2008年09月05日 23時21分
農村の活性化の方法は・・・
農業の問題はとても複雑で、正直難しいです。
今日、放送したテーマは「耕作放棄地」
一年以上耕作をしておらず、今後も予定のない水田のことです。
岐阜県揖斐川町の坂内地区は
山の斜面に沿って棚田が並ぶ綺麗な場所。
取材で訪れたのですが、
帰りたくなくなるような気持ちになるところでした。
緑は綺麗で、空気も美味しい。
人々は優しくて、温かいです。
でも、少し山奥に入ると
背丈ほどもある草木が生い茂っている場所がいくつもありました。
これが耕作放棄地なんです。
清水稔さんは所有する田んぼの半分以上が耕作放棄地。
80歳になり、体力的にも厳しくなってきたこと、
後継者がいないことが理由で
この場所を耕作をするのを8年ほど前にやめてしまいました。
今日のリアルタイムでもご紹介しましたが、
お米から得られる収入は非常に少ないのですね。
清水さんに聞いてみました。
「息子さんに継いでほしいという思いはありますか?」
「もうないよ。可愛そうで、継がせられない。」
いかに厳しいかが伝わる言葉でした。
農業を活性化させるために、農村を観光地化する方法があります。
例えば、体験教室を開いたり、
農家を宿泊施設にしたり、
地域の特性を生かした商品を販売したりするものです。
実際に長野のある農村では、
小学生が修学旅行で泊まりに行くそうです。
伊賀のモクモク手作りファームは、
レストランや温泉施設、体験教室などを展開しています。
私も良く飲むゆずドリンクを販売している
高知県の馬路村は独自の商品流通の方法で成功したそうです。
では、揖斐川町の坂内地区では何が出来るのか・・・。
私が取材に訪れた時には
既に耕作放棄地を有効利用するための活動も始まっていました。
実バラを作るというものです。
是非、次の機会には取材してみたいと思います。
清水さんは、暑い中、快く取材に応じてくださり、
本当はあまり見せたくなかったと思うのですが、
耕作放棄地にも案内してくださいました。
そして、こんなことを話していらっしゃいました。
「今でもここに来ると落ち着く。
時々は訪れて、余分な草を刈るんだ・・・。」
先祖代々守ってきた田んぼへの思いです。