2011年09月05日 13時42分
東北の取材 ~石巻の避難所で感じたこと~
宮城県石巻市では今も多くの方が避難所生活を余儀なくされています。
ご主人と一緒に避難所にいらっしゃるこちらの女性は快く取材を受けてくださいました。
「今日、写真が出てきたの。」
嬉しそうに手に持っていらっしゃったのは
津波に巻き込まれ、瓦礫の中から見つかったアルバムでした。
震災発生から半年近く、この日ようやく見つかったんです。
汚れが酷くプリントが剥げてしまっているものも沢山ありました。
それでも、一枚一枚見ていくと、結婚記念日に撮影されたお写真が。
「あーっ!これこれ。」
写真には花束を手に持ったこちらの女性とご主人の笑顔。
「50歳ぐらいのころかな~。花束買ってきてくれたのよ。」
笑顔で写真を見つめていました。
私は6月に写真を綺麗にするボランティアに参加しましたが、
この方の笑顔を見て少し意義を実感できたような気持ちになりました。
こちらの女性は津波で何人も流される方を目撃し、
ご主人ともしばらく連絡が取れず、恐怖と戦いながらの日々だったそうです。
そして、今なお続く避難所生活。
時折、写真を見て声を詰まらせながらも、色々なお話を聞かせて頂きました。
そして話は尽きず、夕食の時間になって失礼しました。
避難所では、取材することが迷惑になることも多々あると思います。
ただ、一方でお話を聞いて欲しいという方もいらっしゃるんですね。
継続的な「心」の支援の大切さに気づかされた取材でした。