35分

国鉄士幌線の思い出(3)「十勝三股」駅のスタンプ。

昭和52年2月23日の「十勝三股」駅のスタンプです。
国鉄の増収キャンペーンだった『DISCOVER JAPAN』の文字が
懐かしくもありますが、当時、キャンペーン開始から相当の時間が
経っていたこともあり、スタンプそのものが使いすぎから潰れて
しまっていたり、スタンプ台のインクが減ったりで、折角押しても
不鮮明なスタンプも少なくありませんでした。
そういった意味からここ「十勝三股」のスタンプは押す人の絶対数が
少なかったこともあるのでしょうが、綺麗に押すことが出来た駅の
部類に入ります。
(日付もハッキリ読み取れます)

また近隣の観光地として大雪山国立公園ニペソツ山の山容のイラストが
目を引きますが、「ニペソツ山」で検索すると相当な数の検索結果が
表示されるので、登山の対象となる山としては有名なようです。
ただこの「十勝三股」がその下車駅として利用されたかどうかまでは
私には調べきれていません。

ところで皆さんは急行「大平原」号をご存知でしょうか?
知っている人は今では少数派と思いますが、私の手元にある昭和42年の
交通公社時刻表(8月号)では掲載されています。
この列車は広尾線「広尾」と士幌線「糠平」を結ぶ夏季の臨時で、
支線と支線を結ぶ急行として、またその名前の“雄大さ”から話題を
呼んでいたと記憶しています。
因みに下り広尾発16:05、糠平着19:06
上り糠平発7:35、広尾着10:16で
時刻表ではいわゆる広尾線・士幌線のページにはその記載はなく、
「夏の季節列車」のページにあり、実は私はこの列車を時刻表で捜すのに
手間取りました。
(Wikipediaによれば昭和42年~昭和50年間まで運行、
昭和50年は広尾線内のみ)
もう一点、この列車は日高本線~国鉄バスと連絡となっており、
時刻表では、札幌~糠平間の通しで掲載されていました。

当時、その名前に惹かれ、一度は乗ってみたいと思いつつその願いは
結局叶いませんでした。士幌線の話しを書きつつ思い出したので…失礼。

2011年09月20日 8時00分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(3)旧士幌線は散歩道。

上士幌町鉄道資料館の奥には、旧士幌線の線路が残っています。

左の写真が旧「糠平駅」から「十勝三股」側で、右の写真が「帯広」側に
なります。
ここ「上士幌町鉄道資料館」を起点に、夏場(7月~8月の土・日・祝。
但し2011年度)には、「NPOひがし大雪アーチ橋友の会」により
『鉄道トロッコ試乗会』が行われており、この線路上を“足こぎトロッコ”で
走ることが出来ます。片道662メートルを一往復するもので、
所要時間は約20分とのこと。
風景も良いとのことで、子供向けのアトラクションなどとは思わず、
時間とタイミングが合えば体験してみたいと思いました。
(と言っても一人で乗るのは悲しいですが…)

また左側の写真の「十勝三股」側は、ここ「上士幌町鉄道資料館」を起点に
約8キロ先の「メトセップ」(地名と思われます)までの『北海道自然歩道
大雪の道』となっており、昭和30年(1955年)に作られた
3つのアーチ橋の上を歩くことも出来ます。“健康+鉄”が楽しめる場所は
他にはあまり無いでしょう…、等と書きながら私は歩いていません。
悪しからずご了承ください。
また、「上士幌町鉄道資料館」では“熊避け”の鈴も売っています。
これは“お土産”にもなりますが、どうやら北海道では『洒落』では
ないようです。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!