2011年01月09日 18時00分

ZIGZAG RAILWAY(3)Bottom Points駅。

「ジグザグレイルウェイ」の
「Bottom Points(ボトム・ポインツ)」駅です。
停車中の気動車は前が「2006」、後ろは「2051」。
「2006」は約50年前の昭和35年頃の製造で
日本の特急用で言えばキハ80系と同世代であり、
一般型であればキハ10系ほど古くはなく、
キハ20系と同時期の製造です。
急行用ならキハ55系の全盛期と言えば分かりやすいかな?
ただここまでスタイリッシュなステンレス車体は
日本ではお目にかかることもなく、そのデザインは
ロカビリーが流行った1950年代のアメリカ
(「’50」=フィフティーズと言われている)を
象徴する“流線形”の流れを感じ、
それがよりオールドタイマーの雰囲気を醸し出し、
『乗る』楽しみを私に期待させてくれました。

さて、保存鉄道「ジグザグレイルウェイ」は、
ここ「ボトムポインツ駅」と「Clarence(クラレンス)駅」を
結んでいます。
私のように“鉄道”で訪れると「ボトムポインツ」が
出発点となりますが、
大多数の“車”で訪れる方には「クラレンス」が
出発点となります。
まあ、どちらを出発点にしても『楽しむ』内容に
大きな差はありません。

この鉄道は、1860年代(明治維新の頃)に作られ、
1910年(明治43年)まで使用された路線を
保存しているものです。
「ジグザグ」の名前の通り、スイッチバックがあったため
やはり交通のネックとなるのは致し方なく、
今から100年も前に、早々とトンネルで一気に通り抜ける
新線に付け替えられ、そのまま廃線となったのですが
1975年(昭和50年)に再び列車が走り始めました。
※今朝書いた「10のトンネル」が“100年前の新線”。

ところでこの駅、「ボトムポインツ」の名前ですが
列車に乗ると「ボトム」というのは確かに「ボトム」だと
納得することになります。
この写真を撮影している段階ではまだ分かっていませんが…。

2011年01月09日 9時00分

ZIGZAG RAILWAY(2)「ジグザグ」駅到着。

シドニー・セントラル駅から2時間39分の11時03分、
『ジグザグレイルウェイ』のある『ジグザグ』駅に到着。
4両編成の電車から降りたのは私一人でした。

この駅の周囲に民家は見当たらず、
『ジグザグレイルウェイ』のためにある駅と言っても
過言ではない!というより“専用駅”そのものでした。

さて電車はダブルデッカーで、私は2階席に座り、
「ゆったりと短い鉄道の旅を楽しみました」と
乗車前は書くつもりだったのですが、
この線はこのブログで12月4日からUPした
世界遺産「ブルーマウンテンズ」への足でもあり
下車駅の「Katoomba(カトゥーンバ)」着10:19までは
立つ人はいなかったものの思いの他乗客は多く、
『ローカル」』線の旅とまではいきませんでした。
そうそう、“親切なオーストラリア人”というのは
本当にどこにでもいて、この車内でも一人旅の日本人の
中年オヤジが珍しいのか話しかけられ、
「ジグザグレイルウェイは面白い」と言いながら
「10のトンネルを通るとジグザグ」等と目的地の情報を
教えてもらった上に、周辺の地図を頂きました。(多謝)

この線、そう言えば書き忘れていましたが
「Blue Mountains Line(ブルーマウンテンズ線)」といい
例えるなら東京の近郊電車と言ったところでしょうか?
東京からの東海道線なら横浜までの「国電区間」
(古い表現をお許し下さい)は“快速”で突っ走り、
そこから先は折り返し列車のある駅を通り、
段々運転本数が減っていく・・・。
ブルーマウンテンズ線もそんな線で、
シドニーを出る時は15分~60分間隔ですが、
電車の終点である「リスゴー」まで直通するのは
日中ですと2時間に1本しかありませんでした。

2011年01月08日 22時56分

ZIGZAG RAILWAY(1)「ジグザグ」って日本語それとも?

