2011年08月19日 8時09分

東京の交通100年博(6)函館市企業局交通部「排雪4号車」。

都電6068号とともに展示されている函館市電の「ササラ電車」
(排雪4号車)です。
今シリーズ(2)でUPした旧東京市電「ヨヘロ1形」を改造したもので、
今回、この『東京の交通100年博』のために里帰りしたものです。

函館市企業局交通部のHPによれば、函館市がこの「ヨヘロ1形」を
購入したのは昭和9年で、昭和12年に『排雪車』として改造され、
冬の降雪時に市民の足を守るために活躍しています。
とはいうものの、近年は自動車による除雪作業が主のため、出動する機会は
減っているそうで、こうして間近に見る機会はあまり無いそうです。
で、私もササラ電車の「ササラ」と呼ばれる“ブラシ”を見るのは初めてで、
とても興味深いものでした。
(車内のモーター等も見ることができ、とても珍しいだけにこちらも
堪能しました)
それにしても「箱館ハイカラ號」でさえも誕生から100年以上
経っていますが、それよりも更に10年以上は古いであろうとされている電車が
“現役”というのは驚くばかりですが、それを又、こうして
「東京の交通の歴史」を知る機会に見ることが出来るのはとても幸せなことと
思いました。

ところでこの「排雪4号車」の台車の形式はブリル21E-1で、
「箱館ハイカラ號」(このブログでは2010年11月8日~UP)と同じ。
その他にも私は何か見落としている『見所』がありそうな気がしています。

9月10日(土)までの『東京の交通100年博』、
もしも東京に行く機会があればお勧めします。

2011年08月18日 18時17分

東京の交通100年博(5)都電6086号。

『東京の交通100年博』の目玉の一つに、この6086号の実物車両の
展示があります。
しかも、車両の右側にチラッと町並みが見えますが、昭和の時代を駆け抜けた
“都電”の雰囲気が味わえるようになっています。

実はこの町並み、来年1月21日(土)公開予定の
映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」の撮影の際に作られた
セットの一部で、「夕日町三丁目」の新聞屋さんや郵便局を始め様々な看板も
見られ、昭和39年という正に6000形が一番輝いていた頃を
髣髴させてくれます。

また下段写真の車内にも当時の吊り広告(再現?)がなされ、
私が『懐かしい』と言うには少々語弊がありますが、
それでも当時の雰囲気は十分に伝わってきます。

日本路面電車同好会の方の話しによればこの「6086号」は
都電荒川線で最後を迎え、その後個人のお宅に引き取られ
保存されていたそうですが、その後、東京都交通局に戻り、
荒川車庫で保存されてきたという歴史があるそうです。
また、車内吊りの広告は復元と推察されるものの、
車内の窓の上部分のものであったり、一部、現役当時のものがそのままに
なっているはずとのことでした。

「広告は時代を映す鏡」の一つであると私は思っていますが、
車内も車外もそんな気持ちで一つ一つの広告を見ていく楽しみがここには
ありました。

(宣伝)
映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」は中京テレビも製作に
参加しています。シリーズ3回目となるこの映画は、毎度「鉄道」が
大きな役割を果たしています。
(昨年の4月5日から映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の鉄道
への拘りをUPしています)
今回は“3D”で映画となっていますので、是非『昭和』の時代を
“立体”的に楽しんで頂ければ幸いです。

2011年08月18日 8時05分

東京の交通100年博(4)「myつりかわ展」の私のお気に入り。

「myつりかわ展」で私が一番面白いと思ったのがこれ!

