2020年08月01日 10時00分
「コロナ禍」切り裂く拳と会長の夢
久々にボクシングを観戦しました。7月26日(日)、刈谷あいおいホールで行われた興行は、国内で観客を入れて行われた久々の試合とあって、厳重な新型コロナウイルス対策が随所に見られました。
入場者は収容人員の三分の一に絞り「密」を避けた席の配置。リングサイドの本部席に座る関係者はビニールポンチョ着用。リングアナウンサーはリングに上がらずに選手をコール。国歌斉唱は飛沫感染防止のため「起立せず心の中で歌ってください」。
そんな中で行われた日本ライトフライ級タイトルマッチ王座決定戦。名古屋の緑ボクシングジム所属の矢吹正道(やぶきまさみち)選手が自慢の強打で佐藤剛(さとうつよし)選手(角海老宝石ボクシングジム)から1ラウンドに2度のダウンを奪いKO勝ち。見事、日本チャンピオンになりました。
緑ジムにとっては後に世界王者になった飯田覚士(いいださとし)さん以来、26年ぶりの日本王者の誕生です。飯田さんが日本タイトルを獲った試合は私が実況しました。中京テレビが初めて自社制作したボクシング中継だったのです。
3年後、飯田さんは世界王者に上り詰め、その後、戸髙秀樹(とだかひでき)さんも緑ジムから世界を制しました。二人の世界王者を育てた松尾敏郎(まつおとしろう)会長(左)は「矢吹は飯田・戸髙以上の逸材」と久々に世界を狙う選手が出てきたことに手ごたえを感じています。
松尾会長は去年、大病を患いましたが克服して現場復帰。72歳の今も選手に寄り添い夢を追う姿は変わりません。矢吹選手の強打が大舞台で炸裂する瞬間はいつ来るのか?
8月2日(日)午後4時55分からの「スポーツスタジアム☆魂」ではこの日の試合の模様を交え、矢吹選手の魅力を紹介します。