平成22年9月17日(金)、
シドニー・セントラル駅発8:24の
「Lithgow(リスゴー)」行きです。
この日の目的地は「ZINGZAG RAILWAY」と言う名の保存鉄道。
(直訳すれば「ジグザグ鉄道」)

ところで話しは鉄道から全く離れますが
一体どれくらい前のヒット曲かは忘れましたが
「若い」という字が「苦しい」という字に似ているという歌を
アン・真理子さんが歌っていました。
※曲名が思い出せません。30年以上前だと思うのだが…。

話しを戻して「ZIGZAG」です。
『ジグザグ』が英語であるとは今回、この鉄道を訪ねようと
思い始めるまで全く知りませんでした。
考えてみれば「ジグザグ」という言葉を「じぐざぐ」と
平仮名で書かれているのを見たことが無い訳で、
よくよく考えれば日本語のはずがないんですね。

前述の「歌」がらみに戻りますが
『「Z」という字は「スイッチバックの線形」に似てるわ』
などと、50歳以上にしか分からない替え歌で本日は恐縮ですが
ここまで書いて、あまりに強引過ぎて“駄洒落”にもならず
自分嫌悪に陥ったところで明日に続く。

2011年01月08日 8時06分

シドニー・モノレール(3)建物の中に駅が。

シドニー・モノレール「City Centre(シティーセンター)」駅は
建物の中にあります。

モノレールの駅が高架なのは殆ど常識の世界ではありますが
さすがにこれは珍しい風景ですね。

またモノレールが走るのは、基本道路の上ですが
目線の位置が高いだけに見晴らしは良く、
「どこかに行く」という目的が無くとも
『ただ乗っている』だけでも楽しいです。
というか、是非一周してほしいです。

ダーリングハーバーを横切る時は車窓から
左右に行き交う船を眺め、
チャイナタウンから都心部にかけては
人や車の動きを楽しんだり、
目の前に迫ってくる建物の迫力に「おおッ」と思い、
そして時には建物を通ったりと、
一時たりとも目が離せず、
しかも飽きることはありませんでした。

日本の各地にあるモノレールよりも小型の車両で
写真のように高架といっても“高すぎない”のが
ここの良さだと実感しました。

ただ一点だけ注意があります。
もしもシドニーでモノレールに乗るならば
写真のような全面広告の車両は避けたほうが良いでしょう。
何故なら、車内から外が見えないことは無いものの
楽しむことも、まして写真を撮影することは
はっきり言って“難しい”です。
5分間(運が悪いと更にもう5分)待って次のモノレールに
乗りましょう。

2011年01月07日 18時26分

シドニー・モノレール(2)トークン

モノレールには写真の「トークン」を購入し乗車します。
※トークン⇒乗車券代わりのコイン。
●1乗車A$4.8(1A$80円換算で380円強)。

基本、自動券売機(という言葉は似合いませんが…)での
購入ですが、各駅には駅員さんが常駐しており、
小銭が無い場合でも、日本の様に硬貨への『両替』ではなく、
そのまま窓口で発券してくれます。
*自動改札が「トークン」専用のため、
 窓口でも「トークン」を渡されます。

「TNT DARLING HARBOUR MONORAIL 1988」の文字と
走行中の「モノレール」の図柄の刻印が見て取れますが、
多分、開業時から使っているのでしょうね。
私は乗車の際、決して安くは無かったこともあり、
乗車とは別の記念での購入は止めましたが、
観光地の『記念コイン』の雰囲気がバリバリで、
今は、「買っておけば良かった」と少々後悔しています。
●自作でキーホルダーにしても良かったカナ?と思っています。

さて、この運賃が高いか安いかですが、
まず言えるのは、気軽に乗れる料金でないことだけは確かです。
しかし、乗客の大多数を占めるのは観光客で、
地元の人が移動の手段として利用するシーンは
殆ど見かけませんでした。
そう考えればこの運賃、
遊園地の“ライド・アトラクション”程度とも言え、
それプラス主な観光地を繋いでいる利便性を考えれば、
重宝に使えることは間違いなく、
まあ『そんなもんかな』という気がしないでもないです。