東京都の大学生のアイデアによるもので、私は「“ここ起き”つり革」と
勝手に命名してみました。
つり革の握りの上の左半分には都電の「王子駅前」~「早稲田」間の
停留所名が書かれており、右半分には「ここで起こして下さい」と
書いてあります。
要は、寝ている人が目の前のつり革の“駅名”部分の自分が降りる停留所名に
スライダーを合わせ、立っている人に起こしてもらおうというアイデアですが、
起こす人もどの停留所で座れるかが分かると言うもので、
“入選”したのも納得です。

ただこれを長距離の乗客が多い路線で設置すると、立っている乗客同士での
争いが起きそうで、都電レベルが良さそうです。

因みにデザインの原画では「三ノ輪橋」~「早稲田」間になっており、
これは流石に細かすぎると言うことで多分、写真の形になったのであろうと
思っています。

ある日ある時、電車に乗ったら、そのつり革が全部違う形状だったら…、
何て考えると電車で立つのも楽しくなりそうですね。

グランプリ作品だけではなく、今回展示されている様々な“つり革”が
車両に登場して欲しいと思いました。

2011年08月17日 18時14分

東京の交通100年博(3)「myつりかわ展」が面白かった。

『東京の交通100年博』の一角で「myつりかわ展」が行われていました。
これは東京藝術大学と東京都交通局の産学連携プロジェクトの一環としての
イベントで、一般公募で1976点が全国から集まり、グランプリを含む
入賞7作品、入選29作品が実際にモックアップとして制作され、
この会場で展示されていました。

下段の写真はそのグランプリ作品で「袖口から出た手」が“つりかわ”となり、
このつり革を握る手が、まるで握手をしているかのように見えるのが
ポイントだそうです。 (神戸の会社員の方の作品です)

ところでこの「myつりかわ展」。展示会場に入った時はそれほどでも
無かったのですが、1点ずつ見ているうちに私はすっかり引き込まれ、
思いのほかこの会場にいてしまいました。
とにかく参加者の方たちのアイデアあふれる作品は、単にユニークな形状と
いうものもあれば、グランプリ作品のように作者のメッセージ(思い)を
感じるものもあったり様々で、『東京の交通100年博』だけではなく、
この「myつりかわ展」も一見の価値ありです。
(これが紹介したくて今回、このタイミングで『東京の交通100年博』を
UPすることにしました)

今回のグランプリ作品は、実際に車両に設置されるそうです。
個人的には是非、このつり革(都営交通100年の気持ちを込め)と
握手したいと思っています。

2011年08月17日 8時30分

東京の交通100年博(2)ヨヘロ1形モックアップ。

今回の『東京の交通100年博』の最大の目玉がこれと言っても
過言ではなかろう「東京市電ヨヘロ1形電車」のモックアップです。
この『東京の交通100年博』開催のために作られた実物大模型で、
中もご覧の通り“模型”とは思えないほど忠実に再現されています。

参考までに形式名の『ヨヘロ』とは、
●「ヨ」…四輪単車の「ヨ」。
●「ヘ」…べスチビュール付きの「ヘ」(濁点なし)
 ※べスチビュールの意味は、出来れば会場でご確認を。
  不親切ですいません…。
●「ロ」…車体改造を行った大正6年の「ロ」
だそうで、
 これらは車体の左側にある解説板から転載しました。

因みに、この「ヨヘロ1形」を改造した車両は今も現役で、
それが函館市電の除雪車“ササラ電車”で、今回その“ササラ電車”も
東京に里帰りし、屋外で展示されていました。

明治30年代に製造され、最盛期には206両が活躍した
「東京市電ヨヘロ1形電車」だそうですが、運転台のシンプルさを見るにつけ、
当時の技術水準からすれば、これが『最先端の技術を駆使』ということ
なのでしょうが、乗客を乗せて走って停まると言うことはこれで足りると
いう証(あかし)なのでしょう。

ところでこの『東京の交通100年博』で撮影&ブログUP可能な被写体は、
「東京市電ヨヘロ1形電車」と屋外展示プラス、関連の企画展示のみです。
ブログにUP出来ないのは致し方ないにしても、“公共交通”の歴史を
実感できる今回のイベントだけに、写真等の資料はともかく、
もう少し撮影可能な展示物が欲しかったと言うのは欲張りすぎでしょうか…?

2011年08月16日 18時09分

東京の交通100年博(1)江戸東京博物館。

東京は総武線「両国駅」下車、直ぐの所に『江戸東京博物館』があります。
場所としてはかの有名な大相撲の聖地「両国国技館」の隣と言った方が
通じやすいかも知れません。
ここは場所としての「江戸」~「東京」の歴史と文化に関わるものを
収集・保存・展示施設で、建物の巨大さもさることながら、その展示物等の
充実振りは建物の規模に決して負ける事は無いと聞いています。

その『江戸東京博物館』で、今年の7月14日から9月10日まで、
「都営交通100周年記念特別展 東京の交通100年博」が開催され、
多くの都民のみならず、全国の“乗り物”好きの方が来館されています。
ということで私も行ってまいりましたのでその報告を。
北海道の話しを連載中ですが、このまま行くとこの特別展が
終わりそうですので、そちらは少しお休みします。ご了承ください。

入場料は、大人1名1300円と「鉄道博物館」「リニア・鉄道館」に比べ、
少し高めかとは感じたものの、内容は充実しており、まあ許せる範囲で
あろうと個人的には思っています。

「都電・バス・地下鉄の“いま・むかし”」のサブタイトルが付けられた
この特別展ですが、そのかなりの部分は『都電』に割かれており、
路面電車がお好きな方には“是非モノ”の内容で、一方でバスマニアにとっても
外せないイベントであることは間違いありません。

2011年08月16日 8時09分

24時間テレビを前に、「杉ちゃん&鉄平」中京テレビに出演。

24時間テレビを前に、「杉ちゃん&鉄平」のお二人が中京テレビに
出演します。

8月19日(金)の「ラッキーブランチ!!」(10:53~11:30)が
その番組で生放送です。
司会のきくち教児さん、本田恵美アナウンサーとどんな「鉄」トークを
するのかと思うか、今から楽しみですが、お二人とも「鉄」系の
方ではないので、いささかの不安はあります…。

ところで「杉ちゃん&鉄平」と言えば、6月29日にCD「電クラ3 線路は続くよどこまでも」をリリースしたばかりで、
【リサイタルツアー2011 ~線路は続くよどこまでも~】が
「ラッキーブランチ!!」の放送翌日から金沢でスタートします。
●写真は、CDのジャケットです。

なお、名古屋でのコンサートは今月28日(日)ダイヤモンドホールです。
私は当日、出張のため名古屋におらず残念ながらの欠席です。
詳しい情報は「杉ちゃん&鉄平 OFFICIAL WEBSITE」まで。

このアルバム、今回も「鉄」楽の極みの内容となっています。
そして中川家礼二さん、南田裕介(ホリプロマネージャー)さん、
野月貴弘(Super Bell”z)さんと言った『鉄研』ゆかりの方々を始め、
東海ラジオの源石アナウンサーもゲストとして参加しており、
どの曲のどこでゲストの面々の声が聞こえるかを探るのも、
このアルバムの楽しみ方です。

で、金曜日の放送でどこまで紹介されるかは分かりませんが、
きっと楽しい内容になると思います。是非、ご覧下さい。

2011年08月15日 18時08分

今年の「24時間テレビ」の『鉄研』。

今年も24時間テレビの季節がやってきました。
ということで『芸能界鉄道研究会 鉄研』では、去年に続いて今年も
強力なイベントを用意し、募金へのご協力を呼びかけることになりました。

《『鉄研』トークショー》
●司会…尾原秀三(中京テレビ・アナウンサー)
●出演者…木村裕子・杉ちゃん&鉄平・南田裕介・三根孝彦(タックイン)

(会場1)
●中京テレビハウジングパークみなと
 *名古屋市港区港明1-10-17
 *地下鉄名港線「港区役所」駅から徒歩6分
●8月21日(日)14:00~14:30

(会場2)
●サンシャインサカエ(SUNSHINE STUDIO)
 *名古屋市中区錦3-24-4
 *地下鉄「栄」駅8番出口より直結
●8月21日(日)18:15~18:45