2011年01月07日 9時05分

シドニー・モノレール(1)遊園地感覚の公共交通機関。

シドニーの街の中心地を走る「シドニー・メトロ・モノレール」。『ライトレール』と同じく「Metro Transport Sydney」の所有で
一般的には「シドニー・モノレール」と呼ばれています。

何となくと言っては失礼かも?ですが、
名古屋の東山動物園にある「スカイビュートレイン」を
スケールアップして、公共交通機関レベルまで
引き上げた感じと言ったら分かって頂けますでしょうか?
デザインも似ていますし、各車両間で通り抜けが出来ないのも
同じですね。
また1両の車体長が短いという共通点もあります。
何より、走っている姿を直(じか)に見ると驚くほど
オーバーラップします。
兎にも角にも“可愛らしさ”全開!
遊園地のアトラクション的な“乗り物”です。

一方、大きな違いは『シドニーモノレール』が7両編成で、
「スカイビュートレイン」は確か5両(?)編成ということ位。
(私は、どうしても“似ている”と結論付けたいらしい)

(シドニー・モノレールの概要)
●開業…1988年(昭和63年)
●路線長…3.6キロ(環状線)
●駅の数…7駅
●一周に要する時間…15分
●運転日…クリスマスを除く毎日
     ※クリスマスに休業するのがオーストラリアらしい。
●運転時間…月~金:午前7時~午後10時
      土~日:午前8時~午後10時
●運転間隔…5分毎
●運行…単線の一方通行。
    名古屋風(名城線)に言えば左回り(反時計回り)。
●年間乗降客数…約400万人

2011年01月06日 17時49分

シドニー・ライトレール(6)ウェントワース・パーク。

ライトレールの最初の開業時の終点、
「Wentworth Park(ウェントワース・パーク)」です。

どこか専用線区間で、なおかつ「順光」で一枚くらい
写真を撮りたいと思い、途中下車しました。
●2010年9月18日(土)12時半頃。
こういう時、「1日乗車券」は便利ですね。
●ここで降りた時、2000年まで終点だったことは
全く知らず、偶然の産物でした。

それはさておき、『降りたのは良いのだが…』という状況で
考えてみれば当たり前だったのですが
この停留所からリリーフィールド方面は高架の専用線で、
一方、セントラル方面は直ぐにトンネル。
停留所エリアから外へ少し様子見がてら出てはみたものの
線路を見上げることしかできず、写真撮影は難しいと判断し、
ホームで数枚撮って切りあげました。

この後、お隣の「Fish Market(フィッシュマーケット)」まで
チョイ乗りし、昼食を取って私の「ライトレール乗りつぶし」は
終了しました。
●「フィッシュマーケット」は、規模と雰囲気は異なりますが
日本で言えば「築地」が比較的近いイメージと思われます。
『魚の卸(という表現が当たっているかどうか別にして)市場』に
隣り合わせで「魚料理」の店が軒を並べ
地元のシドニー市民+世界中から来た観光客で大賑わい。
シドニーに行き、ライトレールを堪能するなら
外せないスポットです。
※『ライトレール』の利用客も多く見受けられました。
どこを走るかのルート選定が、如何に重要であるかを
改めて認識した次第です。

(遅まきながら初夢)
東海道本線貨物支線(南方貨物線)がLRTとして日の目を見、
それを中心に、東臨港線の貨物とLRTの兼用化も含め
名古屋南部に一大LRT網が整備され、環境都市“名古屋”が
世界中から注目される。なんちゃってね。

2011年01月06日 9時00分

シドニー・ライトレール(5)リリーフィールド。

トラムの終点、リリーフィールド停留所です。
写真は、車止めの方からトラムを撮影しています。

小高い丘の中腹にこの停留所がある感じで、
トラムを降りると、階段かエレベーターで地上レベルに
出ることになります。

はっきり言って住宅街は広がっていますが
お店の一軒もありませんでした。
一方、左側は更に低い場所になっており、
実は、今は使われていない“風”の貨物駅が広がっていました。