《杉ちゃん&鉄平/ライブステージ》
●会場…久屋大通公園
●8月21日(日)15:40~15:55

《木村裕子/ライブステージ》
●会場…サンシャインサカエ(SUNSHINE STUDIO)
●8月21日(日)17:45~18:00
 ※引き続いて『鉄研』トークショーを開催します。

お時間のある方も無い方も、是非、鉄研メンバーの熱い「鉄」魂に触れに
来てください。
一同、お待ちしております。

2011年08月15日 8時29分

国鉄池北線の思い出。(入場券から)

昭和52年の2月、私は就職を控え、働き始めたら「乗りつぶし」に
出かけるのが難しくなるであろうと考え、一番出かけることが困難そうな
北海道の鉄道の完乗を目指しました。
そして2月19日、「りくべつ鉄道」の前身というか
「北海道ちほく高原鉄道/ふるさと銀河線」の前身というか
国鉄時代の池北線に乗車しました。

この日の前日、小樽で乗車した423レ「からまつ」(小樽発釧路行き)は、
池田に6:49(定刻は6:19)に到着。乗り継ぎの池北線は
931D(池田発北見行き)、定刻から2分遅れの6:51に
出発しました。
(北見着は定刻の10:32でした)

池田駅では乗り継ぎの時間が無くなっていたため、写真も撮影しなければ
入場券も買えませんでした。
その後の931Dは、記憶の糸を手繰ると池田では
さほど混んでいなかったと思うのですが、1時間も乗ったころから混み始め、
それこそ「陸別」(8:51着)あたりは満席どころか立っている人もいて、
その先は通勤電車並みの混雑で、写真の入場券を買いに席を離れるのも
憚られたような覚えがあります。※931Dは単行だったと思います。
またこの日は冬の北海道には珍しく快晴で、天候は最高だったのですが、
それゆえ雪の反射がとにかくまぶしくほぼ全ての窓の日除けが下ろされ、
外の景色を楽しむことは許されませんでした。
もっとも外に広がる風景は白一色なのではありましたが…。
この日は土曜日だったのですが、何か沿線住民が北見に出かける
イベントでもあったのでしょうか?とにかくこれほど車内の記憶の
残っている路線は例外です。

(入場券の購入順)
*高島⇒本別⇒上利別⇒小利別⇒置戸⇒終着の北見。
因みに入場券はありませんが、「陸別」は「上利別」と
「小利別」の間です。
また「小利別」と「置戸」は隣合せの駅です。
これらの入場券は931Dが途中で対向の旅客列車と交換した
全駅分(置戸駅は除く)で、当時の列車の運転密度はさほどでは
無かったものの、長大路線ならではだったと今、思い返しています。

2011年08月14日 19時05分

りくべつ鉄道で運転体験(8)「陸別」駅の施設・車両たち。

「運転体験」の話しを終わったのですが、「りくべつ鉄道」で見られる施設と
車両について少し触れます。

写真は見ての通りの転車台で、一見綺麗で新しく見えますが、
実は国鉄網走線・池田~陸別間開業前の明治42年(1909年)に
設置されたもので、北海道に現存する転車台では最古のものだそうです。
ところが老朽化が進んだため、平成21年度に修復され、
今では“現役”当時とまでは言えないでしょうが、美しい姿を私たちに
見せています。

この他、車両ではCR70・75型が全部で6両、また保線作業車や
除雪モーターカーもあり、駅構内を『散歩』するのも楽しい時間です。
「運転体験」で走る線路の確認も含め、1時間ほどが『あっ』という間に
過ぎていきました。

また「りくべつ鉄道」の今後の楽しみですが、
既にご存知の方もいるかとは思いますが、7月24日(日)に、
今回のシリーズ(3)でUPした下段写真のフェンスの奥の線路を、
列車が走りました。(体験乗車の方も多数いたようです)
1.6キロの区間だそうですが、この話しを『指導運転士』さんから聞いた時
いつかは“2キロ”を越える運転体験が可能となることを不埒にも
願っていました。
(でも、陸別地区の『観光の超目玉』になる可能性はありますよね)
一方で、線路の保守は大変であろうとも察しています。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!