ところでこのリリーフィールドは、
このまま延長できる構造になっています。
どうやら延長計画があることは間違いなさそうです。

これが日本であり、そして「新線が開通」したら
例え延長区間が100メートルであっても
出かけていく(乗りに行く)のが私流の“乗り鉄”ですが
流石にシドニーまで来る訳にはいかないので
もし、この線が延長開業したら、「トラム」の明るい将来に
日本の地で、きっと一人で祝杯でもあげるのでしょう。

2011年01月05日 18時08分

シドニー・ライトレール(4)全線が新線では無かった?。

シドニーの街からトラムが消えたのは1961年(昭和35年)。
昨年の11月末から12月にかけてUPした
「SYDNEY TRAMWAY MUSEUM」(シドニー路面電車博物館)の
「VISIT SOUVENIR」という冊子によれば、
1922年(大正11年)には、290キロのネットワークが
出来あがっていたということで驚くばかりです。

ところで今回、ライトレールに乗っていて、
どうやら併用軌道の区間は、きっと20世紀には
ここをトラムが走っていたのだろうと思いつつも
専用軌道の区間に入り「あれっ」と思うことの連続。
最初に気付いたのは、トンネルがトラムには不釣合いなほど
“立派”でなおかつ“時代ががっていた”こと。
そしてこの高架橋。(他にもありますが…)
若干分かりにくいのですが、まず左の壁が「レンガ」?。
その先の橋にあたる部分が、やはりレンガ積みのアーチ式。
そうなんです。やたら古めかしいのです。
私はこのトラムについて、何の情報も無く出かけてしまった
(乗ってしまった)ので、専用区間の乗車中は
目が泳いでいました。
※「子供みたい」と思いつつも先頭に乗っていて気付きました。
 まあ、「乗り鉄」は「乗るのが目的」ということでご容赦を。

名古屋に戻り、英語版「Wikipedia」をチェック。
正直言って、「Wikipedia」の情報だけで
ここに書くのは相当に気が引けるのですが
敢えて引用させてもらいます。

やはり専用線の区間は「貨物鉄道」の廃線跡を
再活用しているようでした。
成程納得なのですが、ヨーロッパではこうした事例が
あることは知っていましたが、
さすがにここシドニーにも正にこのパターンがあるとは・・・。
※「Wikipedia」に「Goods Railway」の記述があり、
最初は何のことかわかりませんでしたが
「goods」の和訳の問題で、最初は『路線状況が良い鉄道』かと
思いきや、どうやら「貨物鉄道」の意味のようでした。

2011年01月05日 8時02分

シドニー・ライトレール(3)車内。

5両連接車の車内は明るく広々しています。
このゆったりとした横幅は、トラムの域を超えています。

さて運賃ですが、ゾーン制となっており
1ゾーン=A$(オーストラリアドル)3.4。
※1A$=80円として270円位。
2ゾーン=A$4.4。(2ゾーンまで)
これが往復だと1ゾーン=A$4.8、2ゾーン=A$5.9と
劇的に安くなります。
私は「Day Pass」という“1日乗車券”を使ったのですが
『A$9』と3回の乗車で元が取れるほどで
とても“お得”と感じました。
ただ、“1日乗車券”と言ってもぱっと見“只のレシート”で
正直、無くさないようにするのに気を使いました。

それはさておき、
たまたまなのか、何時もなのかは定かではありませんが
車掌さんがいつも乗務しており、私は車掌さんから
切符を購入しました。
写真は終点のリリーフィールドで撮影したので
他の乗客が写っていませんが、
このトラムを利用する観光客は世界中から来ており
私が車内で会話した女性3人組は韓国の方で
私以外にも日本人はいましたし、中国人も多く、
あと、会話している言語が特定できない方もいて
その殆どの方が乗車券を車内で購入するだけに
車掌さんは本当に忙しそうでした。

ところでこのトラムの運転士さん・車掌さんは女性も多く
(写真中央の後ろ姿の方は車掌さん)
かつオーストラリア人らしくフレンドリーで、
車内写真を撮っていたら、女性運転士さんから話しかけられ、
「どこから来たか?」「トラムは好きか?」などと聞かれ
「日本の名古屋から来た市電好き」と答えたら
思いのほか喜んでくれ、実はその後、2回にわたって
その運転士さんの運転するトラムに乗り、
何度も挨拶をして別れました。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!